2013年1月19日土曜日

インフルエンザ:クラリスロマイシンをまるで臨床上確定的なごとくテレビで主張する研究者・・・

クラリスロマイシンのインフルエンザへの効果について、ヒトでの高品質エビデンスはないはず。

だが・・・

ある感染症研究者が「ある種の抗生剤が小児のインフルエンザ抗体産生に役立つ」として、フジテレビの朝のワイドショーである「土曜めざましテレビ」で、それを、紹介していた。

確かに、以下のような、実験的事項は存在する
Oral clarithromycin enhances airway immunoglobulin A (IgA) immunity through induction of IgA class switching recombination and B-cell-activating factor of the tumor necrosis factor family molecule on mucosal dendritic cells in mice infected with influenza A virus.
Takahashi E, et. al. J Virol. 2012 Oct;86(20):10924-34.

Clarithromycin inhibits type a seasonal influenza virus infection in human airway epithelial cells.
Mutsuo Yamaya, et. al. Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 

だが、これらは、臨床上の意義・有害性を担保する研究ではない。


基礎医学的事項だけで、実際の臨床上の効果を宣伝するって行為
時に、テレビで見受けるが、R1の時もそう思ったが、医療関係者全般の評価を下げる行為だと私は思う。

「R1」は二重盲検されてないもともとエビデンスレベルの低い研究で、共役補正などレフリーのいる雑誌に掲載されてるわけでもないのに、メディア露出先行で、ステマ逃げ切りをねらったという意味で悪質だった。

今回のは、「基礎研究」の成果を、「臨床研究」とミスリードする別の意味で悪質な宣伝行為と思う。


インフルエンザ流行期には、その情報ニーズが勃発的に高まる。そのときに、このような宣伝行為が出現するのは必然性があるのかもしれない・・・


クラリスロマイシンなどの抗菌剤は世界的にも乱用とその耐性が問題となっている。基礎研究者はその危機感がたりないから無責任な発言をするのかもしれない。



Flu Epidemic: Fact or Fiction?
By Chris Kaiser, Cardiology Editor, MedPage Today
Published: January 19, 2013
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Vaccines/36924

インフルエンザに関わる、現実の流行や、人々の不安につけ込む様々なフィクションなど議論がなされている

流行期ほど、医療関係者の情報発信には抑制的でかつ、信頼性のある情報が求められる。
“これを機に、自己主張や宣伝を行う”などという行為は厳に慎むべき。
 

【警察庁】 人口比無視してなぜ自殺統計発表した? 

マスコミの報道って不思議なことが多い

たとえば、この報道・・・

自殺者 15年ぶり3万人下回る 1月17日 11時35分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130117/k10014857201000.html

 年間の自殺者は平成10年以降3万人を超え続け、ピーク時の平成15年には3万4000人余りに上りましたが、今回、平成9年以来、15年ぶりに3万人を下回りました。
内訳は、男性が1万9216人、女性が8550人で、都道府県別では、自殺者が最も多いのが▽東京都で2760人で、前の年より360人(-11.5%)減りました。
次いで多いのが▽大阪府の1720人で204人の減少、▽神奈川県が1624人で228人の減少、▽埼玉県が1549人で118人の減少などとなっています。
一方、最も少なかったのは▽鳥取県で130人、次いで▽徳島県が164人▽島根県が168人などとなっています。

年齢や原因・動機の内訳を去年11月までの統計で見ると、▽60代が全体の18%と最も多く、次いで▽40代と50代がそれぞれ17%、▽30代が14%となっています。


人口ばらつきあるんだから、 都道府県毎の絶対数で比較してどうすんだ?・・・って誰しも思ったはず。

他のテレビ局、新聞も同様の報道をしている。



人口比で割れば・・・以下の順位となるはず(人口統計時点で順位多少変動有るかも・・・)

自殺者人口比率で言えば、「東京都」・「大阪」・「神奈川」・「埼玉」の代わりに、「山梨」・「新潟」・「秋田」・「高知」・「宮崎」あたりに注目すべきだと思う。

また、自殺者の人口比率が少ないのは、「島根」や「鳥取」、「徳島」の代わりに、「京都」・「香川」・「神奈川」・「広島」が注目されるべき


「内閣府の統計」
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/link/keisatsutyo.html


これはリンクできず

入手できたのはこちらの方・・・
http://www.npa.go.jp/toukei/index.htm#safetylife


わざとまどろっこしくやってるのか・・・???


