2013年8月29日木曜日

ブロッコリー・スルフォラファン 変形性関節症抑制の可能性

Sulforaphane represses matrix-degrading proteases and protects cartilage from destruction in vitro and in vivo 
Rose K Davidson ,et. al.
Arthritis & Rheumatism DOI: 10.1002/art.38133

ブロッコリー中のSulforaphane (SFN)、これをマウスに食させると軟骨の障害を抑え、変形性関節症の症状を抑えたという報告。

SNFは、ヒト関節軟骨細胞(HACs)のサイトカイン誘導metalloproteinase発現を抑制、線維芽様滑膜細胞(FLS)も同様に抑制。
SFNは、独立してNrf2(nuclear factor (erythroid-derived 2)-like 2)やhistone deacetylase活性と独立して、metalloproteinase発現調整のため働くが、JNKやp38MAP kinase活性遷延化をmediateする。
SFN は、NF-κBシグナリングを減弱させる、これはHACsのDNA結合抑制と、いくつものNF-κB独立遺伝子の発現抑制を伴う。
SFNは、サイトカイン誘導性牛鼻軟骨破壊を、プロテオグリカン・コラーゲンbreakdownのレベル(サイトカイン単独では10μM)で抑制
SFN豊富な食事は、DMM変形性関節炎ネズミモデルでの、関節炎スコア改善し、早期のDMM-誘導遺伝子発現変化を同時にブロックする。

オブリーン錠(一般名:セチリスタット)新薬承認  肥満治療薬といいながら、軽度の体重減少効果のみ

今更ながらだが・・・

世界初承認となる肥満症治療薬オブリーン錠(武田薬品)
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/44802/Default.aspx
オブリーン錠120mg(セチリスタット、武田薬品):「肥満症(ただし、2型糖尿病および脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25以上の場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。世界初承認で、欧州では承認申請中。

武田薬品 「セチリスタット」を国内申請、初のリパーゼ阻害剤
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=39705


オブリーン錠(一般名:セチリスタット)

治験では、"BMI25以上、糖尿病や脂質異常症を合併している肥満症患者"対象

cetilistatの申請にあたり、2型糖尿病および脂質異常症を合併した肥満症患者を対象に、本薬の有効性および安全性を検討した52週のプラセボ対照試験、安全性を検討した24週および52週の非盲検試験の合計3本の臨床第3相試験を実施しました。その結果、52週のプラセボ対照試験において、本薬(120mg×3/日)投与群は、主要評価項目である平均体重変化率について、プラセボ投与群と比較して有意な改善(本薬投与群-2.776% vs プラセボ投与群-1.103%)を示すとともに、副次評価項目であるHbA1cとLDLコレステロールの変化について、プラセボ投与群と比較して有意な低下を示しました。また、いずれの試験においても、本薬の良好な安全性および忍容性も確認されました。

プラシーボ比較で、1.5%程度の体重減少効果 ・・・ 現在体重60kgで、- 0.9 kgの効果 屁の突っ張りになるのか? HbA1c低下・脂質特性改善の方が評価されたと考えるが説明を待ちたい。

適応は、「糖尿病且つ脂質異常血症を有し、食事療法・運動療法前提」ということでwindowを狭くする意向も見て取れる


それにしても、アクトスで体重増やして、オブリーン処方させるとは・・・ 武田おぬし悪よのぉ ・・・ 相変わらず、いんちき製品が多い国内製薬メーカーのドン



他注目したのは・・・

ソリリス点滴静注300mg(エクリズマブ遺伝子組換え、アレクシオンファーマ):「非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制」を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は5年10カ月。この適応症では32カ国で承認済み。

溶血性尿毒症症候群は、溶血性貧血、血小板減少、腎障害を3徴候とする。5歳未満の小児に多く見られ、溶血性尿毒症症候群の10%程度が下痢を伴わない非典型とされる。この型は致死率が25%と予後不良で、欧州の報告では100万人に2人/年、小児では100万人に7人/年の発症率とある。ソリリスはヒト化モノクローナル抗体で、既存の適応症は発作性夜間ヘモグロビン尿症による溶血抑制。

→ Eculizumab(C5補体へのモノクローナル抗体):大腸菌関連溶血性尿毒症症候群治療2011年 12月 20日
→ ヨーロッパ:腸管出血性大腸菌感染HUS治療戦略 2012/7/20

<相変わらず、厚労省って遅い対応・・・>


▽ダットスキャン静注(イオフルパン ヨウ素123、日本メジフィジックス):「パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の診断におけるドパミントランスポーターシンチグラフィ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。欧米など33カ国で承認済み。

SPECT装置による線条体のドパミントランスポーターを可視化を可能とする放射性医薬品。「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘され、厚労省が開発要請を行っていた。

