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2021年8月31日火曜日

現在のCKD基準では高齢者を過剰診断し高コスト化するだけで若年者リスクを過小評価している

 Accounting for Age in the Definition of Chronic Kidney Disease

Ping Liu, et al.

JAMA Intern Med. Published online August 30, 2021. doi:10.1001/jamainternmed.2021.4813 



キーポイント


【Question】 慢性腎臓病(CKD)の定義には、加齢に伴う生理的な推定糸球体濾過量(eGFR)の低下を考慮すべきか?


【所見】 このコホート研究では、年齢に合わせたeGFR基準ではなく、固定のeGFR閾値を用いてCKDと判定された人のうち、75%が65歳以上で、eGFRが45~59mL/min/1.73m2、アルブミン尿が正常/軽度であった。この後者のグループでは、腎不全および死亡のリスクは、CKDを持たない対照群と同程度の大きさであった。


【意味】 この研究結果は、加齢によるeGFRの低下を考慮しない現在のCKDの定義が、腎臓の加齢が正常な多くの高齢者を疾患に分類することで、CKDの負担を増大させている可能性を示唆している。


要約


【重要性】  患者の年齢に関係なく、同じレベルの推定糸球体濾過量(eGFR)を用いて慢性腎臓病(CKD)を定義することは、生理学的に加齢によるeGFRの低下が正常な多くの高齢者を疾患に分類することになるかもしれない。


【目的】  固定されたeGFR閾値と年齢に合わせたeGFR閾値で定義されたCKDに関連する転帰を比較すること。


【デザイン、設定、参加者】  この人口ベースのコホート研究は、カナダのアルバータ州で実施され、2009年4月1日から2017年3月31日までの間にCKDを発症した成人の行政データと検査データをリンクして使用し、eGFRが固定または年齢に応じたeGFR閾値よりも3カ月以上持続的に低下したと定義した。非CKDの対照者は、65歳以上でeGFRが60~89mL/min/1.73m2の状態が3カ月以上持続し、アルブミン尿が正常/軽度であることと定義した。追跡調査は2019年3月31日に終了した。2020年2月から4月にかけてデータを解析した。


【エクスポージャー】  固定のeGFR閾値60と,年齢が40歳未満,40~64歳,65歳以上でそれぞれ75,60,45mL/min/1.73m2の閾値とを比較した。


【主なアウトカムと測定法】  腎不全(腎代替療法の開始またはeGFR15mL/min/1.73m2未満が3カ月以上持続)および腎不全を伴わない死亡の競合リスク。


【結果】  固定基準と年齢適応基準のCKDコホートには、それぞれ127人132人(女性69,546人[54.7%]、男性57,586人[45.3%])と81人209人(女性44,582人[54.9%]、男性36,627人[45.1%])が含まれていた(10万人年あたりの新規症例数は、537人対343人)。

閾値固定コホートは、年齢順応コホートに比べて、腎不全(5年後に1.7% vs 3.0%)および死亡(21.9% vs 25.4%)のリスクが低かった

両コホートには、合計53,906人の成人が含まれた。閾値固定コホートのみの対象者(n=72703)のうち、54342人(75%)は65歳以上で、ベースラインのeGFRは45~59mL/min/1.73m2、アルブミン尿は正常/軽度だった。

これらの高齢者の腎不全および死亡の5年間のリスクは、非CKD対照者と同様であり、すべての年齢区分において両群で腎不全のリスクは0.12%以下であり、65歳以上69歳未満、70歳以上74歳未満、75歳以上79歳未満、80歳以上では、それぞれ69倍、122倍、279倍、935倍の死亡リスクがあった。



【結論と関連性】  この成人CKDのコホート研究は、すべての年齢で同じeGFR閾値を使用する現在のCKDの基準は、高齢化社会におけるCKDの負担を過大評価し、過剰診断し、加齢に伴うeGFRの低下が見られる多くの高齢者に不必要な介入を行う可能性があることを示唆している。


2020年9月14日月曜日

高齢:運動トレーニングにより脂肪細胞内炎症減少効果

運動訓練、フィットネス:能力により脂肪細胞内抗炎症作用を示し、ET:運動訓練についての話と細かい免疫機序についての解説も含まれている

<hr>

<序文高齢者の代謝性病態併存は、全身性の催炎症性と脂肪組織の低程度の炎症が関連しているようにみえる。肥満に見られる脂肪組織(AT)の低程度炎症は炎症細胞(例えば、催炎症性マクロファージやリンパ球)のATへのstromavascular fractionへのrecruitment増加、adipokineやサイトカイン産生へ影響を与える可能性があるが、ATの免疫状態への加齢の影響を記載するデータは少ない。

Ortega-Martinezによる研究では、脂肪率と年齢の両方がヒトの皮下ATのマクロファージ含量と関連していると明確化し、マウスを用いた研究では、AT中の常駐抗炎症性M2マクロファージの減少と抗炎症性T<sub>REG</sub> lymphocytesの加齢による低反応性が示され、さらに身体活動/運動トレーニング(ET)は、代謝障害を予防することができる最も効果的な生活習慣介入の一つであることが証明された。 

身体活動の増加に基づく介入は、循環サイトカインおよび免疫細胞のレベルで炎症状態を改善することが示されマウスのATにおいて、ETは、炎症性サイトカインレベル、マクロファージおよびCD8 Tリンパ球のおよび線維化の程度を減少させることが示され、これはATにおける炎症の減少を示唆している。トレーニングによりATのadipokine及びサイトカインmRNA値の変化報告があるが、一般化はされてない。全身レベルおよびATにおける催炎症性表現型および代謝パフォーマンスは、ω3多価不飽和脂肪酸(ω3)の影響を受けている可能性も示唆され、以下の報告のきっかけとなったとのこと



<hr>

Exercise training reduces inflammation of adipose tissue in the elderly: cross-sectional and randomized interventional trial

Terezie Čížková, et al.

The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism

https://doi.org/10.1210/clinem/dgaa630

https://academic.oup.com/jcem/advance-article/doi/10.1210/clinem/dgaa630/5903324

概要

老化や肥満に伴う代謝障害や炎症促進状態は、身体活動や栄養介入によって緩和される可能性がある。


目的

本研究の目的は、フィジカルフィットネス/エクササイズトレーニング(ET)が、特にω3サプリメントとの併用により、脂肪組織(AT)の炎症を緩和するかどうか、また、ETによって誘発されるATの変化が高齢者のインスリン感受性(IS)および代謝健康の改善に寄与するかどうかを評価することである。


デザイン、参加者、主要アウトカム指標

体力の効果は、訓練を受けた高齢女性と訓練を受けていない高齢女性(71±4歳、n=48)の横断的比較、およびω3(カラヌス油)の補給の有無にかかわらず4ヶ月間のETによる二重盲検無作為化介入(n=55)で測定した。体力はSpiroergometry (maximum graded exercise test) とSenior Fitness Testsで評価した。ISはhyperinsulinemic-euglycemic clampにより測定した。皮下ATサンプルを用いて、mRNA遺伝子発現、サイトカイン分泌、免疫細胞集団の分析を行った。


結果

訓練を受けた女性は、訓練を受けていない女性と比較して、AT中の炎症および酸化ストレスマーカーのmRNAレベルが低く、CD36+マクロファージの相対含有量が低く、γδT細胞の相対含有量が高かった。同様の効果は、4ヶ月間のET介入でも再現された。CD36+細胞量、γδT細胞量、炎症性および酸化ストレスマーカーのmRNA発現は、心筋梗塞および心肺機能と相関していた。


結論

高齢の女性では、体力はATにおける炎症の減少と関連している。これは、ETによって達成された有益な代謝転帰に寄与している可能性がある。ETと併用した場合、ω3サプリメントはATの炎症特性に追加の有益な効果はなかった。


www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。




Calanus   oil   supplementation では、炎症性パラメータは軽度影響を与えたのみで、長期的な身体活動と4ヶ月間のETの両方で、脂肪率の低下とインスリン感受性の上昇が見られ、身体的に健康な女性のより良好な代謝表現型を示した。肥満者や高齢者ではET後に脂肪率/脂肪量の低下とインスリン感受性の改善が見られたという先行研究と一致。中高年肥満者では脂肪細胞の大きさに変化は見られなかったが、高齢女性では脂肪細胞の大きさに関して有意な減少が低カロリーの食事と組み合わせたETの後に報告されている。

トレーニングの種類やカロリー制限の有無が脂肪細胞の大きさの変化に関与している可能性がある。

マウスでは、有酸素的ETがATの炎症状態、すなわちTNF、MCP1、F4/80マクロファージマーカーのmRNA発現を低下させることが示され、血管周囲ATにおけるマクロファージとCD8 T細胞の含有量も低下。過体重/肥満の血糖値異常者では、運動トレーニング後の炎症性遺伝子のmRNA発現の低下し、免疫関連転写物のAccepted ManuscriptレベルはISと相関した。マウス、ヒトともにETはATの酸化ストレスの減少をもたらすことが報告されていたが、本研究では、訓練を受けた高齢女性のATにおける炎症・酸化ストレス関連遺伝子のmRNAレベルが、訓練を受けていない女性と比較して低下していることを確認された。

mRNA発現は全身組織の結果を反映するばかりで、単に免疫細胞を反映するのではない。故に、リンパ球マクロファージpopulationを身体活動や全身性代謝パラメータと関連し評価した。

 CD4+  T-helper  cells とCD8+  cytotoxic  cellsは運動訓練の有無で違いがあるが、VO2peakとは直接相関しない。リンパ球、主にγδT細胞、T<sub>H</sub>1及びCD183+/194+/196+細胞が身体的フィットネスと相関、γδT細胞はユニークなT細胞で、innate及びadaptive immunityの橋渡し役をする細胞であり、T細胞が癌に対する保護作用を持つ可能性やIL-17やIL-33の産生を介してAT中のTREG細胞の増殖を調節することが示されている。肥満の人は血中のγδT細胞レベルが低く、肥満の重症度とγδT細胞との間に負の相関があることが明らかで、γδT細胞はAT免疫ホメオスタシス上重要な有益的な役割を果たす可能性がある