統計の公開の仕方とか、マスコミ経由の報道とか・・・いろいろ不自然



こんな統計しか発表されないんじゃ日本の自殺の分析困難では?
米国:若年(13-18歳)の自殺行動 2013/01/10
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/01/13-18.html

子供の自殺による親への影響と、親の事前的条件 2013/12/11
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/12/blog-post_9962.html

親の死の影響:自殺企図リスク増加のタイミング 2013/12/11
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/12/blog-post_11.html

医師の自殺:不適切な薬剤選択や治療が自殺リスクとしてあげられる 2012/11/15
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/11/blog-post_8953.html

精神疾患は、高死亡リスク予後 2012/08/09
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/08/blog-post_4965.html

“精神的苦痛”の死亡率への影響は、量反応的・・・予後, 心理 2012/08/08
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/08/blog-post_9562.html
自殺者減少すれば、政府のおかげと政府に尻尾を振るひとも

日本:2009年→2010年自殺減少:政府キャンペーンの効果との主張? Lancet掲載 2012/04/06




都道府県 死亡者数 人口(千人) 人口(10万)あたり自殺数
1 19 山梨 278 857 3.24
2 15 新潟 700 2,362 2.96
3 05 秋田 315 1,075 2.93
4 39 高知 212 758 2.80
5 45 宮崎 307 1,131 2.71
6 03 岩手 353 1,314 2.69
7 02 青森 356 1,363 2.61
8 10 群馬 508 2,001 2.54
9 09 栃木 504 2,000 2.52
10 06 山形 292 1,161 2.52
11 41 佐賀 212 847 2.50
12 43 熊本 446 1,813 2.46
13 35 山口 346 1,442 2.40
14 38 愛媛 337 1,423 2.37
15 01 北海道 1296 5,486 2.36
16 16 富山 257 1,088 2.36
17 21 岐阜 488 2,071 2.36
18 44 大分 279 1,191 2.34
19 40 福岡 1186 5,079 2.34
20 46 鹿児島 394 1,699 2.32
21 07 福島 452 1,990 2.27
22 17 石川 264 1,166 2.26
23 18 福井 181 803 2.25
24 20 長野 479 2,142 2.24
25 31 鳥取 130 585 2.22
26 22 静岡 829 3,749 2.21
27 28 兵庫 1224 5,582 2.19
28 04 宮城 508 2,327 2.18
29 32 島根 155 712 2.18
30 25 滋賀 306 1,414 2.16
31 11 埼玉 1549 7,207 2.15
32 08 茨城 627 2,958 2.12
33 36 徳島 164 780 2.10
34 13 東京 2760 13,196 2.09
35 30 和歌山 207 995 2.08
36 24 三重 384 1,847 2.08
37 12 千葉 1242 6,214 2.00
38 42 長崎 283 1,417 2.00
39 33 岡山 381 1,941 1.96
40 23 愛知 1454 7,416 1.96
41 27 大阪 1720 8,861 1.94
42 47 沖縄 267 1,401 1.91
43 29 奈良 263 1,396 1.88
44 34 広島 514 2,855 1.80
45 14 神奈川 1624 9,058 1.79
46 37 香川 176 992 1.77
47 26 京都 464 2,632 1.76
























































































































































































































































記者クラブって絶大なる力を持ってるんだなぁ。

徐放ナイアシン製剤:“検査結果改善≠イベント改善効果”

メルク社は、HPS2-THRIVE trialの予備的結論に基づきヨーロッパから、“Tredaptive (niacin/laropiprant)”撤退を決定。
http://www.medpagetoday.com/cardiology/dyslipidemia/36812



この薬剤は、“ 徐放性ナイアシンと、ナイアシン治療によるほてりを抑制するDP-1選択的阻害剤ラロピプラントの合剤”


HDL増加・LDL低下という薬剤効果みたが、臨床的効果と乖離し、むしろ、主要血管イベント(冠動脈死、非致死的心発作、卒中、血管再建術)増加をスタチン単独使用に比較してもたらした。



トライアル自体は25673名(ヨーロッパ14741名、中国10932名)
フォローアップ中央値3.9年



日本で上市されている“ニコチン酸系製剤”
コレキサミン錠200mg(ニコモール)
ペリシッド錠125・250mg(ニセリトール)

これら薬剤も、心血管イベントに関わる臨床的有効性証明できなければ、市場から撤退してもらった方が良い。

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