2018年3月30日金曜日

COPD?: 正常下限値判断気道閉塞の臨床的インパクト

日本人スパイロメトリ参照値
LMS法による日本人のスパイロメトリー新基準値
2014年10月
日本呼吸器学会肺生理専門委員会
https://www.jrs.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=72


深く考えなければ若年者COPD診断に正常下限参照値を用い管理すべきってはなしになってしまいそうだが・・・
若年・中年FEV/FVC低下は必ずしも外因性気管支炎・肺気腫を意味するわけでは無いと思う。解釈困難な部分があると思う。
除外診断されてないCOPDとして解釈すれば変なことになる

FEV1/FVC 正常下限未満症例、すなわち、今回の報告での「気流制限過少診断」症例の予後として、「早期死亡、心不全、肺炎」が上げられており、COPDでのプライマリエンドポイント指標としてよく用いられる急性増悪に関しての予後影響は認めてない・・・というところが、固定比判断古典的COPDとは異なる病態とも考えられるから慎重な議論が必要と思う。(製薬会社に媚びをうるお偉いさんたちがミスリードしないことを願うばかり)





Young and middle-aged adults with airflow limitation according to lower limit of normal but not fixed ratio have high morbidity and poor survival: a population-based prospective cohort study
Yunus Çolak,  et al.
European Respiratory Journal 2018 51: 1702681; DOI: 10.1183/13993003.02681-2017
http://erj.ersjournals.com/content/51/3/1702681

気流制限(airflow limitation:AFL)定義上固定比を用いることで高齢者での過剰診断、若年者での過少診断をもたらすリスクが懸念されている。しかし、若年未診断AFLの予後の報告は少ない。仮説として若年AFLの過少診断部分が不良予後と関連するか?


Copenhagen General Population Study 95288名、20−100歳
AFL無し(FEV1/FVC 0.70以上、LLN(正常下限)以上) n=78779, 83%
AFL過少診断(FEV1/FVC 0.7以上、LLN未満) n=1056, 1%
AFL過剰診断(FEV1/FVC 0.7未満、LLN以上) n=3088, 3%
AFL (FEV1/FVC 0.7未満、LLN未満) n=12365, 13%

急性悪化、肺炎、虚血性心疾患、心不全、全原因死亡評価、フォローアップ期間中央値 6.0年間(range : 2日-11年間)

AFL無し群比較
過少診断群では年齢・性別補正ハザード比 肺炎 HR 2.7 (95% CI: 1.7 - 4.5)、 心不全 2.3 ( 1.2 - 4.5)、全原因死亡率 3.1 (95% CI :  2.1- 4.6)

LLNによるAFL判断により若年・中年では、固定比判断と違い、呼吸・心血管合併症、早期死亡増加を示す



2018年3月29日木曜日

50代運動開始は心不全リスク防御的

中年期に定期的運動を始めることは、左室駆出保持型心不全リスクに防御的
運動は、心血管機能とともに構造をも改善する


Reversing the Cardiac Effects of Sedentary Aging in Middle Age—A Randomized Controlled Trial: Implications For Heart Failure Prevention
Erin J. Howden, et al.
circ.ahajournals.org/content/early/2018/01/03/CIRCULATIONAHA.117.030617


中年期運動不足(poor fitness)は心不全、特に左室駆出率保持型心不全において、リスク要素

平均年齢 53±5歳、健康、運動不足、48%男性の61名被検者
2年間運動トレーニング n=34 vs 注意制御下 n=27


完遂53名、運動セッションadherenceは 88±11%
Vo2max増加 18% 増加
・運動トレーニング群: 前  29.0±4.8 → 後 34.4±6.4
・対照群: 前  29.5±5.3 → 後 28.7±5.4 p < 0.001


左室 stiffness定数 (左室拡張期圧容積関連拡張期部分、左室拡張期壁間圧容積関連の定数) 減少
 ・運動トレーニング群:: 前 0.072±0.037 →  0.051±0.0268  P=0.0018
 ・対照群: 前 t 0.0635±0.026 → 0.062±0.031 P=0.83 変化無し


運動で左室拡張期終末容積増加するも肺毛細血管楔入圧は不変、一定充満圧に対する一回駆出量増加を意味する

非弁膜症性心房細動:COPDは心血管重大イベント独立予後要素

この報告が気になって仕方が無い
COPD:LABA and/or LAMA投与開始後30日目に心血管イベント増加し、その後ベースラインまで減少する
http://kaigyoi.blogspot.jp/2018/01/copdlaba-andor-lama30.html

LABA/LAMA処方開始後発作性心房細動を来した症例経験ある
ベースラインにNVAF(非弁膜症性心房細動)のある患者ではより注意が必要だろうと直感はしていた。

以下の報告は、COPD診療に影響を与えるべき報告だと思う
COPDと診断したからには心電図で心房細動や他虚血所見確認をする必要はやはりあるだろうと・・・


Major adverse cardiovascular events in non-valvular atrial fibrillation with chronic obstructive pulmonary disease: the ARAPACIS study
Valeria Raparelli et al.
Internal and Emergency Medicine pp 1–10
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11739-018-1835-9

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の死亡率リスク増加させる
COPDの重大心血管イベント(MACD)との関連性データは不明瞭
研究目的は3年間フォローアップに於けるNVAF中のMACE発生へのCOPDの予測的要素推定
Atrial Fibrillation Registry for Ankle-Brachial Index Prevalence Assessment-Collaborative Italian Study (ARAPACIS)コホートに於けるCOPDの以下の臨床的エンドポイントへのインパクト評価:心血管死、致死性・非致死性心筋梗塞・卒中、心血管死亡、全原因死


2027名のNVAF患者において、COPD患者では男性、高齢、血栓塞栓高リスク
36ヶ月フォローアップ期間中、MACE 186名、心血管死 n=72、心筋梗塞 n=52 、卒中 n=57
重大アウトカム(卒中/TIA、心筋梗塞、血管死、全死亡)を中心的判断下した

Kaplan–Meier curveでCOPDでのNVAF患者はMACE、心血管死、全原因死亡にて高リスク (p < 0.001, p < 0.001,(p < 0.001)

Cox比例ハザードモデルで、COPDはMACE (Hazard ratio [HR] 1.77, 95% 信頼区間 [CI] 1.20–2.61; p = 0.004)、心血管死 (HR 2.73, 95% CI 1.76–4.23; p < 0.0001) 、全死亡(HR 2.16, 95% CI 1.48–3.16; p < 0.0001)の独立予測要素

結論:NVAF患者において、COPDは、長期観察に於ける、MACE、心血管死、全原因死の独立因子である。

2018年3月28日水曜日

前向き介入:運動による歯周疾患改善効果確認、食事介入では改善確認できず

日本からの報告

運動介入と食事介入で差を認めたのは興味深い。


Exercise habituation is effective for improvement of periodontal disease status: a prospective intervention study
Omori S, et al.
Therapeutics and Clinical Risk Management 2018:14 565–574
DOI https://doi.org/10.2147/TCRM.S153397
https://www.dovepress.com/exercise-habituation-is-effective-for-improvement-of-periodontal-disea-peer-reviewed-article-TCRM

12週間の前向き介入、71名の肥満男性

介入運動 and/or 食事介入

50名:運動介入
21名:食事介入

運動介入後
PPD(Probing pocket depth=歯周ポケット) 4mm以上歯数比率 14.4% → 5.6% p< 0.001
歯周出血(BOP : bleedin on probing)指数  39.8% → 14.4% p< 0.001
Tannerella forsythia と Treponema denticola コピー数 有意減少 p=0.001

T, denticolaのコピー数とPPD 4mm以上歯数比率は相関 p=0.003、BOD指数とも相関 p=0.010

また、T. denticolaと体重の正相関 p=0.008、LDLコレステロール正相関 p=0.049 空腹時インスリン p=0.041

しかし、食事介入群は優位に T. denticolaを減少(p=0.007)するも、歯周病関連細菌数とPPD、BOPの相関認めず

機序として、肝機能改善効果、免疫関与細胞活性化、樹状細胞などの活性化、腹部脂肪細胞減少による影響、レプチン局所性炎症性サイトカイン減少が議論されているようだ

原文フリーテキストあり

2018年3月24日土曜日

喘息:SMART療法を褒めまくるシステマティック・レビュー&メタアナリシス

同じような -2.8%の絶対リスク差なのに、こちらでは、その意義を強調する、Sobierajiら

参考:ICS治療未コントロール喘息:add-onとしてのLAMAの意義
有用性はあるが、絶対的価値に疑問を呈する筆者の意見を付記している報告


こちらの報告では
「SMART was associated with better clinical outcomes than conventional approaches in patients with persistent asthma.」
・・・と、ダブルスタンダード

若年者 -12.0%を強調する宣伝活動を展開するのだろう
高齢者では -2.8%だからな! > アストラゼネカの野郎ども!