 T<sub>H</sub>1細胞高値、TNFαとIL-8分泌サイトカイン高値傾向が運動訓練を受けてない群の催炎症性状態で見られる傾向にあり、 T<sub>H</sub>1細胞はFMと相関するが、VO<sub>2 peak</sub>とは関連SINAI、FMマッチ化群ではその差は消失し、心肺フィットネスより、よりadiposityと強い関連性を示す。さらに、 T<sub>H</sub>1細胞比率増加は肥満でより多く見られ、インスリン抵抗性と関連する。ヒトATではリンパ球中の、T<sub>H</sib>1、 T<sub>H</sib> 2、T<sub>H</sib>17 effector細胞T<sub>H</sib>に分化する比率は驚くほど少ない。

最も多いCD4+ Tリンパ球は、3つのlineage marker(CXCR3、CCR4、CCR6)すべて陽性のモノがヒトで検出され、これらの細胞はT<sub>H</sub>17細胞と同様の特性を持ち、TNFα、IL-17産生レベルが低く、末梢組織へのホーミングのための接着分子を豊富に発現しており、この系統はヒトATにも存在すると予想される。 CD183+/194+/196+レベルはCD14+/CD36+マクロファージと負の相関があることから、AT内でのこれらの免疫細胞集団の蓄積には逆の関係があると考えられます。 この研究では訓練を受けた女性のCD14+/CD36+ ATMは訓練を受けていない女性に比べて低く、これらの細胞の割合は、横断的な比較ではISレベルと負の相関があり、CD14+/CD36+ ATMの変化は、ET中のVO2ピークの変化と相関していた

CD36を発現するATマクロファージは “metabolically activated”  ことが示されており、それらはおそらく pro-inflammatory  (M1-like)  phenotype である。このタイプのATMの減少は、定期的身体活動と相関する。

AT内のTLR4 mRNA発現とTLR4陽性マクロファージの相対的量の増加はET後増加は意外であるが、これは血中の単球を反映したモノで、AT内のマクロファージや単球をしめしたものではなかった。AT による催炎症性サイトカインの発現と分泌は、ET 後に減少していた。 したがって、TLR4 シグナルは活性化脂質の利用可能性の低下によって低下しているか、あるいは他の ET 誘導経路によって積極的に打ち消されているのではないかと推測される。そのメカニズムの一つとして、TLR2受容体の逆制御が考えられます。 樹状細胞が高レベルのサイトカインを産生するためには、両方の受容体からの同時シグナル伝達が必要であることが述べられているように、ETによるTLRs発現の変化はサイトカインの分泌を刺激しない可能性がある

2020年7月9日木曜日

高齢者スタチン使用にて全死亡率改善の可能性

高齢者に於けるスタチン一次予防効果

ARR手計算してみると

  • 全死亡率 51.3
  • 心血管死亡 323.6

程度になると思う


低レベル・エビデンスだが、現時点で高齢者スタチン使用を真っ向から否定することは差し控えたい




医学と技術の進歩に伴い、平均寿命は延び、75歳以上の成人は人口の中で最も急速に成長しているセグメントです。

2050年までに4500万人以上のアメリカ人が75歳以上になり、その増加率は85歳以上で最も高くなります。
動脈硬化性心血管病(ASCVD)の発症率と有病率は年齢とともに上昇し、死亡原因の第一位であり、生活の質の低下と医療費の増加をもたらしています。しかし、高齢者は世界的なASCVDの負担の大部分を担っているにもかかわらず、予防や治療ガイドラインのエビデンスとなる臨床試験にはほとんど参加していません。
 スタチンはASCVDの一次予防の主役であるが、ガイドラインでは75歳以上の高齢者におけるスタチンの役割については、主にデータが少ないために曖昧なままである。このギャップは、すべての主要なスタチン試験に75歳以上の患者が登録されていないことが主な原因である。高齢者におけるスタチン製剤の潜在的な有用性に関するエビデンスの統合はまだ限られており、この疑問に答えることができる試験が行われるまでには数年かかると思われる。


この問題に対処するために、20年間で全国で2400万人以上の利用者を含む医療システムである米国退役軍人健康局(VHA)サービス全体のデータを用いて、75歳以上の高齢者におけるスタチン使用と全死亡、心血管死亡、および非致死的ASCVDイベントの発生率との関連を検討した。


Association of Statin Use With All-Cause and Cardiovascular Mortality in US Veterans 75 Years and Older
Ariela R. Orkaby,  et al.
JAMA. 2020;324(1):68-78.
doi:10.1001/jama.2020.7848
July 7, 2020
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2767861


重要性
75歳以上の成人における動脈硬化性心血管病(ASCVD)の一次予防のためのスタチン療法に関するデータは限られている。

目的
75歳以上の退役軍人における死亡率およびASCVDの一次予防におけるスタチン使用の役割を評価する。

デザイン、設定、および参加者
退役軍人保健局(VHA)のデータを使用したレトロスペクティブ・コホート研究で、75歳以上でASCVDを発症しておらず、2002~2012年に臨床検査を受けた成人を対象とした。追跡調査は2016年12月31日まで継続した。すべてのデータはメディケアおよびメディケイドの請求書および医薬品データにリンクされていた。スタチンの使用歴のある患者を除外し、新規使用者のデザインを用いた。スタチン使用と転帰との関連を評価するために、Cox比例ハザードモデルを適合させた。解析は、ベースライン特性のバランスをとるために、傾向スコアの重複加重を用いて実施された。

エクスポージャー
スタチンの新規処方

主要アウトカムと測定
主要アウトカムは全死因死亡率と心血管系死亡率であった。副次的転帰には、ASCVDイベント(心筋梗塞、虚血性脳卒中、冠動脈バイパスグラフト手術または経皮的冠動脈インターベンションによる再灌流)を複合したものが含まれた。

結果
対象となった退役軍人326,981人(平均年齢[SD]、81.1[4.1]歳、男性97%、白人91%)のうち、57,178人(17.5%)が試験期間中に新たにスタチン系薬剤を開始した。平均追跡期間6.8年(SD、3.9年)の間に、合計206,902例の死亡が発生し、そのうち53,296例が心血管疾患による死亡で、スタチン使用者と非使用者ではそれぞれ78.7例、98.2例/1000人年であった(加重罹患率差[IRD]/1000人年、-19.5[95%CI、-20.4~-18.5])。1000人年当たりの心血管死は、スタチン使用者で22.6人年、非使用者で25.7人年であった(加重罹患率差[IRD]/1000人年、-3.1 [95%CI、-3.6~-2.6])。複合ASCVD転帰については、スタチン使用者と非使用者でそれぞれ1,000人年あたり66.3件、70.4件のイベントが123,379件であった(加重平均IRD/1,000人年、-4.1[95%CI、-5.1~-3.0])。プロペンシティスコア重複重み付けを適用した後のハザード比は、スタチン使用者と非使用者を比較した場合、全死因死亡率で0.75(95%CI、0.74~0.76)、心血管死亡率で0.80(95%CI、0.78~0.81)、ASCVDイベントの複合体で0.92(95%CI、0.91~0.94)であった。

結論と関連性
75歳以上の退役軍人で、ベースライン時にASCVDを発症していない場合、スタチンの新規使用は全死因死亡および心血管系死亡のリスクの低下と有意に関連していた。ASCVDの一次予防のための高齢者におけるスタチン療法の役割をより明確に決定するためには、無作為化臨床試験を含めたさらなる研究が必要である。

2019年11月12日火曜日

高齢老人:身体活動断片化と死亡リスクの関連

5分未満の身体活動の断片化を防ぐ指導や習慣化というと・・・具体的には?

この研究の被験者である健康な老人ではその身体活動の長さと死亡リスクは関連しなかった。一方、身体活動の塊として5分未満のように細切れな運動傾向は死亡リスクと相関している。例えば3分程度の歩行を細切れにしている傾向なら死亡リスクは増加するのかもしれない。たとえば座りっぱなしの生活を反映しているのかもしれないし、心肺機能・運動機能や筋骨格や代謝内分泌機能や代謝機能、ひいてはミトコンドリアなどの機能などのの低下を反映しているのかもしれない。

メッセージとしては、比較的元気な老人では身体活動量総数以外に重要な運動パラメータがあるということになる


一部メディアにも取り上げられていたようだ
http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=68319&-lay=lay&-Find.html



5分未満しか継続できない身体活動


Association of Total Daily Physical Activity and Fragmented Physical Activity With Mortality in Older Adults
Amal A. Wanigatunga,et al.
JAMA Netw Open. 2019;2(10):e1912352. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.12352
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2752084


コホート研究:accelerometerデータ 2007-2013年、死亡率は 2007〜2017年

活動性データを午前5時〜午後10:59(歩行時間と見なす)でのみ考慮
3つの要約変数を歩行時間内で設定:activeな時間総数、activity fragmentation index, 3つのboutの長さ(5分未満、5-10分、10分以上)での各々の時間総数


  • Total activity minutes were calculated by summing the number of active minutes and calculating the mean across wear days for each participant. 
  • Activity fragmentation was defined using the active-to-sedentary transition probability, calculated as the reciprocal of the mean activity bout length for each participant. 
  • To gain context of the patterns of bout lengths, active minutes spent in bouts of less than 5, 5 to 10, and 10 or more minutes were calculated.  The shorter lengths were chosen on the basis of previous publications to represent short, medium, and long bouts of activity.


