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2016年1月28日木曜日

医療過誤請求される医師の偏在現象

医療過誤請求される医師の分布について偏りがあるか検討



この報告では、 脳外科>一般外科>眼科>放射線科>内科>精神科

日本では、診療科別医師数が異なり、同じ診療科でも内容が異なるため日本とは直接比較できないはず

医療過誤確率は 一部の医師に集中しやすい現象は必ずしもその技倆だけの問題ではないはず。難しい背景を保つ専門分野やその診療内容ならリスクは集中する
当たり前と言えば当たり前の結果と私は思うが・・・一般にはそう思わないだろうし、メディアや健康行政に携わる連中のミスリードに使われないことを願う





Prevalence and Characteristics of Physicians Prone to Malpractice Claims
David M. Studdert, et. al.
N Engl J Med 2016; 374:354-362January 28, 2016
DOI: 10.1056/NEJMsa1506137

National Practitioner Data Bankのデータを用い、2005年から2014年までの5万4千99名の医師に対する6万6千426件の過誤請求事案解析


全医師の1%ほどで32%の医療過誤請求にあたる。
支払い過誤認定医師のうち、研究期間中1回のみは84%(全支払い過誤の68%に相当)
うち、2回以上は16%(全支払い過誤の32%に相当)
3回以上は4%(全支払い過誤の12%に相当)


補正解析にて、再発リスクは過去の過誤請求数とともに増加
例えば、訴訟請求経験1回ある場合の医師と比べ、3回の経験を持つ医師は、次の2年間の新しい過誤請求追加リスクは3倍である (ハザード比, 3.11; 95% 信頼区間 [CI], 2.84 to 3.41); 絶対値としては24% (95% CI, 22 to 26) 確率増加に相当
 
再発リスクは専門によりばらつき有り、例えば、脳外科のリスクは精神科のほぼ4倍






2014年9月17日水曜日

小児入院:薬物副作用のうち、防止可能な状況は4%程度だが、モニタリング・オーダリング時チェック体制重要

Japan Adverse Drug Events (JADE) Study


薬物副作用のうち、薬物副作用防止可能なものは4%でかなり少ないが、重篤なもの、生命に関わるものもあり、モニタリングレベル・オーダリングレベルでのチェックが重要という報告。


Adverse drug events and medication errors in Japanese paediatric inpatients: a retrospective cohort study
BMJ Qual Saf 2014;23:830-837 doi:10.1136/bmjqs-2013-002658


小児入院での薬物副作用(ADE)は1000人日あたり、37.8(95% CI, 34.4 - 41.2)、 投薬過誤は65.1(95% CI, 60.6ー69.5)

内訳として、致死的・生命に関わるもの4%、重篤 23%、有意なもの73%

36(8%)が防止可能で、投薬過誤全例の4%に相当。


全ての投薬過誤中668(81%)が患者に有害事象を与える可能性があった。

防止可能なADEの最も多いエラー状況はモニタリングで78%、95%はオーダリング時点であった。




薬物副作用、即、医療過誤と考えているピーポーが多く、そういう報道も多くなされる。一部例外を大きく切り貼りして報道し、出版利益につなげようとするメディアの悪しき側面に世の中けがされまくってる。
 薬剤副作用の大多数は、防止不能の状況であり、防止不能の薬物副作用を前提にしたインフォームドコンセントが重要ということは大多数が一致した意見だろう。一方で、副作用を過度に心配するあまり、治療機会を失うことも。入院とは離れるが、反ワクチン運動などは典型的例だと思う。






2013年10月1日火曜日

外来での医療過誤:一般医(GP)は訴訟決着になりやすく、告訴側判断で終わることが多い → GPは高リスクである現状

入院症例での医療過誤の高インパクトの背後で、外来状況に置ける医療過誤のデータ蓄積、啓発により、特に、プライマリケアでの状況において、医療過誤とその訴えが今その重要性を増している。

2005年1月から5年間のマサチューセッツ州の2つの医療過誤キャリアのクローズド・データの後顧的解析。2つの保険者データをstandardized taxonomyを用いた協調。551の訴訟があり、その解析をおこなったもの

外来での医療過誤は、入院状況のそれに比べ、目立たないが、プライマリケア・レベルでは診断面での訴えが多い。特に、がんの見逃し。

プライマリケアでは、訴えの内容がありふれたものであり、それから診断困難なことが多い難しさがある。

Primary Care Closed Claims Experience of Massachusetts Malpractice Insurers
Gordon D. Schiff,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online September 30, 2013. doi:10.1001/jamainternmed.2013.11070
5年間、7224の医療過誤訴えのうち、551(7.7%)がプライマリ部門

