2014年2月4日火曜日

昼間・夜間とも、青色光は、覚醒作用をもたらす。聴覚改善、注意力減少回復も。

夜間光として、短波長の光、 460-nm(青)は、急性警告反応を増加させることが知られ、防災・防犯上利用されつつある。alertness、パフォーマンス、覚醒脳波への、昼間スペクトラル感度を評価。


Brigham and Women's Hospital (BWH) からの研究は、短波長、青色光暴露は生物学的昼間となるが、これによりalertnessとパフォーマンス改善をもたらすことが示された。




Diurnal Spectral Sensitivity of the Acute Alerting Effects of Light
Sleep Vol. 37 (02), http://dx.doi.org/10.5665/sleep.3396
http://www.journalsleep.org/ViewAbstract.aspx?pid=29311

昼間・夜間 460-nm(青色)暴露は、555-nm(緑色)暴露に比べ、聴覚反応時間改善し、注意力不足減少し、覚醒脳波改善をもたらした。
 
主観的傾眠スコアは2つのスペクトラル領域では差を認めなかった。夜間は 460-nm光暴露は、555-nm光に比べ、客観的傾眠減少。

さらに、夜間460-nm光照射は、昼間に近いレベルまで、覚醒状況をもたらす。


青色の光照射を含むテレビってのは、やっぱり、不眠の元になる可能性有り


肯定的にみれば、夜間労働環境として、照明の制御を行うことで、作業効率改善をもたらすのかもしれない。昼間でもそうだろうが・・・

直腸結腸ガン:免疫化学的便潜血検査 システマティック・レビュー&メタアナリシス:

FIT: Fecal Immunochmical Test 免疫化学的便潜血検査
http://www.jsge.or.jp/cgi-bin/yohgo/index.cgi?type=50on&pk=D62

米国政府バックのU.S. Preventive Services Task Force (USPSTF)では、50-70歳において10年毎にコロノスコピー検査を推奨。代替として、高感度便潜血反応検査を毎年、あるいは、シグモイドスコピーを各5年毎+3年毎のFOBTとしている。FITより面倒で、より試料多く必要であり、食事や薬品にも気を遣わなければならない。ということで、委員会はFITの有効性強調に移行しつつある。

 
 
システマティック・レビュー&メタアナリシス

検討登録19研究


Accuracy of Fecal Immunochemical Tests for Colorectal Cancer: Systematic Review and Meta-analysis
Jeffrey K. Lee,  et. al.
Ann Intern Med. 2014;160(3):171-181-181. doi:10.7326/M13-1484 

直腸結腸ガン(CRC)のFITに関する、蓄積感度、特異度、陽性尤度、陰性尤度 は、 0.79 (95% CI、 0.69 to 0.86)、 0.94 (CI、 0.92 to 0.95)、 13.10 (CI、 10.49 to 16.35)、 0.23 (CI、 0.15 to 0.33)
全般診断正確性は、95%(CI, 93% to 97%)


蓄積感度・特異度推定性にかなりheterogeneityあり 


陽性カットオフ値による層別化、あるいは、FITブランド除去・中止除去により、均質な感度推定値を得た。
CRC感度は、カットオフ値低下することで、PPVの質改善 ( e.g.  20〜50μg/g を 20 未満に変更すると   0.70 [CI, 0.55 to 0.81] → 0.89 [CI, 0.80 to 0.95] 、特異性は低下するけど)

単一試料FITはいくつかのサンプルと同様の感度・特異性をしめし、FITブランドとは無関係。

2型糖尿病・高リスク群:強化降圧治療で脳容積減少緩徐化

2型糖尿病(T2DM)は、認知機能低下のリスク増加をもたらし、脳容積減少し、白質増加をもたらす。血圧や脂質値もT2DM関連認知機能へ影響を与えるが、強化治療による脳の機能・構造への影響は不明。T2DM患者での、高血圧治療・スタチン+フィブラート併用といった強化治療が認知機能・総脳容積(TBV)へ与える影響。

北米多施設、2977名
ベースライン、HbA1c 7.5%未満、認知機能・認知症無し
トライアルとしては、収縮期血圧 < 120 vs  < 140 mmHg、 LDL  < 100 目標)


結論としては、T2DM10年程度の罹病期間・心血管イベント高リスク群において、脳容積減少速度は、LDL強化治療(フィブラート治療)では影響を受けず、降圧強化治療でその減少速度を鈍化させる。

Cognitive Function and Brain Structure in Persons With Type 2 Diabetes Mellitus After Intensive Lowering of Blood Pressure and Lipid Levels
A Randomized Clinical Trial
Jeff D. Williamson, et. al.
; for the Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes (ACCORD) Memory in Diabetes (MIND) Investigators
JAMA Intern Med. Published online February 03, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.13656


ベースライン平均HbA1cは8.3%、 平均年齢 62歳、T2DM罹病期間平均 10年間 
40ヶ月時点で、認知機能の差は、 強化降圧群、フィブラート付加トライアルでは認めず。
総脳容積(TBV)は、血圧強化治療vs標準治療群で差を認める (difference, −4.4 [95% CI, −7.8 to −1.1] cm3; P = .01).

