この提言以降、ビタミンD業界の攻勢が盛ん・・・NEJMにおいて、ビタミンDサプリメントの効果についてメタアナリシス
ビタミンDは高用量でなければ効果確実で無く、効果発現のためには、ビタミンD許容上限値に近い量で無ければならないということになる。
11の二重盲検ランダム化対照化トライアル
ビタミンDは800IU/日以上ならベネフィットありそうだが、792 IU/日未満なら効果無し
800IU=20μg
A Pooled Analysis of Vitamin D Dose Requirements for Fracture Prevention
Heike A. Bischoff-Ferrari, et. al.
N Engl J Med 2012; 367:40-49July 5, 2012
65歳以上で、高用量ビタミンDサプリメント(800IU/日以上)で若干、股関節骨折や他の非椎体骨骨折予防に好影響あり
31022名(平均年齢、76歳、91%女性)
股関節骨折1111、非椎体骨骨折3770
ランダム割り付け登録者は、対照群と比べ、股関節骨折リスク10%減少するも有意差無し (hazard ratio, 0.90; 95% 信頼区間 [CI], 0.80 ~ 1.01)、非椎体骨骨折では7%減少 (hazard ratio, 0.93; 95% CI, 0.87 ~ 0.99).
実際の服用用量4分位に基づく評価では、 最高摂取量(中央値 800IU/日;range 792-2000)でのみ股関節骨折30%減少 (hazard ratio, 0.70; 95% CI, 0.58 ~ 0.86)、非椎体骨骨折14% 減少 (hazard ratio, 0.86; 95% CI, 0.76 ~ 0.96).
ビタミンD高摂取量のベネフィットは、年齢別、ベースラインビタミンD濃度、カルシウム付加量サブグループ横断的に一致性微妙
参考:
米国女性:ビタミンD投与と用量反応曲線 2012年3月21日
日本でのビタミンD上限量50μg(2000IU)/日とうことで、かなりの高用量サプリメントとなる。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4j.pdf
治療域とすべきビタミンD摂取量はかなり高用量であり、安全域が狭いのではないかと思う。