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2014年7月29日火曜日

閉経後早期ホルモン治療、心血管疾患予防に役立たず

閉経後ホルモン治療(menopausal hormone therapy (MHT))は、心血管疾患予防に役立つか?

閉経後早期開始のMET後のCVDリスク評価、ランダム化対照トライアル

Arterial Imaging Outcomes and Cardiovascular Risk Factors in Recently Menopausal Women: A Randomized Trial ONLINE FIRST
S. Mitchell Harman,  et. al.
Ann Intern Med. Published online 29 July 2014 doi:10.7326/M14-0353



セッティング: 9つの U.S. academic center

被験者: 健康閉経女性(42-58歳、閉経後6-36ヶ月経過、CVDイベント既往無し、冠動脈石灰化スコア(CAC) 50 Agatston units未満、エストロゲン・脂質低下薬剤90日内服用無し)

介入: Oral conjugated equine estrogens (o-CEE), 0.45 mg/d, or transdermal 17β-estradiol (t-E2), 50 mcg/d, each with 200 mg of oral progesterone for 12 days per month, or placebo for 48 months.

測定:プライマリエンドポイント:年次頸動脈IMT (CIMT)
セカンダリエンドポイントは、CVDリスクマーカーの変化


727名をランダム割り付けし、CIMT最低1回施行89.3%、48ヶ月後施行79.8%
平均CIMT増加0.007mm/年はグループ横断的に同様。
CAC増加比率もグループ間に差は認めず

o-CEEとt-E2で差を認めず

LDL、HDLコレステロール値は改善、CRP、性ホルモン結合グロブリンは改善するも、IL-6はo-CEEで増加。
インスリン抵抗性はt-E2で減少。
重篤副事象は治療群で差は認めない。


Limitation: Power to compare clinical events was insufficient.

結論:MHT4年間では、動脈硬化進展に影響を与えない、しかし、CVDリスクマーカーをある程度は改善した。




日本のこの種の学会は、中立的スタンスじゃなく、治療することに偏った見解をだすのが、通常。


上記結論では、ソフトアウトカムと言えるIMTの改善すらみとめないのだが、脂質特性・CRP改善・インスリン抵抗性改善をもって、是認的見解を述べるのは目に見えている。

・・・日本の臨床科学への疑念を生む大元で、HRT関連が目立つが、他の各臨床系学会共通・・・、とうの昔から、我々日本の末端の医者は、自国内学会への信頼を持っていないと断言しておこう。
(日本のNAFLD・NASHのガイドラインもひどいなぁ、アクトスが第一選択なんだって・・・ばっかじゃなかろうか)




新聞見だし通り、「閉経後早期ホルモン治療、心血管疾患予防に役立たず」で良いはず・・・
Hormone therapy in early menopause doesn’t protect against heart disease, study finds
http://www.bostonglobe.com/lifestyle/health-wellness/2014/07/28/hormone-therapy-early-menopause-doesn-protect-against-heart-disease-study-finds/Bbc0ioLOF55cNkKddiN7qJ/story.html

2012年10月11日木曜日

ホルモン補充療法にて閉経後女性の心血管アウトカムなど改善?

ホルモン補充療法に熱心な関係者には朗報

ただ、最近でも、USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る 2012/5/29によれば、“ここ10年ほどの研究でもやはり、ベネフィットより、リスクが上回る”と考えるのが必然。

WHIが発端の心血管イベントへや発がんへの悪影響を全否定できるほどの報告なのか、議論がなされることであろう。

すでに、サンプルサイズが小さすぎること、WHIより若年者が多くてもともと死亡リスクが少ない対象群、観察期間が短すぎて発症リスクに関与したとしても心血管疾患やがんの“潜伏期間”に見合わない・・・など、疑念多数。


それでも、この論文でごり押ししする予感がする・・・日本の産科学会系


Objective To investigate the long term effect of hormone replacement therapy on cardiovascular outcomes in recently postmenopausal women.
【デザイン】 Open label, randomised controlled trial.

【セッティング】 Denmark, 1990-93.

【被験者】 健康女性 1006 、 45-58歳、閉経直後あるいは閉経前後症状ある女性(閉経後黄体刺激ホルモン値記録あり)
502名の女性をランダムにホルモン補充療法に割り付け、504名を対照として無治療
子宮摘出女性は45-52歳で、閉経後黄体刺激ホルモン測定記録がある場合は登録


【介入】 治療群にて、生来子宮女性は triphasic estradiol + norethisterone acetate 使用、子宮摘出女性では、エストラジオール 2mg/日使用

介入は約11年間で終了、他のトライアルからの副事象報告による中止
しかし、登録者は死亡、心血管疾患、がんをフォロー、16年間。
5年間治療処方量の80%超服用女性でのSensitivity analysisを行った。

【主要アウトカム測定】 プライマリエンドポイントは、組み合わせ(死亡、心不全入院、心筋梗塞)

【結果】 登録時平均女性年齢50歳で、6ヶ月の閉経あり
プライマリ構成エンドポイントは、介入10年時点で、治療群 16名、対照群 33名 (ハザード比 0.48, 95% 信頼区間 0.26 ~ 0.87; P=0.015)
死亡は、それぞれ、15名、26名  (0.57, 0.30 ~ 1.08; P=0.084)