"Association on inhaled corticosteroids and long-acting B-agonists as controller and quick relief therap wth exacerbations and symptom control in persistent asthma: a systematic review and meta-analysis"
Sobieraj DM, et al
JAMA 2018; DOI: 10.1001/jama.2018.2769.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2675737

腹立つから訳さない(気が変わったら訳すつもり)


そもそも、シムビコートっては薬価無茶苦茶高すぎる

シムビコートタービュヘイラー60吸入 アストラゼネカ 2290801G2025 5877.7円/キット 処方箋医薬品
2×2吸入 1万2千円弱
2×4吸入 2万4千円弱

一方、「フルティフォーム」2×2吸入 1ヶ月分で 6千円強、「レルベア200」1×1吸入 も同様

2倍の薬価差の価値があるかどうか・・・よく考えるべき 
新しい薬価基準でシムビコート据え置き、他は安くなるそうだからこの差は開く


日本国内のコスト効果の解析が必要だ(断言)


さらに、SMARTという代物で、吸入回数莫大化することが多く、賦形剤を多く吸うことで嗄声や咽頭痛など局所副作用懸念される



Bio製剤でコストをやたらと強調しつづける喘息診療の指導者が、なぜかシムビコート一辺倒という・・・矛盾

ICS治療未コントロール喘息:add-onとしてのLAMAの意義

有用性はあるが、絶対的価値に疑問を呈する筆者の意見を付記している報告





ICS単独でコントロール不能での以下の比較

  • LAMA vs Placebo as Add-on Therapy to Inhaled Corticosteroids
  • LAMA vs Other Controllers as Add-on Therapy to Inhaled Corticosteroids
  • Triple Therapy vs Inhaled Corticosteroids and LABA


意義:長時間作用性ムスカリン拮抗剤(LAMA)は持続性喘息管理において吸入ステロイド(ICS)の重要なアジュバント付加治療薬剤
目的:システマティックレビュー・メタアナリシス;無コントロール、持続性喘息患者;
ICSへのadd-on治療としてLAMA vs プラシーボ vs 他コントローラ薬剤の関連する効果、ICS+長時間作用性βアゴニスト(LABA)にadd-on治療(triple therapy) vs ICS+LABAの比較

データソース  MEDLINE, EMBASE, Cochrane databases, and clinical trial registries (earliest date through November 28, 2017).

研究選択  Two reviewers selected randomized clinical trials or observational studies evaluating a LAMA vs placebo or vs another controller as an add-on therapy to inhaled corticosteroids or triple therapy vs inhaled corticosteroids and LABA in patients with uncontrolled, persistent asthma reporting on an outcome of interest.

データ抽出・作成 Meta-analyses using a random-effects model was conducted to calculate risk ratios (RRs), risk differences (RDs), and mean differences (MDs) with corresponding 95% CIs. Citation screening, data abstraction, risk assessment, and strength-of-evidence grading were completed by 2 independent reviewers.

主要アウトカム・測定項目 喘息急性増悪


1326記録、15RCT(N=7122名)
多くのトライアルは、ICS(吸入ステロイド)に、「LAMA追加 vs プラシーボ」 あるいは「LAMA 追加vs LABA追加」

ICSへの「LAMA追加 vs プラシーボ追加」比較では、前者のステロイド全身投与追加必要な急性増悪減少 (RR, 0.67 [95% CI, 0.48 to 0.92]; RD, −0.02 [95% CI, −0.04 to 0.00])

ICSへの「LABA追加 vs LAMA追加」比較では急性増悪リスク改善と有意な関連性ない (RR, 0.87 [95% CI, 0.53 to 1.42]; RD, 0.00 [95% CI, −0.02 to 0.02])、また他の対象アウトカムも同様

 トリプル治療は、対 「ICS+LABA」比較にて急性増悪リスク改善と有意関連性無し  (RR, 0.84 [95% CI, 0.57 to 1.22]; RD, −0.01 [95% CI, −0.08 to 0.07])

 結論としては、吸入ステロイド(ICS)にadd-on治療としてLAMAを使用することは、プラシーボ追加に比べ喘息急性増悪の絶対リスク減少をもたらすが、LABA追加より大幅に減少するとは言えない。また、トリプル治療は急性増悪リスク減少効果認めなかった


"Association of inhaled corticosteroids and long-acting muscarinic antagonists with asthma control in patients with uncontrolled, persistent asthma: a systematic review and meta-analysis"
Sobieraj DM, et al
JAMA 2018; DOI: 10.1001/jama.2018.2757.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2675736

2018年3月23日金曜日

非アルコール性脂肪肝炎治療:FGN19人工的変異薬剤 第2相

かなり有望らしい非アルコール性脂肪肝炎治療薬



NGM282:ヒト・ホルモンFGF19の non-tumorigenic, engineered variant
www.ngmbio.com/pipeline/ngm282/





NGM282 for treatment of non-alcoholic steatohepatitis: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
Prof Stephen A Harrison, et al.
The Lancet, Volume 391, No. 10126, p1174–1185, 24 March 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)30474-4


18-75歳、生検にてNASH診断確定例
糖尿病状態層別、皮下 NGM282 3mg or 6mg , placebo割り付け 1:1:1
プライマリエンドポイントは12週後の脂肪肝量の絶対値変化

オーストラリアとUSAで、82名ランダム割り付け NGM282 3mg (n=27) , NGM282 (n=28) , プラシーボ (n=27)
12週時点でのベースラインからの肝臓脂肪量 5%以上減少:3mg量 20 (74%)、 6mg量 22(79%)  (相対リスク 10.0 [95% CI 2.6–38.7] vs 11.4 [3.0–43.8],; 各々p< 0.001
<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">
<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">

<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">
<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">
全体として、副作用1つ以上発生率は76(93%)で、多くは grade 1 1 (55 [67%])で、grade 3以上 (6%) で少ない。最頻副作用(10%以上)は注射部位反応(28 [34%])、下痢 27 [33%]、腹痛 (15 [18%])、吐気 (14 [17%])
NGM282群で副作用有意に増加



P値 0.05 → 0.005 へ

ピーチとどこぞかの航空会社が合併するとか・・・今回、それではないP値の話


これは下記Natureの解説となっている

The Proposal to Lower P Value Thresholds to .005
John P. A. Ioannidis, et al.
JAMA. Published online March 22, 2018. doi:10.1001/jama.2018.1536
すでに、ゲノミクスの話では、有意性閾値は 5×10-8が用いられており、0.05、0.01という常識は崩れつつある。 とはいうものの要約、フルテキストの96%は 0.05以下というP値を記載
P値といえば 0.05未満、時に 0.01未満とするがその問題点としての誤用、過剰信頼、誤解など指摘され続けている。ASA(American Statical Association)2016年ステートメントにおいて、最多の誤解は「仮説が真である確率」というもの。例えば、「帰無仮説が2%ほど真実であり、対立仮説が98%正しい」という表現。full reportと透明性が適切なレポートには要求されるが、P値はそれを保証するものでなく、逆に、P値小さければ選択性・非透明性の可能性の疑義を持たなければならない。P値は特異的な閾値を超えるかどうかで科学的、ビジネス的、政策決定を決めてしまうことがあることで、P値は結果の重要性、effect sizeを測定しているものではないことが重要
P値が少しだけ下回るような報告では誤謬である可能性あり 
P値閾値を 0.05から0.005へ移動することで、過去の生物学的文献の1/3ほどを示唆的というカテゴリーにシフトすることになり、雑に言えば「白黒」「有意・非有意」区分けには便利

総説的には、歓迎の方向と読み解いた


Redefine statistical significance
Daniel J. Benjamin, et al.
https://www.nature.com/articles/s41562-017-0189-z
We propose to change the default P-value threshold for statistical significance from 0.05 to 0.005 for claims of new discoveries.