ビンダケルカプセル20mg(タファミジスメグルミン、ファイザー):「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。欧州で承認済み。1日1回経口投与する。

家族性アミロイドポリニューロパチーは、成人期に末梢神経、自律神経系、心、腎、消化管、眼などにアミロイド沈着を来たし臓器障害を起こす予後不良のアミロイド症。これまでの推奨治療は肝移植のみだった。国内の推定患者数は130人程度で、国の特定疾患の指定を受けている。

サムスカ錠7.5mg(トルバプタン、大塚製薬):「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(平成30年10月26日まで)。1日1回7.5mg経口投与する。既存の適応症はループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留。

【FDA:治験情報基づく】非定型精神薬・SSRI・SNRIといった新規向精神病薬で死亡率増加認めず

向精神薬の心理薬剤トライアルに於ける精神疾患患者において、住民研究死亡率増加が示唆される。非定型精神薬、SSRI、SNRIといった新規向精神薬投与3−4ヶ月後、この死亡リスク増加することはない。

ただ、FDAのSBAベースなので結論づけには、さらなる確認が必要

"Comparative mortality risk in adult patients with schizophrenia, depression, bipolar disorder, anxiety disorders, and attention-deficit/hyperactivity disorder participating in psychopharmacology clinical trials"
Khan A, et al
JAMA Psychiatry 2013; DOI: 10.1001/jamapsychiatry.2013.149.

FDA Summary Basis of Approval (SBA);FDA承認申請文書要約は、新規薬剤適応・付加的適応のため行われるが、28種の精神疾患薬剤承認が1990年から2011年までなされている。プラシーボ対照かトライアルと安全性研究からのFDAのSBAデータ、92,542名、統合失調・うつ・bipolar disease・不安障害・注意欠陥・過敏疾患に関わる47の成人薬剤承認プログラムからの報告、bipolar disease治療併用・維持に関する報告

全体としてみれば、死亡リスクは、精神疾患診断と、有意且つ大きく相関  (χ24 = 1760; P < .001).

一般成人住民比較で、統合失調症患者で最も死亡リスク高く  (3.8-倍増加)、以下、うつ患者  (3.15-倍) 、bipolar disorder (3.0-倍)と続く。

死亡リスクは、四環系抗うつ薬を除くとプラシーボより向精神薬割りつけ群で増加は認めない。

全死亡に対する自殺は、109/265 (41.1%)



【スタチン予防】心血管疾患既往無し高齢者でも、心筋梗塞・卒中減少あきらか 但し死亡率の差は認めない

日常生活に関わるdisabilityも検討すれば良かったのに・・・
そうすれば、高齢者へのユニバーサルなスタチン一次予防正当化さらに強化できたはず。


"Benefits of statins in elderly subjects without established cardiovascular disease. A meta-analysis" 
Perrone-Filardi P et al
J Am Coll Cardiol. 2013 Aug 14. pii: S0735-1097(13)03880-1. doi: 10.1016/j.jacc.2013.07.069. [Epub ahead of print]

【目的】心血管疾患認めない高齢者に対し、スタチンで、全原因死亡率・心血管疾患イベント減少しめすか?
【背景】高齢化着実に進み、高齢者心血管疾患予防顕在的問題に、心血管疾患イベントある高齢者に対し、ガイドラインでスタチン使用推奨されているが、心血管疾患イベント既往内高齢者でのこれら薬剤のベネフィットは未だ議論されてない。
【方法】スタチン vs プラシーボのランダム化トライアルで、確立した心血管疾患なしの65歳を超えた高齢者での、全原因死亡率、心筋梗塞、卒中、新規がん発症

【結果】 8トライアル、24,674名(女性 42.7%、 年齢平均 73.0± 2.9歳、 フォローアップ平均  3.5 ± 1.5歳)

スタチンは、プラシーボに比較して、有意に、以下の減少
・ 心筋梗塞  39.4% (relative risk [RR]: 0.606 [95% 信頼区間 (CI): 0.434 to 0.847]; p=0.003)
・ 卒中  23.8% (RR: 0.762 [CI: 0.626 to 0.926]; p=0.006)

一方、全原因死亡率、心血管死亡ではリスク減少有意性なし (RR: 0.941 [CI: 0.856 to 1.035]; p=0.210、 RR: 0.907 [CI: 0.686 to 1.199]; p=0.493)

新規がん発症に関してスタチンとプラシーボ治療患者では差を認めず (RR: 0.989 [CI: 0.851 to 1.151]; p=0.890).

【結論】 心血管疾患既往無しの、心血管リスク高い高齢者でも、心筋梗塞・卒中発症を減少させるが、短期間Dねお生存率に関して有意な差を認めない。

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