2型糖尿病と発がんリスクはγδT細胞を介する経路もあるらしい
Vγ9Vδ2 T cell activation by strongly agonistic nucleotidic phosphoantigens - PubMed (nih.gov)
で、今回のさらなる報告
ブドウ糖コントロールまたはメトホルミン処理による代謝リプログラミングは、代謝異常を逆転させ、高血糖によって誘導されるγδ-T細胞の抗腫瘍活性を回復させることができることが示された。結果は、糖尿病の免疫障害を逆転させる標的としてのグルコース代謝経路を強調し、グルコースコントロールまたはメトホルミン治療による代謝リプログラミングがγδ-T細胞の抗腫瘍活性を改善して糖尿病の癌の発症を予防する可能性があることを示唆
Glucose metabolism controls human γδ T-cell-mediated tumor immunosurveillance in diabetes
Xiaofeng Mu, et al.
Cellular & Molecular Immunology volume 19, pages944–956 (2022)
2型糖尿病(T2DM)患者は、癌のリスクが高い。グルコース代謝がγδT細胞に及ぼす影響や腫瘍監視への影響は不明なままである。ここでは、高グルコースがVγ9Vδ2 T細胞にワールブルグ効果型の生体エネルギープロファイルを誘導し、乳酸の過剰蓄積をもたらし、さらにAMPK活性化を抑制してVγ9Vδ2 T細胞-腫瘍シナプスへの細胞溶解装置のトラフィックを障害して溶解顆粒分泌を阻害し、in vitro、in vivoおよび患者での抗腫瘍活性を喪失させることが示された。
驚くべきことに、グルコースコントロールやメトホルミン治療によってAMPK経路を活性化すると、代謝異常が回復し、Vγ9Vδ2 T細胞の抗腫瘍活性が回復した。
これらの結果は、糖代謝異常によって引き起こされるVγ9Vδ2 T細胞の抗腫瘍活性の低下がT2DM患者のがんリスク上昇に寄与している可能性を示唆し、メトホルミンでAMPK経路を標的とする代謝リプログラミングが腫瘍免疫監視を改善する可能性があることを示している。
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