過誤訴訟分野は、診断が72.1%(397例)、 薬物 12.3%(68例)、 他の医療 7.4%(41例)、コミュニケーション 2.7%(15例)。
診断について最も多いものは、がん(190例)、心臓(43例)、血管(27)、感染(22)、卒中(6)
プライマリケア・ケースでは、非GP医療過誤訴訟に比べ、決着しやすく (35.2% vs 20.5%) 、告訴側評決となりやすい (1.6% vs 0.9%)   (P < .001)

プライマリケアは訴訟されにくく、医療過誤に最も遠い存在などと決して考えてはいけませんぞ・・・特に、今から専門分野を決める、若い先生方。

2013年6月21日金曜日

入院投薬過誤は頻回で、10%にも上る

投薬過誤は入院患者で頻回。

TOEを用いた時間過誤なしの過誤率平均は横断的には10%も存在。denominatorを用いた投薬過誤標準化、過誤数、過誤種類が将来検討に必要。

Drug Administration Errors in Hospital Inpatients: A Systematic Review.
Berdot S, Gillaizeau F, Caruba T, Prognon P, Durieux P, et al. (2013) 
PLoS ONE 8(6): e68856. doi:10.1371/journal.pone.0068856

2088研究中、TOE 総計52の研究報告
多くの研究は横断研究(n-46)

Total Opportunity for Errors (TOE)とは、” sum of the total number of doses ordered plus the unordered doses given)”、すなわち、指示投与量及び非指示投与量総数の合計

TOEを用いた横断研究によると、時間過誤無しの過誤率中央値は 10.5% [IQR: 7.3%-21.7%].

18研究では、臨床的インパクト検討にて、致命的過誤は認めず、多くの過誤はマイナーとして分類。

出版バイアスのエビデンス認めず

2013年2月23日土曜日

コンピュータプロバイダオーダー(CPOE)Eシステムで処方オーダーミス半減


computerized provider order entry (CPOE) systemによる電子処方で、どの程度投薬ミスをふせげるか?

システマティック文献レビュー・ランダムエフェクト効果メタアナリシス

処方オーダー過誤48%(95%信頼区間 41%〜55%)減少

このeffect sizeから推定すれば、投薬ミス全体では、それを12.5%減少。
全米で1年間に1740万件の投薬ミスを減らすことができると試算。


Reduction in medication errors in hospitals due to adoption of computerized provider order entry systems
J Am Med Inform Assoc doi:10.1136/amiajnl-2012-001241


日本では、総務省・厚労省あたりが口だけ出して、金だそうとせず、各病院が、独自に、オーダーシステム導入。
システム内容に関する信頼性の担保がなく、うじつうやネック・いたちといったメーカーのやりたい放題となってる。

2012年4月6日金曜日

医療過誤訴えに対応するコスト:defense cost 診療科間比較

医療訴訟、即、医療側敗訴=医療側支払いってわけではない。訴えられた時点で、民事訴訟では敗訴側が裁判コストを弁済するといっても、医療側も、間接・直接コストが生じる。

米国の場合なので、詳細は不明だが、医療過誤訴えがあった場合、それに対応するコストを、勝訴・敗訴ともに分析


 Defense Costs of Medical Malpractice Claims
N Engl J Med 2012; 366:1354-1356 April 5, 2012

 Mean Defense Costs of Paid and Unpaid Malpractice Claims, According to Physician Specialty.
 医療過誤訴訟の訴え、則ち、defense costに関し、米国内データは少ない。
専門家毎のばらつきに関しても未知だった。このdefense costは米国内では医療コスト引き上げと直結していることは米国内では明らか。


訴えに対し、支払いコストと無支払いコストを分けて、防御コストとして表記。
平均(±SD)コストは$22,959±41687。
医療側敗訴(支払いあり)と医療側勝訴(支払い無し)場合、それぞれ、$45,070 vs. $17,130, P<0.001

損害賠償を求められなかった場合の平均defense costはあらゆる分野で少なかったが、それでも、分野によりばらつき、腎臓では$7,283から産科の$25,073までばらつきがある。
損害賠償有責有無間の相関は少ないが相関性あり (0.39).

損害賠償支払いとなった場合のコストは高いが、結果的には、損害賠償がないとされた場合もかなりのコストに登っている。さらに、専門科目毎のコストのばらつきがあり、過誤訴えの頻度、サイズは必ずしも同様でない。

このコストを減らすことは、保険者、医師にとっても、節約になる。






日本では、曖昧なままにされているが、間接的なコスト増加となっている。たとえば、産科事故に対する異常なまでの批判は、結果的に産科医療を衰退させ、産科医の寡少性を進行させ、人材コストの高騰をまねている。

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