ベイズ因子とP値の関係



P値閾値と偽陽性率





プライマリエンドポイントではないセカンダリエンドポイントでP値 0.05近傍の報告を後生大事にして、治療方針決定上のガイドラインを提示するお偉いさんのいる学会があるらしい(皮肉)

2018年3月22日木曜日

オピオイド使用は侵襲型肺炎球菌感染のリスク要素

オピオイド使用は、侵襲型肺炎球菌症リスク増加と関連し、IPDの新しく認識されたリスク要素と考えられる


以前の報告から、オピオイドの免疫系(Tリンパ、Bリンパ、NK細胞、単球、樹状細胞、炎症、顔面駅など)への影響示唆されており、その関連性が疑われている


Opioid Analgesic Use and Risk for Invasive Pneumococcal Diseases: A Nested Case–Control Study
Andrew D. Wiese, et al.
Ann. Int. Med. 20 MARCH 2018
Published: Ann Intern Med. 2018;168(6):396-404. 
DOI: 10.7326/M17-1907
http://annals.org/aim/article-abstract/2672601/opioid-analgesic-use-risk-invasive-pneumococcal-diseases-nested-case-control


5歳以上の侵襲型肺炎球菌感染症 1223 症例 vs 24,399名の診断日、年齢、居住地域補正

症例群では、対照群よりオッズ高い(補正オッズ比  [aOR], 1.62 [95% CI, 1.36 to 1.92])

強い相関は、長時間作用 (aOR, 1.87 [CI, 1.24 to 2.82])、強作用性(aOR, 1.72 [CI, 1.32 to 2.25])、高用量  (50 to 90 morphine milligram equivalents [MME]/d: aOR, 1.71 [CI, 1.22 to 2.39]; ≥90 MME/d: aOR, 1.75 [CI, 1.33 to 2.29]).


IPDスコア考慮、肺炎IPDと非肺炎IPDを別途分析しても同様


コーヒー摂取:動脈壁硬化への効果、身体機能への効果

Associations of Urinary Caffeine and Caffeine Metabolites With Arterial Stiffness in a Large Population-Based Study
Belen Ponte, et al.
Mayo Clinic Proceedings
DOI: https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2017.12.010

カフェインの動脈壁硬化:arterial stiffnessへの影響を、カフェイン尿とその代謝産物の尿中排泄と、脈圧と脈波伝播速度:pulse wave velocity (PWV)の相関性検討

対象: 3つのスイスの都市一般住民からランダム選択した家族: 2009年11月25日〜2013年4月4日
24時間持続モニタリングによる収縮期・拡張期血圧、頸動脈大腿動脈PWVをapplanatiuon tonometryにて測定、他24時間尿サンプル

結果:863名、平均 ± SD 47.1 ± 17.6歳、24時間脈圧 41.9±9.2 mm Hg、PWV 8.0±2.3 m/s

尿中カフェイン排泄最小 vs 最大4分位比較にて上腕動脈脈圧  43.5 (0.5) vs  40.5 (0.6) mm Hg (P < 0.001)

脈圧高値オッズ比 (95% CI)は、24時間尿中カフェイン排泄量 最小4分位 → 最大4分位で線形に減少 1.0 → 0.52 (0.31-0.89)→0.38 (0.22-0.65)→ 0.31 (0.18-0.55)   (P < 001)

平均(SE) PWVはカフェイン摂取最大4分位(最小4分位比較)で、有意に低下 (7.8 [0.1] vs 8.1 [0.1] m/s; P=.03)

同様関連性がパラキサンチンとテオフィリンで観察されるが、テオブロミンでは観察されない


結論:尿中カフェイン、パラキサンチン、テオフィリン排泄量は、動脈壁硬化指標減少と相関し、このことは、血圧降下効果を超える防御的硬化がカフェイン摂取に示唆された





コーヒー摂取は2型糖尿病リスク軽減、心血管疾患リスク軽減と関連する

コーヒー摂取が身体活動性と関連するのではないかと仮説
特に、高齢者の身体機能障害、frailty、disabilityへのリスク軽減への関連性を検証

高齢者において、機能障害リスク増加とは関連せず、女性高齢者に敏捷性、移動性、ADLへのベネフィットの可能性

Coffee consumption and risk of physical function impairment, frailty and disability in older adults
Marcos D. Machado-Fragua et al.
First Online: 16 March 2018
European Journal of Nutrition pp 1–13

60歳以上3289名 前向きコホート
Seniors-ENRICAコホート (2008-2010)
コーヒー摂取量と2015年までの身体機能、frailty、障害測定(自己報告と客観測定)

コーヒー 1日2カップ以上で
女性においては、agility(敏捷性)障害リスク減少 ハザード比 [HR] 0.71, 95% 信頼区間 [CI] , 0.61-0.97, p=0.04)
肥満女性では、HR 0.60; 95% CI, 0.40 - 0.90 p 0=0.04

女性では、mobility障害リスク減少 HR 0.66; 95% CI, 0.46 - 0.95 , p trend 0.02
高血圧者で 0.70, 95% CI, 0.48 - 1.00 , p trend 0.05


 糖尿病者ではさらにADL障害リスク低下 HR 0.30 , 95% CI, 0.11 - 0.76

2018年3月20日火曜日

FEV1Q COPD予後最良指標?

296名のCOPD外来患者、後顧的検討

重症急性増悪、全原因死亡率予測に関して以下を比較

a) GOLDクライテリア
b) FEV1%pred 4分位
c) FEV1 z score 4分位
d) (FEV1·Ht-2)A カットオフ値として4分位使用
e) (FEV1·Ht-2)B カットオフ値として参照値 5を使用
f) FEV1·Ht-3 4分位
g) FEV1 quotient (FEV1Q):  FEV1 性別 Miller valueの比率 (FEV1 quotient,性別1パーセンタイル減少FEV1標準化指標

Eur Respir J 1010; 35: 873-882 https://pdfs.semanticscholar.org/6454/8ab13dcd94c10df4a8b047fbae6ea7de2191.pdf


急性増悪、死亡率に関して、g)が最良
次に、e)

Comparison of different staging methods for COPD in predicting outcomes
Tang-Hsiu Huang,  et al.
European Respiratory Journal 2018 51: 1700577; 
DOI: 10.1183/13993003.00577-2017



2018年3月16日金曜日

更年期血管運動症状へNK3R拮抗剤

経口neurokinin 3 receptor (NK3R) antagonis(MLE490)が、エストロゲン必要なしで血管運動症状短期・長期改善したと4週間の研究結果

いわゆる"hot flash"だがその頻度を day 3までに72%減少 95% CI, -81.3% 〜 -63.5%
頻度 51%改善維持


ランダム化二重盲検プラシーボ対照化単一施設交差トライアル


Neurokinin 3 receptor antagonism rapidly improves vasomotor symptoms with sustained duration of action
Prague J, et al
Menopause 2018; DOI: 10.1097/GME.0000000000001090.
https://journals.lww.com/menopausejournal/Abstract/publishahead/Neurokinin_3_receptor_antagonism_rapidly_improves.97600.aspx



MLE4901治療3日目までに、ベースラインに比較して、ホットフラッシュ 72%減少 ( 95%CI, -81.3 to - 63.3%)
4週間の投与期間を通して effect size維持
重症度は、3日目まで 38%減少   (95% CI, −46.1 to −29.1%) (P< 0.0001 compared with placebo)
プラシーボ比較で 39% (95% CI, -47.5 to -30.1%) p = 0.0006



