2013年10月7日月曜日

【肺機能・スパイロメトリ】FEV3/FVCは、肺過膨張・エアトラッピング・拡散能の優れた早期指標

FEV3/FVC比をルーチンに検査することを推奨
容易に、肺の過膨張、air-trapping、拡散能低下の早期指標となり得ることを示唆

正常値表は、NHANES III 採用

An Isolated Reduction of the FEV3/FVC Ratio Is an Indicator of Mild Lung Injury
Zachary Q.  et. al.
Chest. 2013;144(4):1117-1123. doi:10.1378/chest.12-2816

ATS/ERSでは、FEV3/FVC比はほとんど議論されてない。
13,302名検討、肺容量検査・拡散能検査。
1) 正常FEV1/FVCとFEV3/FVC n=7937
2) FEV3/FVCのみ異常 n=840
3)FEV1/FVC減少 n=4525

正常FEV1/FVC比・正常FEV3/FVC比に比べ、FEV3/FVC減少患者のみ、TLC%予測比平均  (99.1% vs 97.1%, P < .001)、残気量 (RV)平均 (109.4% vs 102.3%, P < .001)、RV/TLC比 平均(110.1% vs 105.4%, P < .001)いずれも高値

さらに、FEV1%予測比平均低く (82.6% vs 90.2%, P < .001)、 吸気能平均低く (94.5% vs 98.2%, P < .001)、拡散能 (Dlco)平均低い (78.3% vs 81.9%, P < .001)

平均BMIはより低値  (30.8 vs 31.5, P < .005)、 高齢 (61.2 vs 57.2, P < .001)、男性に多い(52.0% vs 40.4%, P < .001)が、人種差無し

FEV1/FVC減少群と比べ、FEV3/FVC減少群では、以前測定項目では同様だが、違いは存在する。平均年齢、性別では差を認めず


気道閉塞指標 2007年 06月 26日

筋注2価ノロウィルスGI.1/GII.4ワクチンの効果

ウィルス暴露実験による直接比較研究


"An intramuscular bivalent norovirus GI.1/GII.4 virus like particle vaccine protects against vomiting and diarrhea in an experimental human GII.4 oral challenge study"
Bernstein DI, et al.
IDWeek 2013; Abstract LB-2.
https://idsa.confex.com/idsa/2013/webprogram/Paper43007.html


ランダム化二重盲験プラシーボ対照多施設トライアル
bivalent NoV G1.1/GII.4 VLP vaccine + Monophosphoryl Lipid A アジュバント(MPL, GlaxoSmithKline)

ワクチン・トライアル 109 (vaccine N=56), placebo N=53).
per protocol (ワクチン 50、 プラシーボ 48)
暴露対象 56.1%でウィルス感染(by NoV RT-PCR positive stool)
<症状>
嘔吐 and/or下痢 ワクチン 0.0% vs プラシーボ  n=4(8.3%) (0.0% vaccine vs 8.3% placebo, 100% reduction, p=0.054)

中等度・重度下痢はワクチン接種で少ない 6.0% vs 18.8% placebo, 68.0% reduction, p=0.068)

重症度不問の嘔吐 and/or 下痢はワクチン群で減少 (20.0% vaccine vs 41.7% placebo, 52.0% reduction, p=0.028)

ワクチン接種者は、ウィルス暴露10日めでノロウィルス排出少ない  (22.4% vs 36.2% placebo, 38.1% reduction p=0.179).

プライマリ複合エンドポイント(胃腸炎全病型、2つの解析試料のいずれかにノロウィルス確認)は、疾患定義、解析試料の感染疾患分離能不十分なため可能性合致できず
疾患重症度のセカンダリエンドポイントは合致

武田製薬の第一世代ノロウィルスワクチン(自社内開発じゃなく買収獲得)が先行しているはず・・

インフルエンザワクチン:市中肺炎予防効果 EPIC研究結果

インフルエンザ重度合併症である市中肺炎は、インフルエンザワクチンによりリスク減少59%で、その効果著明であるという報告だが、case test-negative研究:対照がない報告。



CDC's Etiology of Pneumonia in the Community (EPIC) study

"Prevention of laboratory-confirmed influenza pneumonia through vaccination: Preliminary results from the CDC Etiology of Pneumonia in the Community (EPIC) Study"
Grijalva CG, et al.
IDWeek 2013; Abstract 80.
https://idsa.confex.com/idsa/2013/webprogram/Paper39870.html


【新しい麻酔薬?】ムカデ高濃度含まれる電位開口型ナトリウムチャンネル阻害剤

Chinese redheaded centipedeというムカデは、電位開口型ナトリウムチャネル(Nav)の9種類のうち、Nav1.7は疼痛伝達において他のチャンネルと異なる挙動を示し、その阻害物質をオーストラリアのQueensland大学の研究者、Glenn Kingらが報告。

ヒトでも、Nav1.7の機能喪失変異では先天的疼痛認識欠損となる。

ムカデやサソリなどの昆虫でしか存在しないNav1.7。ムカデでは他のNavチャンネルの170倍も含まれている。これを抽出し、マウスで温熱、化学性、酸疼痛刺激したところ、モルヒネと同等の温熱・酸誘起疼痛抑制効果が示されたが、化学物質誘起疼痛への抑制はモルヒネより優れていた。

モルヒネのような行動異常や依存認めず有益性あるかもしれない。

Discovery of a selective NaV1.7 inhibitor from centipede venom with analgesic efficacy exceeding morphine in rodent pain models
Shilong Yanga, et. al.
Published online before print September 30, 2013, doi: 10.1073/pnas.1306285110 PNAS September 30, 2013

【2型糖尿病】昼間の眠気と、低血糖エピソードの関連性

閉塞型無呼吸症候群(OSA)などの睡眠呼吸障害と、2型糖尿病の相互関連性
http://www.idf.org/sleep-apnoea-and-type-2-diabetes

OSAの40%に糖尿病が存在するが、OSAでの糖尿病新規発病率は不明。一方糖尿病でのOSA頻度は23%程度で、睡眠呼吸障害としては58%程度

今回は、低血糖と、昼間の眠気に関する関連性もアンケートで明らかに

Association Between Excessive Daytime Sleepiness and Severe Hypoglycemia in People With Type 2 Diabetes
The Edinburgh Type 2 Diabetes Study
Berit Inkster, et. al.


2型糖尿病では、睡眠呼吸障害や傾眠傾向があり、代謝、認知、行動異常など生じる原因となる。特に睡眠呼吸障害は、食事、行動、薬剤治療レジメンへのアドヒアランス必要な2型糖尿病で多い。一方、低血糖は治療上副作用と重要で、身体・心理的悪影響を与え、治療適正化へ障害となる。睡眠呼吸障害が低血糖リスクを増加し、自己管理や血糖調整リスクへ影響を与えるという仮説検証。
2型糖尿病、898名、アンケート調査

昼間眠気指数 Epworth Sleepiness Scale高値 ほど、有意に重度低血糖経験多い。
これは、重度低血糖予測要素として重要であることが、年齢、性別、罹病期間、HbA1c、BMI、治療種類補正後明らかとなった。

noteへ実験的移行

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