主要アウトカムと測定項目:総死亡率

548名の機能正常高齢者(平均[SD]年齢 , 75.8 [7.2]歳、 女性 262 [47.8%]のうち死亡 61名(11.1%)

1日身体活動量総数は死亡率リスクと関連せず  (hazard ratio [HR], 0.90 [95% CI, 0.75-1.08]; P = .28)
しかし、分断(fragmented)身体活動は、年齢、性別、人種/民族、BMI、喫煙歴、雇用、自己報告健康、握力、通常歩行速度、併存症、装置装着時間補正後、死亡率リスク増加と有意な相関 (HR, 1.49 [95% CI, 1.02-2.19]; P = .04)

加え、5分未満の身体活動boutsの繰り返しは、死亡率リスク増加とより高く関連 (HR, 1.28 [95% CI, 1.01-1.61]; P = .04)するも、5-10分程度の身体活動boutsや10分以上のboutsでは死亡率増加と相関せず (HR, 0.99 [95% CI, 0.58-1.69]; P = .97, 0.81 [95% CI, 0.65-1.01]; P = .06)





序文 Google翻訳

身体活動は、特に65歳以上の成人にとって、健康と生活の質に利益をもたらします。  加齢に伴い、機能的能力が低下し、身体活動が減少し、死亡リスクが増加します。 以前の研究は、身体活動の量および/または強度の測定値が死亡リスクと関連していることを示していますが、技術の進歩(たとえば、加速度計)は、活動の詳細なパターンが従来の測定値よりも健康結果に有益であるかどうかを評価およびテストする可能性を示しますこれにより、将来の健康と寿命のより早いマーカーが提供されます。 これは、米国人口の中で最も座りがちで急速に成長しているセグメントの1つである高齢者に関して特に重要です。
加齢と病気では、生理的能力が低下するにつれて、活動の頻度が少なくなり、持続時間が短くなります。活動の断片化されたパターンは、身体機能の低下、障害および虚弱の前兆に関連しており、疲労感が高く、持久力が低いがんサバイバーで検出されており、加速老化と一致する要因です。
したがって、活動の断片化は、損なわれた生理学的状態と健康と機能状態の差し迫った低下のマーカーである可能性があり、介入の潜在的な早期の標的になります。


discussion部分一部Google翻訳
活動状態で費やされた時間と死亡率の間の逆相関の大きさと方向性を支持していますが、私たちの発見は統計的有意性を達成しませんでした。これは、BLSA参加者が高齢者の一般集団よりも健康で機能が高かったためと思われます。一緒に、私たちの調査結果は、高機能の高齢者における総身体活動の低下は、死亡リスクの増加を適切に表さない可能性があることを示唆しています。 対照的に、より断片化された毎日の活動は、健康な高齢者の死亡リスクのより敏感なマーカーとして機能するようです。これらの結果は、身体活動が死亡率と負の関連性を示す一方で、座りがちな時間は死亡リスクと正の関連性があることを示す最近の知見を補完するものです。自由生活環境で活動状態から座りがちな状態に移行する確率を把握する。しかし、身体活動の審議的または代償的変化が機能低下と加速死亡リスクに関連するかどうかの問題は依然として複雑です。現在の臨床ベースの機能評価は機能制限を測定しますが、天井効果は持久力、疲労、歩行効率などの高次の身体機能を評価する能力を制限します。機能的能力の重要な低下を反映している可能性があり、個人が現在の測定ツールでは捕捉できない短い活動時間に制限されています。さらに、活動の断片化は、スタミナの低下、または機能状態の低下を伴うことが多い活動後の休息の必要性を捕捉する可能性があります.また、差し迫った死亡率を示します。一日中の活動のパターン、および早死に向かう軌跡を部分的に説明するかもしれません。これらの変化は主に身体機能の低下に寄与する生理学的変化に起因しますが、活動の断片化に寄与する心理的要因(例:階段を登れないことの認識)および生態学的要因(例:階段の代わりにエレベーターを使用)が考えられます。現在の結果は、活動の断片化が総身体活動の早期かつ臨床的に意味のある低下を反映し、ミトコンドリア機能障害を含む老化の基礎となる生物学的および生理学的メカニズムのさらなる調査を主張する可能性があることを示唆しています

2019年10月31日木曜日

80歳以上の潜在性甲状腺機能低下症治療

80歳以上の251名の被験者を含む2つのRCTからのpooled analysisで、levothyroxine治療をプラシーボと比較して、甲状腺関連患者報告QOLアウトカムスコア(range 0-100: 高スコアほどQOL悪化し、MCID 9)で、甲状腺機能低下症状に関するスコア 補正群間差 1.3、倦怠感 に関するスコア 補正群間差 0.1


結論:80歳を超える高齢者に対して、潜在性(無症候性)甲状腺機能低下症に対するレボサイロキシンのルーチン治療を支持できない


Association Between Levothyroxine Treatment and Thyroid-Related Symptoms Among Adults Aged 80 Years and Older With Subclinical Hypothyroidism
Simon P. Mooijaart, et al.
JAMA. Published online October 30, 2019. doi:10.1001/jama.2019.17274
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2753909





日本内科学会雑誌では85歳以上を除外
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/4/99_707/_pdf




付録


Subclinical Hypothyroidism
A Review
Bernadette Biondi, MD1; Anne R. Cappola, MD, ScM2,3; David S. Cooper, MD4
JAMA. 2019;322(2):153-160. doi:10.1001/jama.2019.9052


Differential Diagnosis of Elevated Serum Thyrotropin and Normal Serum Free Thyroxinea
Subclinical Hypothyroidism Due to Mild Thyroid Failure
Chronic lymphocytic thyroiditis (Hashimoto thyroiditis)
Inadequate levothyroxine replacement therapy for overt hypothyroidism
Following thyroid lobectomy
Following antithyroid drug or radioiodine therapy for hyperthyroidism Following external beam radiotherapy to the head and neck Infiltrative disorders such as amyloidosis and Riedel thyroiditis Following an episode of subacute (granulomatous) thyroiditis

Drug induced, especially in patients with underlying lymphocytic thyroiditis
Lithium carbonate
Iodine-containing compounds, including amiodarone Interferon alfa

Tyrosine kinase inhibitors, immune check point inhibitors
Physiological Transient Rises in Thyrotropin Levels
Recovery after severe nonthyroidal illness During recovery from various forms of thyroiditis
Following withdrawal of chronic levothyroxine therapy in a euthyroid individual
Seasonal (wintertime) increases in serum thyrotropin
Elevated Serum Thyrotropin Levels
That Are Not True Subclinical Hypothyroidism
Common causes
Increases in elderly persons without thyroid disease
Increases in patients with marked obesity, typically with body mass index of more than 40
Uncommon causes
Anomalous laboratory results due to heterophilic antibodies or macroTSH

Untreated adrenal insufficiency
Abbreviation: TSH indicates thyroid-stimulating hormone (thyrotropin).
a1 Modified from Cooper and Biondi.






2019年8月6日火曜日

股関節骨折:80歳以上骨粗鬆症疾患定義の意義・併存症・予後

80歳以上女性の股関節骨折に関し、疾患定義、併存症状況、予後の関連性は?
死亡リスク斟酌後、高リスクを除き、骨粗鬆症患者では股関節骨折リスク高いが骨粗鬆症なしの場合より5年間股関節骨折発生確率は3倍も高い
股関節骨折発生確率は併存疾患数、予後不良ほどさらに影響大



Association of disease definition, comorbidity burden, and prognosis with hip fracture probability among late-life women
Ensrud  KE, Kats  AM, Boyd  CM,  et al.
[published online June 17, 2019].
JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2019.0682
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2735986

前向きコホート(4米国内)1528地域住民女性で骨粗鬆症開始候補となる対象者
主要アウトカム ・測定項目:4ヶ月毎接触しバイタル常態と股関節骨折確認
5年間股関節骨折発生確率を計算

疾患定義クライテリアNational Bone Health Allianceに基づき2つの群に分類

  • with osteoporosis (n = 761) 
  • without osteoporosis but at high fracture risk (n = 767)


併存症は自己報告、予後はmortality prediction indexで推定

登録1528名、女性のみ、平均(SD)年齢 84.1(3.4)再
フォローアップ中、股関節骨折発生 125(8.0%)、骨折イベント発生前死亡 287(18.8%)




5年生存率 :骨粗鬆症女性 24.9%(95% CI, 21.8-28.1) vs 骨折高リスクだが骨粗鬆症なし 19.4% (95%  CI, 16.6-22.3)



両群とも、死亡率は併存疾患数多いほど、予後悪化ほど増加

反対に、5年股関節骨折発生確率は、骨粗鬆症ありで13.0% (95% CI, 10.7-15.5)  骨折高リスクだが骨粗鬆症なしで 4.0% (95% CI, 2.8-5.6)
これは、併存疾患数多いほど、予後悪化ほど差が開く
例えば、3以上の併存症ある女性では、股関節骨折発生確率 骨粗鬆症ありで13.1% vs 骨折高リスクだが骨粗鬆症なしで 2.5% (95% CI, 1.3-4.2)



結論:

80歳以上の女性で、併存疾患や予後が悪い人を含む骨粗鬆症の場合、死亡リスクの競合を考慮しても5年の股関節骨折の可能性が高くなる。 対照的に、骨粗鬆症ではないが骨折リスクが高い女性の間では、特に併存疾患または予後が悪い女性の間で、競合する死亡リスクが股関節骨折の可能性をはるかに上回る。




80歳以上の女性のコホートでは、併存疾患や予後不良の女性を含む骨粗鬆症の女性は、死亡の競合リスクを考慮した後でも、股関節骨折の5年確率が高かった。対照的に、骨折リスクが高いが骨粗鬆症ではないと特定された女性では、特に死亡の可能性が股関節骨折の可能性を大幅に上回っている併存疾患の多い人や予後不良の人では、5年の股関節骨折の確率が大幅に低かった。
この観察結果は、高齢女性骨粗鬆症治療に関して治療基準の一つを与えるのかもしれない

