下記トライアル群だと、、経済的インセンティブによる薬物などアドヒアランス改善なんてしないと結論づけ簡単にしそうだが・・・
解説者たちはやり方がおかしいと主張!
"opt-in"登録じゃ内在する動機づけ問題により検定検出できないという御宣託
The Uncertain Effect of Financial Incentives to Improve Health Behaviors
JAMA. Published online March 25, 2019. doi:10.1001/jama.2019.2560
2018年米国では雇用主の86%が健康行動のため何らかの金銭的インセンティブを雇用者へ提供し。低所得国では予防サービス報酬的利用条件付き現金提供がなされている。
だが、患者に金銭的インセンティブを提供ステイも必ずしもうまくいかない。なぜ、インセンティブが行動変化をもたらさないのか?
最近のインセンティブ失敗事例
3つの米国医療システム 1503名の高度心血管疾患リスク患者へのランダム化トライアル
スタチン使用と・LDL-C減少を結びつけた日々支給インセンティブ12ヶ月。結果は有意な減少得られず
スタチン使用と・LDL-C減少を結びつけた日々支給インセンティブ12ヶ月。結果は有意な減少得られず
Asch DA, Troxel AB, Stewart WF, et al. Effect of financial incentives to physicians, patients, or both on lipid levels: a randomized clinical trial. JAMA. 2015;314(18):1926-1935. doi:10.1001/jama.2015.14850ArticlePubMedGoogle ScholarCrossref社会的サポートと経済的インセンティブによる心血管医薬品アドヒアランス改善目的、急性心筋梗塞 1509名患者で、臨床的イベントや入院減らせず、肝心の医薬品アドヒアランスも改善せず
Volpp KG, Troxel AB, Mehta SJ, et al. Effect of electronic reminders, financial incentives, and social support on outcomes after myocardial infarction: the HeartStrong randomized clinical trial. JAMA Intern Med. 2017;177(8):1093-1101. doi:10.1001/jamainternmed.2017.2449
両トライアルとも、アドヒアランスにて1千米国ドル超の報酬が得られたはずなのに
HIV感染抗ウィルス薬に関し
801名の米国研究で、6ヶ月間総計1千ドル超の条件付けアドヒアランス関連行動とウィルス抑制に影響無し
Metsch LR, Feaster DJ, Gooden L, et al. Effect of patient navigation with or without financial incentives on viral suppression among hospitalized patients with HIV infection and substance use: a randomized clinical trial. JAMA. 2016;316(2):156-170. doi:10.1001/jama.2016.8914
37のHIV医療サイトで16208名のウィルス抑制リンク70ドルインセンティブ(4半期毎)で、ウィルス抑制率は標準サイト比較で3.8%のみ増加しただけ
El-Sadr WM, Donnell D, Beauchamp G, et al; HPTN 065 Study Team. Financial incentives for linkage to care and viral suppression among HIV-positive patients: a randomized clinical trial (HPTN 065). JAMA Intern Med. 2017;177(8):1083-1092. doi:10.1001/jamainternmed.2017.2158
ウガンダで行われた400名の周期的インセンティブでは6ヶ月間に25ドルでもウィルス抑制率に変化無し
Thirumurthy H, Ndyabakira A, Marson K, et al. Financial incentives for achieving and maintaining viral suppression among HIV-positive adults in Uganda: a randomised controlled trial. Lancet HIV. 2019;6(3):e155-e163. doi:10.1016/S2352-3018(18)30330-8
(Google翻訳)
これらの落胆する結果は、患者の金銭的インセンティブが一般的に機能しないという証拠のように思えるかもしれません。それは、インセンティブが機能することを実証する他の多くの研究にとってではありません。重要な教訓は、インセンティブをどのように配置、枠組み、または配置するかについての一見小さな選択が、彼らの成功に大きな影響を与える可能性があることです。インセンティブ介入は通常微妙なデザインの選択の集合です。すなわち、それぞれの選択は、その個々の影響が分離され得るならば、結果を変える可能性が潜在的にある。能動的またはプラセボ対照に対する新薬の評価とは異なり、インセンティブ介入の実用的な研究は必然的に複数の可能性のある活性成分を一緒にそして時には能動的対照に対して試験する。これらの試験の失敗から学ぶには、それらの要素部分を調べる必要があります。
基本レッスン
自己選択患者を参加させよう!
多くの研究では被検者は登録という区分のみ”opt-in process”にて意志決定される仕組み。これらのトライアルは内的妥当性は高度に維持されるが、外的妥当性はかなり低い。的確とされる患者の僅か10%〜15%しか登録せず、動機づけ低い場合より参加者に動機づけが高い確率が高い。そのようなトライアルに参加する被検者はインセンティブの有無にかかわらず動機づけが高い、故に、帰無に向かう可能性となるバイアスとなる。たとえそうでなくても、もっとも動機づけのある患者がサポートを最も必要とされるとされる状況は考えにくい。しかし、実際にはこれらが被検対象とされることが多い。
これらを考慮すると”opt-out"あるいは 非選択的トライアル考慮されることを推奨する。
インセンティブが修正されるようデザイン化される要素により誤って決定されることのないトライアル登録がなされる配慮である。
マスコミとか産業医学関係者は、この経済的インセンティブにご執心だけど・・・国際的な報告になってない?
結局、どういう言い訳しても、経済的インセンティブによるアドヒアランス改善には現在との所、科学的エビデンス無い・・・てことでしょ。