2012年2月15日水曜日

岡田正彦教授(新潟大学)に共感・同意する部分多し :がん検診

2012年02月15日(水) 週刊現代
岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31785



ほぼ、同意見

 がん検診
・ 米国75歳以上のがん検診:意義曖昧世代の検診施行率は高く、医師推奨がその要素となっている 2011年 12月 14日


・  乳がん検診:開始後7-10年は、ネットでは有害性の方が大きい  2011年 12月 09日

CT
・ 2007年米国内CTによる癌リスク: 2万9千名の癌発症 2009年 12月 15日

・ CT使用頻度増大と放射線被曝の影響 2007年 11月 29日

・ CTの放射線・安全性に関する重大な懸念 2010年 06月 24日

・ 低用量CT喫煙者肺癌検診は通常のレントゲン検診に比べ死亡率を減少させるが・・・ 2011年 06月 30日

・ マンモグラフィー検診って実は役立ってない? 2011年 07月 29日
  

胃がん検診
・ レビュー:PSAベース前立腺がん検診 ・・・ 死亡率減少にちっとも役立たないという結論  2011年 12月 07日

・ 間寛平さんが、PSA検診の広告塔となってることに、危機感を感じる。 2011年 01月 04日

・ PSAからみた検診・人間ドック 2005年 07月 07日

・ PSA値:共感を感じて検査してしまう 2007年 07月 10日


人間ドック・脳ドック
・ 無症候性脳梗塞  2007年 07月 24日

・ 偶発的なMRI異常 2007年 11月 03日

・ 人間ドックというふざけた言葉 2006年 09月 08日
・  There is currently a lack of sound scientific evidence to support treatment of unruptured intracranial aneurysms. (Canadian Family Physician November 2008 vol. 54 no. 11 1535-1538)
・ "intracranial aneurysm(a) screening"にてpubmed検索


“メタボ検診”を含め、日本の検診は、科学的実証と解離した、多くの問題が存在する。

検診医療機関や実施団体だけでなく、それを統括する行政及び可憐団体の“既得権益”を切り離した形での議論が必要なのだが、厚労省で議論するのは、そういう“既得権益”ダン大代表だらけ・・・

ただ、この分だけは、ちょっと同意しかねる。・・・
 糖尿病の検査にも身体に悪いものがあります。ブドウ糖負荷試験という検査方法で、75gのブドウ糖を飲んで血糖値を計るのですが、これは5g入りのコー ヒー用スティックシュガー15本分の糖分に相当します。これを一気に飲むのですから、糖尿病体質の人にとっては、発病の後押しをするようなものです。

サプリメント部分は、以下を追記してほしい。特に、”プロオキシダント”作用・・・
・ 閉経後女性:サプリメントで死亡リスク増加 マルチビタミン、ビタミンB6・・・(カルシウムは例外) 2011年 10月 11日

・ 抗酸化物質だけを大量にとると酸化促進物質として溜まる  2011年 06月 09日
・ 抗酸化サプリメントは寿命を短くする 2007年 02月 28日

日本で、検診について、正論を主張される教授って、希少価値なのは、長いものに巻かれろ・・・だから?


日本の“検診村”は、“原発村”と、閉鎖的な 世界ということで共通であり、サイエンティフィックな批判はその村への入り口で遮断される。

門衛は、マスコミだったり・・・

米国FDA:PPI使用時クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症(CDAD)考慮を!


FDA Drug Safety Communication: Clostridium difficile-associated diarrhea can be associated with stomach acid drugs known as proton pump inhibitors (PPIs)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm290510.htm

米国FDAは、PPIsがClostridium difficile–associated diarrhea (CDAD)リスク増加の関連に関する情報を提示
改善しない下痢でPPIs使用時、CDAD診断を考慮すべき という助言

非重症・入院患者高血糖臨床ガイドライン(Endocrine Society)

非重症・入院患者高血糖臨床ガイドライン(Endocrine Society)

Management of Hyperglycemia in Hospitalized Patients in Non-Critical Care Setting: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism January 1, 2012 vol. 97 no. 1 16-38 

pdf:http://www.endo-society.org/guidelines/upload/FINAL-Color-Standalone-Version-Managment-of-Hyperglycemia-Guideline.pdf


さしあたり、タイトルだけ並べておく

Summary of Recommendations. p4-7まで
1. 入院での高血糖・糖尿病診断・認識
2. 非重症下での血糖モニター
3. 非重症下での血糖目標
4. 薬物療法
 4.1 医学的栄養療法
 4.2 在宅から入院への移行
 4.3 薬物療法
 4.4 入院から在宅への移行
5. 特殊状況
 5.1 インスリンiv持続投与からsc投与への変更
 5.2  ENやPN患者
 5.3 周術期血糖コントロール
 5.4 ステロイド誘起性糖尿病
6.院内低血糖認識と管理
7.院内の血糖コントロールプログラム導入
8. 患者・医療従事者教育