エディトリアル:
Considering the Risks and Benefits of Osteoporosis Treatment in Older Adults
Sarah D. Berry, MD, MPH1,2; Sandra Shi, MD1,2; Douglas P. Kiel, MD, MPH1,2
Author Affiliations Article Information
JAMA Intern Med. 2019;179(8):1103-1104. doi:10.1001/jamainternmed.2019.0688




ある団体から、ARON-J、(ビスフォスフォネート限定なら)BRON−Jに関するアンケートが送付された。医科歯科医療連携促進をという趣旨で真尤もだが・・・まるで、診断定義、予防・治療法がdefinitiveであるごとき文章でアンケートながら一部疑念が・・・

メカニズムも治療法も不明でリスク状況で危ないことはしないようにというのはコンセンサスが得やすいのかもしれないが過剰な骨粗鬆症治療抑制というのもある種のリスクを増加させることになる。保団連統一運動のようだがバイアスのない運動であることを願う



比較的新しいレビューではMRONJという表現の“骨粗鬆治療関連下顎骨壊死”は長﨑大学・口腔外科からのもの
Medication-related osteonecrosis of the jaw: A literature review.
J Oral Biosci. 2019 Jun;61(2):99-104.
doi: 10.1016/j.job.2019.03.005. Epub 2019 May 15.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1349007919300477?via%3Dihub

Antiresorptive agents such as bisphosphonates and denosumab, as well as angiogenesis inhibitors, may induce medication-related osteonecrosis of the jaw (MRONJ). However, the exact mechanisms of MRONJ are unclear and definitive treatment strategies have not yet been developed. Moreover, the aging population requiring antiresorptive agents and angiogenesis inhibitors has been increasing worldwide. Therefore, the aim of this literature review was to introduce the latest information on MRONJ. The epidemiology, triggering factors, risk factors, drug holiday, pathoetiology and treatment strategies for each drug-induced ONJ were investigated by conducting a PubMed search.
Highlight: The prevalence and incidence of ONJ were very low. Some mechanisms of ONJ have been identified, although they were not definitive. Novel treatment strategies have been proposed in basic and clinical research. Several factors, including age and the administration duration of bisphosphonates, are risks for the development of bisphosphonate-related ONJ (BRONJ). Dental implant therapy and peri- implantitis could become risk factors of BRONJ, regardless of the onset timing of bisphosphonates. 
No reliable information about ONJ induced by denosumab and angiogenesis inhibitors was found. 
Conclusion: Caution should be taken when dental treatment including implant therapy is performed in patients receiving bisphosphonates, denosumab, and angiogenesis inhibitors. There is limited scientific evidence regarding the relationship between MRONJ and older age. Further ONJ-related research on the aging population is required to manage the treatment of such diseases in older people in the future.

頻度:BRONJ発生率は10万人年あたり 1.04-69、一方、denosumab- related osteonecrosis of the jaw (DRONJ) は0-30.2
AAOMSの結論は骨粗鬆症患者に於けるONJ発生率は極めて低い(very low)というもの

ONJのtrigger

ONJのリスク要素:年齢、ビスフォスフォネートの投与期間、投与ルート、種類、投与量、ステロイド・化学療法使用、全身疾患・局所疾患、歯科手技、解剖上の問題

Preventing medication-related osteonecrosis of the jaw
BMJ 2019; 365 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l1733 (Published 08 May 2019)
Cite this as: BMJ 2019;365:l1733



骨粗鬆症薬剤以外にがん治療がより大きなリスク要素として指摘されている

Box 1: Risk factors for medication-related osteonecrosis of the jaw
Medication-related factors
• Those being treated for cancer are at higher risk than those treated for osteoporosis
• Risk increases with the duration of anti-resorptive therapy
Dental factors
• Dental surgery (tooth extraction) is a major risk factor
• Dental infection, periodontal (gum) disease, or trauma from poorly fitting dentures may increase the risk
Concomitant medications
• The risk is higher with dual therapy (anti-resorptive plus anti-angiogenic drugs)
Corticosteroids and immunosuppressants such as methotrexate and azathioprine are associated with increased risk
Comorbidities
• Anaemia, diabetes, and HIV infection among cancer patients are inconsistently reported risk factors


関連薬剤は多種に







より複雑になるMRONJ そういう意味では医科歯科連携は重要だろう、一方で、骨粗鬆症治療のリスク・ベネフィットをもう少し明瞭化する必要があると思う

2019年6月11日火曜日

高齢喘息:自己管理サポート介入:喘息コントロール、QOL、薬剤アドヒアランス、吸入技術改善

医療施設ではasthma care coach (ACC) と在宅ケアではcommunity health worker (CHW)による介入



teach-to-goal conceptによる徹底した介入
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10810730.2011.604379
We also outline the practical guiding principles for designing our intervention, which includes a multisession educational strategy that teaches patients self-care skills until they reach behavioral goals (“Teach to Goal”).




Effect of a Self-management Support Intervention on Asthma Outcomes in Older Adults
The SAMBA Study Randomized Clinical Trial
Alex D. Federman ,et al.
JAMA Intern Med. Published online June 10, 2019.
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2735448



意義 喘息高齢者は若年成人よりコントロールやアウトカム悪い。高齢者喘息の至適自己管理に着眼した介入は患者の特異的ニーズへ向けテイラー化されていないのが典型

目的 臨床的・自己管理アウトカムにおける包括的、患者テイラー化喘息自己管理サポート介入の効果検証

デザイン・セッティング・被験者 3アームのRCT(2014年2月から2017年12月、プライマリケアで私邸、ニューヨーク)
60歳以上の持続性uncontrolled asthma成人は学術医療センターや連邦資格医療センターの電子医療記録から同定
適合性評価された1349名の患者のうち、クライテリア合致、登録同意 406名
3群中1つにランダム化

  • home-based intervention
  • clinic-based intervention
  • control (usual care)

治療割り付け総数 391名


介入  喘息コントロールへの心理社会的、身体的、認知的、環境的バリアのスクリーニング
と同定されたバリアへ着眼したアクションへの自己管理
介入は喘息ケアコーチにより自宅あるいはプライマリケアで行われる


主要アウトカム測定項目   Asthma Control Test, Mini Asthma Quality of Life Questionnaire, Medication Adherence Rating Scale, metered dose inhaler technique, and emergency department visits for asthma care
Primary analyses compared intervention (home or clinic based) with usual care


結果
治療受療391名のうち、男性 58名(15.1%)、平均年齢(SD) 67.8(7.4)歳
ベースラインスコア考慮後、喘息ACTスコアは介入群 vs 対照群(差中差 3か月時点 1.2; 95% CI, 0.2-2.1; p=0.01;6か月時点 1.0; 95% CI, 0.0-2.1 P=0.049; 12か月時点 0.6 ; 95% CI, -0.5 to 1.8; p=0.28; 全体, χ2 = 13.4, with 4 degrees of freedom; P = 0.01)

救急受診訪問は介入群 vs 対照群で12か月時点で低下 (16 [6.2%] vs 17 [12.7%]; P = .03; 補正オッズ比, 0.8; 95% CI, 0.6-0.99; P = 0.03)

介入群 vs 対照群の統計学的有意改善は

  • quality of life (overall effect: χ2 = 10.5, with 4 degrees of freedom; P = .01)
  • 薬剤アドヒアランス (overall effect: χ2 = 9.5, with 4 degrees of freedom; P = .049)
  • 吸入テクニック (metered-dose inhaler technique, correctly completed steps at 12 months, median [range]: 75% [0%-100%] vs 58% [0%-100%])

アウトカム差の有意差なしなのは、自宅での介入 vs 臨床の場の違い





結論と知見
患者のニーズと障壁に向けられた介入は、高齢者の喘息転帰と自己管理行動を改善しました。
Trial Registration  ClinicalTrials.gov identifier: NCT02316223





日本の喘息指導って明確なゴールを患者に与えてないのかもしれない。吸入指導にばかり注目し、自己管理を目標にしてないし・・・





2019年3月20日水曜日

高齢者・糖尿病:健康食にナッツ類は欠かせません 


自由生活高齢者へwalnutsをエネルギー摂取の15%とした場合の加齢関連疾患への影響をみたランダム化トライアル(Walnuts and Healthy Aging study)


クルミ(walnut) dietと対照食で診察室血圧と24時間持続血圧への2年間の効果を比較

事前設定解析 305、完遂 236(75%)、女性 65%、年齢 59歳、 軽症高血圧 60%
耐用性良好、コンプライアンス98%超
降圧剤uptitrationが少なく、全体的な血圧調整が対照比較で認められた

高齢者において、walnut摂取は、特に軽症高血圧において収縮期血圧低下をもたらした



Effect of a Walnut Diet on Office and 24-Hour Ambulatory Blood Pressure in Elderly Individuals
Findings From the WAHA Randomized Trial
Mónica Domènech ,  et al.
https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12766
Hypertension.18 Mar.  2019;




前向き解析 糖尿病ベースライン存在とフォローアップ時診断された16,217名男女対照
冠動脈性心疾患・卒中・全原因死亡・死亡原因別死亡率qお含む心血管疾患(CVD)リスク評価をナッツ(tree nutsとピーナッツを含む)類全体と種別でその影響を検討
検証済食品摂取回数アンケートを用い、ナッツ摂取量を各2−4年毎update.
糖尿病患者において、ナッツ類高摂取に関連しCVD発生頻度低下・死亡率低下が認められ、特にtree nutsで認められた。
全死亡率低下はピーナッツ摂取量のみに関連した効果であった。
これら知見から、糖尿病患者において、ナッツはCVD合併症・死亡減少目的とした健康食パターンとして含まれるべき。卒中発症リスク・がん脂肪率に関してはナッツ類摂取量とは関連せず

Nut Consumption in Relation to Cardiovascular Disease Incidence and Mortality Among Patients With Diabetes Mellitus
Gang Liu ,et al.
2019https://doi.org/10.1161/CIRCRESAHA.118.314316
Circulation Research. 2019;124:920–929