かなり効果あるようだ・・・ 

高齢者昼間過剰眠気:脳内βアミロイド蓄積と関連

昼間の過剰な眠気は、加齢と共に増加。長軸的には認知症と関連するとの報告もある。
筆者等の仮説としては、老人の昼間の眠気が、脳内のAβ蓄積と関連し、その後の認知症リスクと関連するのではないかと仮説



Epworth睡眠スケール10点以上の昼間の眠気と carbon11標識PiB-PETの検討


認知症無し70歳以上283名、ベースライン眠気検査施行し2回連続でPiB-PETスキャン(2009年1月1日〜2016年7月31日)、合併神経疾患あり13.7%、45名を除外



Association of Excessive Daytime Sleepiness With Longitudinal β-Amyloid Accumulation in Elderly Persons Without Dementia
Diego Z. Carvalho,  et al.
JAMA Neurol. Published online March 12, 2018. doi:10.1001/jamaneurol.2018.0049
https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2674279


2回連続スキャンでの、Aβ影響部位(前頭前野、前帯状皮質、側頭葉)Aβ値の差(ΔPiB)
多因子線形回帰解析にてベースラインのEpworth睡眠スケールとΔPiB検討


初期検討 283名、平均(SD)年齢 77.1(4.8)歳、72.1% 204名男性、63名で昼間過剰眠気

ベースラインEDSと有意に前帯状皮質、後帯状皮質、側頭葉領域での部位的Aβ蓄積と有意相関  (B coefficient = 0.031; 95% CI, 0.001-0.061; P = .04  0.038; 95% CI, 0.006-0.069; P = .02  0.033; 95% CI, 0.001-0.065; P = .04)


昼間過剰眠気とAβ蓄積の長軸的影響はベースラインでの前帯状皮質の全般的PiB陽性者で高い (B coefficient = 0.065; 95% CI, 0.010-0.118; P = .02) and cingulate-precuneus (B coefficient = 0.068; 95% CI, 0.009-0.126; P = .02) 









2018年3月14日水曜日

CARES研究:フェブリクの心血管安全性はザイロリックと同等と言えるか?

日本:帝人ファーマが販売(商品名フェブリク)。 米国:武田薬品工業子会社が販売(商品名:Uloric)ということなので武田の名前がでてくることに納得
 (Funded by Takeda Development Center Americas; CARES ClinicalTrials.gov number, NCT01101035.)

帝人が関係すると薬剤台無し(オルベスコ然り)になるからその方が良いかも



この治験結果、イベント率では非劣性を満たしているが・・・死亡率に関しては高率である。心血管疾患合併痛風患者の高尿酸血症に関してザイロリック処方しがたい理由が特にない場合にフェブリクをあえて選択する理由はない!・・・と私は思うのだが・・・

日本国内では帝人が関係している・・・ここのMR活動には疑念があり、今後、説明責任医療の現場で果たしていけるだろうか、注視すべきだと思う





腎機能層別化:痛風及び心血管疾患患者 6190名ランダム化、32ヶ月(最大 85ヶ月間)フォローアップ:febuxostat(フェブリク) vs アロプリノール心血管安全性トライアル
多施設二重盲験非劣性トライアル

非劣性限界:プライマリエンドポイント(心血管死亡・非致死性心筋梗塞・非致死性卒中・緊急血管再建術必要な不安定狭心症)ハザード比1.3



Cardiovascular Safety of Febuxostat or Allopurinol in Patients with Gout
William B. White, et al.  for the CARES Investigators
N Engl. J. Med. March 12, 2018 DOI: 10.1056/NEJMoa1710895
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1710895

トライアルレジメン中止 56.6%、フォローアップ中止 45.0%とやや不十分

修正ITT解析、プライマリエンドポイント発生 febuxostat群 335 10.8% vs アロプリノール群 321 (10.4%)  (ハザード比, 1.03; 片側上限 98.5% 信頼区間[CI], 1.23; P=0.002 for 非劣性)

全原因死亡及び心血管疾患死亡率はfebuxostat群で高率 (全原因死亡ハザード比 , 1.22 [95% CI, 1.01 to 1.47]; 心血管死ハザード比, 1.34 [95% CI, 1.03 to 1.73])

イベント解析に於けるプライマリエンドポイント及び全原因死亡・心血管死亡率の結果は修正ITT解析において同等



この論文の結論は
痛風・心血管疾患合併状態において、フェブリクはザイロリックに比べ、心血管イベント副事象率に関して非劣性とした。全(原因)死亡率・心血管死亡率はザイロリックに比べフェブリクで高率 (Funded by Takeda Development Center Americas; CARES ClinicalTrials.gov number, NCT01101035.)





【後述追加】
vs. ザイロリックだから、”高尿酸治療により心血管疾患リスク増加”という結論には即いたらないはず。・・・ そのような解釈している文にであってびっくりした。

なにせ、アロプリノールの急性心血管イベント発生抑制作用は一部症例においてみとめられているのだから・・・(BMC Cardiovasc Disord. 2017; 17: 76.)

2018年3月13日火曜日

運動機能障害高齢者において、推奨量以上の蛋白摂取は不要

運動機能障害老人において、除脂肪体重維持のためには、蛋白摂取は必要量以上とる必要はない。腎障害など有害性も考慮必要となるだろう

(金の亡者)くそNHKなどメディアが変なあおりをするから誤解が広まる
高齢者こそ肉を?! ~見過ごされる高齢者の“栄養失調”~ http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3429/1.html


Effect of Protein Intake on Lean Body Mass in Functionally Limited Older Men
A Randomized Clinical Trial
Shalender Bhasin,  et al.
JAMA Intern Med. Published online March 12, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0008

ランダム化2×2トライアル

92名の機能障害を有する92名
RDA(recommended dietary allowance)) 0.83 g/kg/d同等以下摂取

介入としては6ヶ月 間

  • 蛋白 0.8g /kg/d+プラシーボ
  • 蛋白 1.3/kg/d+プラシーボ
  • 蛋白 0.8g/kg/d+エナント酸テストステロン (100 mg/週)
  • 蛋白 1.3g/kg+テストステロン


プライマリ・アウトカム LBM(lean body mass)
セカンダリ・アウトカム 筋力、パワー、機能評価、健康関連QOL、affect balance、well-being


【結果】
92名の男性 平均年齢[SD] 73.0 [5.8]歳、4研究グループでベースライン特性同等


  • ベースラインからの変化は蛋白割り付け 0.8 vs 1.3 g/kg/dと同等
  • LBM (0.31 kg; 95% CI, −0.46 to 1.08 kg; P = .43)
  • 付属肢 (0.04 kg; 95% CI, −0.48 to 0.55 kg; P = .89) 
  • 体幹 (0.24 kg; 95% CI, −0.17 to 0.66 kg; P = .24) 
  • lean mass、筋力、パワー、筋力、パワー、歩行速度、階段登坂力、健康関連QOL、疲労、well-being

そして、テストステロン投与有無でも同等

 脂肪量は蛋白高摂取割り付け群で低下するも、RDA投与された群では不変、群間有意差あり -1.12 kg; 95% CI, -2.04 〜 -0.21 , p=0.02

【結論と知見】 身体機能制限のある高齢者において、推奨量内の蛋白摂取者と比較して、推奨量超過量の蛋白摂取では、除脂肪体重、筋パフォーマンス、身体機能、well-being指標、テストステロン増強的アナボリックス作用に増強作用無し


 LBM維持において蛋白推奨量で十分で、RDAはLBMのさらなる増加やテストステロン増強作用を認めない





図譜見ると、テストステロンというのは、歩行距離や負荷付き階段上りなどにとって無力・無効というのを改めて・・・ ボディビルの悪口ではないけど・・・



2018年3月12日月曜日

COPD患者の好む歩行速度は、省エネ歩行速度ではなく、呼吸困難自覚最小化&ばらつき温存も関与




COPD患者の運動限界の本質に関して議論あるところで、多要素。多くのパラメータとして、呼吸メカニクス、骨格筋の酸素化能力、呼吸筋のエネルギー必要量増加/酸素供給量低下など最大運動能低下に寄与と考えられる


COPD患者の自己選択歩行速度は、歩行エコノミー、適切な運動として移動コストから影響されるもので、コストとは一定の距離歩行に対する必要エネルギーであるが、それを最小化するような選択が自然と行われている可能性があるとされてきたが・・・患者選択歩行速度がこのクライテリアに従っているか根拠は?


