CT上気腫画像診断の程度についてACEiやARBの役割が検討されている
Angiotensin-Converting Inhibitors and Angiotensin II Receptor Blockers and Longitudinal Change in Percent Emphysema on Computed Tomography. The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis Lung Study
Megha A. Parikh ,et al.
Annals of the American Thoracic Society Volume 14, Issue 5
https://doi.org/10.1513/AnnalsATS.201604-317OC PubMed: 28207279
https://www.atsjournals.org/doi/10.1513/AnnalsATS.201604-317OC
マウスモデルでは、トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)のシグナルが変化すると、細胞外マトリックスの構造が変化して空域が拡大し、肺胞化が阻害されることが示されている(12、13)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、レニン・アンジオテンシン系を阻害することでTGF-βシグナルに拮抗する(14, 15)。アンジオテンシン受容体をより完全に遮断すると、TGF-βの発現がより低下する(16)ことから、これらの薬剤の投与量の重要性が強調されている。マウスモデルにARBを投与すると、TGF-βの発現が減少し、肺気腫が回復する(17)。また、ACE阻害剤やARBは、動物実験(20)やヒトの研究(21)で肺気腫の病因に関与している内皮機能を改善する(18, 19)。
こういうことから、肺気腫進展や肺機能低下につながる状態がARB、ACEiで進行抑制する可能性がある