2014年1月29日水曜日

NIPPON DATA80:サブグループ解析を大げさに報道 ・・・ 魚と脳卒中リスク低下

サンプルサイズの割に、信頼区間や有意差確率はぎりぎり

だが、報道だと・・・
魚食べると脳卒中リスク低下」厚労省研究班が証明 1月29日 by NHK 

しかも、詳細、以下の論文とちょっと異なり、若年者だけ引き出して都合良いように報道(研究者側問題か、マスコミ側の問題か・・・)

で、教授様は、
「DHAなどの動脈硬化を抑える効果が、こうした結果につながったと思う。循環器病の予防には、魚介類中心の日本の食生活が有効だということが証明された」と話しています。



Long-chain n-3 polyunsaturated fatty acids intake and cardiovascular disease mortality risk in Japanese: A 24-year follow-up of NIPPON DATA80.
Miyagawa N, Miura K, et.al.; NIPPON DATA80 Research Group.
Atherosclerosis. 2014 Feb;232(2):384-9. 
doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2013.11.073. Epub 2013 Dec 17.


19万人年フォローアップ、24年間にて、879名の心血管死亡
長鎖n3脂肪酸1日あたり摂取量中央値は 0.37% kcal( 0.86g/日)

心血管疾患死亡率補正ハザード比は、最大4分位 vs 最小4分位比較で、 0.80; 95% CI, 0.66 - 0.96、 統計学的有意傾向 p=0.038

類似だが有意性をみとめない傾向が冠動脈疾患死亡・卒中死亡で観察

年齢群分析では、長鎖n3脂肪酸摂取量と、心血管疾患死亡・卒中死亡総数リスクと若年(30-59歳)で逆相関


まともなジャーナルなら、統計学的有意性のないことを上記表現することはまず無いだろう


自閉症と腸内細菌の関係

Microbiota modulate behavioral and physiological abnormalities associated with neurodevelopmental disorders.
Elaine Y. Hsiao, et al.
Cell 2013 Dec 19; 155:1451. (http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2013.11.024)

http://bms.ucsf.edu/sites/ucsf-bms.ixm.ca/files/20140130.montoya.misty_.pdf


 自閉症スペクトラム障害(ASD)を含む神経発達異常は、核となる行動異常により定義されるが、サブセットの中には、胃腸異常を示すスペクトラムを示す群もある。maternal immune activation (MIA) mouse model で、胃腸バリアの障害と微生物の変容が、ASDの特徴を示すことが示されている。MIA子孫へヒトの利共生性微生物であるBacterides fragilisは腸のpermeabilityと関連し、微生物代謝特性を変化させ、いくつかの代謝産物の量を変化させる。MIA増加し、B. fragilis保有し代謝物をもつnaive マウスは、特定の行動異常を示す。このことは、ホストのmetabolomeへの腸内細菌の影響が行動へ影響を与えることを示す。このgut-microbiome-brainコネクションASDマウスモデル知見から胃腸へのプロビオティック治療の可能性が示唆される。

- See more at: http://www.jwatch.org/na33305/2014/01/28/more-evidence-links-gut-microbiome-autism#sthash.4fGwrkm9.dpuf



過敏性腸症候群:第1選択治療? 低FODMAP食



FODMAPs (Fermentable, Oligo-, Di-, Monosaccharides, And Polyols)

- See more at: http://www.jwatch.org/na33303/2014/01/28/are-dietary-fodmaps-cause-irritable-bowel-syndrome?query=etoc_jwgenmed#sthash.rwfKbDL0.dpuf


The Low FODMAP Diet
(FODMAP=Fermentable Oligo-Di-Monosaccharides and Polyols)
http://stanfordhospital.org/digestivehealth/nutrition/DH-Low-FODMAP-Diet-Handout.pdf


The FODMAPs in the diet are:

  • Fructose (fruits, honey, high fructose corn syrup (HFCS), etc)
  • Lactose (dairy)
  • Fructans (wheat, onion, garlic, etc)(fructans are also known as inulin)
  • Galactans (beans, lentils, legumes such as soy, etc)
  • Polyols (sweeteners containing sorbitol,mannitol, xylitol, maltitol, stone fruits such as avocado, apricots, cherries, nectarines, peaches, plums, etc) 
これらの食品は、過剰摂取で、浸透圧が高く、消化・吸収されず、腸内細菌により発酵される。



A diet low in FODMAPs reduces symptoms of irritable bowel syndrome. Gastroenterology 2014 Jan; 146:67

IBS患者で、低FODMAPs食では、包括的胃腸症状スコア低下( 22.8 ; 95% 信頼区間[CI], 16.7 - 28.8 mm vs オーストラリア食 44.9; 95% CI, 36.6 - 53.1 mm ; p < 0.01)、患者習慣食に比べても低下。

IBS患者では、low-FODMAP食で、Bloating(鼓腸)、 pain(腹痛)、 passage of wind(おなら) とも対照より減少。


low-FODMAP食の間は、IBSサブタイプ全てで、便通満足度持続性が、高い。しかし、下痢主体IBSは便回数や、 King's Stool Chart score変化した。


対照化交叉試験にて、low-FODMAP食は効果的に機能的胃腸症状を改善する。
高品質エビデンスが示された。

Clinical Trial number: ACTRN12612001185853.