筆者等は、移動コスト最小化ではなく、不快な呼吸困難と、移動コスト、歩行速度のばらつきなどが関与している複合的なものと仮説



Limiting Factors in Walking Performance of Subjects With COPD
Marcela Alves Sanseverino, et al.
Respiratory Care March 2018, 63 (3) 301-310; DOI: https://doi.org/10.4187/respcare.05768
http://rc.rcjournal.com/content/63/3/301.short


健常と比較してCOPD患者の移動コストと歩行速度を検証し、自己選択歩行速度がコスト反映しているか検証

移動コスト、歩行ばらつき、自己選択歩行速度を含む検証

COPD FEV1 予測値比45.17%、11名の年齢、性別マッチ化健常者比較

6つのスピード(3.2 km/h、自己選択歩行速度、自己選択歩行速度の下の速度2つ、上の速度2つ)と、移動コスト(重量・距離正規化酸素摂取量)、歩行速度、自覚的呼吸困難、疲労


結果:COPD患者において移動コストは、歩行速度増加に従い減少するが、健常者では、自己選択歩行速度が最小であった

同じ絶対的速度では実験群同士移動コスト同じ p=0.62


COPD患者において、呼吸困難自覚は、自己選択歩行速度より上で感じ、最大歩行速度では2倍 p=0.03、歩行速度ばらつきは低速度ほど程度が大きい


結論:COPD患者の選択歩行速度では耐用できる呼吸困難維持でき、許容レベルで歩行速度ばらつきを維持、移動コストもキープできる状態であった
呼吸困難や歩行パターンに作用する介入は患者選択歩行速度増加し、QOL改善する何らかの介入にこの知見が役立つのかも

2018年3月9日金曜日

COPD:長期2年以上アジスロマイシン周期的投与 急性増悪発生、入院、入院期間減少するも・・・

Clinical and Safety Outcomes of Long-Term Azithromycin Therapy in Severe COPD Beyond the First Year of Treatment

Severe COPD and Long-Term Azithromycin Therapy
Xavier Pomares,  et al.
Chest Journal. Article in Press Vol. 149. 4
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.044

背景:COPD急性増悪は死亡率、合併症の重大原因。持続性の周期性アジスロマイシン(CC-A)投与で急性増悪率減少するが、初年を超えても有効、安全性維持できるか?

方法:後顧的解析、重症COPD 4以上(GOLD)、4回以上のCOPD急性増悪症例
週3回 アジスロマイシン 500mg add-on
24ヶ月に及ぶ患者を、長期間周期性アジスロマイシン投与(LT-CC-A)として、COPD急性増悪、入院、入院期間を1年、2年、3年で以前の12ヶ月間と比較
微生物学的モニタリング、マクロライド耐性、副作用解析を研究期間中継続

結果:重症COPD109名 CC-A治療(24ヶ月以上 39名)がLT-CC-A群 (35.8%)

この群ではCOPD急性増悪平均減少率は 12ヶ月で 56.2%、24ヶ月で70%、36ヶ月で 41%

Long-term continuous cyclic azithromycin therapy and exacerbations of COPD (n = 39). Number of exacerbations of COPD per patient before (time 0) and after long-term continuous cyclic azithromycin therapy at 12, 24, and 36 months, respectively. Each patient is represented with a continuous line. The dashed line represents the estimated average decrease in the whole group based on the applied mixed model for repeated measures with fixed effects of follow-up time.

入院は同様、 62.6%、 75.8%、 39.8%

頻度の多い微生物によるCOPD急性増悪は、LT-CC-A群で 12ヶ月で12.5%、24ヶ月で 17.3%。
マクロライド耐性は50%増加

緑膿菌COPD急性増悪は2つの時点で、7.2%、13.1%増加

CC-A治療は副作用少ない、短期消化器症状 7.1%、長期難聴 5.1%


結論:長期周期的アジスロマイシン24-36ヶ月間治療は、COPD grade DにおいてCOPD急性増悪、入院を50%超減少維持させるも副作用少ない
だが、マクロライド耐性増加が問題



エリスロマイシン・CAMを含めた6ヶ月間投与が今までは主体

Macrolide therapy decreases chronic obstructive pulmonary disease exacerbation: a meta-analysis.
Respiration. 2013;86(3):254-60. doi: 10.1159/000350828. Epub 2013 Jun 28.
https://www.karger.com/Article/FullText/350828

Prophylactic Antibiotic Use in COPD and the Potential Anti-Inflammatory Activities of Antibiotics
Anthony W Huckle, Lucy C Fairclough and Ian Todd
Respiratory Care February 2018, respcare.05943; DOI: https://doi.org/10.4187/respcare.05943

緊張性頭痛:頚肩筋肉の筋力安定性とRFDの問題

頚肩痛や緊張性頭痛ってのは、からる筋肉の筋力低下だけではなく、安定性(変動係数評価)やRFDの問題も関与してるようだ

筋力増強運動など介入方法は今後の課題のようだが・・・この2つの要素への介入が今後治療への示唆となるのかもしれない


Neck/shoulder function in tension-type headache patients and the effect of strength training
Madsen BK, Søgaard K,  et al.
Journal of Pain Research
 Volume 11 February 2018 Volume 2018:11 Pages 445—454 


頚部痛の全部とはもちろん言えないが、筋力低下とrate of force development (RFD)に基づく


RFD  : Rate of force development
Rate of force development is thought to be critical for sports performance for one very simple reason: most sports movements happen within a shorter period of time than human muscles take to reach maximum force production (Hernández-Davó & Sabido, 2014). Although peak force is typically achieved within 250ms (Kawamori et al. 2006), sports movements can occur within a period of time shorter than this.
重要なのは、筋力測定は力vs時間のグラフが線形でないことで、0.5秒間以下でプラトーに達する急峻な増加をしめす。力が発生する初期windowの期間は線形と通常扱っている。間隔は0-50 ms、50-100 ms、100-150 ms、150-200 ms、 200-250 ms。ニュートン(N)/秒として表現される事が多い 


<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">https://www.strengthandconditioningresearch.com/rate-of-force-development-rfd/
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen=""> <100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
緊張性頭痛患者の頚部筋肉の "筋肉強度、屈曲・進展時force steadiness、extension,rate"測定
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">緊張性頭痛患者では、extension force stedinessは健康対照比較で 変動係数:coefficient of variation (CoV) 15%高値 (p=0.047)
RFDは緊張性頭痛患者で健康対照より低値(25%) (p=0.031)<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">筋圧痛(muscle tenderness)と有意な中等度相関 
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">筋力増強介入:10週間のエラスティック(弾性)バンドトレーニング<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">対照:エルゴノミックおよび姿勢補正<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">介入群23、対照群22で 群間差認めず両群とも、進展筋力の安定性有意改善 
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">
<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">


<100ms 1979="" 1988="" 2010="" and="" apena="" br="" chung="" eneke="" for="" high="" jump="" komi="" lasts="" long="" ms="" phase="" take-off="" taylor="" the="" uhtanen="">

喘息とCOPD明確に鑑別可能?:呼気凝縮液中NMR-ベースのmetabolomics





"nuclear magnetic resonance (NMR)-based metabolomics of exhaled breath condensate (EBC)":呼気凝縮液中NMR-ベースのmetabolomics

“メタボロミクス(Metabolomics)あるいはメタボローム解析(Metabolomic analysis)とは、細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析”

前向きに、気管支喘息(n=31)とCOPD(n=44)の新規診断例(GINA、GOLDに従った診断)、最終的には喘息20例、COP32例を統計解析

呼気凝縮液中Orthogonal Projections to Latent Structures Discriminant Analysis (OPLS-DA) にて、喘息とCOPDを強い相関性をもって鑑別(95%, p < 0.0013)、high-quality parameters (R2 = 0.86 and Q2 = 0.86)

