2013年3月22日金曜日

英国GP医:プラシーボ使用かなり一般的 ・・・ 日本の実態は官制正当化impure placebo

プラシーボ自体のベネフィット、有害性、コストに関しては疑念がもたれたままであるが、英国ではプラシーボ使用は一般的である。pureプラシーボでなく、 impure なプラシーボとして 

先に、解説
・pureプラシーボ:pure placeboとは、"substances with no pharmacological effect, e.g. sugar pills: 薬理学的効果のない薬物使用(e.g. sugar pill)
・impure プラシーボとは、"substances with pharmacological effect but not on the condition being treated, e.g. antibiotics in viral infections or vitamins":薬理学的効果はあるが、治療対象には効果の無い薬剤(e.g. ウィルス感染への抗生剤、ビタミンなど)


イギリスのGPに対するWebベースアンケート

1715名のGPに対し、回答率46%、783で、他の米国登録医師でのアンケートも同様だったので一般化を正当化
回答者のうち
12%(95%信頼区間 [CI], 10-15%)で、pureなプラシーボ使用
97%(95%CI, 96-98%)では、 impure なプラシーボを一度は使用

pureプラシーボ使用を回答した1%、 impure なプラシーボ使用を回答した77%(95%CI, 74-79%)で週1回以上使用していると回答。
特定の状況ではプラシーボ使用は倫理的であると多くが回答



Placebo Use in the United Kingdom: Results from a National Survey of Primary Care Practitioners.
Howick J, Bishop F, et al. (2013)
PLoS ONE 8(3): e58247. doi:10.1371/journal.pone.0058247


まともな治験がなされてない大多数の漢方薬全体が impureプラシーボだと思うし、その他の薬剤でも同様に治験上あいまいなものが上梓され続けている日本の薬剤事情を考えれば、英国のプラシーボ使用を非難はできまい。いわば官制正当化プラシーボ。
その上、上気道炎への抗生剤使用やインフルエンザへのクラリスロマイシン投与も、上記定義なら impure placeboと考えれば、日本では、英国より、プラシーボ使用がかなり広汎に行われていとも思われる。

減塩:心血管系への世界的なインパクト

世界的に 塩の取り過ぎ って話・・・


私だけなのだろうか?  英字表記で、sodium (Salt or Sodium chloride)と書かれてるからややこしく感じる。ひょっとして、sodiumと書かれてるのは塩化ナトリウムのことじゃないかと・・・
sodiumと書かれてるとき、塩化ナトリウム:NaClとしてのグラム数なのか、ナトリウム:Naとしてのグラム数なのか・・・

CDCでの記載は・・
「1teaspoon」で「sodium 2,300mg」
「sodium mg → salt mg」換算は、2.5倍し、mgとの標記
「sodium mmol → sodium mg」換算は、23倍し、 mmol標記
「sodium mmol → sodium chloride(NaCl) mg」換算は、 58.5倍し、mg標記
http://www.cdc.gov/salt/pdfs/sodium_qanda.pdf
AHA
「1 teaspoon salt= 2,300mg sodium」と標記

「sodiumは名のごとく、"ナトリウム"として扱い、食塩量換算(mg)なら、2.5倍する」で良さそうだと安心しながら・・・
AHA基準が、食塩 3.75g/日なのには改めて驚く・・・

Whole World Uses Too Much Salt, Study Finds
By Crystal Phend, Senior Staff Writer, MedPage Today
Published: March 21, 2013
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Prevention/38011

以下の発表に基づく記事
"The global impact of sodium consumption on cardiovascular mortality: A global, regional, and national comparative risk assessment"
Mozaffarian D, et al
EPI/NPAM 2013 ; Abstract 28.

WHOスタンダード 2,000 mg、AHAガイドライン・スタンダード 1,500 mg

ナトリウム過剰摂取のインパクトは、2010年だけで230万名の超過死亡との報告

食事ナトリウム摂取の大規模な数の住民データベースへの適応した報告としては初めてとのこと

食品産業・行政府へ、迅速かつ断固としたアクションを行うべきで、減塩は、非感染症疾患領域で最もコスト削減効果のある分野のひとつ

Global Burden of Diseases studyの2007年ー2012年成人ナトリウム摂取247研究の出版・未出版のグループシステマチックレビュー研究で、過半超で尿中24時間ナトリウム測定、残りは食事調査由来。66ヶ国直接データ入手で、74%は米国外。187ヶ国に広がった国レベル・サーベイレベルの要素で、ほぼ全世界を網羅。

6ヶ国でのみWHO上限 2,000mg/日でふるい分けされず、AHA閾値 1,500 mg/日はケニア以外全滅

119ヶ国、88%で、平均で、3,000 mg/日超過というのは注目すべき事態

塩摂取の多い国
中央アジア:平均 5,500 g/日
アジア・太平洋地域高所得国:平均 5,000 g/日
東アジア:平均 4,800 g/日

東サハラ砂漠以南地域は最も平均摂取量が少なく、2,200g
次、中央サハラ以南地域の2,400g、オセアニア 2,500g

米国成人では、3,600 mg/日

これらの塩分摂取報告と107のランダム化対照化トライアルのメタアナリシス結果に基づきMozaffarianは、2010年、ナトリウム 1,000mg/日超過による寄与心血管死亡数を推定し、230万人と推定、冠動脈疾患 42%、卒中 41%とした。

