2012年2月25日土曜日

メトフォルミンによる肝障害:稀なる副作用だが警戒を


Metformin-Induced Hepatotoxicity
doi: 10.2337/dc11-2306 Diabetes Care March 2012 vol. 35 no. 3 e21 


メトフォルミンは、2型糖尿病の第1選択薬。胃腸症状で不耐。

肝毒性は考えにくい。しかし、特有な重篤肝障害を示すことがある

NASHやC型慢性肝炎でもベネフィットを有し、肝硬変では乳酸アシドーシスリスクがあり禁忌。


この報告は他剤関与のない、メトフォルミンによる肝障害報告例

米国:塩化メチレン(ジクロロメタン)による死亡例

塩化メチレン(ジクロロメタン)

居住用バスタブから塗料を剥ぐため使用の塩化メチレンによる死亡 2000-2011年に13名

Fatal Exposure to Methylene Chloride Among Bathtub Refinishers — United States, 2000–2011
WeeklyFebruary 24, 2012 / 61(07);119-122
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6107a2.htm?s_cid=mm6107a2_w




CDC : methylene chloride
http://www.cdc.gov/niosh/topics/methylenechloride/



安全衛生上の注意事項(ジクロロメタン系はく離剤)
ジクロロメタンタイプ
http://www.sansai.com/support/usage/anzeneisei-MCl.html
(1)はく離剤の主成分であるジクロロメタンの性質
塩素系有機溶剤であるジクロロメタンは麻酔性が強く、その許容濃度は50ppm(日本産業衛生学会)とされており、有機溶剤中毒予防規則の第二種有機溶剤として法律で定められています。
また、沸点が約40℃であるため、非常に蒸発しやすく、かつ、蒸気の比重は空気の約3倍と重いため、その蒸気は放散しにくく下部に滞留する性質があります。

(2)はく離作業環境

取り扱い場所、作業場所は火気厳禁とし、局所排気装置を設けてください。
また、局所排気装置のない屋内においてはく離剤を使用する場合は、「有機溶剤用防毒マスク」だけでは不十分であり、加えて強制換気(特に下部の換気)が必要です。
特に密閉空間でのはく離作業は、蒸気による中毒と、蒸気の滞留による酸素欠乏の危険がありますので、強制換気はもちろん、「装置マスク」を着用してください。

(3)保護具の着用

作業に際しては、ネオリバーが直接、皮膚や衣服につかないようゴム手袋、保護めがね、エプロン等の保護具を着用してください。
酸性タイプのはく離剤は、激しい皮膚腐食性がありますので、特にご注意ください。
保護具はそのほとんどが直接はく離剤に触れると溶解、膨潤、腐食されるため(ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレンを除く)、長期にわたり使用できるものではありません。
保護具にはく離剤が付着した場合には、直ちに布等で除去してください。
衣服についた場合は、すぐに着替えてください。・・・


「適正管理で優等生」との主張
http://www.jahcs.org/leaflet/leaflet02-09.htm
塩素系溶剤の製造、使用、廃棄等には種々の規制が課せられていますが、禁止されてはいません。 適正に使用すれば今後も禁止されることはないと考えられます。また、ISO 14001の取得で禁止されることはありません。外国でも規制はありますが、 使用が禁止されている訳ではありません。



 日本での実態は?

FDA専門委員会: COPD アクリジニウム使用承認

FDA Pulmonary-Allergy Drugs Advisory Committeeは、抗コリン剤である、 aclidinium bromideをCOPD患者の気道閉塞使用として安全・有効という投票決議 12-2。


市販後調査の心血管副作用要求されていた。

Aclidiumは新型の長時間持続型M3ムスカリニック拮抗剤 で、2004年から上市されていた。

名目投与量(nominal dose)と投与回数評価2つの交差トライアル、3つの安全性・有効性トライアルを含む臨床トライアルプログラムで、3つの有効性トライアルはランダム化・プラシーボ対照トライアルで、二重盲検期間は12-24週間。2つの12州トライアルは、open-label extension。



3つの安全性・有効性トライアルは、安定 中等症・重症COPD 患者へ、400mcg BID と 200mcg BID+プラシーボ比較で、400mcg BID投与の安全性有効性は満場一致評決し、10:3で安全性ありとした。

http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/Pulmonary-AllergyDrugsAdvisoryCommittee/UCM292624.pdf


参考:http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/FDAGeneral/31337


参考:
COPD: 1日2回LAMA アクリジニウムのチオトロピウム・プラセボ対照 2011年 09月 12日


リチウム毒性:システミックレビュー・メタアナリシス



Lithium toxicity profile: a systematic review and meta-analysis
The Lancet, Volume 379, Issue 9817, Pages 721 - 728, 25 February 2012 Published Online: 20 January 2012 


システマティックレビューとメタアナリシス

糸球体濾過 -6.22 mL/min   (95% CI −14.65 ~ 2.20, p=0.148) 減少、尿濃縮能15% (weighted mean difference −158.43 mOsm/kg, 95% CI −229.78 ~ −87.07, p<0.0001).低下


リチウムは腎障害リスク増加の可能性あるが、絶対的リスクは小さい (18 / 3369 [0.5%]  腎置換療法)



臨床的甲状腺機能低下頻度増加 (対プラシーボ オッズ比 [OR] 5.78, 95% CI 2.00—16.67; p=0.001)、TSH増加 平均  4.00 iU/mL (95% CI 3.90—4.10, p<0.0001)


リチウム治療は血中カルシウム増加   (+0.09 mmol/L, 95% CI 0.02—0.17, p=0.009)、 parathyroid hormone (+7.32 pg/mL, 3.42—11.23, p< 0.0001)増加と関連



プラシーボ比較で体重増加 (OR 1.89, 1.27—2.82, p=0.002)、しかし、olazapineでは認めない  (0.32, 0.21—0.49, p< 0.0001)



先天性奇形、脱毛、皮膚異常リスクに関する有意増加認めず

別の書籍では何と書かれているか・・・
頻度が多いのは、尿回数増加、口渇増加、手指振戦、鼓脹や胃部膨満感、軽度筋肉振戦など
過剰投与の早期症状:下痢、傾眠、食欲低下、筋力低下、 吐気・嘔吐、言語不明瞭、振戦
後期症状:かすみ目ぎこちなさ不安定混乱めまい振戦(重度)
・・・・
甲状腺機能への影響とリチウムによる“腎性尿崩症”
http://bipolar.about.com/cs/sfx/a/sfx_lithium.htm



noteへ実験的移行

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