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2016年4月9日土曜日

原発性副甲状腺機能亢進症:手術で骨折リスク減少する一方、ビスフォスフォネートは効果有りとは言えない

血中カルシウム測定していれば見つかる程度の原発性副甲状腺機能亢進症でも、日常臨床さほど珍しくもなく遭遇する疾患(といっても年数回以下だが・・・)、うち何らかの理由で手術せずにフォローアップ となっている症例も存在する





The Relationship of Parathyroidectomy and Bisphosphonates With Fracture Risk in Primary Hyperparathyroidism: An Observational Study
Michael W. Yeh,  et. al.
Ann Intern Med. Published online 5 April 2016 doi:10.7326/M15-1232


背景:PHPT(primary hyperparathyroidism :原発性副甲状腺機能亢進症)手術療法と薬物治療比較

目的: PHPT副甲状腺切除とビスフォスフォネートの筋骨格アウトカム測定

デザイン:後顧的コホート

セッティング:integrated health care delivery systemの一つ

被検者: 1995−2010のPHPT確認生化学的登録全例

測定: Bone mineral density (BMD) と 骨折率

結果: 連続BMI検査患者2013名において、 total hip BMD  trajectoryは、副甲状腺切除女性で増加 (4.2% at <2 8="" at="" br="" years="">
骨折フォロー6272名において、10年次hip fractureの絶対リスクは、 1千対 イベント 副甲状腺切除 20.4、ビスフォスフォネート 85.5、 vs 無治療 55.9


10年次骨折リスクは、それぞれ 156.8、 302.5、vs 無治療 206.1

ベースラインBMD状況による層別分析において、副甲状腺切除はosteopenic及びosteoporotic 患者とも骨折リスク減少と関連、一方、ビスフォスフォネートは骨折リスク増加と関連

副甲状腺切除はコンセンサスガイドラインからの層別化クライテリア如何に関連無く患者の骨折リスク減少と関連

Limitation: 後顧的研究デザイン、非ランダム化治療割り付け 

結論:副甲状腺切除は、骨折リスク減少と相関し、ビスフォスフォネート治療は観察治療より優れているとは言えない


Primary Funding Source: National Institute on Aging.

2014年3月31日月曜日

ソマトスタチン系薬剤・パソレオチド:クッシング病に対し、不十分コントロールでも、血圧・体重・腹囲・脂質特性など改善効果

パシレオチド(pasireotide,)は「独特で広範なソマトスタチン受容体結合プロファイルを有し,ソマトスタチン受容体サブタイプ 5 に対する結合親和性が高い薬剤



クッシング病治療用量2種類の二重盲験ランダム化pIIIトライアル

尿中コルチゾール値低下しない不十分コントロールでも、血圧・体重・腹囲・脂質特性など改善効果


Pasireotide treatment significantly improves clinical signs and symptoms in patients with Cushing's disease: results from a Phase III study
Rosario Pivonello et. al. ; on behalf of the Pasireotide B2305 Study Group
Clin Endocrinol 2014; DOI: 10.1111/cen.12431.
Article first published online: 27 MAR 2014
DOI: 10.1111/cen.12431


尿中遊離コルチゾール:UFTを正常上限1.5倍以上維持している、持続・再発性あるいは、de novo Cushing病患者


3ヶ月時点で、 UFC ULN2倍以下の患者と、ベースライン値を超えない場合にランダム化時点の投与量を継続 ; その他は 300 μg bid uptitration。
6ヶ月後時点で、12ヶ月目までオープンラベル6名患者(最大投与量1200μg bid)
12ヶ月超治療継続での高血圧所見・症状変化や測定値をUFTコントロールに対応する形で評価。


完全UFTコントロールに至らない場合でも血圧減少し、降圧治療してない患者でその効果が大きい。
UFTコントロール到達患者では、総コレステロール・LDLコレステロール減少著明有意。


完全UFTコントロール出ない場合でも、BMI、体重、ウェスト径減少


副作用は、高血糖関連イベント72.8%で報告。 

2014年3月20日木曜日

高齢者うつ:視床下部・下垂体・副腎系異常

HPA axis and aging in depression: Systematic review and meta-analysis
Martino Belvederi et. al.
Psychoneuroendocrinology Volume 41, Complete , Pages 46-62, March 2014


