2014年2月8日土曜日

うつを冠動脈性心疾患予防のための治療オプションとすべき?

うつを、冠動脈性心疾患の治療オプションとすることが妥当か?

うつと、心血管疾患関連性の信頼しうる2つの研究


20年間に及ぶうつ症状反復測定研究(Whitehall II cohort)では、量依存的にうつと冠動脈死・非致死性心筋梗塞の関わりがあきらかとなったが、卒中との関連性は認めなかった。

うつと、冠動脈疾患との量依存的関連性
卒中にともなう、うつ症状の先行的関連性が、一部・あるいは全体的に関連するかが問題

Depressive disorder, coronary heart disease, and stroke: dose–response and reverse causation effects in the Whitehall II cohort study
European Journal of Preventive Cardiology February 3, 2014 2047487314520785
Eric J Brunner ,et. al.
フルフリーテキスト pdf

Whitehall II study (n = 10,036, 31,395 人観察, 開始時年齢 44.4歳)
30項目のGHQ-30と、1項目のCES-Dでうつ症状6回反復計測

このコホートは、主要冠動脈イベント(冠動脈血管死/非致死的心筋梗塞)、卒中(卒中死/合併症)を国内死亡統計Hospital Episode Statistics、ECG検診、カルテ、自己アンケート施行。

 GHQ-30 caseness(症状ベースでなされた精神診断)は、0-5年間では、卒中予測可能だったが、5-10年間では予測できず (年齢-、 性別-、 民族-補正 HR 1.60, 95% CI 1.1–2.3、 HR 0.94, 95% CI 0.6–1.4) 
直近5年観察周期では、累積 GHQ casenessでは、量依存的に、冠動脈疾患イベントと相関 ( 1 - 2 倍: ハザード比 1.12 , 95% CI 0.7 -  1.7 ; 3 - 4 倍 :  2.06 95% CI 1.2 - 3.7)、さらに CES-D casenessは冠動脈疾患予測となる (HR 1.81, 95% CI 1.1–3.1)


Improving Mood-Promoting Access to Collaborative Treatment (IMPACT)

CVD(心血管疾患)発症前に、行われた、collaborativeなうつ治療は、高齢者うつ患者に、重度CVDリスク超過を半減するという結論


臨床的CVD発症前のうつ治療がCVDイベント減少させるかの検証のため、ランダム化対照、8年間フォローアップ研究。

Effect of Collaborative Care for Depression on Risk of Cardiovascular Events: Data From the IMPACT Randomized Controlled Trial
Psychosomatic Medicine January 2014 vol. 76 no. 1 29-37

60歳以上のプライマリケア患者(うつ、気分変調症)235名
12ヶ月間の、抗うつ・心理療法治療 vs 通常治療で比較
CVDイベント総数119(51%) 
仮説通り、治療xベースラインCVD相関は有意 (p = .021) 
ベースラインCVDの無いIMPACT 患者は、通常ケアに比べ48%リスク減少(28% vs 47% ハザード比 0.52, 95% 信頼区間 0.31 - 0.86) 
5年間NNTは、6.1。イベント尤度の差は認めず (86% versus 81%, ハザード比 = 1.19, 95% 信頼区間, 0.70–2.03).






低脂肪発酵乳製品、特にヨーグルトは2型糖尿病発症を抑制する?

 EPIC-Norfolk Study(nested case cohort)で、後顧的解析なので、決定的結論とは言いがたい。


Dietary dairy product intake and incident type 2 diabetes: a prospective study using dietary data from a 7-day food diary
DiabetologiaFebruary 2014
 トータルの乳製品、高脂質乳製品、ミルク、チーズ、高脂質発酵乳製品の摂取では、糖尿病発症率と相関せず

低脂肪乳製品摂取 は、年齢-、性別-補正解析にて、糖尿病と逆相関する(3分位(T) 3 vs T1 、ハザード比 0.81 [95% CI 0.66, 0.98])、しかし、身体測定値補正後、この関連性は減弱した。

多変量解析では、逆相関に加え、糖尿病と低脂肪発酵乳製品摂取と逆相関  (T3 vs T1, HR 0.76 [95% CI 0.60, 0.99]; p trend = 0.049) 、 特にヨーグルト摂取と逆相関 (HR 0.72 [95% CI 0.55, 0.95]; p trend = 0.017)

テレビドラマ Dr. House をヒントに診断

Dr. House DVDボックス・シーズン1、随分、安くなったので、リスニングの勉強をかねて、視聴開始しはじたところだった。


Cobalt intoxication diagnosed with the help of Dr House
The Lancet, Volume 383, Issue 9916, Page 574, 8 February 2014





和製Huluだと、英語字幕ないので、DVD買わざる得ない・・・


表層的善人でないところが気に入ってる


日本のクソドラマは見る気がしない ・・・ 白い巨塔に始まり、おとぎ話より空想的だし、勧善懲悪ものだらけだし・・・底の浅い偽善主義だらけ



ドラマじゃ無いけど、NHKの【総合診療医】もひどかったし・・・ 神経内科専門医だったろと突っ込みたくなるケースが多かった

米国:成人ワクチンスケジュール 2014年

Advisory Committee on Immunization Practices Recommended Immunization Schedule for Adults Aged 19 Years or Older: United States, 2014
Ann Intern Med. 2014;160(3):190-197-197. doi:10.7326/M13-2826 

CDCウェブサイト
http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/adult.html

http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/downloads/adult/adult-schedule.pdf





従来のインフルエンザワクチンは、鶏卵利用の、生弱毒化ワクチン(LAIV)と不活化ワクチン(IIV)。新しいワクチン、遺伝子組み替えインフルエンザ(RIV)を導入。



日本のワクチン後進国ぶりは相変わらず、反ワクチンを反政府プロパガンダにされるのは、全世界共通のようだが、それに屈するのは日本くらい。テロに屈した福田元総理的施策は続いている。

noteへ実験的移行

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