2013年7月11日木曜日

アルツハイマー型認知症はがんになりにくく、がん患者はアルツハイマー病になりにくい・・・

Inverse occurrence of cancer and Alzheimer disease: A population-based incidence study
Massimo Musicco, et. al.
Neurology 10.1212/WNL.0b013e31829c5ec1; published ahead of print July 10, 2013 


アルツハイマー病患者はがん発症リスクが少なく、がん患者老人は同世代非がん患者に比べアルツハイマー病率が少ない。

100万名を超える居住者の存在する、北イタリアのコホート
204,468名6年間(2004-2009年)、60歳以上での検討

アルツハイマー病発症2832、がん発症 21,451
ともに発症161

アルツハイマー認知症のがんリスクは半分
アルツハイマー認知症のリスクはがん患者で35%減少



がんリスクの少ない神経変性疾患は、アルツハイマー型認知症だけでなく、British ColumbiaやCancouver Coastal Healthなdの多発性硬化症でも報告されている。
その考察では、免疫システムが関与とされてるらしい。

ロイターでも配信されている
http://www.reuters.com/article/2013/07/10/us-alzheimer-cancer-idUSBRE9690ZJ20130710

小児PCV7ワクチン:非ワクチン接種者も、世代を超えた非接種者も恩恵 入院率・数とも減少

肺炎球菌に対する小児ワクチンは、世代を超えて感染による入院数減少に役立っている。


"U.S. Hospitalizations for pneumonia after a decade of pneumococcal caccination"
Griffin MR, et al 
N Engl J Med 2013; 369: 155-63.

【背景】
2000年米国小児ワクチンスケジュールへのPCV7の導入にて、若年者のワクチン血清型による侵襲性肺炎球菌感染症発生減少、そして非ワクチン年長小児、成人でも減少。
2004年までに全原因肺炎関連入院も若年小児で著明減少。
非ワクチン血清型による疾患増加に関する関心故、弱年小児肺炎関連入院減少が2009年確実で、より年長群での入院が減少したか確認希望

【方法】
 Nationwide Inpatient Sample databaseを用いて、全原因入院年間発生率推定。入院理由を第1リスト化診断の場合、敗血症・髄膜炎・膿胸の初期診断後リスト化の場合を入院理由とする。
肺炎関連入院年次平均発生率を1997-1999年(PCV導入前)、2007-2009年(導入後安定期) で推定し、肺炎入院率年次減少を確認。 

【結果】
2歳未満小児肺炎入院年次発生 10万小児あたり555.1(95% 信頼区間 [CI], 445.1-657.1)減少、これは、PCV7導入前に比べ年間 4万7千件も入院減少したことになる。

85歳以上成人では、10万あたり1300.8(95% CI, 984.0-1617.6)減少、これは入院数年間7万3千件減少に相当。

18-39歳、65-74歳、75-84歳の3つの年例群では、反れおぞれ、肺炎年間発生減少、10万対  8.4(95% CI, 0.6-16.2)、 85.3(95% CI, 7.0-163.6)、 359.8(95%CI, 199.6-520.0) 

包括的には、年齢補正年間減少は、10万対あたり 54.8(95% CI, 41.0 - 68.6)、年間肺炎入院 16万8千件減少に相当。

【結論】
PCV7導入後10年間で、小児肺炎入院減少は明らかで、成人間の肺炎入院減少も明らか (Funded by the Centers for Disease Control and Prevention.)


日本も、ニューモバックス詐欺続けるより、PCV7ワクチン普及推進した方が良い

・ 本邦老人施設:肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌のワクチンであり、肺炎ワクチンではない!2010年 03月 12日
・ 肺炎球菌性肺炎予防のエビデンス無き肺炎球菌ワクチン:PCV7の方がより免疫反応が優秀 2009年 09月 09日
・ 成人肺炎球菌ワクチンのコスト効果解析 PCV13利用がコスト効果的 2012/02.22

