2020年12月15日火曜日

後顧的研究:カルシウム拮抗剤による活動性結核抑制作用

後顧的症例対照研究で、DHP系CCBの方がより強固に活動性結核発症リスク抑制するとのこと


Use of Calcium Channel Blockers and Risk of Active Tuberculosis Disease

A Population-Based Analysis

Chien-Chang Lee, et al.

Originally published14 Dec 2020Hypertension. ;0

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15534

カルシウム拮抗薬(CCB)は、細胞内病原体にとって重要なミネラルである鉄の利用可能性を低下させることが知られている。それにもかかわらず、CCBの使用が臨床現場での活動性結核のリスクに影響を与えるかどうかは不明である。


 CCBが活動性結核のリスクに影響を与えるかどうかを判断するために、1999年1月から2011年12月までの間に台湾の国民健康保険研究データベースを用いて、入れ子にした症例対照研究を行った。

CCBの使用に関連した活動性結核疾患のリスクを計算するために、条件付きロジスティック回帰と疾患リスクスコア調整を用いた。サブグループ解析では、異なるタイプのCCBの効果と、異なるサブ集団における潜在的な効果の修正を調査した。


合計8164例の新規活動性結核患者と816 400例の対照群を調査した。CCBの使用は、疾患リスクスコアで調整した後の活動性結核のリスクの32%低下と関連していた(相対リスク[RR]、0.68[95%CI、0.58-0.78])。

CCBs非使用との比較として、dihydropyridine CCBはリスク減少(RR, 0.63 [95% CI, 0.53–0.79]) で、非dihydropyridine CCBは(RR, 0.73 [95% CI, 0.57–0.94])で、前者の方がリスク減少程度大きい

 サブグループ解析では、CCBの使用に関連した結核リスクは心不全または脳血管疾患を有する患者でも同様であった。

ジヒドロピリジン系CCBの使用が活動性結核のリスクを低下させることを確認した。


www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

<hr>

メカニズムとしては

CCBs reduced iron deposition, inhibited proliferation, induced apoptosis, and elevated expression of matrix metalloproteinase-13 (MMP-13) and tissue inhibitor of metalloproteinase-1 (TIMP-1)


鉄とカルシウムチャネル 鉄の細胞内取り込みの機序として,トランスフェリン受容体,DMT1(divalent metal transporter 1),L型カルシウムチャネルなどがある. もともと,心筋が過剰な鉄に対して高い感受性 をもつ,つまり鉄の細胞内取り込みが多い機序 は長い間不明であった.トランスフェリン受容 体,DMT1 による取り込みだけでは説明が難し かった.L型カルシウムチャネルは,心筋細胞の 興奮収縮連関に重要な働きをしているが,この チャネルがFe2+の細胞内取り込みに重要な働き をしていることが報告された.鉄負荷心不全動 物モデルにおいて,Ca(カルシウム)拮抗薬の 慢性投与により,心筋鉄過剰沈着およびそれに よる酸化ストレスの減少と心機能増悪改善が見 られる.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1241/_pdf




State of Art レビュー:COPDにおける好酸球性炎症

State of Art Review

Eosinophilic inflammation in COPD: from an inflammatory marker to a treatable trait David B, et al. Thorax 2020;0:1–8. doi:10.1136/thoraxjnl-2020-215167

https://thorax.bmj.com/content/thoraxjnl/early/2020/12/14/thoraxjnl-2020-215167.full.pdf

究極として、多くのバイオマーカーが診断、予後、管理上の手助けとなる様になってきた。COPDのtreatment traitのバイオマーカーとして好酸球を支持するエビデンスが存在するようになってきたが、まだ確実ではなく、研究自体もongoing。それにもかかわらず、COPD管理に血液好酸球数を広く導入することは価値があると思われる。統一されたコンセンサスと、COPDのためのあらゆるバイオマーカーを使用するための実用的でアクセスしやすく手頃な価格の方法が最も重要であると考えられていました。その利用に関する課題としては、バイオマーカーを用いた治療の明確で実用的な根拠の提示、プライマリーケアとセカンダリーケア間でのICSの中止に関するガイダンスの提示、そして広く臨床に適用するための財政的なインセンティブの欠如が挙げられる。近い将来、COPDにおける根本的な病態経路の明確な理解に基づいて、治療可能な形質の臨床バイオマーカーが、気道疾患患者に対する最も効果的な治療法について臨床家の判断を導くことができるようになるだろう

<hr>全てを読んでないどころか一部だけ読んだ

ACOとCOPD biomarkerとしての好酸球数の混乱が、いわゆる専門家たちでも存在するようだ。

「The limitations of using diagnostic labels such as ‘COPD’ or ‘asthma’, however, are becoming increasingly apparent; Agusti et al proposed a precision medicine strategy based on the presence (or absence) of ‘treatable traits’. 」

精密医療では、COPDや喘息と診断された患者を治療するのではなく、存在する治療可能なtritに基づいて気道疾患の患者を治療する(図1)。



Agustiらは、気道疾患における治療可能な形質の3つのセットを強調した:pulmonary treatable traits (eg, eosinophilic airway inflammation), extrapulmonary traits (eg, cardiovascular disease) and treatable behaviour/lifestyle risk factors of airway diseases (eg, exposure to sensitising agents/pollution).

Treatable traits: toward precision medicine of chronic airway diseases

Alvar Agusti, et al. European Respiratory Journal 2016 47: 410-419; DOI: 10.1183/13993003.01359-2015

https://erj.ersjournals.com/content/47/2/410


<hr>概念図にすぎませんけどね 

noteへ実験的移行

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