2014年12月12日金曜日

高齢者睡眠中低酸素・徐波睡眠の不足は認知症・認知機能低下と関連?




Associations of brain lesions at autopsy with polysomnography features before death
Rebecca P. Gelber, et. al.

Neurology Published online before print December 10, 2014,
doi: 10.1212/WNL.0000000000001163 Neurology 10.1212/WNL.0000000000001163
http://www.neurology.org/content/early/2014/12/10/WNL.0000000000001163.short



目的: 高齢者において、睡眠呼吸障害、夜間低酸素、睡眠構造変容が認知症関連神経病理の発症にいかに関わるか?


研究方法:   Honolulu-Asia Aging Study:日系アメリカ人(ホノルル在住日系アメリカ人前向きコホート)
1999-2000年に行われたポリソムノグラフィー施行・2010年までに死亡(死亡までの平均年数 6.4年間)の167名被験者(平均年齢84歳)における剖検脳病変調査  (Braak stage、 neurofibrillary tangle と neuritic plaque 数、 microinfarct、 generalized brain atrophy、 lacunar infarcts、 Lewy 小体 [LBs]、青斑核のニューロン減少・グリオーシス )
ポリソムノグラフィー指標には、AHI,無呼吸・低呼吸時間数、低酸素時間、最小酸素飽和度、徐波睡眠(SWS)時間、覚醒数 


結果: 

酸素飽和度95%未満睡眠時間の4分位比較最大vs最小で、微小梗塞高レベル(補正オッズ比 [OR]  3.88 , 95%信頼区間 1.10-13.76) 


SWS時間数多いほど、全般的脳萎縮少ない  (SWS睡眠中%比率時間最大VS最小4分位比較 補正 OR 0.32, 95% CI 0.10–1.03 )


LBは、SpO295%未満%sleep多いほど少ない (4分位比較 補正OR 0.17, 95% CI 0.04–0.78 ). 


REM中の最小酸素飽和度が高いほど、青班核gliosis少なく、ニューロン減少も少ない。

Cognitiv e scoreは、SWS時間数多い男性では少ない。



結論: 夜間低酸素少ないほど、徐波睡眠時間数少ないほど、微小梗塞、脳の萎縮発症少ないという知見。しかし、アルツハイマー病巣やLBに関しては関連性明らかでない。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note