MRIで、その後10年の認知症を予測できるか?
例えば、http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_geriatrics_49_425.pdf
アルツハイマー病においては,内側側頭部の選択的萎縮が早期に起こることが知られている.萎縮には軽度の左右差がみられる.この中でも最も早く神経細胞脱落が起こり萎縮のみられる部位である嗅内皮質は海馬傍回の最前部である.ただし,その容積は正常でも 2 m l に満たず萎縮の視覚評価は困難である.また,嗅内皮質の容積測定のランドマークとなる側副溝には変異が多く,用手による領域設定で容積を測定したとしても誤差が大きい.一方,海馬の容積は正常では両側で 6 m l を超え,測定誤差も少ないものの,海馬・・・と、最初っから、MRI、CTなどの画像的変化では認知症予測できそうもない
の萎縮は嗅内皮質の萎縮に比べ,特異性が乏しいとされる
では、従来の認知症リスクスコアにMRI所見をプラスすると、予測の品質は向上するか?
・・・答えは 一応 Yes
Usefulness of data from magnetic resonance imaging to improve prediction of dementia: population based cohort study
Blossom C M Stephan, lecturer , et. al.
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2863 (Published 22 June 2015)
1721名の認知症無し、ベースラインMRI施行齢
フォローアップ10年間で、認知症確認 119名、うち、84名がアルツハイマー病
年齢・性別・教育・認知・身体機能・ライフスタイル(喫煙、アルコール)・健康状態(心血管疾患、糖尿病、収縮期血圧)、アポ・リポ蛋白genotypeを入れ込んだ通常リスクモデル:判別パフォーマンスC統計は 0.77, 95% 信頼区間 0.71 〜 0.82)
通常のリスクモデルと、灰白質を含むMRI所見を組み入れたモデルで、有意差なし (C statistic 0.77, 95% 信頼区間 0.72 〜 0.82; P=0.48 for difference of C statistics),
、脳容量 (0.77, 0.72 to 0.82; P=0.60)、海馬容積 (0.79, 0.74 to 0.84; P=0.07)、これら3つでは有意差ぎりぎり (0.79, 0.75 to 0.84; P=0.05)
海馬容積もしくは、3つMRI指標を、通常のモデルに加えると、 integrated discrimination improvement indexを用いて再評価改善が見られた (P=0.03 and P=0.04) 、decision curve analysisのネット・ベネフィット増加
同様の結果が、アウトカムをアルツハイマー病に限定しても見られる。
日本人って、画像診断で何でも分かると信じ込んでるから・・・MRIで私は安心と思ってる人多いと思う・・・