春が過ぎればもうすぐナッツ

そろそろ、ラッカセイ栽培の準備しておくか・・・

2019年3月19日火曜日

高齢女性(75歳以上):身体活動時間と心疾患リスク減少の線形関係

75歳以上の米国女性では、1日中等度運動150分もしくは強度運動75分の身体活動を推奨するガイドラインに一致した好気的運動活動を行っている。


疑問:高齢女性において軽度運動は心疾患リスク減少をもたらすか?
知見:5861名の女性、軽度運動最大4分位は最低4分位に比べ心筋梗塞・冠動脈死42%減少し、心血管疾患イベント発生を22%減少
意義:高齢女性において、毎日の生活身体活動が冠動脈性心疾患予防、心血管疾患予防に役割を果たす


前向きコホート 2012-2014年 WHI 地域住民コホート

Association of Light Physical Activity Measured by Accelerometry and Incidence of Coronary Heart Disease and Cardiovascular Disease in Older Women
Andrea Z. LaCroix,   et al.  for the Women’s Health Initiative (WHI)
Author Affiliations Article Information
JAMA Netw Open. 2019;2(3):e190419. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.0419













2019年3月12日火曜日

高齢者高コレステロール血症治療推奨再考

Reexamining Recommendations for Treatment of Hypercholesterolemia in Older Adults
Neil Skolnik
JAMA. Published online March 11, 2019. doi:10.1001/jama.2019.1676
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2728377

Recommendations for Treatment of Hypercholesterolemia in Older Adults
高齢者における高コレステロール血症の治療に対する推奨

2018年ACC/AHCガイドライン( American College of Cardiology (ACC)/American Heart Association (AHA) guideline on the management of blood cholesterol )では75歳以上ではLDL-C 70-189 mg/dLの時、中強度スタチンがreasonableとしている。

AHA/ACC/AACVPR/AAPA/ABC/ACPM/ADA/AGS/APhA/ASPC/NLA/PCNA guideline on the management of blood cholesterol: executive summary: a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines.  J Am Coll Cardiol. 2018;S0735-1097(18):39033-39038. doi:10.1016/j.jacc.2018.11.002
このクライテリアに基づく全患者にスタチン導入されると、この年齢群へのスタチンベネフィットのエビデンス不足しているのにかかわらず、高齢者1800万人がスタチン関連副作用リスクに晒されることになる。そもそも75歳を超える患者ではスタチン治療RCTエビデンスはそれほどstrongではない。開始時のリスクに年齢が含まれており、年齢と共にリスクとして計算され、リスクスコアが年齢に支配されている。年齢は住民コホート集団では強力なリスク要素だろうが、個別的なリスクを果たして反映するのだろうか、また、治療効果まで検討した場合に選別上の個別リスクとして年齢は適切なのだろうか?


米国内ガイドライン要約化推奨はサポートしているエビデンスの解析と一致している。ガイドラインは、バイアス無く、曖昧性をできるだけ最小化するべきもの。ACC/AAHガイドラインは75歳超の一次予防を支持するエビデンス不足している、さらにはLDLコレステロールカットオフを支持する治療閾値として 70 mg/dL超を設定するエビデンスは存在しない。治療推奨対象が住民で何パーセントとなるかの要素にもなるので治療選別と年齢閾値はクリティカル

糖尿病無しの8つの一次予防トライアルでは、平均登録LDLコレステロールは 140 mg/dLであり、 70 mg/dLではない。LDL登録コレステロール値が低い唯一の一次予防研究はJUPITERトライアルで、これはhsCRP濃度を含むエントリー登録クライテリアとなっている。実際には、被検者登録時年齢平均66歳、LDLコレステロール 108 mg/dLでACC/AHA推奨より年齢若く、LDL高値の登録となっている

広くpolicy推奨を考えるとき、65歳前後での高コレステロール管理比例ベネフィット差の認識が重要。65歳超成人のベネフィットのエビデンスは、75歳超では適応されないし、一次予防のスタチンベネフィットを示す臨床トライアルデータは75歳超では適応されない


プロスパー試験では、75歳以上の平均年齢(N = 5804;試験登録時の平均年齢、75.4歳)の患者に対するスタチン治療の唯一の試験で、平均登録LDLコレステロール値は147 mg / dLであり、これはACC / AHAガイドラインでスタチンが推奨されているLDLコレステロール閾値の2倍この試験では、2565人の参加者(44%)が血管疾患を発症し、二次予防を試みました。血管疾患を持たない患者の一次予防コホートでは、冠動脈死、致命的でない心筋梗塞、および致命的または致命的でない脳卒中の複合評価項目に対するスタチンの有意な利益はありませんでした。


Shepherd  J, Blauw  GJ, Murphy  MB,  et al; PROSPER study group. Pravastatin in elderly individuals at risk of vascular disease (PROSPER): a randomised controlled trial.  Lancet. 2002;360(9346):1623-1630. doi:10.1016/S0140-6736(02)11600-XPubMedGoogle ScholarCrossref


ACC/AHAガイドラインでのエビデンスでは75歳超での死亡率へのスタチンのベネフィット示せない一方、有害性を示し、死亡率増加確率の可能性すらある

Han  BH, Sutin  D, Williamson  JD,  et al; ALLHAT Collaborative Research Group.  Effect of statin treatment vs usual care on primary cardiovascular prevention among older adults: the ALLHAT-LLT randomized clinical trial.  JAMA Intern Med. 2017;177(7):955-965. doi:10.1001/jamainternmed.2017.1442

観察研究では75歳超・糖尿病なしの場合の一次予防観察研究でスタチンのベネフィット認めず、28のRCTのメタアナリシスでは、75歳超を含む高コレステロール血症・血管疾患存在下の全年齢群ではスタチンの有意なベネフィット示した。血管疾患病歴無し(即ち、一次予防)では年齢と共にスタチン使用による比例的リスク減少効果認めなくなり、70歳超で有意なベネフィット消失。

AHA / ACCガイドラインでは、75歳以上の成人でスタチン治療をいつ中止するかについて言及していません。患者が年をとるにつれて、多くの薬物治療を必要とする複数の併存症を患う可能性が高まります。価値を最大化し、悪影響を最小限に抑えるために各薬の重要性を比較検討することは臨床医には必須。継続的な薬に関する決定は定期的に見直されるべき。決定は、利益対害の証拠、ならびに患者の価値観および好みによって知らされるべきであり、そして決定は、共通の意思決定を強調するアプローチを通して決定されるべきである。

スタチンによる予防治療をいつ中止すべきかの意志決定はいくつかのカテゴリーに分かれる。
重度認知症あるいは他の疾患で生命予後限られている場合を含めfrail older patientsが最初のカテゴリで、これら患者は薬剤中止を考慮
2つめのカテゴリーは、心血管疾患あるいはイベント既往患者の二次予防のためのスタチン使用。二次予防で、ベネフィットが観られるwindowは約2-3年間。再発動脈硬化性疾患予防が患者・家族のゴールである限り、二次予防のためのスタチンは継続
3つめのカテゴリーは、75歳超の糖尿病患者。この群ではランダム化データ存在しない。観察研究で、80歳超を含めたこの群での中止が支持されている。
・4つのめのカテゴリーは75歳以上の健康者で一次予防のためのスタチン治療。エビデンスが不足していること、ベネフィット尤度が年齢とリスク要素で左右され、エビデンスの不確実性について適切なコミュニケーションにて意志決定のシェアがなされなければならないことがこのカテゴリー群では推奨される

ガイドラインの推奨事項は、証拠と判断の組み合わせに基づく。すべての臨床医が補助文書の詳細を読むわけではないが、ほとんどが責任を持って中核となる推奨事項に従う。したがって、推奨事項の表現方法は、それらが臨床医によってどのように解釈および実施されるかに重要な影響を及ぼす可能性がある。 AHAガイドラインでは、LDLコレステロール値が70 mg / dL〜189 mg / dLの75歳以上の成人にスタチン療法を開始することが「妥当である可能性がある、しかし、75歳以上の成人はほとんどLDLコレステロール値が70mg / dL以上であるため、75歳以上の健康な成人全員にスタチン療法を推奨するガイドラインもある。ミオパチー、認知機能障害、2型糖尿病の増加の可能性、多剤併用、および健常人に医学的診断を表示することによる潜在的な影響を含む潜在的な有害作用高齢者にとって重大な問題である。

言語学的には、ワードやフレーズは、外延的(denotative)と内包的(connotative)意味を両方有する。即ち、"...であることは合理的である" と "...でないことが合理的である"が、本質的に同じ意味であることがある。内包的意味(connotative meaning)は、換言すれば、情緒的意味、言語とフレーズが有する関連性、その言葉が発するcontextにより影響されるとなる。
高コレステロール血症管理についてのガイドラインを臨床医が解読するcontextにおいて、フレーズ「...治療することが合理的」は、LDL 70 mg/dL超高齢者治療がactionする方向性として推奨することを意味してしまう。しかし、ガイドラインを単純に遵守するのではなく、各患者のケアのcontextにおいてクリティカルに評価し、解釈する義務がある。


75歳以上の成人におけるスタチンの使用の推奨は、推奨が各個々の患者のニーズに最もよく合うように、リスクと利益、そして嗜好と価値についての共通の意思決定を通して最適に決定されるべき






日本の後期高齢者の健康診査において、脂質異常当然の如く項目として含まれる

論理的思考のできない(させない)日本の風土が、予防・治療ベネフィットをもたらさない無駄な検診を増大させている

2019年3月2日土曜日

高齢者スタチン治療の安全性と有効性

全ての年齢層で血管イベント減少効果はある
問題は、75歳以上の一次予防・・・というのが結論か?