喘息患者に比べ、COPD患者ではエタノール増加  (p = 0.0119; 4 25.56 ± 4.57 μM vs. 12.15 ± 3.12 μM, mean ± SD) 、メタノール増加l (p = 0.049; 10.67 ± 2.99 μM vs. 5.01 ± 2.02 μM)、 formate(ギ酸エステル)濃度低下 (p = 0.009; 2.63 ± 0.97 μM vs. 6.97 ± 1.12 μM) 、acetone/acetoin濃度低下 (p = 0.0004; 5.84 ± 1.49 μM vs. 12.53 ± 3.01 μM)



Differential diagnosis between newly diagnosed asthma and chronic obstructive pulmonary disease using exhaled breath condensate metabolomics: a pilot study
Mauro Maniscalco, et al.
ERJ Express. Published on January 18, 2018 as doi: 10.1183/13993003.01825-2017

2018年3月8日木曜日

LIFE研究:フレイルのリスク評価は有益性推定できないし、フレイル老人では有意効果認めず

この分野って、(単なる翻訳しただけの人を初め、対照のない少数経験例などを含め)少しでも先に手を出した人が、出版・著作など権益を争い、「パワーリハ」の時代から、科学性から逸脱する状況が多いと感じる。


・・・と、最近の「臨床整形外科学会のあれや老年医学関係のあれ」に対照を有する介入試験のお話が全くないなぁ・・・精々推定や推論、基礎系の知見の拡大解釈などで妄想広げている印象しかない


で、フレイル・フレイルティに関して、一応対照を有するランダム化対照介入検討のサブ解析


構成的な中等度強度身体活動プログラムでは、運動不活発地域住民老人において、frailtyリスク軽減を示せなかった。

身体活動のMajor mobility disability ( MMD : major mobility disability was defined as the inability to complete a 400-m walk test within 15 minutes without sitting and without the help of another person or walker.:15分内に400m、座ることなく、また、補助無く歩けるかどうか) への効果は、frailty有無で差を認めない




Effect of Physical Activity on Frailty: Secondary Analysis of a Randomized Controlled Trial
Andrea Trombetti, et al. ; for the LIFE Study Investigator
Ann Int Med. Published: Ann Intern Med. 2018;168(5):309-316. 
DOI: 10.7326/M16-2011
Published at www.annals.org on 9 January 2018


24ヶ月フォローアップにて

  • frailtyリスク(n=1623)は身体活動vs健康教育群と比較して統計学的に有意差認めず(補正発生率差, −0.021 [95% CI, −0.049 to 0.007])
  • SOF指数の3つのクライテリアのうち、身体活動介入改善は、椅子からの立ち上がり能の改善 (補正発生差, −0.050 [CI, −0.081 to −0.020])
  • ベースラインのfrailty状態では、身体活動のMajor mobility disability ( MMD) 発生率低減効果に影響を与えない (P for interaction = 0.91)





どうでも良いかもしれないが・・・

Frailty defined by the SOF index was identified by the presence of 2 or more of the following 3 components at the fourth examination:
(1) weight loss (irrespective of intent to lose weight) of 5% or more between the third and fourth examinations(12ヶ月→24ヶ月) (mean [SD] years between examinations, 2.0 [0.3]):1年間で体重5%以上減少
(2) the subject's inability to rise from a chair 5 times without using her arms;上腕を使わず椅子から立ち上がれない
(3) reduced energy level, as identified by an answer of “no” to the question “Do you feel full of energy?” on the Geriatric Depression Scale.:「最近活気にあふれているか」に対して“いいえ”の答え
Women having none of these components were considered to be robust, and those having 1 component were considered to be in an intermediate or prefrail stage.
Arch Intern Med. 2008;168(4):382-389. doi:10.1001/archinternmed.2007.113

体重減少をオリジナルと異なり2年間としているものがある
→ http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03235_05





同じLIFE studyなのだが、ベースラインfrailty評価は役立たないという上記結論
上記はすでに移動障害を有する在宅老人
下記は歩行可能老人

ベースラインで400m自立歩行可能な症例での身体活動プログラム介入

高齢者:身体移動能力障害:健康教育に比べ身体活動介入で効果、生命予後悪化減弱
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/09/blog-post_30.html?q=LIFE




"vulnerability and frailty"が手術施行老人に多く、量依存的に死亡再入院リスクに関連
"Impact of frailty on outcomes after discharge in older surgical patients: a prospective cohort study"
 Canadian Medical Association Journal, February 20, 2018.
www.cmaj.ca/lookup/doi/10.1503/cmaj.161403 

カナダのスケール
http://geriatricresearch.medicine.dal.ca/pdf/Clinical%20Faily%20Scale.pdf


手術老人患者に介入の余地あるのだろうか?

米国内科学会:2型糖尿病HbA1c目標



  • HbA1c個別化目標
  • 当初目的は7%-8%の間
  • 6.5%未満なら薬物治療軽減を検討
  • 高齢者(推定余命10年未満)・ナーシングホーム居住者・慢性疾患(認知症、担がん、終末期腎疾患、重症COPD/うっ血性心不全)への症状軽減目標で、HbA1cターゲット治療回避


Hemoglobin A1c Targets for Glycemic Control With Pharmacologic Therapy for Nonpregnant Adults With Type 2 Diabetes Mellitus: A Guidance Statement Update From the American College of Physicians
Ann. Int. Med. Mar. 6
http://annals.org/aim/fullarticle/2674121/hemoglobin-1c-targets-glycemic-control-pharmacologic-therapy-nonpregnant-adults-type



Guidance Statement 1: Clinicians should personalize goals for glycemic control in patients with type 2 diabetes on the basis of a discussion of benefits and harms of pharmacotherapy, patients' preferences, patients' general health and life expectancy, treatment burden, and costs of care.

Guidance Statement 2: Clinicians should aim to achieve an HbA1c level between 7% and 8% in most patients with type 2 diabetes.

Guidance Statement 3: Clinicians should consider deintensifying pharmacologic therapy in patients with type 2 diabetes who achieve HbA1c levels less than 6.5%.

Guidance Statement 4: Clinicians should treat patients with type 2 diabetes to minimize symptoms related to hyperglycemia and avoid targeting an HbA1c level in patients with a life expectancy less than 10 years due to advanced age (80 years or older), residence in a nursing home, or chronic conditions (such as dementia, cancer, end-stage kidney disease, or severe chronic obstructive pulmonary disease or congestive heart failure) because the harms outweigh the benefits in this population.





AGREEII日本語訳
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/guideline/pdf/AGREE2jpn.pdf


大規模研究でもない”Kumamoto Study”への恣意的加重評価による“Kumamoto"宣言よりは意図的でない手法と思う・・・

2018年3月7日水曜日

フォシーガに関しては薬剤特異的に尿路感染リスク増加の可能性有り

癖のある薬剤と思うが、SGLT-2阻害剤
その使用の歴史まだまだ浅いため、副作用に懸念が残る
当初は皮疹、その後、腎障害、脱水・脳梗塞など・・・

性器感染症増加は確定的と思うが、尿路感染に関しては、無症候性尿路感染〜気腫性腎盂腎炎のような重篤な尿路感染まであり一括しがたいというのもあるらしい

ただ、ダパグリフロジン(日本での製品名:フォシーガ®)に関しては薬剤特異的に尿路感染リスク増加の可能性有り・・・との報告! 


