2019年3月16日土曜日

CABANAランダム化トライアル:心房細動カテーテル焼灼 vs 内服 重大イベント減少しないがQOLなどは改善

カテーテル焼灼 vs 内服治療(標準的リズム and/or rate-コントロール薬剤:医師選択)比較
Effect of Catheter Ablation vs Medical Therapy on Quality of Life Among Patients With Atrial Fibrillation: The CABANA Randomized Clinical Trial  
Editorial: Catheter Ablation for Atrial Fibrillation; Christine M. Albert, MD, MPH; Deepak L. Bhatt, MD, MPH

2204名ランダム化:  カテーテル焼灼は内服加療に比べ、Atrial Fibrillation Effect on Quality of Life scoreにて群間差 5.2点(患者レベルの臨床的意義差:5点以上)あり、Mayo AF-Specific Symptom Inventory frequency scoreにて群間差 -1.7点 (患者レベルの臨床的意義差 -1.6点以下)、重症スコア -1.5点 (患者レベル臨床的意義差 -1.3点以下)

意義:有症状心房細動患者において、カテーテル焼灼は内服治療に比べ臨床的有意で有意差あるQOLを12ヶ月時点で認める




Editorial: Catheter Ablation for Atrial Fibrillation; Christine M. Albert, MD, MPH; Deepak L. Bhatt, MD, MPH
心房細動患者において 内服治療(標準的リズム and/or rate-コントロール薬剤:医師選択)比較で心血管イベント・死亡率は影響あるか?
2204名ランダム化、カテーテル焼灼は内服加療に比べ、プライマリ構成エンドポイント(死亡、障害を有する卒中、重度出血、心臓突然死)減少有意差認めず( 8.0% vs 9.2% ;ハザード比 0.86)

意義:死亡細動患者においてカテーテル焼灼は内服加療に比べプライマリ構成エンドポイントを有意には減少せず



アルツハイマー病リスクは近親家族系譜に強く関連

いつも思うが注意必要と思う

第1度近親:first-degree relatives (FDR) The parents, siblings, or children of an individual.(両親、同胞=兄弟姉妹、子供)  (日本の法律上の”第一親等”:ある人とその父母、その子および子の配偶者との関係)
第2度近親:   uncles, aunts, nephews, nieces, grandparents, grandchildren, half-siblings, and double cousins
第3度近親: blood relative which includes the individual’s first-cousins, great-grandparents or great grandchildren


アルツハイマー病では症例全体の5%未満である3つの遺伝子異常常染色体若年性家族性アルツハイマー病(amyloid precursor protien and preseenilin 1, -2)があるが、殆どは家族歴でなく散発性とされる。家族系譜を作成すると散発性と思われている場合でも家族歴が発症に関与していることが明らかになった。
APOE遺伝子 e4-alleleの1つのcopy数存在はAD症例の 56%で観られ、リスクとしては3倍、2 copy数はADの11%で8-12倍もリスク増加する。



Relative risk for Alzheimer disease based on complete family history
Lisa A. Cannon-Albright, et al.
Neurology, First published March 13, 2019, 
DOI: https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000007231
open access:https://n.neurology.org/content/neurology/early/2019/03/13/WNL.0000000000007231.full.pdf

【目的】アルツハイマー病(AD)リスクの遺伝的要素について近親者に焦点を当てる。家族歴全体を考慮すると、リスク推定値の正確性と有用性が向上する可能性がある。

【方法】ユタ州の死亡診断書にリンクされた1800年代のユタ州・パイオニア系譜を含む母集団リソースを使用して、一親等から三親等の親族を含む特定の家族歴系譜に基づきADの相対リスクを推定。

【結果】罹患した第一度近親者(FDR)はいずれもADのリスクを有意に増加させた(1 FDR:相対リスク[RR] 1.73、95%信頼区間[CI] [1.59  -  1.87]; 2 FDR:RR 3.98 [3.26  -  4.82])。 ];≥3 FDR:RR 2.48 [1.07  -  4.89];≥4 FDR:RR 14.77 [5.42  -  32.15])。
罹病関連第二度近親者(SDR)は、関連FDRの存在下でもリスクを増大(FDR = 1、SDR = 2:RR 21.29 [5.80-54.52])。第3度近親者のみのAD(TDR)でもリスクを高めた(FDR = 0、SDR = 0、TDR≧3:RR 1.43 [1.21-1.68])。

父親の遺伝と比較した、母親に基づくリスクの差については、さまざまな証拠が観察されました。同等の家族歴を持つ女性よりも男性のリスクが高く、家族の死亡年齢にかかわらず、少なくとも1人がFDRに罹患した個人のリスクが高いことが観察された。

【結論】家系図の拡張データから確認された家族歴に基づくADのRRのこの母集団ベースの推定は、遺伝的遺伝因子が直近の近親者を超えて広がる幅広い影響を持つことを示している。
医療提供者は、ADのリスクについて患者や家族に相談する際に、家族歴の完全な一群を考慮すべきです。




母系と父系でやや影響が異なる・・・

Differences for paternal vs maternal family history were noted for the second-degree relationships considered. Individuals with a maternal affected SDR (mother’s brother or mother’s sister) had significantly elevated RR, while individuals with a paternal affected SDR (father’s brother or father’s sister) did not.


ε4ホモ接合体などを含め集中的予防介入検討が必要なのだろうが・・・

noteへ実験的移行

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