フィブラート治療では、TBVにおいて、プラシーボと差を認めず

JNC-8を見ると、比較的マイルドな降圧が最近のはやりらしいが、2型糖尿病+高リスク群の脳容積を配慮すれば、ひょっとして、積極的降圧が必要なのかもしれない。

糖分過剰摂取で心血管死亡リスク増加

やはり、糖分摂取増加は、心血管死亡リスク増加と関連する

WHOは、「糖分摂取は、1日の総カロリーにおいて10%を超えないこと」

ところで、Sugarとは、ショ糖のみを示すのか、それとも、マルトースやラクトース、ブドウ糖まで含むのか。NHANES研究(http://www.cdc.gov/nchs/data/databriefs/db122.htm)でも定義として、以下。
The term added sugars, as defined for use in the MPED, includes all sugars used as ingredients in processed or prepared foods. These sugars include sugars eaten separately or added to foods at the table. Examples include white sugar, brown sugar, corn syrup, corn-syrup solids, high-fructose corn syrup, malt syrup, maple syrup, pancake syrup, fructose sweetener, liquid fructose, honey, molasses, anhydrous dextrose, crystal dextrose, and dextrin . Added sugars do not include naturally occurring sugars such as lactose in milk or the fructose in fruit. In the MPED, quantities of added sugar are expressed in terms of teaspoons equivalents of table (granulated white) sugar (food code 91101010) per each 100 g of a food. One teaspoon of added sugar is defined as the quantity of sweetener that contains the same amount of sugars provided by 1 teaspoon (4.2 g) of table sugar

すなわち、この場合のsugarを砂糖と訳すのは誤りとなる。しかも、ショ糖≠砂糖なのだし・・・、ミスリード広告などで有名な砂糖協会からへんなクレームを受け無いためにも、糖と訳しておこう。


Added Sugar Intake and Cardiovascular Diseases Mortality Among US Adults
Quanhe Yang,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 03, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.13563


意義  疫学的研究から、糖高度摂取は心血管疾患(CVD)リスク要素と示唆されている。糖付加と、CVD死亡率の相関性前向き研究は少ない。

目的  米国内、1日あたりの糖付加量比率の時間トレンド調査し、その消費量とCVD死亡率と相関性研究。

デザイン、セッティング、被験者  時間トレンドとして、National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES, 1988-1994 [III], 1999-2004, and 2005-2010 [n = 31 147])と NHANES III Linked Mortality cohort (1988-2006 [n = 11 733])。米国成人サンプル代表前向きコホートを相関性研究に用いた。

主要アウトカム・測定 心血管疾患死亡率

結果  米国成人中、付加・糖・摂取カロリー比率は、1988-1994年 15.7% (95% CI, 15.0%-16.4%) から、 1999-2004年 16.8% (16.0%-17.7%; P = .02)へ増加、その後、2005-2010年 14.9% (14.2%-15.5%; P < .001)へ減少。
2005-2010年、成人の多く、71.4%で、カロリー摂取比率10%以上で、25%以上となってるのは25%以上に上る。
フォローアップ期間中央値14.6年間で、163,039人年中、CVD死 831。糖による1日あたりのカロリー比率5分位に対する、年齢、性別、人種/民族補正CVD死亡率ハザード比(HRs)は、
  • 1.00 (reference)
  • 1.09 (95% CI, 1.05-1.13)
  • 1.23 (1.12-1.34)
  • 1.49 (1.24-1.78)
  •  2.43 (1.63-3.62; P < .001)

社会住民統計、行動要素、臨床特性補正を加えると、
  • 1.00 (reference)
  • 1.07 (1.02-1.12)
  • 1.18 (1.06-1.31)
  • 1.38 (1.11-1.70)
  • 2.03 (1.26-3.27; P = .004)

付加糖摂取比率10%〜24.9%、25%以上の場合の補正HRs(10%比率未満群比較対照)は、  1.30 (95% CI, 1.09-1.55) と2.75 (1.40-5.42; P = .004)
これらの所見は、年齢群、性別、人種/民族(非ヒスパニック黒人をのぞき)、教育到達度、身体活動、健康食指数、BMI横断的に一致。

結論・知見  多くの米国成人は、健康的推奨以上に、糖を摂取している。糖摂取量について、糖付加消費量とCVD死亡率リスク増加と有意に相関性を認める。



だが、摂取糖の大部分が砂糖であるいうのは事実。




noteへ実験的移行

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