ナトリウム高摂取により最も影響を受ける国
・ウクライナ 2,109死亡/100万成人あたり
・ロシア  1,803
・エジプト  836

塩分摂取寄与心血管死亡高比率国は、フィリピン、ミャンマー、中国で、全体の20%

富裕国・貧民国で国民での塩分摂取減少は異なる影響を与える。

特定の低所得国では、製造業・ロビイストからの減塩に対する反論の影響を受け、国民にアクションを与えにくい状況もある。高所得国では、迅速なアクションをとるべきだが、製造業からのパワーが行政などの方針決定に影響を与える


レビュー:塩と健康・世界の減塩プログラム2009年 05月 28日
ナトリウムJカーブ現象? ナトリウム5g/日程度が最適? 2011年 11月 23日

気になる報告
減塩必ずしも善ではない: 減塩の効果影響 血圧減少するが ・・・ 交感神経系・RAS活性化、脂質特性悪化 2012/04/19

GAO → FDA:サプリメントの害を軽視しすぎと・・・日本なら内閣・総務省あたりが厚労省へ指導に相当すると思うのだが・・・

 私のところが田舎だから特殊なのかもしれないが、テレビをつけるとサプリメントかパチンコ、弁護士・会計士事務所の宣伝が目立つ。 特に、サプリメントの宣伝は夜のゴールデン・プライムタイムには昔はなかったと思うが、かなりの率を占める。薬剤とミスリードを狙ったCMなどもあり 、政府・行政がまともなら、regulationすべきと思うのだが、残念ながらその気配はないようだ。

米国ではどうか・・・日本と違うところは、GAOがまともに機能しているようで、厚労省に当たるFDAを批判し、その批判に対し、ちゃんとコメントしているところ。日本なら行政機関同士のなぁなぁだろうが・・・総務省や内閣府あたりが厚労省に「国民守るためにサプリメント有害事象報告強化しろ」ということになると思うが、総務省や内閣府が特定業者に遠慮してる日本じゃ・・・


http://www.medpagetoday.com/Washington-Watch/FDAGeneral/38010

FDAは、Government Accountability Office (GAO:(連邦)政府監査院((連邦議会の付属調査機関))により行われた研究による、中毒センター自主報告作成
副作用報告(AERs:adversed effect report) programでは、FDAにおいて、その有害性明確にされてなかった

FDAでは、2008−2011の間に6300の副作用報告で、法的要求によるのが71%

一方、2008年−2010年において、中毒センターの報告は1000を超すサプリメント由来の副作用報告で、FDAの同時期報告より多いとGAO解析

当局把握副作用報告が極端に少数で有ることに安全性嫌煙が有り、最大限努力が必要とFDA関係者
薬剤と違い、食事サプリメントの市販前承認は存在せず、せいぜい市販後サーベイランスで、製品安全性モニタリングを要求するのみで、製品と健康安全性を原因関係を把握するのも困難な状況

一般消費者に対し、副作用報告を用い、サプリメント商品の健康問題に関心と理解を持ってもらうことの要求するが、FDAはそのモニターさえされてないとGAO

FDAは1994年サプリメントにregulation開始し、ラベル表示に含有物とその製品保証を要求、2010年製造スタンダードを作成、義務化したが、サプリメント製造会社のパワーの前に、その徹底ははかられてない。

しかしながら、チャンスはあった。例えば、2004年エフェドリン・アルカロイドの安全性懸念で、数名の死亡事例と関連した問題があり、GAOはこの年以前に警告していた。
GAO to FDA: You’re Putting People at Risk
http://www.rodale.com/fda-and-vitamins

米国もサプリメントの有害性懸念に対し行政は及び腰。
 エフェドラの問題は、日本ではまだ未解決な問題どころか、エフェドラ含有薬剤が漢方やその類似として、テレビ宣伝などでばんばん流されている。どっかの国の行政や政府はそれをregulateしようともしていない。エフェドラ含有漢方を感冒・流感や肥満薬として推奨している医師・薬剤師なども存在も大問題。

【長距離商用運転】カフェイン含有物にて交通事故63%減少効果

カフェイン含有物使用と、長距離商用運転者の交通事故リスクの関連性
オーストラリアの症例対照研究報告

運転注意力医事のためには、疲労管理包括的戦略が最優先事項だが、カフェイン添加物は有用な方法であることが改めて判明

Use of caffeinated substances and risk of crashes in long distance drivers of commercial vehicles: case-control study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f1140 (Published 19 March 2013)Cite this as: BMJ 2013;346:f1140
43%のドライバーがカフェイン含有薬物服用
例えば、茶、コーヒー、カフェイン錠、energy drinkなどを運転覚醒状態保持のため使用と表現

一方、3%だが、非合法覚醒剤、例えば「speed」(アンフェタミン)、「ecstasy」(3,4メチルエネジオキシメタンフェタミン)、コカインを使用

寄与要素補正後、運転手はカフェイン添加物覚醒目的使用は、未使用比較で、交通事故尤度63%減少(オッズ比 0.37、95%信頼区間 0.27−0.50)

だが、energy drinkの問題点は様々報告されている。

FDA:energy drink危険性警告の内容 :日本にも関係あるような・・・2011年 02月 02日  ・・・ とくに、異常量のカフェイン・ソフトドリンクには注意が必要

同じオーストラリアの報告では、非合法薬物・アルコールへのゲートウェイとなる
Energy drinks: health risks and toxicity; Naren Gunja and Jared A Brown
Med J Aust 2012; 196 (1): 46-49.

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