Efficacy and safety of statin therapy in older people: A meta-analysis of individual participant data from 28 randomized controlled trials
The Lancet — Armitage J, et al. | February 04, 2019
Open AccessPublished:February 02, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31942-1


【背景】スタチン治療は広い対象において重大血管イベント及び血管原因死亡減少をもたらすことが示されているが、高齢者に於ける有効性安全性については不明確。
大規模スタチントライアルからのデータメタアナリシスで異なる年齢でスタチン治療の有効性比較


【研究方法】 このメタアナリシスでは、2年以上の期間1千名以上登録予定のスタチン治療のランダム化トライアル
スタチン治療 vs 対照の22トライアル(n=134,537)の個別データと強化治療 vs 非強化スタチン治療の1つのトライアルと詳細サマリーデータ(n=12 705)解析+強化治療 vs 非強化治療比較の5つのトライアル(n=39 612)の個別データ
6つの年齢群(55歳以下、56-60歳、61-65歳、66-70歳、71−75歳、75歳超)に分けた
LDL 1.0 mmol/L減少毎の 重大血管イベント(ie, 重大冠動脈イベント、卒中、冠動脈再建)、原因別死亡率、がん発生率への影響推定
(訳註:LDLコレステロール LDL LDL Cholesterol mg/dL x0.02586 mmol/L)

2群以上の群の場合2群傾向比較heterogeneity検証のため標準χ2検定を利用し年齢群毎比例リスク減少比較


【結果】ランダム施行時 186 854被検者中 14 483(8%)が75歳超、フォローアップ中央値 4.9年間。

全体的に、スタチン強化以上の治療レジメン以上はLDL 1.0 mmol/L減少毎重大血管イベント 21%減少 (RR 0.79, 95% CI, 0.77 - 0.81)

重大血管イベント減少は全ての年齢群で観察される。
重大結果にベント比例減少は年齢とともに軽度元素府、この傾向は統計学的に有意ではない   (ptrend=0·06)

全体的に、スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈疾患比例減少率 24% (RR 0.76, 95% CI, 0.73 - 0.79)で、年齢増加毎重大冠動脈イベントの比例減少率小さくなる傾向がある(p = 0.009)



スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈再建術施行25%比例減少 (RR 0.75, 95% CI, 0.73 - 0.78)、之は年齢群横断的差は有意ではない (ptrend=0·6)

同様に、全ての病型を含む卒中の比例リスク減少(RR 0.84, 95% CI, 0.80 - 0.89)も年齢群横断的差は有意でない (p trend =0.7)

心不全・人頭石施行のみ登録の(効果性認めない)4トライアル除外後、重大冠動脈イベントに関して年齢増加毎比例リスク減少軽減傾向あり(ptrende = 0.01)、重大血管イベントでは有意差認めず (ptrend = 0.3)

年齢群で変化せず、事前血管疾患存在患者でも重大血管イベントの比例的減少は同様だが、血管疾患の知られてないより若年年齢群に比べても高齢年齢群では効果より少ないI(ptrede = 0.05)

、LDL 1.0 mmol/L減少毎 血管イベント死亡比例減少率 12%(RR 0.88 , 95% CI, 0.85-0.91)で、高齢者においてその比例減少より小規模となる傾向 (ptrend=0.004)、だが、心不全・透析トライアル除外後はその傾向は維持できず(p=0.2)


スタチン治療は、非血管性死亡率、がん死、がん発生率に対しては効果認めず


【結論】
スタチン治療は重大血管イベントに関しては年齢にかかわらず有意な減少効果を示すが、75歳超患者では、閉塞性血管疾患のエビデンスを有さない場合、ベネフィット直接エビデンス減少。今後この限界に関して将来トライアル検討




"Research in context"をGoogle翻訳
この研究の前の証拠
このメタアナリシスの前は、高齢者におけるスタチン療法の効果に関する無作為化試験から得られた証拠は、公表された報告からの集計データのメタアナリシスでしか要約されていなかった。 1996年1月1日から2017年12月31日までの間に発行された英語の出版物をMEDLINE、Embase、およびPubMedで検索し、検索用語「statins OR HMG CoA還元酵素阻害剤」および「Elderly OR Aged」を使用して検索しました。高齢者(一般に65歳以上と定義される)の間で効力の相反する評価を用いた分析。個々の参加者データへのアクセスの欠如のために、これらの以前のメタアナリシスのいずれも、一次予防および二次予防における特定の高齢者グループ(例えば、> 75歳)内のスタチンの効果を調べることができなかった。我々は以前に年齢によるスタチンの効果のメタ分析を報告したが、これらの分析は範囲が制限されており、年配の個人を含むいくつかの大規模な無作為化試験が発表されてから報告されている。
この研究の付加価値
27件のランダム化比較試験(n = 174 149)からの個々の参加者データと1件の試験(n = 12 705)からの詳細な要約データを分析した。 4・9年間の追跡調査の間、75歳以上の14,483人の参加者を含む、1.0mmol / LのLDLコレステロールの減少あたり約5分の1まで、すべての年齢層の間で主要な血管事象はスタチン療法によって有意に減少した。ランダム化高齢のグループは心不全および透析試験(スタチン療法による全体的な利益を示さなかった)で過度に代表され、それらの試験を除外すると血管イベントおよび死亡率転帰における相対リスクの減少が減少する傾向が見られた。すべての年齢層(無作為化で75歳以上のものを含む)で主要冠動脈イベントの有意な減少が見られたが、心不全および透析試験を除外した後でも、年齢の増加とともにより小さい相対的減少の傾向は持続した。しかし、これらの事件の絶対的リスクは高齢者でより高かったので、絶対的な利益はより若くてもそうではないにしても、類似していました。以前の血管疾患を有する参加者の間で年齢に関係なく有意な有効性が観察されたが、一次予防設定では年齢の増加と共に相対リスクの減少がより小さくなる傾向があった。 。以前の懸念にもかかわらず、我々はどの年齢層においても癌または非血管死亡率に悪影響を及ぼさなかった。
利用可能なすべての証拠の意味
スタチンは年齢に関係なく、75歳以上の人々を含む血管イベントを減少させました。一次予防の設定では、75歳以上の人々の間では、スタチン療法の効果の証拠はほとんどありません。進行中の試験はこのグループを直接調査しています。

2018年9月7日金曜日

スタチン使用有益性:75歳以上では糖尿病無ければ不要、糖尿病存在しても90歳以上は不要

後顧的研究だから、文句つけ放題だけど・・・


74歳超で2型糖尿病なしの場合、スタチン治療は動脈硬化性心血管疾患や全原因死亡減少を示さない。動脈硬化性心血管疾患の頻度がスタチン使用提案閾値リスクを超えていたとしても同様。 
糖尿病の存在は、スタチン使用が統計学的に動脈硬化性心血管疾患頻度減少や全原因死亡減少率減少と統計学的有意である。ただ、85歳以上でその効果は減弱し、90歳以上でその効果は消失する。




Statins for primary prevention of cardiovascular events and mortality in old and very old adults with and without type 2 diabetes: retrospective cohort study
BMJ 2018; 362 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k3359 (Published 05 September 2018)
Cite this as: BMJ 2018;362:k3359

スペイン,2006-15年、Catalan primary care system(SIDIAP)
後顧的コホート研究

結論だけ

46,864名(平均年齢 77歳;女性 63%;フォローアップ中央値 5.6年間)


糖尿病なし・スタチン治療で
75-84歳では、動脈硬化性CVD 減少 ハザード比 0.94 (95% 信頼区間 0.86 to 1.04)、全死亡率 0.98 (0.91 to 1.05)
85歳以上では、各々  0.93 (0.82 to 1.06) 、 0.97 (0.90 to 1.05)

糖尿病患者・スタチン治療で
75-84歳では、動脈硬化性CVD 減少 ハザード比  0.76 (0.65 to 0.89)
85歳以上では、各々 0.82 (0.53 to 1.26) 、1.05 (0.86 to 1.28),


同様に、 スプラインを用いた連続スケールでの年齢の効果分析は、74歳糖尿病なしの被検者での動脈硬化性心血管疾患および全原因死亡への有益なスタチン効果の欠如が裏付けられている。糖尿病患者では、動脈硬化性心血管疾患および全原因死亡への予防的効果示され、85歳以上ではその効果は減弱し、90歳以上では消失。


2018年6月8日金曜日

90歳超老人前向き研究:収縮期血圧と死亡率のU字型関連性

この報告の"take-home message"ってなんだろう


90歳越え程度の超高齢者では、収縮期血圧値の死亡率への影響はU字型で、高値なら心血管死亡率リスク増加、低値なら非血管系死亡率リスク増加という報告なのだが・・・

“心血管リスクのある90代老人はやはり降圧治療しなきゃならないが、心血管疾患リスクの少ない90代老人で、frailtyリスクやがん・消耗状態では過度な降圧治療は控えるべき”とでもなるのだろうか?


Revisiting the association of blood pressure with mortality in oldest old people in China: community based, longitudinal prospective study
BMJ 2018; 361 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k2158 (Published 05 June 2018)
Cite this as: BMJ 2018;361:k2158



Chinese Longitudinal Healthy Longevity Survey,
平均年齢 92.1歳、 4658名、住民ベース長軸前向き研究
3年間フォローアップによる全原因死亡率と原因別死亡率解析

3年間フォローアップ中1997名死亡


死亡率は、 収縮期血圧、平均動脈圧、脈圧と、U字型相関; 最小死亡リスク値はそれぞれ、 143.5 mmHg、 101 mmHg、 66 mmHg

寄与要素補正後、収縮期血圧のみU字型相関維持  (最小死亡リスク相当値 129 mm Hg)


収縮期血圧 129 mmHgに比べ、107 mmHg未満まで全死亡率リスク減少  1.47 (95% 信頼区間 1.01 to 2.17) → 1.08 (1.01 to 1.17))、 154 mmHgより高値の場合増加 (1.08 (1.01 to 1.17)  → 1.27 (1.02 to 1.58))




原因別死亡率解析だと、中間レンジの 107-154に比べ、高値(154 mm Hg超)では、心血管死亡率増加 (補正ハザード比 1.51 (95% 信頼区間 1.12 to 2.02))、低値では非心血管死亡率リスク増加y (1.58 (1.26 to 1.98))

U字型相関は感度分析、サブグループ解析でも相関性維持





なにかと話題の血圧測定法だが、従来のやり方
Measurement and calculation of blood pressure
After participants had rested for at least five minutes, research assistants took two measurements of blood pressure on the right arm by mercury sphygmomanometer (upper arm type; Yuyue, Jiangsu, China). Korotkoff phase I was designated for the systolic blood pressure values, phase V for the diastolic blood pressure values. For bedbound participants, blood pressure measurements were obtained in a recumbent position. For further analyses, the mean value was calculated with the two measurements (pulse pressure=systolic blood pressure−diastolic blood pressure; mean arterial pressure=(systolic blood pressure+(2×diastolic blood pressure))÷3





血圧と低値関連する死亡原因関連記述
The most likely explanation for increased mortality risk in participants with lower systolic blood pressure was chronic disease—eg, cardiovascular disease (cardiac failure or ischaemic heart disease), cancer or other wasting diseases, or poor functional status or frailty.

