2019年3月6日水曜日

クッシング症候群 Adipose Healthy Expansion

Adipose Healthy Expansion この文献理解には、これがキーワードのようだ
クッシング症候群において、これが抑制される・・・らしい

Adipocyte GR Inhibits Healthy Adipose Expansion Through Multiple Mechanisms in Cushing Syndrome.
Reiko Hayashi, et al. 
Endocrinology, 2019; 160 (3): 504 
DOI: 10.1210/en.2018-01029 



http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_6_26723.html

抄訳
クッシング症候群(CS)は、グルココルチコイド過剰により肥満・糖脂質代謝異常・脂肪肝等を惹起する。今回、CSにおける脂肪細胞グルココルチコイド受容体(GR)の病態学的意義を検討した。脂肪細胞特異的GR欠損マウス(AGRKO)を作出し、コルチコステロン飲水投与によりCS病態モデルを作成したところ、AGRKOでは対照群と比較し、白色脂肪組織重量の増加、脂肪肝の改善、血中FFAやHOMA-Rの低下を認めた。特に白色脂肪組織では脂質分解酵素Atglの遺伝子発現量が低下した。3T3-L1脂肪細胞における検討では、Atglのイントロン上に新規GR結合配列を同定した。AGRKOでは、白色脂肪組織重量の増加にも関わらず、インスリン抵抗性の改善を認め、Adipose Healthy Expansionを呈していると考えられた。ヒトCSの副腎周囲脂肪組織の臨床検体およびAGRKO脂肪組織を用いたRNAシークエンス解析から、脂肪組織GRはCS病態のヒト、マウスにおいて、脂肪分解、脂肪組織リモデリング抑制、preadipocyteの増殖抑制、糖取り込み低下などを介してAdipose Healthy Expansionを抑制すると考えられた。以上の結果は、CSの代謝異常や中心性肥満の機序解明につながる可能性がある。


解説:
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/02/190228093631.htm



【健康的肥満脂肪広がり】

クッシング症候群のみならず、医原性、経口ステロイドによる副作用対策につながることを期待



IDES 2: 2型糖尿病身体活動・座位行動長期カウンセリング介入

本来は、2型糖尿病では中等度以上の身体活動の定期施行推奨されているが、遵守一般にできていない。supervise下運動介入がトライアルでは行われているがコスト面などで広く一般には困難。カウンセリング・ベースの研究は12ヶ月程度の評価が殆どで長期の評価が少ない。PACE-UPおよびPACE-LiftsRCTで客観的測定中等度以上身体活動測定研究されたが、sedentary timeの減少には至らなかった(PLoS Med. 2018;15(3):e1002526.)といういきさつ






Key Points
Question  2型糖尿病患者において、身体活動/座位主体行動の変容は変化をもたらすか

Findings  3年間フォローアップ300名のRCTで、標準治療対比行動介入は身体活動量の経時的差異みとめ、3.3 MET/週、中等・高度身体活動(6.4分/日)、軽度身体活動(0.8時間/日)、座位時間(-0.8時間/日)も同様

Meaning  行動介入は身体活動性の持続的増加をもたらし、座位安静時間を減らす


【要約】
Importance  身体活動/座位行動の変容が2型糖尿病患者において長期間維持するか、そのエビデンスは不確実


Objective  2型糖尿病患者において、行動介入戦略で身体活動増加及び座位時間減少維持可能かどうか?