自閉症リスク特異性99%を超える初めての臨床的バイオマーカー発見

母体の自己抗体が自閉症例として1/4の鍵を握る・・・という報告。





 自閉症スペクトラム疾患(ASDs)は、大元は神経発達障害であり、米国内では推定88名に1人が罹患している。以前は、胎児脳膠原認識するASD特異的母体自己抗体が記載され、さらに、LDH AとB、cypin、ストレス誘導リン酸蛋白1(STIP1)、collapsin response mediator protein 1 と 2 (CRMP1、CRMP2)、7つの母体自己抗体関連(MAR ; maternal autoantibody-related)自閉症に関して筆者等は記載。

 特異的抗原組み合わせへの独占的反応性が、ASD小児の母23%に見られるが、対照では1%のみ

LDH、STIP1、CRMP1、and/or cypinへの特異的反応を有する母をもつASD小児 では、これら抗体をもたない母のASD子供比較で、ステレオタイプ行為が多い (7% vs 対照 0% ; P<0 .0002="" 1.45="" 24.2="" nbsp="" p="">
自閉症リスク特異性99%を超える初めての臨床的バイオマーカー発見


Primary source:
Braunschweig D, et al "Autism-specific maternal autoantibodies recognize critical proteins in developing brain" Transl Psychiatry 2013; 3(e277).

Additional source: Bauman MD, et al "Maternal antibodies from mothers of children with autism alter brain growth and social behavior development in the rhesus monkey" Transl Psychiatry 2013; 3(e278).



 学生の時のフィールドとして初めてふれた疾患が自閉症だった。そのときの指導してくれた先生は心理学の先生だったが、「自閉症は心理的状態ではなく疾患がメインストリーム」と印象をもってると語ってくれた。・・・個人的に感慨深い報告。

急性前骨髄性白血病・・・化学療法行わずに治癒可能に・・・

急性前骨髄細胞性白血病(APL)が、通常の化学療法をおこなわなくても治癒可能に・・・


アンディー・フグさんが劇的だった ・・・ 時代がもう少し後であれば・・・


34.4ヶ月のフォローアップ中央期間にて、ATRA(all-trans retinoic acid :トレチノイン)+arsenic trioxide(三酸化二ヒ素)で完全寛解率 77/77
一方、対照の化学療法ベース標準治療は75/79 (p = 0.12)


現時点の化学療法は、寛解率全体で95%を超えており、治癒率も90%を超える状況。
だが、化学療法は血液毒性の問題がある。トレチノイン+三酸化二ヒ素治療に期待が大きい。

162名のランダム割り付けで、2年時点イベントフリー生存率非劣性(5%以上差の無いことをターゲット)比較トライアルパイロット研究




Additional source: 




ATRA+三酸化二ヒ素 vs 標準治療(ATRA-イダルビシン導入→ATRA+化学療法3サイクルの地固め→低用量化学療法+ATRAの維持療法)
ベースライン特性(年齢、白血球数、血小板数を含む)差認めず、ITT解析

血液学的完全寛解までの中央期間は、ATRA-三酸化二ヒ素群で32日、ATRA-化学療法/
標準治療群で35日 (p=0.61)
対照である標準治療群で導入治療期間中4名が死亡、このうち2名はdifferentiation syndromeで、一人は虚血性卒中、一人は気管支肺炎。
ATRA-三酸化ヒ素治療群2名で、導入治療を早期中止、一人は重要プロトコール侵害、そして他の理由として第三病日めのQTc間隔重度延長及び電解質異常


二年め結果として
・イベントフリー生存率 : 介入群 97% vs ATRA-化学療法 86% (p<0 .001="" p="0.01)</p">
・包括的生存率 : 介入群 99% vs ATRA-化学療法   (P=0.02)
・疾患フリー生存率 : 介入群 97% vs ATRA-化学療法 90%  (P=0.11)
・再発累積率 : 介入群 1% vs ATRA-化学療法 6%  (P=0.24)

副作用に関して、介入群はより血液毒性少なく、感染症少ないが、肝毒性が多い
特異的には、15日間を超える好中球減少・血小板減少 grade 3-4に関しては、介入群 26エピソード vs ATRA-化学療法群 59 エピソード  (P<0 .001="" p="">


肝毒性grade 3-4の影響は、ATRA-三酸化ヒ素介入群 43/68 (63%)  vs 対照群 4/69 (P<0 .001="" p="">


noteへ実験的移行

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