SGLT-2 inhibitors and the risk of infections: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
Acta Diabetologica First Online: 27 February 2018 pp 1–12
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00592-018-1116-0

検討:86 RCT, 50,880名
SGLT-2阻害剤は、プラシーボ比較で陰部感染リスク増加 (相対リスク [RR] 3.37, 95% CI 2.89–3.93, I2 0%) 、active comparator比較 (RR 3.89, 95% CI 3.14–4.82, I2 0.3%)
尿路感染リスクはプラシーボ比較で増加せず(RR 1.03, 95% CI 0.96–1.11, I2 0%) 、active comparator比較でも増加せず (RR 1.08, 95% CI 0.93–1.25, I2 22%)

薬剤特異的には、ダパグリフロジン 10mg/日投与のみが有意にプラシーボ比較尿路感染リスク増加 (RR 1.33, 95% CI 1.10–1.61, I2 0%)

SGLT-2阻害剤は胃腸炎リスク減少 (RR 0.38, 95% CI 0.20–0.72, I2 0%) するも、気道感染リスクは影響無し




SGLT2 阻害薬における尿路感染症
http://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/06405/064050719.pdf

尿路感染症の①診断基準,② 分類,③危険因子の少なくとも 3 点において定義が曖昧であるという問題があり,SGLT2 阻害薬が尿路 感染症の危険因子であるかを判定するためには,さらなる検討が必要である

慢性疼痛:腰痛・変形性膝・股関節症へのオピオイド処方は非オピオイド比較して有効とは言えない




Effect of Opioid vs Nonopioid Medications on Pain-Related Function in Patients With Chronic Back Pain or Hip or Knee Osteoarthritis Pain
The SPACE Randomized Clinical Trial
Erin E. Krebs,  et al.
JAMA. 2018;319(9):872-882. doi:10.1001/jama.2018.0899
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2673971

慢性腰痛、股部・膝変形性関節症の中等度以上重症疼痛患者に対して、オピオイド系 vs 非オピオイド処方の疼痛関連機能改善効果の比較

RCT、240名

Nonopioid Prescribing Strategy
  • Step 1 was acetamino- phen (paracetamol) and nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs).
  • Step 2 included adjuvant oral medications (ie, nortriptyline, amitriptyline, gabapentin) and topical analgesics (ie, capsaicin, lidocaine). 
  • Step 3 included drugs requiring prior authorization from the VA clinic (ie, pregabalin, duloxetine) and tramadol. 
Patients were initially prescribed a step 1 medication, unless all were clinically inap- propriate. Subsequent changes included titrating, replacing, or adding medications.

Opioid Prescribing Strategy
Per protocol, patients in the opioid group started taking immediate-release (IR) opioids.
  • Step 1 was morphine IRhydrocodone/acetaminophen, and oxycodone IR. 
  • Step 2 was morphine sustained-action (SA) and oxycodone SA. 
  • Step 3 was transdermal fentanyl. 
Single-opioid therapy was preferred, but dual therapy with a scheduled SA opioid and as-needed IR opioid was considered based on patient needs and preferences.
Opioids were titrated to a maximum daily dosage of 100 morphine-equivalent (ME) mg.
If dosages were titrated to 60 ME mg/d without a response, rotation to another opioid was considered before dosage escalation.


プライマリアウトカム:12ヶ月時点での疼痛関連機能  (Brief Pain Inventory [BPI] interference scale) :1ポイント改善で臨床的意義
www.npcrc.org/files/news/briefpain_short.pdf
プライマリ・副作用アウトカム:薬品関連症状(患者報告チェックリスト:range 0-19)

平均年齢 58.3歳、女性 32(13.0%)、トライアル完遂 234 (97.5%)
疼痛関連機能について群間差12ヶ月時点で認めない 、全体 P = 0.58
平均12ヶ月BPI interferenceは オピオイド群 3.4 、非オピオイド 3.3 (差 0.1 ,95% cI, -0.5 to 0.7)
疼痛強度は12ヶ月間、非オピオイド群で有意に良好  (overall P = .03); mean 12-month BPI 重症度 オピオイド群 4.0 vs 非オピオイド群  3.5  (差, 0.5 [95% CI, 0.0 to 1.0])

薬剤副作用症状はオピオイド群が12ヶ月間常に多い  (overall P = .03); 平均薬剤関連症状 オピオイド群 1.8 、非オピオイド群 0.9  (差, 0.9 [95% CI, 0.3 to 1.5])



オピオイド系薬剤使いすぎじゃないかと思われるケースを散見する


NSAIDsによる心血管疾患イベント増加、腎障害、いわゆるアスピリン喘息などを考えると、NSAIDs忌避傾向は当然なのかもしれない

だが、オピオイド系が安全というわけでもない
さらに、有効性も今ひとつとなると、オピオイド薬剤のbenefit/harmバランス再考必要





2018年3月5日月曜日

非重症患者:生理食塩よりBalanced Crystalloidsが腎障害少ない

塩素イオン濃度を無視することになる生理食塩投与すると、塩素イオン 154 mmol/L濃度で、通常血漿濃度の 94-111 mmol/Lに比べ著しく高い

故に、生理学的にバランスを保つリンゲル液 (109 mmol/L)、Plasma-Lyte A (98 mmol/L)が人血漿濃度に類似のため、balanced(buffered)crystalloidが好まれる

合理性があるのか?

重症というわけではないICU外の患者の、単施設プラグマティック多交差トライアル

balanced crystalloidだと生理食塩より重大腎障害発症頻度少なかった( 4.7% vs 5.6% ; 補正オッズ比 , 0.82; 95% CI, 0.70 - 0.95 p=0.01)
入院滞在日数は同等 (中央値 25日)


Balanced Crystalloids versus Saline in Noncritically Ill Adults
Wesley H. Self,  et al.., for the SALT-ED Investigators*
N Engl J Med 2018; 378:819-828
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1711586






患者背景は、年齢 50代中央値、男女ほぼ同数、一般内科 7割、心臓 5%、神経 1.7%、外傷 3.9%、一般外科 19.1%



2018年3月3日土曜日

抗うつ薬21種類の比較

大元のデータベースが“エビデンスの確実性は中等〜かなり低レベル”と言いながら結論づけるのもなんだが

全ての薬剤がプラシーボより有効性ありというのは一安心か?
でも、negative dataは出版されてないだけかも・・・なんせエビデンスレベル低いし

薬剤間差は少ないながら見られ、有効性・受容性のばらつきあり
薬剤使用時の参考になるだろう


Comparative efficacy and acceptability of 21 antidepressant drugs for the acute treatment of adults with major depressive disorder: a systematic review and network meta-analysis
Andrea Cipriani,  et al.
The Lancet ,Published: 21 February 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32802-7 |

引用28 552、522トライアル、116,477名の被検者
有効性という意味で、全ての抗うつ薬はプラシーボより有効で、ORsは、 amitriptyline  2.13 (95% 信頼区間 [CrI] 1.89 - 2.41)、reboxetin 1.347(1.16 - 1.63)
受容性においては、agomelatin (OR 0.84, 95% CrI 0.72–0.97) とfluoxetin (0.88, 0.80–0.96)のみがプラシーボよりドロップアウト少ない
clomipraminはプラシーボより悪い (1.30, 1.01–1.68)


全てのトライアルを考慮した場合、抗うつ薬のORsの差は 1.15 〜 1.55で、受容性は 0.64 〜 0.83、比較分析の殆どで信頼区間:CrLは広い


ガチンコ比較で他の抗うつ薬より有効性が高い (range of ORs 1.19–1.96)のは、 agomelatine、 amitriptyline(トリプタノール)、 escitalopram(レクサプロ)、 mirtazapine(リフレックス)、 paroxetine(パキシル)、 venlafaxine(イフェクサー)、 vortioxetine(武田販売承認のため発売予定あるかも) 
有効性が低い (0.51–0.84)のは、、 fluoxetine(プロザック)、 fluvoxamine(ルボックス)、 reboxetine、 trazodone(デジレル)

受容性において、より耐用性が良いのは、agomelatine、 citalopram、 escitalopram、 fluoxetine、 sertraline、 vortioxetine  (range of ORs 0.43–0.77)

ドロップアウト率高いのは、amitriptyline、 clomipramine、 duloxetine、 fluvoxamine、 reboxetine、 trazodone、 venlafaxine (1.30–2.32)


高バイアスリスク 46/522 (9%)、中等度バイアスリスク 380  (73%)、低バイアスリスク 96 (18%)
エビデンスの確実性は中等〜かなり低レベル





旧藤沢薬品と個人的にもめた「ルボックス」やっぱり要らん子だったと再確認




2018年3月2日金曜日

新規抗インフルエンザ薬:ゾフルーザ 安全性高く、ウィルス消失タミフルより迅速、症状改善時間は他剤と同等?