心血管イベント減少はがん(種類問わず)の増加と関連せず(治療群 36、対照群  39  , 0.92, 0.58 ~ 1.45; P=0.71) 、乳がんも同様 (治療群 10  v 対照群 , 0.58, 0.27 ~ 1.27; P=0.17)
深部静脈血栓ハザード比(治療群 2 v 対照群 1)は 2.01 (0.18 ~ 22.16) 、卒中(治療群 11 v 対照群 14 ) は 0.77 (0.35 ~ 1.70)

プライマリ組み合わせアウトカムはの16年後減少傾向は持続し、がん増加とは関連せず 
【結論】 ランダム化治療10年後、ホルモン補充療法を受けていた閉経直後女性群は有意に、死亡率、心不全、心筋梗塞減少し、明らかながんリスク増加、静脈血栓性疾患、卒中リスク増加認めなかった。


患者側の盲検化が十分でないことがポイント?

2012年6月14日木曜日

経口避妊薬と、血栓性卒中・心筋梗塞リスクの関連性あり 黄体ホルモン種類による影響差も

経口避妊薬と、血栓性卒中・心筋梗塞リスクの関連性




Thrombotic Stroke and Myocardial Infarction with Hormonal Contraception
Øjvind Lidegaard,et.
al.
N Engl J Med 2012; 366:2257-2266June 14, 2012


総数 1,626,158 女性、 14,251,063 人年観察、期間中 血栓性卒中 3311  (21.4 / 100,000 person-years)、心筋梗塞 (10.1 / 100,000 person-years)


非使用者比較で、経口避妊薬現行使用者

■ ethinyl estradiol 30~40μg投与で、相対リスクは 血栓性卒中、心筋梗塞の相対リスクと相関
その影響は、プロゲスチンの種類による
・norethindrone: 2.2 (1.5 ~ 3.2) 、 2.3 (1.3 ~ 3.9)
・levonorgestrel: 1.7 (1.4 ~ 2.0) 、 2.0 (1.6 ~ 2.5)
・norgestimate: 1.5 (1.2 ~ 1.9) 、 1.3 (0.9 ~ 1.9)
・desogestrel: 2.2 (1.8 ~ 2.7) 、 2.1 (1.5 ~ 2.8)
・gestodene: 1.8 (1.6 ~ 2.0) 、 1.9 (1.6 ~ 2.3)
・drospirenone: 1.6 (1.2 ~ 2.2) 、 1.7 (1.0 ~ 2.6)

■ ethinyl estradiol 20 μg投与量では
・desogestrel: 1.5 (1.3 ~ 1.9) 、 1.6 (1.1 ~ 2.1)
・gestodene: 1.7 (1.4 ~ 2.1) 、 1.2 (0.8 ~ 1.9)
・drospirenone: 0.9 (0.2 ~ 3.5) 、 0.0

■経皮パッチでは
それぞれ、 3.2 (0.8 ~ 12.6) 、 0.0

■vaginal ringでは
2.5 (1.4 ~ 4.4) 、2.1 (0.7 ~ 6.5)



経皮パッチといえど、卒中や心筋梗塞に対して副作用イベント増加関連が見られた。

比較的若年層である避妊薬でさえリスク関連性がある・・・

閉経に関わるホルモン補充療法に関して、専門学会見解の内外差が存在する。日本の専門家の見解は、自国で高品質エビデンス創出されてないくせに、有害性リスクを過小評価する傾向がある。


ホルモン補充療法推進に懸命な産経:日産婦と日本更年期医学会指針記事 2009年 04月 03日

USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る  2012年5月29日


いづれにせよ、ホルモン補充療法の場合、インフォームド・コンセントの重要性はさらに増している。
リスクを説明せずに、行われた場合、そのアウトカムに関して、処方医が一定責任を追及されるのは当たり前と思う。 

2012年3月31日土曜日

心筋梗塞時ホルモン補充療法を中止すべきか?


Discontinuation of hormone replacement therapy after myocardial infarction and short term risk of adverse cardiovascular events: nationwide cohort study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e1802 (Published 27 March 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:e1802

ホルモン補充療法を心筋梗塞後継続する場合にくらべ、心血管イベントリスク減少増加は 明らかな結論づけできない。
ベネフィット・リスク増加どちらも除外出来ず、ホルモン補充療法による心血管リスクは閉経後女性症状とバランスをもって判断すべき。


それまでの観察研究を根拠に、1990年代終わり頃まで冠動脈疾患予防のため、ホルモン補充療法が推奨されていた。しかし、 1998 the Heart and Estrogen Replacement Studyで、プラシーボ比較の冠動脈疾患二次予防での再評価、心血管死亡・心筋梗塞一次予防での有意差認めない結果や、2001年のWomen’s Health Initiative studyの冠動脈疾患リスク増加危惧のための早期トライアル中断でその後のホルモン補充療法はガイドラインを含め、冠動脈疾患予防としての使用は一次・二次とも不使用推奨となっている。

閉経後症状のため、心筋梗塞時に、ホルモン補充療法されている場合も存在する。

その場合、中止すべきかどうか?判断に困る。

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