2019年3月22日金曜日

高流量鼻カニュラ酸素療法:挿管回避ベネフィット有り

高流量鼻カニュラ酸素療法:HFNC
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/003060771j.pdf



High flow nasal cannula compared with conventional oxygen therapy for acute hypoxemic respiratory failure: a systematic review and meta-analysis
B. Rochwerg , et al.
Intensive Care Medicine pp 1–10
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00134-019-05590-5

【背景】急性低酸素血症呼吸不全(患者のhigh flow nasal cannula (HFNC)安全性・有効性要約システミック・レビュー&メタアナリシス


【方法】MEDLINE, EMBASE,  Web of Science包括検索、通常ケア比較HFNCのRCT同定。データプール化、二分割アウトカムの相対リスク及び連続数アウトカムにおいては平均差、標準平均差を用いて要約的推定影響を95%信頼区間を用い報告。バイアスリスク評価はCochrane toolを用い、GRADE methodでpooled effect 推定値を明確化する

【結果】9 RCT (n=2093名の患者)
HFNC治療患者と通常酸素療法比較で死亡率差認めず (相対リスク [RR] 0.94, 95% 信頼区間 [CI] 0.67–1.31, moderate certainty)

対照群でのHFNCとの交叉比較にて、挿管必要リスク減少  (RR 0.85, 95% CI 0.74–0.99) 、酸素療法escalation ((対照群ではHFNCとの交差、またはいずれかの群で非侵襲的換気または侵襲的機械的換気の開始として定義)リスク減少し、HFNC-治療患者の方が優良  (RR 0.71, 95% CI 0.51–0.98)
ただし、両アウトカムとも不正確性・バイアスのリスク関連問題のため正確性は低い
HFNCはICU滞在期間への影響認めず  (平均差[MD] 1.38 days more, 95% CI -0.90 日〜 +3.66 日, low certainty)、入院期間への影響認めず (MD -0.85 日, 95% CI -2.07日 〜+ 0.37日 , moderate certainty)、患者報告快適さへの影響認めず (SMD -0.1295% CI 0.61 〜 +0.37 , very low certainty) 、患者報告呼吸困難への影響認めず (標準化平均差 [SMD] -0.16 , 95% CI 1.10 〜 +1.42 , low certainty).

治療合併症報告は報告によりばらつきあるが、HFNCにおいての有害性報告少ない


【結論】急性低酸素血症(呼吸不全)患者において、HFNCは気管内挿管必要性を減らすが、死亡率へのインパクトなし



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