癌と消耗性疾患、機能障害、frailtyが関連
The lower values of systolic blood pressure observed in our participants could be due to increasing vascular frailty, or related to deteriorating health with ageing.  
vascular frailtyという記述も・・・






2018年3月22日木曜日

コーヒー摂取:動脈壁硬化への効果、身体機能への効果

Associations of Urinary Caffeine and Caffeine Metabolites With Arterial Stiffness in a Large Population-Based Study
Belen Ponte, et al.
Mayo Clinic Proceedings
DOI: https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2017.12.010

カフェインの動脈壁硬化:arterial stiffnessへの影響を、カフェイン尿とその代謝産物の尿中排泄と、脈圧と脈波伝播速度:pulse wave velocity (PWV)の相関性検討

対象: 3つのスイスの都市一般住民からランダム選択した家族: 2009年11月25日〜2013年4月4日
24時間持続モニタリングによる収縮期・拡張期血圧、頸動脈大腿動脈PWVをapplanatiuon tonometryにて測定、他24時間尿サンプル

結果:863名、平均 ± SD 47.1 ± 17.6歳、24時間脈圧 41.9±9.2 mm Hg、PWV 8.0±2.3 m/s

尿中カフェイン排泄最小 vs 最大4分位比較にて上腕動脈脈圧  43.5 (0.5) vs  40.5 (0.6) mm Hg (P < 0.001)

脈圧高値オッズ比 (95% CI)は、24時間尿中カフェイン排泄量 最小4分位 → 最大4分位で線形に減少 1.0 → 0.52 (0.31-0.89)→0.38 (0.22-0.65)→ 0.31 (0.18-0.55)   (P < 001)

平均(SE) PWVはカフェイン摂取最大4分位(最小4分位比較)で、有意に低下 (7.8 [0.1] vs 8.1 [0.1] m/s; P=.03)

同様関連性がパラキサンチンとテオフィリンで観察されるが、テオブロミンでは観察されない


結論:尿中カフェイン、パラキサンチン、テオフィリン排泄量は、動脈壁硬化指標減少と相関し、このことは、血圧降下効果を超える防御的硬化がカフェイン摂取に示唆された





コーヒー摂取は2型糖尿病リスク軽減、心血管疾患リスク軽減と関連する

コーヒー摂取が身体活動性と関連するのではないかと仮説
特に、高齢者の身体機能障害、frailty、disabilityへのリスク軽減への関連性を検証

高齢者において、機能障害リスク増加とは関連せず、女性高齢者に敏捷性、移動性、ADLへのベネフィットの可能性

Coffee consumption and risk of physical function impairment, frailty and disability in older adults
Marcos D. Machado-Fragua et al.
First Online: 16 March 2018
European Journal of Nutrition pp 1–13

60歳以上3289名 前向きコホート
Seniors-ENRICAコホート (2008-2010)
コーヒー摂取量と2015年までの身体機能、frailty、障害測定(自己報告と客観測定)

コーヒー 1日2カップ以上で
女性においては、agility(敏捷性)障害リスク減少 ハザード比 [HR] 0.71, 95% 信頼区間 [CI] , 0.61-0.97, p=0.04)
肥満女性では、HR 0.60; 95% CI, 0.40 - 0.90 p 0=0.04

女性では、mobility障害リスク減少 HR 0.66; 95% CI, 0.46 - 0.95 , p trend 0.02
高血圧者で 0.70, 95% CI, 0.48 - 1.00 , p trend 0.05


 糖尿病者ではさらにADL障害リスク低下 HR 0.30 , 95% CI, 0.11 - 0.76

2018年3月16日金曜日

高齢者昼間過剰眠気:脳内βアミロイド蓄積と関連

昼間の過剰な眠気は、加齢と共に増加。長軸的には認知症と関連するとの報告もある。
筆者等の仮説としては、老人の昼間の眠気が、脳内のAβ蓄積と関連し、その後の認知症リスクと関連するのではないかと仮説



Epworth睡眠スケール10点以上の昼間の眠気と carbon11標識PiB-PETの検討


認知症無し70歳以上283名、ベースライン眠気検査施行し2回連続でPiB-PETスキャン(2009年1月1日〜2016年7月31日)、合併神経疾患あり13.7%、45名を除外



Association of Excessive Daytime Sleepiness With Longitudinal β-Amyloid Accumulation in Elderly Persons Without Dementia
Diego Z. Carvalho,  et al.
JAMA Neurol. Published online March 12, 2018. doi:10.1001/jamaneurol.2018.0049
https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2674279


2回連続スキャンでの、Aβ影響部位(前頭前野、前帯状皮質、側頭葉)Aβ値の差(ΔPiB)
多因子線形回帰解析にてベースラインのEpworth睡眠スケールとΔPiB検討


初期検討 283名、平均(SD)年齢 77.1(4.8)歳、72.1% 204名男性、63名で昼間過剰眠気

ベースラインEDSと有意に前帯状皮質、後帯状皮質、側頭葉領域での部位的Aβ蓄積と有意相関  (B coefficient = 0.031; 95% CI, 0.001-0.061; P = .04  0.038; 95% CI, 0.006-0.069; P = .02  0.033; 95% CI, 0.001-0.065; P = .04)


昼間過剰眠気とAβ蓄積の長軸的影響はベースラインでの前帯状皮質の全般的PiB陽性者で高い (B coefficient = 0.065; 95% CI, 0.010-0.118; P = .02) and cingulate-precuneus (B coefficient = 0.068; 95% CI, 0.009-0.126; P = .02) 









2018年1月20日土曜日

高齢女性:低蛋白摂取もしくは高炭水化物摂取で、メタボリックシンドローム3倍

低炭水化物食について今年長年前向きトライアル報告あるとのこと
ketogenic diet (not low carb. diet)
http://kaigyoi.blogspot.jp/2018/01/ketogenic-diet-not-low-carb-diet.html



以下は横断研究
高齢女性において、“蛋白低摂取・炭水化物高摂取”がメタボリックシンドローム要素に影響を与えるか?


Lower protein and higher carbohydrate intake is related with altering metabolic syndrome components in elderly women: A cross-sectional study
Hellen C.G. et al.
Experimental Gerotology
https://doi.org/10.1016/j.exger.2018.01.013

60歳以上245名、体脂肪・脂肪比率(絶対・相対)、骨格筋量(whole-body二重エネルギーX線吸収測定法)、血液サンプル、体格指標、安静時血圧測定

メタボリックシンドローム(MetS)と非メタボリックシンドローム(non-MetS)で
食事摂取エネルギー、脂肪摂取量は同等

蛋白摂取低下 ( < 0.72 g/kg/d)は、腹部肥満、血糖レベル異常存在のオッズ増加

炭水化物摂取量増加は、HDL低下、TG高値と関連

低蛋白摂取もしくは高炭水化物摂取食において3倍ものMetS蓋然性




総カロリー指標のみを問題にする時代は終わったのかもしれない


加工レッドミート、卵、魚・家禽類さえ、植物由来蛋白に比べれば好ましくない

Association of Animal and Plant Protein Intake With All-Cause and Cause-Specific Mortality
Mingyang Song, et al.
JAMA Intern Med. 2016;176(10):1453-1463.


2018年1月19日金曜日

入院高齢患者はインフルエンザ検査施行不十分

日本の場合は、入院に於けるインフルエンザの同定は病院経営にとってもクリティカル。


CDCのインフルエンザ症状疑診例は
・体温 摂氏 37.8度以上
・咳嗽 and / or 咽頭痛

Grohskopf, L.A., et al., Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines. MMWR Recomm Rep, 2016. 65(5): p. 1-54. 

