2012年9月21日金曜日

HPR2012 : ヨーグルト、クランベリー降圧作用

HPR2012
http://my.americanheart.org/professional/Sessions/HBPR/HBPR_UCM_316905_SubHomePage.jsp




Wang H, et al "Yogurt consumption, blood pressure, and incident hypertension: A longitudinal study in the Framingham Heart Study" HBPR 2012; Abstract 188.

解説: http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Hypertension/34859

Framingham Heart Study Offspring Cohortからの報告
2197名の成人、 44%が月1回はヨーグルト摂取
14年間フォローアップ、高血圧発症 913名
ヨーグルトの全カロリーへの影響は最大で2%程度
ヨーグルト非摂取に比べ、人口動態・ライフスタイル補正・コレステロール低下治療補正高血圧発症オッズ比は0.69(0.54-0.87)
収縮期血圧は非摂取者に比べ0.19mmHg低下


Novotny JA, et al "Low calorie cranberry juice lowers blood pressure in healthy adults" HBPR 2012; Abstract 299.

解説: http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Hypertension/34886

 56名健康正常血圧成人(平均51歳、BMI28.4)・二重盲検
低カロリークランベリージュース vs 着色・香りづけ・カロリーマッチ対照

治療期間終了後、平均拡張期血圧 69 mmHg vs 72 mmHg (P=0.029)
拡張期血圧 74 → 71 mmHg(P=0.049)
収縮期血圧 122 → 119 mmHg(P=0.12)

プラシーボに変化なし


ヨーグルトの検討の方だが、 住民ベースの検討の特徴だそうで、個別に見るとその差は小さいが、降圧効果少なくても全体から見ることで、高血圧発症リスク低減効果が見られる。クランベリージュースに関して住民ベースで検討したらどうなるのだろう。

外傷後3時間内のトラネキサム酸投与は低リスク対象でも死亡リスク減少

CRASH-2トライアルでは、成人外傷後3時間内のトラネキサム酸の短期投与は、血栓性イベントリスク増加させること無く、死亡率減少させることが示された。
(CRASH-2 Collaborators. Effects of tranexamic acid on death, vascular occlusive events, and blood transfusion in trauma patients with significant haemorrhage (CRASH-2): a randomised, placebo-controlled trial. Lancet2010;376:23-32



現在世界中にトラネキサム酸投与我広まっているが、多くは、重度な症例に限られている。
低リスクの人にも死亡リスク減少効果があるか?


13 273 名の外傷患者で、ベースライン死亡リスク (<6 21-50="21-50" 6-20="6-20">50%)層別化
(Predicting early death in patients with traumatic bleeding: development and validation of prognostic model ; BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e5166 (Published 15 August 2012)Cite this as: BMJ 2012;345:e5166

トラネキサム酸は有意に全原因死亡率減少、出血原因死亡減少と有意に相関。
ベースライン層別化において、トラネキサム酸治療で死亡減少。
全原因死亡率、出血原因死亡のベースライン死亡リスクによる影響のheterogeneityのエビデンス認めず
トラネキサム酸治療患者で、有意な致死的・非致死的血栓症イベントオッズ減少あり (オッズ比 0.69, 95% 信頼区か 0.53 ~ 0.89; P=0.005)、有意な動脈血栓性イベントオッズ減少有り(0.58, 0.40 ~ 0.83; P=0.003)
しかし、静脈血栓性イベントの有意減少認めず (0.83, 0.59 ~ 1.17; P=0.295)
トラネキサム酸の血栓性イベントリスクへの影響にheterogeneityのエビデンスはない (P=0.74)
トラネキサム酸の影響はすべてのリスク層別群でも同様と仮定される (<6%, 6-20%, 21-50%, >50% risk of death at baseline)なら、受傷後3時間内の投与にて回避出来る死亡率は 17%、 36%、 30%、 17%。


AANガイドライン:sCJD診断に於ける脳脊髄液中protein 14-3-3の役割

AANガイドラインにて、稀ながら致死的疾患である、sporadic Creutzfeldt-Jakob 病 (sCJD)を示唆する蛋白検査に関して新しいガイダンスを示した。
 
解説: Guideline Examines Diagnostic Accuracy of CSF 14-3-3 Protein in sCJD
http://www.aan.com/news/?event=read&article_id=10800




 脳脊髄液中protein 14-3-3はaccuracy中等度;感度92%(95%信頼区間 89.8-93.6)、特異度 80%(95%CI 77.4-83.0) 尤度比 4.7、陰性尤度比 0.10
 急激な進行性認知症患者、sCJD強く疑う場合、診断確率20%-90%程度なら、この検査は診断不確実性を減少させることが出来る。(エビデンスレベル B)
Evidence-based guideline: Diagnostic accuracy of CSF 14-3-3 protein in sporadic Creutzfeldt-Jakob disease : Report of the Guideline Development Subcommittee of the American Academy of Neurology
This information is current as of September 20, 2012
 http://www.neurology.org/content/early/2012/09/19/WNL.0b013e31826d5fc3.full.pdf+html





脳脊髄液中protein 14-3-3欠乏はCJDを示唆、除外出来る可能性を Taim Muayqil, MBBS )King Saud University in Riyadh, Saudi Arabia)ら。



狂牛病の全頭検査の非科学性に対して誰も何も言わなくなったが、臨床疫学から考えればおかしいことは自明。感度・特異度無限大が前提の検査なのだから・・・
科学的エビデンスに従えば、専門家の意思表明程度が国の施策に成っている我が国・・・あらゆる分野で・・・


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