2014年5月21日水曜日

ショック非適応波形症例での早期アドレナリン投与:自然循環改善、生存率・神経学的機能温存生存率改善

non-shockable rhythm:ショック非適応波形、すなわち、無脈性電気活動(PEA)と心静止(asystole)となると思うが、早期にアドレナリン(エピネフリン)投与することで、自発循環回復、入院生存率、神経学的機能温存生存確率を高める


 

Time to administration of epinephrine and outcome after in-hospital cardiac arrest with non-shockable rhythms: retrospective analysis of large in-hospital data registry
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g3028
 (Published 20 May 2014) Cite this as: BMJ 2014;348:g3028

 初期投与時間の中央値3分(IQR 1−5分)

エピネフリン投与までの時間長くなると、ステップワイズに生存率減少
(3分までの解析、1−3分をオッズ1として、4−6分で0.91(95%信頼区間、 0.82 to 1.00 ; p = 0.055)、 7−9分で0.74(0.63 to 0.88 ; p < 0.001) 、 9分を超えた場合 0.63 ( 0.52 to 0.76 ; p < 0.001)


全てのアウトカム指標もステップワイズな影響。



健康無徴候者へのHピロリ菌除菌治療のシステマティック・レビュー&メタアナリシス: アジア人種限定、しかもエビデンスとして少ない

H.ピロリ除菌はアジア人には、胃がん予防として有効なのだろう。
中国人男性ではNNT15だし、そもそもコストさほど高くないから・・・。ただ、日本のように画像診断を前提とすればコストかさ上げしているため、コスト高となる。

胃がん死亡率への効果はやや微妙、全原因死亡率への効果はないことも注意すべき。


その上に、ピロリ菌除菌による他のベネフィット、上部消化管症状や 血液系へのベネフィット、そして、C.difficile感染などの有害性も検討されるべき


Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer in healthy asymptomatic infected individuals: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g3174 (Published 20 May 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g3174

1560資料検討し、6つのRCTを検討

胃がん発生率: 除菌療法 1.6%(51名)/3294 vs 対照 2.4%(76名)/3203 
相対リスク 0.66、95%信頼区間, CI, 0.45 - 0.95 研究間heterogeneity I2 = 0%で問題なし

除菌治療のベネフィットが生涯続くなら、NNTとしては中国人男性で 15、US女性で 245となる。
【胃がん患者の再発予防効果】



 Forest plot of randomised controlled trials of H pylori eradication therapy: effect on subsequent occurrence of gastric cancer





 【ベースライン前がん状態有無を問わない場合】


Forest plot of randomised controlled trials of H pylori eradication therapy: effect on subsequent occurrence of gastric cancer according to presence or absence of pre-neoplastic lesions at baseline. (You 200632 and Ma 201226 study had missing data concerning presence or absence of pre-neoplastic lesions at baseline for 16 individuals, leading to the loss of one gastric cancer from the analysis)



 【抗酸化物質あるいはビタミン使用】


Forest plot of randomised controlled trials of H pylori eradication therapy: effect on subsequent occurrence of gastric cancer according to anti-oxidant or vitamin use




【胃がん死亡率への影響】


Forest plot of randomised controlled trials of H pylori eradication therapy: effect on subsequent mortality from gastric cancer



【全原因死亡率への影響】


Forest plot of randomised controlled trials of H pylori eradication therapy: effect on subsequent all cause mortality

禁煙:電子タバコがOTCニコチン置換より有効という報告 ・・・ 結論への議論・疑念

この報告が世間を騒がしている。
解析では、 1年間禁煙試行し、電子タバコ使用にて、OTCニコチン置換療法使用より63%多く禁煙。禁煙補助手段使用しない場合より61%多く禁煙。
Brown J, et al "Real-world effectiveness of e-cigarettes when used to aid smoking cessation: a cross-sectional population study" Addiction 2014.
http://onlinelibrary.wiley.com/resolve/doi?DOI=10.1111/add.12623

問題としては、
・後顧的研究
・禁煙治療として、電子タバコは有効な禁煙手段で、OTCニコチンより有効である。ただ、この研究デザインは結論結論において疑念がもたれた。
・自己報告にたよる禁煙評価で、研究対象が1年間禁煙試行したもので、禁煙継続性に関し検討されてない。


Electronic cigarettes: time for an accurate and evidence-based debate
Addiction Editorial 
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/add.12550/pdf
 電子タバコに関する公衆衛生上のインパクトの議論するためのエビデンスが必要で、国家・国際的法制化が進められるべき。現在の研究・コメントはその質、正確性、客観性にばらつきがある。特定の研究分野だけの問題で無く、広くスカラーシップを持って議論されるべき


より具体的疑念が記載されている
1.NRTは、生活行動指導・指示なしに禁煙目的OTC販売されることがライセンス化されてたっけ?
2. 喫煙夕再生減少NICEガイダンスを以下に修正すべきか、推奨製品としては機能しないし、むしろ推奨メカニズムに反している(NRT・行動療法の基本概念の事だと思う)
3.有効性評価が公式のもの(MHRA準拠など)ではない。
4.電子タバコは、現実から離れた、out in the wildでの話で、健康状態から対極のもの。
5.現在電子タバコは法制化準備中のもの
6.研究上の信頼性を増すため、調査数を多く、リアルワールド住民データを多くとるべきで、全方位的ゴールドスタンダードとしてのRCT中断データなんて使うべきではない。
7.喫煙者に禁煙目的と問うたのか?電子タバコを吸うための利用を禁煙目的で行っているとは限らない。現実的に電子タバコが機能しているか、より科学的にCochrane Reviewのように適切なアプローチを行うべき
8.・・・ など
・・・




電子タバコは有害物質だらけ・・・

そもそも

電子タバコ:通常喫煙減少目的が、電子タバコ定期使用へ変化しただけ  http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/07/blog-post_2541.html


FDA承認:武田のインテグリン結合モノクローナル抗体 潰瘍性大腸炎・クローン病

中等症〜重症潰瘍性大腸炎・クローン病治療として、モノクローナル抗体(インテグリン−4−β−7結合)、腸管への選択的抗炎症作用を示す、vedolizumab (Entyvio)

潰瘍性大腸炎は、900名の2つのランダム化臨床トライアルにより有効性確認

クローン病は治療不応性1500名を含む3つのトライアルで確認

FDAニュース
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm398065.htm





薬剤溶出ステントガチンコ比較メタアナリシス: SES vs PES

シロリムス溶出ステント(SES,Cyper) vs パクリタキセル溶出ステント(PES,Taxus)

Head-to-Head Comparison of Sirolimus-Eluting Stents versus Paclitaxel-Eluting Stents in Patients Undergoing Percutaneous Coronary Intervention: A Meta-Analysis of 76 Studies
 Xinlin Zhang, J, et. al.
 PLOSone Published: May 20, 2014 DOI: 10.1371/journal.pone.0097934


SESは、PESに比較し、短期、長期、全包括期間リスクとして、TLR(target lesion revascularization)/TVR(target vessel revascularization)、MACE(重大心血管副事象イベント)の減少を示した。



 


エベロリムス溶出ステント(EES)、ゾタロリムス溶出ステント(ZES)を含め、る各種DESの内膜増殖抑制効果はEES≒SES>PES>ZES、動物実験では,早期内皮化率は EES>ZES>PES>SES・・・と書かれている(2011,http://circ.ebm-library.jp/metaanalysis/04-09.html)


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note