うつのバイオロジーの一致性の高い所見として、視床下部・下垂体・副腎(HPA)系活動性変化であるが、この問題に関するデータは、高齢者について検証されてない。
システマティック・レビュー&メタアナリシスにて、60歳超うつ患者では、血中コルチゾール、ACTH、CRHベースに検証し、健康対照者と比較。
20研究にて、HPA系機能指標、総数比較43。
うつでは、コーチゾル基礎量へ有意変化を示す (Hedges’ g)(朝 0.89、 午後 0.83、 夜 1.39)が、持続的コーチゾルへの変化量へは軽度(0.51)
うつの影響は、デキサメサゾン後コーチゾルとして高値 (3.22)、一方、朝ACTH、CRH濃度に関して有意差を認めない。
 サブグループ解析によれば、種々方法論的・臨床的要素で研究結果影響を与えることが示唆される。
 全体的には、うつに悩む高齢者被験者では、HPA系活動性の機能障害程度高度で、若年成人との差を認める。このことは、様々なメカニズム、身体的異常、中枢神経・免疫/婦負分泌系異常を来す状況によることを意味する。さらに、研究が必要で、高齢者HPA系活動性変化について示唆を明瞭にすることで、うつ高齢者病理身体的特徴検証有効となり新しい薬物アプローチにつながり、臨床的アウトカム改善が目指せるかもしれない。

2014年1月17日金曜日

内分泌系スマートフォン・アプリ:糖尿病管理向け主体だが、医師向けも・・・

スマートフォン・アプリは、一般には患者利用が普通だが、医師が仕事上利用できる存在のもの(10番目、11番目)


11 Endocrinology Apps for Docs' Toolboxes
Published: Jan 16, 2014 | Updated: Jan 16, 2014
http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/GeneralEndocrinology/43837


以上がFDA承認アプリとの紹介

6. Lenny: 1型糖尿病:ライオンが友達となる
7. GoMeals: Sanofi 謹呈
8. MyFitnessPal: 糖尿病非限定、食事・ライフスタイル変容プログラム
9. MediSafe Virtual Pillbox: 糖尿病非限定だが、大多数糖尿病対象


For Clinician Use:
10. Endo Tools: 内分泌専門医ニーズにテーラー化したスマートフォン向けレファレンス。臨床計算機や甲状腺がんステージングツールを含む。(無料:それなり ;Sigil→iBooks書籍化で個別作成可能な程度)

11. Endocrinology & Endocrine Emergencies: 内分泌フェロー向け。POC、診断・治療・病態生理・ガイドライン・フォロー中心。(有料:現行600円でレファレンスとしては良いと思うのだけど、金出すほどの価値あるかは?)


のぞいてみたが、いろいろ工夫の必要あると思う
アプリ開発するならもうちょっと工夫があっても・・・


レファレンスだけなら、SigilなどでiBooksで読めるようできる訳だし・・・



例えばこんな感じ・・・



これで、iPad/iPhoneで読める


2012年12月11日火曜日

インスリノーマ診断:Amended I:G ratioの正確性

Amended I:G ratio = (serum insulin uU/ml x 100)/(serum glucose mg/dl -30)
http://www.vetstream.com/canis/Content/Lab_test/lab00353.asp

Diagnostic Accuracy of an “Amended” Insulin–Glucose Ratio for the Biochemical Diagnosis of Insulinomas
Michael A. Nauck, et. al.
Ann Intern Med. 4 December 2012;157(11):767-775

114名を評価(49名がインスリノーマの手術切除組織確定診断、64名除外)
年齢レンジ0-16歳、平均10歳

インスリノーマ例は、対照例に比べ、空腹長時間後、インスリン、Cペプチド高値。
amended insulin–glucose ratio はインスリノーマを正確に48/49同定し、対照例を64/65除外
PPV、NPVはそれぞれ 0.98 (95% CI, 0.89 ~ 1.00) 、0.99 (CI, 0.92 ~ 1.00)
一方、 ぶどう糖・インスリン・Cペプチド濃度クライテリアでは、それぞれ 0.75 (CI, 0.63 ~ 0.85)、 0.98 (CI, 0.89 ~ 1.00)であった。

