2013年5月1日水曜日

システマティックレビュー:抵抗性高血圧治療:腎動脈デナーベーション治療

治療抵抗性高血圧患者において、 いわゆる腎動脈デナーベーション治療、腎交感神経系切除・不活化治療 : Sympathetic renal denervation therapy (RDN) /TREND (Transcatheter Renal Denervation)のシステマティック・レビュー&メタアナリシス



"Effectiveness of renal denervation therapy for resistant hypertension: A systematic review and meta-analysis"
Davis MI, et al
JACC 2013; DOI: 10.1016/S0735-1097(13)61377-7.
2つのRCT(n=133)、1つの観察研究(n=50)、9つの対照無し観察研究(n=396)
治療抵抗性高血圧でのRDN
加重平均フォローアップ6.7ヶ月(range 1-24ヶ月)の579名
5つの異なるRDNカテーテル施行
対照比較研究にて、薬物治療との比較した、6ヶ月後収縮期・拡張期血圧減少程度は、それぞれ、 −28.9 (95% CI −37.2, −20.6) 、 −11.0 (95% CI −16.4, −5.7) mmHg (for both, p<0 .0001="" blockquote="">
対照無し研究、前後比較における、6ヶ月後血圧減少は、平均収縮期、拡張期血圧は、  −25.0 (95% CI −29.9, −20.1)、−10.0 (95% CI −12.5, −7.5) mmHg (for both, p<0 .00001="" blockquote="">
カテーテル施行によるRDNの効果に有意なばらつき認めず
包括的には、非レスポンダー率は13.4%(range 0-45%)
記録処置合併症は1例の腎動脈乖離、4例の動脈穿刺部位の偽性動脈瘤

 長期的な影響が不明というのが気になる
他、いくつかのトライアル進行中とのこと

Symplicity-HTN 3 trial
36-month INSPiRED trial
double-blind DEPART trial
SymplicityHF study in heart failure
DREAMS study in metabolic syndrome

卵円孔開存(PFO)は脳卒中や心血管イベントリスク増加と関連せず

卵円孔開存(PFO)が原因明らかでない卒中の原因としてクローズアップされてきた。
しかし、当初から、その関連に関し、疑問を投げかける声も多かった。


Di Tullio M, et al "Patent foramen ovale, subclinical cerebrovascular disease, and ischemic stroke in a population-based cohort" J Am Coll Cardiol 2013.

情報ソース:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Strokes/38773

10年前以上のフォローしている健康老人間で、PFOは必ずしも虚血性卒中や臨床前心血管疾患とは関連しないというMarco Di Tullio, MD, of Columbia University in New York Cityの報告


寄与要素補正後、PFO無症状患者では、卒中増加リスクは有意でなく (ハザード比 1.10, 95% CI 0.64 〜 1.91)、MRIによる無所見脳梗塞とも有意でないt (補正ハザード比 1.15, 95% CI 0.50 〜 2.62)。

PFOは、複合的血管イベントのリスク増加とも関連せずという報告も。

鼻の検査で、統合失調症診断?

鼻組織単純生検からのニューロンで、microRNA分子検査することで統合失調症診断可能?



MicroRNA-382 expression is elevated in the olfactory neuroepithelium of schizophrenia patients
Neurobiology of DiseaseVolume 55, July 2013, Pages 1–10
脳に豊富なmiR-382(miR-382-5p)の発現が in vitroでの培養嗅細胞において見られ、7名の統合失調症と、7名の非統合失調症対照と比較。

MiR-382 増加をlaser-capture microdissected OE neuronal tissue (LCM-OE)で確認。

コントラストsharpにしても、miR-382発現は統合失調症・非統合失調症対照からのリンパ芽様cell lineでは認められなかった。FGFR1、SPRY4という培養嗅上皮細胞とLCM-OEにおけるdownregulateされた2つの遺伝子の発現をmiR-382が直接調整していることが判明した。これらの遺伝子は、 fibroblast growth factor (FGF) signaling pathwayと関係し、この経路は、統合失調症と関連する脳の発達・機能異常の大本となる可能性がある。

患者の嗅上皮細胞由来のサンプルでのmiR-382増加検知により統合失調症のバイオマーカーとなる可能性を支持する研究成果となった。


HPVワクチン2回投与でOK?

MedPageの解説記事タイトルだと、HPVワクチンの2回投与'有望で、2価ワクチンである、サーバリックスを2回投与にて3回と同等となるという予備的研究結果という評価らしいのだが、原文見るそう思えない。
実際、JAMA editorialやMedpage内解説でも2回投与への疑問も取り上げられている。

24−36ヶ月で非劣性を認めなくなるHPV-18の抗体持続期間が気になるのだが・・・



子宮頸がん予防のためのHPVウィルスワクチンの使用広がりにともないコストの問題が障害となりつつある。2回投与スケジュールは可能か?

HPVワクチン6ヶ月間隔で2回行った女児において、最終投与から1ヶ月はHPV-16、HPV-18の抗体反応は保たれる、6ヶ月以内はワクチン3回接種若年女性と非劣性を保つ
9-13歳の女児では、2回投与 vs 3回投与における、24-36ヶ月後非劣性消失ということで、投与回数減少に関しては、抗体持続期間に関するデータが必要


Immunogenicity of 2 Doses of HPV Vaccine in Younger Adolescents vs 3 Doses in Young Women A Randomized Clinical Trial
Simon R. M. Dobson,  et. al.
JAMA. 2013;309(17):1793-1802.

2007年8月から2011年2月までの830名のカナダ人女性ランダム化p3認可後多施設年齢層別化非劣性免疫原性研究
フォローアップサンプル675名(81%)

介入
女児(9−13歳)を、4価HPVワクチン
・3回投与:0、2、6ヶ月(n=261)
・2回投与:0、6ヶ月(n=259)
1:1ランダム化

若年女性(16-26歳)
・3回投与:0、2、6ヶ月(n=310)

抗体測定を、0、7、18、24、36ヶ月施行

プライマリアウトカムは、2回投与法の3回投与との比較の最終投与1ヶ月目の、HPV-16、HPV-18のGMT(geometric mean titer)非劣性比率
セカンダリアウトカムはGMT比非劣性と36ヶ月後の非劣性期間


GMT比は、3回投与若年女性 vs 2回投与女児で非劣性 
: HPV-16 2.07 (95% CI, 1.62-2.65) for HPV-16 、HPV-18 1.76 (95% CI, 1.41-2.19) 

女児(3回投与)、ワクチン1ヶ月後GMT反応は
HPV-16  7736 milli-Merck units per mL (mMU/mL) (95% CI, 6651-8999)
HPV-18 of 1730 mMU/mL (95% CI, 1512-1980)

GMT比は2回投与女児 vs 3回投与女児で非劣性:
HPV-16 0.95 (95% CI, 0.73-1.23)
HPV-18 0.68 (95% CI, 0.54-0.85)

女児2回 vs 若年女性3回投与は、36ヶ月時点まで全てのgenotypeで非劣性を保つ

女児の抗体反応は全てにおいて、2回法 vs 3回法においてすべての4つのワクチンgenotypeに対しし7ヶ月時点で非劣性
しかし、24ヶ月で  HPV-18、36ヶ月で HPV-6は非列性認めなくなる





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