2013年3月25日月曜日

COPD急性増悪:マグネシウムネブライザー投与は有効か?

161名のCOPD急性増悪患者に対し、マグネシウム・ネブライザー投与

これは、マグネシウム注射にて急性重度喘息・COPD急性増悪トライアルに対し気管支拡張効果をみとめること、そして、急性喘息においてマグネシウムネブライザーの若干の気道れん縮改善効果エビデンス(Inhaled magnesium sulfate in the treatment of acute asthma.; Powell C, Dwan et. al. ;Cochrane Database Syst Rev. 2012 Dec)があったため行ったトライアルとのこと

COPDへの気管支狭窄状態改善急性効果を評価

Use of nebulised magnesium sulphate as an adjuvant in the treatment of acute exacerbations of COPD in adults: a randomised double-blind placebo-controlled trial
Thorax 2013;68:338-343 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202225


ニュージーランドの2つの病院で、ネブライザー(サルブタモール 2.5mg:イプラトロピウム 500μg)投与20分後・予測FEV1<50%の症例


等張性硫酸マグネシウム 2.5 ml(151mg/投与あたり)、プラシーボ(生理食塩) 2.5mlを30分間隔3回施行


プライマリアウトカムは 90分後FEV1

116名をランダム化、52名がマグネシウム・アジュバント群へ割り付け
90分後マグネシウム投与FEV1(n=47) 0.78 vs プラシーボ(生理食塩水群) 0.81l
差 -0.026 L(95% CI, -0.15 〜 0.095, p=0.67)

ただでさえ、可逆性のないのに、一秒量で比べても・・・

重症非好酸球性喘息:アジスロマイシン投与は一部臨床指標改善し、重度急性増悪・気道感染悪化を防止

重症喘息患者では、急性増悪・下気道感染リスク増加する。一方、重症喘息は、heterogenousで、好酸球性と非好酸球(主に、好中球性)特性の発現型があり、気道感染例でマクロライド系薬剤によるベネフィットが考えられる。



ということで、重症喘息へのアジスロマイシン二重盲験プラシーボ対照化トライアル

アジスロマイシンは非好酸球性重度喘息悪化にて、一部喘息指標改善し、急性増悪・気道感染悪化数を減少させる

薬剤抵抗性などの課題が残る。


Azithromycin for prevention of exacerbations in severe asthma (AZISAST): a multicentre randomised double-blind placebo-controlled trial
Guy G Brusselle, et. al.
Thorax 2013;68:322-329 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202698


アジスロマイシン(n=55)
プラシーボ(n=54)
(吸入ステロイド、LABAのadd-on治療)

プライマリアウトカムは、重度急性増悪・抗生剤必要な下気道感染26週間期間中
セカンダリアウトカムは、ACQ、AQLQ

6ヶ月間プライマリエンドポイントでは有意差無し
0.75 vs 0.81 (95% CI, 0.61-1.09)

事前設定サブグループ検討として、非好酸球性重症喘息(血中好酸球 200/μL以下)において、アジスロマイシンは有意なプライマリエンドポイント数低値
0.44 vs 1.30 (p-0.013)

アジスロマイシンはAQLQスコア改善するも、ACQスコア、肺機能では有意差認めず

アジスロマイシンは耐用性良かったが、マクロライド系薬剤抵抗性連鎖球菌口腔咽頭キャリア率高めた

慢性心房細動治療:アジア人には新規抗凝固薬推進すべきという宣伝

メーカー・スポンサーなので、眉につばをいっぱいつけて見る必要があるが・・・
http://www.medscape.org/viewarticle/780975


他人種に比べワーファリン関連出血自己頻度多い
理由付けとしては、INR不安定性が高い、遺伝子多様性(CYP2C9遺伝子型との関連性)、ビタミンK epoxide reductase、人種特異的血管特性

RE-LY(dabigatran)


卒中と心房細動の関連は、アジア人種と他の人種では異なる
ワーファリンの出血リスクは、アジア人種に多い
一方、一般的には、新規抗凝固薬の安全性・有効性は、他人種と同様


これ見ると、そろそろ、新規凝固薬採用のタイミングなのだろうか?
それとももうちょと様子を見た方が良いのだろうか?

ダビガトラン(プラザキサ)副作用のゴタゴタ・・・ 2013/03/14
血液凝固阻止剤「プラザキサカプセル」で5人死亡  2011年 08月13日

ガイドラインなどで新規凝固薬剤積極的導入が記載されれば、 使用しやすくなるはず
そのとき、CHADS2スコアのアジア版、例えば、CH2DS2-VACScスコアなどが使用されるのだろうか?
リスク層別化としてHAS-BLEDスコア 利用されるのだろうか?

noteへ実験的移行

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