珍しいと思うけど、わたし自身も、開業初期のころ1例診断した手術確認例がある。
臨床医は、やはりインスリノーマは頭の片隅にでも置く必要があると思う。

2012年7月31日火曜日

急性Wolff-Chaikoff効果:母体ヨード過剰摂取による先天性甲状腺機能低下症

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)スクリーニングは、新生児・小児の神経認知障害予防のため行われている。
ヨード補充量は、WHO推奨として、200-300μgだが、米国では1100μgまでを安全上限としている。

母体の過剰摂取が原因と思われる、 新生児検診時全欠ヨード濃度減少例3例の報告。


Congenital Hypothyroidism Caused by Excess Prenatal Maternal Iodine Ingestion
The Journal of Pediatrics Received 6 December 2011; received in revised form 7 May 2012; accepted 24 May 2012. published online 30 July 2012


経胎盤もしくはミルクからのヨード過剰暴露過剰摂取により胎児・新生児では、新生児甲状腺機能低下症に陥る可能性がある。 ヨードは迅速に経胎盤通過し、甲状腺機能・神経認知機能発達のため重要。だが、甲状腺内ヨード濃度が過剰となると、甲状腺ホルモン産生一過性に低下する

。この現象は、“acute Wolff-Chaikoff effect”と呼ばれ、ヨード過剰に対する甲状腺過剰産生抑制のための役割で、成人では、数日で甲状腺機能低下への予防機転が働くが、未熟な新生児甲状腺ではこの適応が生ぜず、ヨードによる甲状腺機能低下症が持続する。






妊婦さんのヨウ素(ヨード)過剰摂取に関しては日本でも啓発がなされているが、具体的ガイドラインは明確ではない。厚労省の一定の目安はあるようだが、具体性に乏しいと思われる。

2012年3月29日木曜日

無症候性甲状腺疾患

抜き書き

Subclinical thyroid disease
The Lancet, Volume 379, Issue 9821, Pages 1142 - 1154, 24 March 2012
 

無症候性甲状腺機能亢進症

【検査】
TSH濃度 < 0.1 mU/L持続する場合には画像診断が必要

123Iもしくは99mTcでautonomy領域確認が必要

カラー流量ドプラーエコーでの多結節性所見は自己免疫性を示唆
抗TSH受容体抗体はGraves病示唆
針吸引細胞診考慮は、エコー上結節疑い例に行うべき
閉経後女性は、骨塩定量を必ず考慮すべき(骨粗鬆症の状態では治療奏功しやすい)
心房細動存在下では抗凝固療法を考慮すべき

【TSH < 0.1 mU/L 状態での治療】
65歳を越える場合は、toxic multinodular goitre あるいは孤立性autonomous solitary goiterによる二次性の場合、自然消退期待できず、放射性ヨード治療すべき
Graves病の場合、薬物、放射性ヨードどちらかの適正選択を
特異的治療されない場合、心房細動リスク状態患者ではβ遮断剤使用、骨粗鬆症閉経後女性ではカルシウムサプリメントおよびビスフォスフォネート治療が代替的

American Thyroid Association guidelineでは、非対照トライアルを根拠に、65歳未満での有症状治療を推奨。65歳未満無症状患者で、心血管リスク無し、閉経後女性では、治療ベネフィットのエビデンスはない。
しかし、 toxic multinodular goitreあるいは solitary toxic adenomaは、Graves病に比べても、甲状腺機能亢進症発症リスクがあり、放射性ヨード治療が考慮されるべきである。
手術も、大きなgoitreでsubclinical hyperthyroidismあるいは圧迫症状ある場合は オプション。

未治療患者は6-12ヶ月毎にフォローアップ必要。

また、 “multinodular goitre and subclinical hyperthyroidism”は、ヨード誘起性甲状腺中毒のリスクがあることに注意。ヨード造影剤などを極力避ける。

【TSH 0.1-0.4 mU/L患者治療】
ちょっとTSH濃度が抑制されているだけの患者では治療の必要は無い。進行しているにかかわらず、正常甲状腺機能となる患者がいるので注意は必要。
ベネフィットのエビデンスはないが、65歳超の高齢者では心房細動リスク増加の観点からこの年齢群ではクリアカットな異常が示された場合 治療対象の可能性ある。結節性甲状腺疾患の場合、Graves病(抗甲状腺薬)や放射性ヨード治療12ヶ月間が考慮される。


Hyperthyroidism and Other Causes of Thyrotoxicosis: Management Guidelines of the American Thyroid Association and American Association of Clinical Endocrinologists
  Thyroid. June 2011, 21(6): 593-646. doi:10.1089/thy.2010.0417. 