肺MAC症:マクロライド・アゾリド系長期治療の耐性問題なく微生物学的効果あり、しかし、再感染多い

日本の肺MAC症ガイドライン:肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解―2012年改訂

ATS:非定型抗酸菌群


今思うに、HTLV-1関連肺疾患という中に、どれほどの、NTMDが存在してたのだろう。感染確率の多い地域でのNTMDをすべてこの疾患としている医師の一群がいたのではNTMDと、気管支拡張との関係、とくに気管支拡張性MAC症と、びまん性汎細気管支炎との関連性の記載はしっかりなされてるのだろうか?そういう思いをしながら診療をしている。


マクロライド系長期使用に関しては、びまん性汎細気管支炎症例でさえ無知の医師・薬剤師・保険者により邪魔されながら使用している。MAC症においても同様でガイドライン上のクラリスロマイシン600mgから800mg使用するとほぼ疑義照会がなされる。まぁセーフティーネットが効いてるといえるのだからそれは良いのだが、納得しないアホが時々・・。

MAC症やNTMDは、さほど珍しい疾患では無い。「肺が汚い」とか「拡張症」などと言われたり、肺がん検診でみつかることも多くなっている。遺伝子診断進化しており、診断機会が多くなってきている。だが、治療はというと・・・


Macrolide/Azalide Therapy for Nodular/Bronchiectatic: Mycobacterium avium Complex Lung Disease
Richard J. Wallace,  et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2538 


背景:  MAC肺疾患に関する現行治療ガイドラインが適切か否かの評価のための大規模研究はない。結節性/気管支拡張性(NB)MAC肺疾患へのマクロライド/azalide系を含むレジメン評価後顧的単施設レビュー

方法:  微生物の反応評価を行う現代のガイドラインに従い治療
MAC分離株へのマクロライド感受性を、治療開始時、治療6-12ヶ月後、初回微生物学的再発時評価する。微生物学的再発分離株をオリジナルな菌株と比較してgenotypingを行う。

結果:  180名をマクロライド/azalide系 12ヶ月超治療施行。喀痰培養陰性への喀痰治療効果 86%(154/180名)。
クラリスロマイシン、アジスロマイシン間に反応の差認めず
連日治療で、間欠治療より、治療レジメン修正が多い(daily 24/30 (80%) vs intermittent 2/180 (1%) therapy (p = 0.0001)
治療期間中マクロライド抵抗性発生は無い
治療中微生物学的再発は14%、 MAC再感染 73%、真の再発 27%(p = 0.03)
包括的には、治療成功、すなわち、喀痰conversion(真の微生物学的再発無し)は、84%。微生物学的再発は治療完遂後74/155(48%)。再感染分離株は75%、真の再発は25%。


結論:  非結核性MAC肺疾患に対するマクロライド系・アゾリド系治現行療ガイドラインは、多くの患者では、微生物学的アウトカム良好な結果で、しかも、マクロライド抵抗性促進は認めない。間欠治療が連日治療より、より有効で、耐用性良好という有意な結果。
治療期間中・治療後微生物学的再発は多く、多くは真の再発で歯内が、MAC genetype群の別の再感染が多い。

COPDと鼻症状:頻度多く、QOLに影響

Association of chronic nasal symptoms with dyspnoea and quality-of-life impairment in chronic obstructive pulmonary disease,
Denis Caillaud, et. al.
Respirology DOI: 10.1111/resp.12224

COPD 274名中115名 42%で、CNS(慢性鼻症状:chronic nasal symptom)
うち、鼻漏、鼻閉は62%、 43%。


多変量解析では、慢性鼻症状は、呼吸困難スコア:SGRQ総スコア高値と相関し、QoL悪化と関連する(P = 0.01)


さらに、労作性呼吸困難指数 mMRCも独立して慢性鼻症状と関連する。


リスクの中で、喫煙累積量、花粉症・アトピー性皮膚炎が、慢性鼻症状と相関するが、職業的暴露は相関せず


肺がん早期診断にもVOC呼気試験

specific volatile organic compounds (VOCs)呼気試験・マススペクトロメータの開発が盛ん。

mass spectrometerと分析マイクロプロセッサを用いる手法で、肺結節・腫瘤影の95%を予測し、非増加所見で良性腫瘍を80%予測するという報告


50th Annual Meeting of The Society of Thoracic Surgeonsで報告された研究
http://www.medicalnewstoday.com/articles/271813.php
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/01/140128094145.htm
http://www.seniorjournal.com/NEWS/Health/2014/20140128_Early_Detection_of_Lung_Cancer_Made_From_Exhaled_Breath.htm


一方、日本では犬を集めて研究・・・

noteへ実験的移行

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