PRIMOトライアル:CKD患者での活性化型ビタミン投与による心機能・構造改善もたらさず


Vitamin D Therapy and Cardiac Structure and Function in Patients With Chronic Kidney Disease
The PRIMO Randomized Controlled Trial
JAMA. 2012;307(7):674-684. doi: 10.1001/jama.2012.120 


CKD(慢性腎臓病)患者において、ビタミンD治療が左室容積減少せず、拡張性機能障害改善もしない

active vitamin D compound paricalcitol (Zemplar) とプラシーボ 48週治療で、比較検討



ビタミンDで心臓の構造・機能に影響を与える仮説がESRD状態における検討で示唆されていた。
e.g.) The role of vitamin D in left ventricular hypertrophy and cardiac function Kidney International (2005) 67, S37–S42 , Vitamin D in congestive heart failure American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 83, No. 4, 731-732, April 2006


PETアミロイドイメージング:[18F]FDDNP 2年後認知機能低下・特性機能変化を推定可能

Prediction of Cognitive Decline by Positron Emission Tomography of Brain Amyloid and Tau
Gary W. Small, MD; Prabha Siddarth, PhD; Vladimir Kepe, PhD; Linda M. Ercoli, PhD; Alison C. Burggren, PhD; Susan Y. Bookheimer, PhD; Karen J. Miller, PhD; Jeanne Kim, PsyD; Helen Lavretsky, MD; S.-C. Huang, PhD; Jorge R. Barrio, PhD

Arch Neurol. 2012;69(2):215-222. doi:10.1001/archneurol.2011.559


PET アミロイドイメージング:2-(1-{6-[(2-fluorine 18–labeled fluoroethyl)methylamino]-2-napthyl}ethylidene) malononitrile ([18F]FDDNP) brain regional value

グループ横断的に、MCIも正常加齢群も、前頭葉、後帯状皮質、全般的[18F]FDDNP binding ともに、2年後、記憶低下進行と相関  (r = –0.32 to –0.37, P = .03 to .01)

さらに、ベースラインでの [18F]FDDNP bindingは、多くの認知機能特性、言語、注意、遂行、視力空間能力と相関(r = –0.31 to –0.56, P = .05 to .002)。

MCI群で、前頭葉・側頭葉[18F]FDDNP bindingは、2年後、アルツハイマー病への移行 vs 非以降の同定の診断正確性を最も反映し、AUROCは 0.88 (95% CI, 0.72-1.00) で、内側側頭葉bindingでは、 0.68 (95% CI, 0.45-0.91)


中途覚醒・ベッド上覚醒:アルツハイマー病病理と関連


Ju Y, et al "Sleep disruption and risk of preclinical Alzheimer disease" AAN 2012; Abstract.
解説:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AANMeeting/31176


Adult Children Studyという、半数がアルツハイマー病家族歴をもつ、100名(45-80歳)の小規模コホート研究で、頻回な中途覚醒、ベッド上覚醒習慣がアルツハイマー病にとって有害かもという報告。cause-and-effect relationshipは明らかでないし、予測的な減少なのかも明らかでないが事象として報告される。

14日間actigraphや睡眠日誌・アンケートで、睡眠状況を客観的に記録

脳脊髄液アミロイドβ-42を測定、PETによるアミロイド画像化 retention of Pittsburgh compound B増加を記録。

被験者は、actigraph結果と主幹報告ではベッド上8時間過ごしているが、actigraph測定平均睡眠時間は6.5時間で、夜間短期覚醒により短くなっている。

1時間に5回を越える覚醒は、アミロイド病理を示唆するバイオマーカーとなる。
低睡眠効率と、ベッド上の睡眠時間比率と定義すると 、85%未満でこのような兆候が多く存在する。



原因なのか、結果なのか分からないが、“睡眠非効率性”はアルツハイマー病理と相関することが示された。

急性鼻扁桃炎:RCT アモキシシリン10日投与はプラシーボ比較で、疾患特異的QOL改善せず


166名の急性鼻扁桃炎:ランダム化対照化トライアルで、アモキシシリンの疾患特異的なQOL評価

アモキシシリン(1500mg/日)×10日間投与は、プラシーボと比較して、治療後3日目の症状改善減少させない。



Amoxicillin for Acute Rhinosinusitis
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2012;307(7):685-692. doi: 10.1001/jama.2012.138


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