無症候性甲状腺機能低下症のスキーム
Scheme for treatment of subclinical hypothyroidism

【3—4·5 mU/Lの患者】
TSH濃度がこの範囲の場合、 顕性甲状腺機能低下症(overt hypothyroidism)発症率増加、故に、定期的甲状腺機能検査モニターすべきで、特に、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体陽性の場合注意。
妊娠中は、1st trimesterでは、> 2.5mU/L、2nd trimester中は 3.1-3.5 mU/Lが軽度甲状腺機能低下症を示唆する。
妊娠女性では、非妊娠女性でのTSH濃度上限範囲にあるなら、治療すべき。
妊娠早期の自己免疫性甲状腺炎正常甲状腺状態女性では、妊娠中血中TSH濃度増加に関し監視が必要。治療により流産減少するという前向きランダム研究( J Clin Endocrinol Metab 2006; 91: 2587-2591.)の知見を理由として、 甲状腺ホルモン治療すべき。
【軽症 subclinical hypothyroidism,TSH 濃度 5—9 mU/L】
無症候性甲状腺機能低下症(Subclinical hypothyroidism)は、若年・中年で65歳超より心血管リスク増加と関連し、この年齢群でのもっとも補正すべき。
61-80歳では、多くは甲状腺ホルモン不足を示唆したものではないため、5-8mU/L程度の血中TSH増加軽度ならベネフィットは認めない
85歳を越えた場合、TSH濃度増加は死亡率減少と相関している。
新規発症症状、うつ、甲状腺腫、陽性抗甲状腺抗体、心血管リスク要素(eg. 高血圧、コレステロール高値、インスリン抵抗性、糖尿病、拡張性機能障害)は治療ベネフィットの要素。
レボサイロキシン治療で有効性あるとしたら、治療は継続し、血中TSH濃度を6-12ヶ月毎に、正常範囲に維持するよう評価すべき。
顕性甲状腺機能低下発症可能性があり、フォローアップ中、レボサイロキシン増量必要となる。
クリアカットなベネフィット降下がない場合、補充療法は中止すべきで、血中TSH濃度を1年毎評価すべき。
エビデンス上、治療ベネフィットは65歳を越える、TSH 4.5-10 mU/Lで減少。
レボサイロキシン治療開始の場合、冠動脈既存疾患あれば、低用量25-50μg/日から開始すべき
高齢者(75歳以上)や超高齢者(超高齢者)では 、無症候性甲状腺機能低下症での治療は推奨されない。理由は、うっ血性心不全リスク増加とは別に、症状がある場合でも、レボサイロキシン治療が認知機能やQOL改善につながらないからである。

subclinical hypothyroidism で TSH   10 mU/L 以上】
TSH濃度高値患者は有意に顕性甲状腺機能低下症発症リスク高く、自覚症状や心血管疾患尤度増加する。このような患者には、レボサイロキシン治療を推奨。
TSH 10mU/Lを越える場合、高齢者(75歳以上)や超高齢者(超高齢者)で個別検討。70歳超の場合TSH目標を高く設定し、4-7mU/Lなどを疑似生理的濃度と設定する。
高齢者において、レボサイロキシン過剰治療は、重度心血管、筋骨格系合併症故、避けなければならない。

【検診】

治療ベネフィットが多くの場合不明であるため、無症候性甲状腺機能低下症の住民検診は議論のあるところである。
専門学会・専門委員と、検診推奨お相違があり、高リスク群症例発見、特に、妊娠女性で未診断例に対する取り組みがadvocateされている。
症例検討では、妊娠女性の30%まで未診断例があるが、ランダムトライアルではuniversal screeningでは症例毎検討に比べ副事象イベント減少効果なかった。
予備的プラシーボ対照化トライアルでは、 中年・高齢者では、わずか1%のQOL改善のみ。


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