オステオパシー治療は、Cochrane Back Review Group criterionを超える効果が認められ、安全で、医療費節約的、需要性の良い治療であることが、ランダム化二重盲験sham対照トライアルで認められた。
オステオパシー治療は、慢性腰痛に対し、他の治療補完的効果を認める。
National Institutes of Health–National Center for Complementary
and Alternative Medicine and the Osteopathic Heritage Foundationサポート研究
Osteopathic Manual Treatment and Ultrasound Therapy for Chronic Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial
John C. Licciardone, et. al.
Ann Fam Med March/April 2013 vol. 11 no. 2 122-129
非特異的腰痛短期改善・ランダム化二重盲験sham対照化2×2区分デザイン
・osteopathic manual treatment:OMT(n=230)
・ultrasound therapy(UST) :(n=225)
×
・UST(n=233)
・sham UST(n=222)
6回の治療セッションを8週間
ITT解析:12週時点での腰痛・軽度・特定以上改善(ベースラインからの30%、50%改善)測定
セカンダリアウトカム、安全性、治療アドヒアランス評価
OMTとUSTに統計学的相互関係認めず
12週後、OMT受療患者は、shamOMTより、軽度治療反応(奏功 [RR] = 1.38; 95% CI, 1.16-1.64; P <.001) 、特定以上改善多い (RR = 1.41, 95% CI, 1.13-1.76; P
= .002)
この改善の程度は、中等度effect sizeとしての Cochrane Back Review Group criterionに合致。
背部特異的、一般健康状態、腰痛による労務不能、安全性アウトカム、治療アドヒアランスに関して、OMTとsham OMTに差を認めず
OMT群患者は、研究を通して背部痛にへの満足度高い(p < .001)
背部痛への薬物処方OMT受療患者は、12週後shamOMT群より減少(使用率=0.66、95% CI, 0.43-1.00; p=.048)
超音波治療は有効でなかった
オステオパシーは、ドイツ人医師、Samuel Hahnemann (1755-1843)が基本概念を1700年後半にはじめ、「血流良ければ全てよし」という概念で、ホメオパシー:"homeopathy"は、ギリシャ語のhomoios(similar)+pathos(suffering or disease)に由来する。 疑似科学からスタートしたという部分は否めない。骨格・筋肉のmanipulationにより全ての疾患治癒につながるというもので、どれも科学的支持のないものであった。ハーブ・ミネラル・薬物使用の報告が有り、患者の症状に合わせたmateria medicaと書籍では読んでいる。
Stephen Barrettは、
“Still believed that diseases were caused by mechanical interference with nerve and blood supply and were curable by manipulation of ‘deranged, displaced bones, nerves, muscles—removing all obstructions—thereby setting the machinery of life moving.’ ”
と、Quackwatch(
Homeopathy: The Ultimate Fake Stephen Barrett, M.D.)。
NCCAM(
National Center for Complementary and Alternative Medicine)では、"There is little evidence to support homeopathy as an effective treatment for any specific condition."とかかれ、エビデンスほとんど無いという認識で、米国州毎のライセンス対応がばらばらでregulationされてないという認識である。そのNational Center for Complementary and Alternative Medicine and the Osteopathic Heritage Foundationサポート研究で、エビデンスが示されたのは興味深い。
今後、この報告の評価に関して、様々な意見が出てくるだろうが・・・反論としては、シャム・プラシーボの妥当性やブラインド化の妥当性、客観的指標の存在しないことの意義などが予測される。