2012年8月20日月曜日

EMBRACE研究:アジスロマイシン非嚢胞性線維症気管支拡張急性増悪予防

 日本では、エリスロマイシンなどマクロライド系抗生剤長期使用の効果は、多元的に多くの報告が有る。ただし、この報告論文の中で、日本の「びまん性汎気管支炎」や「エリスロマイシン」の論文が一切引用されてないことをみると、(日本の臨床研究あらゆる分野で言えることだが・・・)RCTが十分とでないためだろう、国際的には日本のマクロライド少量持続治療について評価されてないことがわかる。臨床的意義のある画期的治療法で、かつ、歴史をもつ治療法なのに・・・世界的に見れば無名なのが日本人として悲しい・・・日本として、EM vs アジスロマイシンの対比研究をして、DPBやEM療法を報告論文に目いっぱい記載するくらいしないと・・・


アジスロマイシン500mg 週3回 6か月間投与で、急性増悪回数の減少の効果
副作用としては、消化器症状、悪心、嘔吐、下痢、心窩部不快感などで、軽度
問題は、耐性が懸念されること。軽度の場合はやはり避けるべきだろうとの意見。


Wong C, et al. "Azithromycin for prevention of exacerbations in non-cystic fibrosis bronchiectasis (EMBRACE): A randomized, double-blind, placebo-controlled trial" Lancet 2012; 380: 660-667.

18歳以上、1回以上の抗生剤必要な急性増悪1年以内経験有り、気管支拡張CT診断確認例
アジスロマイシン500mg vs プラシーボを5ヶ月間週3回投与繰り返し6ヶ月間
 
複合プライマリエンドポイントは6ヶ月治療中の急性増悪イベント、拡張剤前FEV1変化、St George's respiratory questionnaire(SGRQ)
ITT解析

アジスロマイシン割り付け 71名、 プラシーボ割り付け 70名

イベントベース急性増悪 アジスロマイシン群 0.59/1人、プラシーボ群 1.57/1人(6ヶ月間)(rate ratio 0 ,38, 95% CI 0 ,26—0 ,54; p<0 br="br">


拡張剤前FEV1はアジスロマイシンでは治療変化無く、プラシーボ群では0.04L減少(ただし差に関して有意差認めず 0 ,04 L, 95% CI −0 ,03 ~ 0 ,12; p=0 ,251)

加え、SGRQ総スコア変化は、アジスロマイシン群 (—5 ,17 units) 、プラシーボ群 (—1 ,92 units; difference −3 ,25, 95% CI −7 ,21 ~ 0 ,72; p=0 ,108)で差を認めない


米国FDAアクトス後発品承認 ・・・ 副作用の多い薬剤;日本の安易なジェネリック推進の代償としての副作用情報の欠落

日本に遅れて、米国FDAでも、アクトス・ジェネリック承認

この薬剤、あらためて副作用項目の多い薬剤であることを再認識させられる。

FDA approves first generic Actos to treat type 2 diabetes
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm315951.htm 

安全性情報に関する記載
安全性情報として、Boxed Warningは、特定対象での 心不全悪化 で、十分な観察が必要
1年間を越えて使用する場合膀胱癌リスクと関連する可能性がある。
頻度の多い副作用として 感冒症状、頭痛、副鼻腔感染、筋痛、咽頭痛

FDAも日本と同様の説明、“ the same high quality and strength as brand-name drugs”と、先発品と同等の質と効果があると説明している。


先発メーカーも副事象情報正しく情報提供してるとは思えない。

 JAMA誌: アクトスを安易に使うな!2011年 02月 09日

膀胱癌リスク:アクトス独特? 2012年7月5日

破骨細胞バイオマーカー増加:アクトスなどのTZD系薬剤の女性糖尿病患者への悪影響2010年 02月 01日

アクトスなどの抗糖尿病薬は糖尿病性黄斑浮腫リスク増加させる 2012年6月12日
 が、それ以上に後発メーカーの放置ぶりが気になる

 http://www.nichiiko.co.jp/medicine/seihin_sheet.php?id=01240

副作用情報を含め医薬品情報、現時点で確認する限り 、昨年11月から放置の状況


政府の安易なジェネリック推奨の代償として、薬品安全性情報欠如が生じている。大きな健康被害を生じ、結局、血税から補填ということにならなければ良いが・・・そして、医療関係者も、大きな負債を生じなければ良いが・・・

妊娠第1トリメスター時の母の喫煙は、子供の就学前喘鳴・喘息に、用量依存的に影響を及ぼす

妊娠中喫煙は、就学全児童の喘息発症、喘鳴問題のリスク増加をもたらすことが、2万1千名超の誕生大規模データにてはメイン

1stトリメスターの母体の喫煙量に用量依存的とのこと


SOURCE: American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, news release, Aug. 17, 2012 Last Updated: Aug. 17, 2012

情報ソース: http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=667724
Smoking During Pregnancy May Cause Asthma, Wheezing in Kids
More breathing problems seen in preschoolers even if mothers stopped smoking once they were born
news releaseに掲載されてない 

急性肺障害・ARDSへのPartilatory Support

死亡率影響に関する研究は不充分だが、ICU滞在・人工呼吸期間への好影響、他、生理学的影響は好影響を示した。


Partial Ventilatory Support Modalities in Acute Lung Injury and Acute Respiratory Distress Syndrome—A Systematic Review.
McMullen SM, Meade M, Rose L, Burns K, Mehta S, et al. (2012)
PLoS ONE 7(8): e40190. doi:10.1371/journal.pone.0040190



2つのRCTと、6つの前向きコホート、1つの後顧的コホート、1つの症例対照研究、41の臨床生理学的研究、28のpre-clinical study

死亡率評価判断パワー研究無し、1つのRCTでIUC滞在期間短縮、無人工呼吸日数の増加を示した。

自発呼吸を温存するベネフィットが主に生理学的影響を与え、ガス交換改善、血行動態改善効果をもたらし、肺以外臓器潅流・機能に好影響を与えた。

 

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note