2012年10月19日金曜日

有効性・安全性メタアナリシス: NOACs(新規経口抗凝固剤) は ワーファリンなどのVKAより優れてる?

新しい経口抗凝固剤をNovel oral anticoagulants (NOACs) というらしいが、ビタミンK拮抗剤(VKA, ワーファリンなど)の代替的使用に関するpII、pIIIレベルのメタアナリシス報告

NOACs vs VKAs


Efficacy and Safety of the Novel Oral Anticoagulants in Atrial Fibrillation: A Systematic Review and Meta-Analysis of the Literature
Circulation. 2012;CIRCULATIONAHA.112.115410published online before print October 15 2012,

包括的死亡率・心血管死亡率、卒中、全身性塞栓、虚血性卒中、重大及び頭蓋内出血、心筋梗塞に関してデータ収集。


12研究回収(dabigatran(プラザキサ) 3、 rivaroxaban(一般名リバーロキサバン:イグザレルト) 4、 apixaban(ファイザーから国内申請) 4、edoxaban(リクシアナ) 3)
54875名の患者

NOACsは有意に総死亡率低下 (5.61% vs 6.02%; RR 0.89; 95%CI, 0.83-0.96)、心血管死亡率低下 (3.45% vs 3.65%; RR 0.89; 95%CI, 0.82-0.98) 、卒中・全身性塞栓減少 (2.40% vs 3.13%; RR 0.77; 95%CI, 0.70-0.86)

重大出血イベント減少傾向RR 0.86; 95%CI, 0.72-1.02)、頭蓋内出血は有意な減少 (RR 0.46; 95%CI, 0.39-0.56).

心筋梗塞の差は認めない


現時点では、副作用事象が問題となり、これらの専門の医者以外なかなか手をだしがたい薬剤群だが、ワーファリンより安全というのが確定すれば、これらの薬剤に移行するのは時代の流れなのかもしれない。


「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/statement.pdf

プラザキサ:適正使用のお願い
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201106_2_1.pdf

イグザレルト:適正使用情報
http://xarelto.jp/ja/home/product-information-area/proper-usage-information/

リクシアナ:効能効果:“下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制、 膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術”のみ

米国ナーシングホーム ノロウィルス流行により入院・死亡増加 看護密度により改善の可能性

後顧的解析だが、ナーシングホームのノロウィルス流行は全原因死亡、入院率増加と関連する。流行期間中入院を9%、死亡を11%ほど増加させる。
示唆であり、明確なことではないが、ナーシングホームの看護濃度の高さがその流行中の入院・死亡へ効果がある可能性がある。



Hospitalizations and Mortality Associated With Norovirus Outbreaks in Nursing Homes, 2009-2010  
Tarak K. Trivedi, et. al.
JAMA. Published online October 18, 2012. doi:10.1001/jama.2012.14023

オレゴン州、ウィスコンシン州、ペンシルバニア州のメディケア認定ナーシングホームの後顧的研究で、ノロウィルス感染確定例・診断報告(CDC予防国家流行報告システム:NORS)、2009-2010

延べ2年の研究で、407名のノロウィルス感染NORSへの報告308のナーシングホームで、入院 67730、死亡 26055
入院は、ナーシングホームあたり 流行期間 124.0 (95% CI, 119.4-129.1) vs 非流行期間 109.5 (95% CI, 108.6-110.3) で、季節補正rate ratio(RR)は 1.09 (95% CI, 1.05-1.14)

同様に、死亡は、 53.7 (95% CI, 50.6-57.0) vs 41.9 (95% CI, 41.4-42.4)  (季節補正RR, 1.11; 95% CI, 1.05-1.18)

入院・死亡率増加は2週間(week 0 と week 1)、初回週(week 0)に集中。

居住者あたりの連日登録看護時間が少ないホーム(<0 .75=".75" 1.14-1.40="1.14-1.40" 1.26="1.26" 95="95" br="br" ci="ci">一方、登録看護時間が高いホームではリスク増加が見られない(RR, 1.03; 95% CI, 0.96-1.12)(P = .007 by likelihood ratio test)。入院率増加に関しては、同様のパターンを示さない。

日本の長期療養施設、老人介護入居施設では、感染症対策に対して罰則だらけで、究極の質を追求する高品質ケア研究へのインセンティブがないのがなぁ・・・
それに、介護施設では、看護密度を低下させるほど、経営的にはプラスとなるシステム、表面的な対応だけで、下痢症状などの早期発見とノロウィルス感染を結びつけ診断までに至るシステムが確立してないと思う。見聞きすると限り、非医療系の老人施設だと・・・医療知識有るはずのない経営者の思うがままの状態に思える。その責任は契約した医師へと・・・ この状況はわたしの周りだけかもしれないが・・・

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