Design, Setting, and Participants   Italian Diabetes and Exercise Study 2 (open-label, assessor-blinded, randomized clinical superiority trial):2012年10月〜2014年2月まで登録、フォローアップ 2017年2月まで、ローマの3つの外来糖尿病クリニック
300名の身体活動不活発・座位2型糖尿病患者をランダム化1:1(センター、年齢、糖尿病治療で層別化):行動療法介入 vs 標準ケア 3年間


Interventions   American Diabetes Association guideline recommendationに合致する目標とする通常ケアを全被検者が受ける。
行動介入群(n=150):1年毎、1回の個別論理的カウンセリングセッション+8回週2回の理論的・行動的カウンセリングセッション
標準ケア群(n=150)は一般的医師推奨のみ受ける

Main Outcomes and Measures  合同プライマリエンドポイント:身体活動量、軽度・中等道から強度身体活動時間、座位時間(accelerometer測定)の持続的変化量


Results  300名のランダム化被検者(平均 [SD] 年齢 , 61.6 [8.5] 歳; 女性 116 [38.7%]), 完遂 267 (行動介入群 133 、標準ケア群 134 )、メディアンフォローアップ 3.0年間


行動療法及び標準群で、
  • 身体活動量 13.8 vs 10.5 METs/週 (差, 3.3 [95% CI, 2.2-4.4]; P < .001)
  • 中等〜強度身体活動 18.9 vs 12.5 分/日 (差, 6.4 [95% CI, 5.0-7.8]; P < .001)
  • 軽度身体活動 4.6 vs 3.8 時間/日 (差, 0.8 [95% CI, 0.5-1.1]; P < .001)
  • 座位時間 10.9 vs 11.7 時間/日  (差, −0.8 [95% CI, −1.0 to −0.5]; P < .001)


群間差は研究期間中有意性維持するも、中等度〜強度身体活動の群間差は 三年目は 6.5→3.6分/日と減少

副事象イベント:セッション外 行動介入群 41 vs 標準ケア群 59
行動介入群30のセッション内副事象イベントは、多いのは筋骨格損傷/不具合で、軽度低血糖

Conclusions and Relevance  ローマの3つの糖尿病クリニックの2型糖尿病患者3年フォローアップにおいて、行動介入は標準ケアに比べ、身体活動増加及び安静時間減少の維持をもたらす。今後の研究でこれら知見が一般化できるか評価必要




Trial Registration  ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01600937




身体能力は?


心血管疾患リスク要素は?








心血管リスクや身体能力に有意差でるほどの効果がでていない。カウンセリング・ベース介入の限界だと思う。主体的に運動をしようという気にならなければ・・・やっぱり長続きしない。最近ますます増えてきている"くだらない退屈なテレビ番組”をみて時間を無為に過ごすより、ジムやアウトドアやロードで時間を過ごす、あるいは、室内でも身体活動増やす事が重要で、人生の方向性を決めるクリティカルな選択になることを自覚してもらうことしかないと思う。

肥満・うつ:食事介入

JAMA  類似2題

Effect of Multinutrient Supplementation and Food-Related Behavioral Activation Therapy on Prevention of Major Depressive Disorder Among Overweight or Obese Adults With Subsyndromal Depressive Symptoms: The MooDFOOD Randomized Clinical Trial   
Editorial: Diet and Depression; Michael Berk, MD, PhD; Felice N. Jacka, PhD
無症候性うつ症状を有する過体重または肥満成人の間で、プラセボと比較した多栄養素補給および無治療と比較した食物関連行動活性化療法は、1年間の大うつ病性障害の発症を減少させなかった。 これらの知見は、大うつ病性障害の予防のためのこれらの介入の使用を支持しない。

Effect of Integrated Behavioral Weight Loss Treatment and Problem-Solving Therapy on Body Mass Index and Depressive Symptoms Among Patients With Obesity and Depression: The RAINBOW Randomized Clinical Trial   
Editorial: Diet and Depression; Michael Berk, MD, PhD; Felice N. Jacka, PhD

肥満と鬱病を有する成人の間で、行動的減量治療、問題解決療法、および必要に応じて抗うつ薬を統合した共同治療介入は、通常の治療と比較して12ヵ月で有意に減量および鬱病症状を改善した。 ただし、効果サイズは軽度で臨床上重要ではない

いずれも、効果的ではないようだ・・・

noteへ実験的移行

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