65歳以上では合併症の影響や免疫老化(senescence)などより体温上昇しにくい。
また、認知障害の存在もあり、自覚症状認知しがたいこともある。
故に、疑診クライテイリアを拡大することも自主的に行われている。

そのような背景下の報告


Underdiagnosis of influenza virus infection in hospitalized older adults
Authors: Lauren Hartman,  et al.
Journal: Journal of the American Geriatrics Society
10.1111/jgs.15298
https://www.terkko.helsinki.fi/article/17997612_underdiagnosis-of-influenza-virus-infection-in-hospitalized-older-adults


要約
目的:入院成人おけるprovider指示インフルエンザ検査と関連する要素記述
デザイン: 患者住民統計指標、症状、provider-指示インフルエンザ検査をアンケート、チャートレビューで収集。前向き検査室ベースサーベイランス(RT-PCR使用、インフルエンザ診断のgold-standard)、患者特性とprovider-指示検査が正確なインフルエンザ診断に与える影響を検証
セッティング: 1つの学術的病院、3つの地域病院 Davidson County, Tennessee, USA)
被検者:18歳以上の1422名の成人(急性呼吸器症状、非-localizing fever)
測定:provider-指示インフルエンザ検査有無での患者特性比較( Wilcoxon test と Pearson’s chi-square test)。多変量ロジスティクス回帰モデルでprovider-指示予測に関する要素を同定
結果:全体としてprovider指示インフルエンザ検査  28% (399/1422)。検査群は若年が多い  (58 ± 18 歳 vs. 66 ± 15 歳, p < 0.001)、インフルエンザ様症状を有する場合が多い  (ILI, 71% vs. 49%, p < 0.001)。ILIは、若年ほど増加 : 48% ≥ 65 歳; 60% 50-64 歳; 63% 18-49  歳.
患者全部のうち、ILIの存在と若年はprovider-指示インフルエンザ検査の独立した予測因子である。RT-PCR確認インフルエンザ136名中、ILIのみがprovider-指示インフルエンザ検査の独立した予測因子  (AOR 3.43, 95% CI 1.22-9.70)
結論: インフルエンザシーズン中の発熱もしくは呼吸器症状を有する65歳以上では若年成人よりはprovider-指示インフルエンザ検査はなされにくい。全部ではないが、一部、ILI出現尤度低いが故のdisparityが考えられる。さらなる戦略として、この脆弱な群の存在への検査と臨床医の啓発する必要性あり

Key words: influenza, elderly, older adults

2018年1月9日火曜日

”フレイル”という概念は必要か?


日本老年医学会が、ご執心の“Frailty"もしくは”Frail"という概念
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/review_51_6_497.pdf


以下のAnn Int Med.誌に掲載された報告、あえて“frail"という概念を登用する必要があるか、う概念の実証(proof of concept)は不確かとの著者等の意見。


そもそも、疾患や病害の概念というのはその存在意義があってこそのもの。ところが、日本だけじゃなく、我先に命名プライオリティを・・・という輩が多く、日本臨床整形外科学会の「ロコモ」も然り。


今回の報告で、"frail or not frail"は高齢者医療研究において中間的アウトカムとしての役割に大きな疑問がもたらされた。あえて、"frail or not frail"と区別することの意義無く、あまねく、構成的身体活動プログラムに価値を見いだす。
故に、frailいかんに関わらず、全ての高齢者に、運動指導処方を行うべきということが示唆されると著者の意見。






構成的中等度強度運動プログラムにより、高齢者へ可動性のベネフィットをもたらすかもしれないという、 LIFE (Lifestyle Interventions and Independence for Elders) trialの二次解析

Trombettiらは、70-89歳、1636名の機能障害のある地域居住成人のデータ解析、被検者は多施設単盲検LIFE研究の一部。プライマリな結果は2014年報告、この解析ではfrailty statusを層別化せず、ベネフィットが特定のfrailtyサブグループで明確化できてない。



Frailtyは、

  • SOF (Study of Osteoporotic Fractures) indexで評価:ベースライン、6、12、24ヶ月
SOF frailty index
SOF指数は、後年の検査で、以下の3つのコンポーネント中2つ以上確認した場合をFrailtyと定義
(1) 体重減少(検査の間で5%以上)
(2) 腕を使わず5回椅子から立ち上がることができない
(3)エネルギーレベルの減少(「エネルギーは十分と言える」かという質問(高齢者うつスケール:Geriatric Depression Scale)に対して“No”と反応する場合


  • 主要的可動性制限程度:major mobility disability (MMD)を400m歩行不能と判断し、3.5年後評価




Effect of Physical Activity on Frailty: Secondary Analysis of a Randomized Controlled Trial
Andrea Trombetti, et al.; for the LIFE Study Investigators
Published: Ann Intern Med. 2018.
DOI: 10.7326/M16-2011
http://annals.org/aim/article-abstract/2668215/effect-physical-activity-frailty-secondary-analysis-randomized-controlled-trial
背景:高齢者において、身体活動によりfrailtyを予防するか、負のアウトカムと関連するか、エビデンスは乏しい
大規模ランダム化トライアルの明確なデータもない

目的:長期、構成的、中強度身体活動プログラムが、frailtyのリスク軽減に関連するか、frailty statusが、“major mobility disability (MMD) risk”の減少に関して身体的活動への影響をもたらすか?

デザイン:多施設、単盲検、ランダム化トライアル
セッティング:USA内8つのセンター
機能障害をもつ、70−89歳の1635名地域住民

介入:構成化中強度身体活動プログラム(エアロビック、レジスタンス、柔軟性運動) or 健康教育プログラム(ワークショップとストレッチング運動)


測定:frailty (SOF定義)ベースライン・6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月時点測定

MMD (400m 歩行可能) 3.5年後まで


結果:24ヶ月フォローアップ期間において、frailtyのリスク(n=1623)は、身体活動介入群と健康教育群で統計学的有意差認めず (補正化発生確率差, −0.021 [95% CI, −0.049 to 0.007])
SOF indexの3クライテリアのうち、身体活動プログラム介入は、椅子からの起立不能と相関  (adjusted prevalence difference, −0.050 [CI, −0.081 to −0.020]).
ベースラインのfrailty状態は、MMD頻度減少をもたらす身体活動への効果に影響を与えない (P for interaction = 0.91).

Limitation:Frailty statusは、エントリークライテリア・ランダム化層別でも加味されてない

結論: 運動不足地域住民老人において、構成化中強度身体活動プログラムは、2年後のfrailtyのリスク減少と関連せず
身体活動のMDD頻度へのベネフィット効果は、frailと非frail被検者で差異はない

2017年12月27日水曜日

高齢者:カルシウム、ビタミンD、これら複合製品は骨折リスクを低減しない・・・ルーチン使用は忌避すべき

カルシウム、ビタミンD、及びそれらの複合製品は、高齢者住民に対して、骨折頻度低下に役立つか?


33のRCT、51,145被検者のメタアナリシス
これにより有意な骨折低下を認めなかった リスク比 1.53 , 1.21, 1.09

故に、一般住民高齢者に対し、これらサプリメントをルーチンに使用することを支持するわけにはいけない!

Association Between Calcium or Vitamin D Supplementation and Fracture Incidence in Community-Dwelling Older Adults
A Systematic Review and Meta-analysis
Jia-Guo Zhao, et al.
JAMA. 2017;318(24):2466-2482. doi:10.1001/jama.2017.19344
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2667071







血中カルシウムを時折測ると結構な確率で高カルシウム血症を生じており
さらに、ビタミンD濃度を測るとビタミンD過剰症となっている。さらにはPTHintact高値という例もよく遭遇する。

サプリメント使用などを聞くと使用していない・・・となると、これらの人たちが、不用意に、ビタミンDサプリメントを使用すると、高カルシウム血症による副事象を生じるリスクかなり高いと思うことが度々ある。


カルシウム過剰摂取やビタミンD製剤の安易な推奨はやめてほしいものだ

そもそもこういうのが放置されているのは、ガイドラインの記載にも問題があり、リスク記載少なく、ビタミンDのポジティブな記載に偏ってることも問題
http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf


少なくともこの図譜の改訂・修正の検討をお願いしたい
          ↓



2017年7月5日水曜日

高齢者一次予防のためのスタチンの意義なし;75歳以上は全原因死亡率増加リスク



75歳以上の一次予防のためのスタチンの意義づけ

ALLHAT-LLTのpost hoc二次解析 65−74歳と75歳以上でのスタチン治療

プラバスタチン40mg vs 通常ケア

プライマリ・アウトカム:全原因死亡率
セカンダリ・アウトカム:疾患特異的死亡率、非致死性MI、致死性冠動脈疾患の複合的アウトカム

Effect of Statin Treatment vs Usual Care on Primary Cardiovascular Prevention Among Older AdultsThe ALLHAT-LLT Randomized Clinical Trial
Benjamin H. Han, et al.
JAMA Intern Med. 2017;177(7):955-965. doi:10.1001/jamainternmed.2017.1442
http://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2628971
 【結果】
プラバスタチン群 1467 (平均[SD]年齢 71.3 [5.2]歳、女性 48.0% [n = 704]
通常ケア群 1400  (平均[SD]年齢 71.2 [5.2] 、女性 50.8% [n = 711]

ベースライン平均(SD) LDL それぞれ 147.7 (19.8) mg/dL、147.6 (19.4) mg/dL
year 6までで、 109.1 (35.4) mg/dL、128.8 (27.5) mg/dL




year 6時点で、プラバスタチン割り付け群でスタチン服用なし 42 / 253 (16.6%)、通常ケア群 71.0%




全死亡率ハザード比(プラバスタチン vs UC群)
  • 65歳以上  1.18 (95% CI, 0.97-1.42; P = .09)
  • 65-74歳 1.08 (95% CI, 0.85-1.37; P = .55)
  • 75歳以上  1.34 (95% CI, 0.98-1.84; P = .07) 

冠動脈疾患イベントは両群で有意差認めず


多変量回帰でも結果は非有意性を維持、両治療群・年齢間に有意関連性認めず

【結論】 中等度高脂血症・高血圧の高齢者一次予防のためのプラバスタチン治療にベネフィット認めず、75歳以上では非有意ながらプラバスタチン治療にて全原因死亡率増加傾向が見られる






一次予防に関してはNNT3桁が普通なので、やはり慎重であるべき・・・とは思う
 「何のため?」と根拠の見当たらないスタチン治療は中止考慮あるべき



吹田スコアだけでスタチン治療決定しそうな昨今のガイドライン

なんせ「は「旧GLでは、冠動脈疾患による死亡リスクを検討したコホート研究であるNIPPON DATA80をリスク分類ツールとして採用していた。しかし、近年はスタチン使用の普及により冠動脈疾患死が減少してきたため、死亡リスクよりも発症リスクを重視すべきと考えた」」 などと物騒な解説がなされている

上記ALLHAT研究の解析では、スタチンによる全死亡リスク増加が懸念されているのだが・・・

“ 「吹田スケール」冠動脈疾患発症リスク高い→即、スタチン投与”ってのは少なくとも高齢者では慎重であるべきと私は思う

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note