ビタミンDに関して「ビタミンDサプリメント補給は、(転倒予防の)解決策の一つとして考えられてきたが、USPSTFレビューにより高用量ビタミンDサプリメントにより有害性を示すなど結果にばらつき有り、転倒予防のためのビタミンDルーチンサプリメント投与に反対する推奨を示した。ただビタミンD欠乏患者へはこの推奨は適応されない。臨床医は適切にこのビタミンD投与減少を考慮しなければならない」
Guideline: USPSTF recommends exercise and multifactorial interventions for fall prevention in older adults
ACP JOURNAL CLUB 21 AUGUST 2
http://annals.org/aim/article-abstract/2697712/guideline-uspstf-recommends-exercise-multifactorial-interventions-fall-prevention-older-adults
推奨:転倒予防のため運動介入推奨 (grade B)
エビデンス:
- 転倒者数減少(RR 0.89, 95% CI 0.81 - 0.97; 15 RCTs, n=4926)
- 外傷性転倒リスク減少 IRR 0.81, CI 0.73 - 1.00; 14 RCTs, n=4622)
以下のリスクに影響せず
- 転倒リスク (IRR 0.87, CI 0.75 - 1.00; 14 RCTs, n=4663)
- 外傷性転倒数 (IRR range 0.61 - 0.90; 5RCTs, n=2776)
- 死亡率 (RR 0.93, CI 0.71 - 1.22; 11 RCTs, n=4263)
有害性
- マイナーな疼痛 and/or あざ (8 RCTs, n=4107)
- 2つの研究では運動介入と対照群で重度外傷に差を認めず
臨床家が多要素介入を選択的に提供すること。患者・臨床家は、転倒既往の環境、併存病状の存在、患者の価値・好みをベースにベネフィットと有害性のバランスを考慮すべき(grade C)
- 転倒リスク減少 (IRR 0.79, CI 0.68 - 0.91; 17 RCTs, n=9737)
以下リスク影響せず
- 転倒者数 (RR 0.95, CI 0.89 - 1.01; 24 RCTs, n=12,490)
- 外傷性転倒者数 (RR 0.94, CI 0.85 - 1.03)
- 死亡率 (RR 0.96, CI 0.79 - 1.17; 23 RCTs, n=9721)
有害性
- マイナーで頻度少なく、通常筋骨格筋、運動関連のもの(4 RCTs, n=1466)
ビタミンDサプリメントを転倒予防に対して推奨しない(grade D)
以下リスク影響与えず
- 転倒リスク (IRR 0.97, CI 0.79 - 1.20; 5 RCTs, n=3496)
- 転倒者数 (RR 0.97, CI 0.88 - 1.08; 6 RCTs, n=6519)
- 死亡率 (RR 1.08, CI 0.83 - 1.40; 6 RCTs, n=7084)
外傷性リスクに関しては結果、良否ばらつき
有害性:
- 転倒関連有害性(転倒数、転倒者数、転倒外傷の増加)がビタミンDの年間投与量増加で増加、対照群は他の有害性差は認めなかった(5 RCTs, n=3955)