皆、思うこと なんで、米国FDAでは認可されなかったの?
CNNなど米国でも報道されてたみたいだけど・・・
https://edition.cnn.com/2018/02/14/health/new-flu-drug-and-flu-related-products/index.html

neuraminidase inhibitorではなく、"endonuclease inhibitor"
S‐033188 is a prodrug that is metabolised to an active form (known as S‐033447). S‐033447 is a small molecule inhibitor of the cap‐dependent endonuclease of influenza A and B viruses.

ゾフルーザ(Baloxavir marboxil)は、タミフル(oseltamivir)より迅速にウィルス増殖を止め、症状改善時間は他の抗ウィルス薬と同様だが、安全性が高い


Baloxavir marboxil (S-033188)
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02954354


Baloxavir Marboxil Demonstrates Positive Phase 3 Influenza Results OCTOBER 13, 2017
http://www.mdmag.com/conference-coverage/idweek-2017/baloxavir-marboxil-demonstrates-positive-phase-3-influenza-results

20-64歳 
baloxavir marboxil 40mg , 80mg 、プラシーボ1回投与 2:1:2割り付け
対照オセルタミビル 75 bid x 5日間

12-19歳
baloxavir marboxil 、プラシーボ  2:1割り付け
(体重 80kg未満 40mg、体重 80kg以上 80mg)


登録者は、合併症無しの有症状インフルエンザで、最低 38度、1つ以上の呼吸器症状、1つ以上の全身症状あり、48時間を超えてない罹病時間

ウィルスtiterの変化、ウィルス消失時間、解熱・インフルエンザ前健康状態への回復時間

ウィルスtiterは1,2,4日、oseltamivirに比べても有意に低下
ウィルス消失時間は、oseltamivirの72時間に比べて24時間で有意に短い


Baloxavir marboxil 服用で、プラシーボに比較して解熱時迅速で、 24.5時間 vs 42時間

インフルエンザ罹患前健康状態への回復時間は、129.2時間で、プラシーボ 168.8時間で、40時間ほど早く改善

阻害剤は、 time to alleviation of symptoms (TTAS)においてプラシーボより優越で、53.7時間 vs 80.2時間

全体的に、baloxavir marboxilは副事象全般頻度 (20.7%) はプラシーボ (24.6%)、oseltamivir (24.8%)に比較して少ない
治療関連副作用もoseltamivirに比較して頻度少ない


ほっとけば、これ以外の薬剤駆逐しそうだけど・・・ 薬剤耐性大丈夫なのだろうか?


“The advantage is that it’s one pill once, versus a course of therapy, so particularly for pandemic planning, this could be an advantage,” O’Day said. “You don’t have the potential resistance that comes with not completing your course of therapy.”


成人発症糖尿病 5つに分類への提言

同じ糖尿病、2型糖尿病といっても、特性があり、クラスター分けするのは当然かもしれない。それにより、管理・治療方針が異なることも当然なのかも。今、糖尿病は1型、2型、late autoimmune diabetes (LADA), marurity-onset diabetes in the young (MODY)と、二次性糖尿病と分けられている。膵β細胞への自己抗体、若年発症などでわけている1型、2型の従来の区分け、最近glutamate acid decarboxylase (GADA)抗体や遺伝子配列の検討でheterogenousな病気であることがはっきりしてきた。生存率に関わる合併症を予防・早期治療する必要性もあり、生活菜糖尿病診断が求められている。

研究者等は、治療個別化、合併症リスクに基づく分類を、コホートから分類



従来の1型、2型糖尿病の分類より、生理学的特性・遺伝的特性の違いから5つの型に成人型糖尿病を分ける方が良いと、スウェーデン、フィンランドの5コホート、15000名ほどのデータからの報告

インスリン抵抗性が目立つクラスターは、糖尿病性腎症リスク有意に高く、
若年インスリン不足が目立つ症例では、代謝コントロール不良で、HbA1c高値で
大きな比率である高齢者群は比較的良性の臨床経過となる



5つのクラスター分け
1)重症自己免疫性糖尿病 (SAID : Severe autoimmune diabetes)
2)  重症インスリン欠乏性糖尿病(SIDD : Severe insulin-deficient diabetes)
3)  重症インスリン抵抗性糖尿病(SIRD : Severe -insulin resistant diabetes)
4)  軽症肥満関連糖尿病(MOD : Mild obesity-related diabetes)
5)  軽症加齢関連糖尿病(MARD : Mild age-related diabetes) 




Novel subgroups of adult-onset diabetes and their association with outcomes: a data-driven cluster analysis of six variables
Emma Ahlqvist,  et al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology published online March 1 
DOI: https://doi.org/10.1016/S2213-8587(18)30051-2







ClusterN (%)CharacteristicsName
1577 (6.4)Early disease onset (at a young age), essentially corresponds with type 1 diabetes and LADA, relatively low BMI, poor metabolic control, insulin deficiency (impaired insulin production), GADA+Severe autoimmune diabetes (SAID)
21575 (17.5)Similar to cluster 1 but GADA–, high HbA1c, highest incidence of retinopathySevere insulin-deficient diabetes (SIDD)
31373 (15.3)Insulin resistance, high BMI, highest incidence of nephropathySevere-insulin resistant diabetes (SIRD)
41942 (21.6)Obesity, younger age, not insulin resistantMild obesity-related diabetes (MOD)
53513 (39.1)Older age, modest metabolic alterationsMild age-related diabetes (MARD)


DiRECT: 2型糖尿病寛解到達はプラクティカル医療上の目標:強化減量にて半数到達

糖尿病関連薬剤のプロモーターと化している日本の糖尿病医療指導者たちに、この報告はどのように解釈されるのだろうか?


「生活指導は大事で、特に、食事療法、運動療法が・・・」と言いながら、中途半端な指導を口先だけで行い、実際は、薬に頼りっぱなし
「DPP4阻害剤がぁ・・・、SGLT2阻害剤がぁ・・・ ばかり ほざく」というのが日本の糖尿病診療の実態ではなかろうか?

糖尿病関連の講演会に行くとそればっかりなので、足が遠のく・・・

糖尿病において、twin cycle hypothesis 、肝内・膵臓内の過剰な脂肪がとくに問題
“600-700 kcal/dayの負のエネルギーにて、7日で、肝内インスリン抵抗性及び脂肪含量正常化し、膵内脂肪は8週後に正常化する”となると、中途半端な食事指導ではこれに到達しない

やるなら、この報告の如く、徹底しなければならない



Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial
Michael EJ Lean,  et al.
The Lancet , Volume 391, No. 10120, p541–551, 10 February 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)33102-1 |

【背景】
2型糖尿病は障害治療を必要とする慢性疾患。強化体重管理(ルーチンプライマリケア無し)で2型糖尿病寛解到達できるかの検討

【研究方法】
オープンラベル・クラスターランダム化トライアル(DiRECT): スコットランドとイギリス・タインサイド地方の49プライマリケア
コンピュータ作成リスト経由ランダム割り付け (1:1)
weight management programme (intervention)
or
best-practice care by guidelines (control)
層別化(研究地域毎 タインサイド or スコットランド、 リストサイズ 5700未満 or 以上)
被検者、治療者、アフトカムデータ収集研究補助者はグループ割り付け認識あり ; しかし、割り付けは研究層別化から目隠しされている
20−65歳、6年以内の2型糖尿病診断、BMI 27-45 、インスリン非投与群
介入は、糖尿病薬中止、降圧剤中止、総ダイエット変更( 825-853 kcal/day の formula diet  3-5ヶ月)、食事再導入は 2-8週間でステップを踏む、長期減量メンテナンスへの構造的サポートとする。
Co-primary outcomeは、15kg以上の減量、糖尿病寛解(定義: 糖尿病薬剤全中止 2ヶ月後HbA1c < 6.5)、ベースラインから12ヶ月後まで


【結果】2014年6月25日〜2017年8月5日、 306名登録、介入GP n=23 vs 対照 GP n=26
群毎149名をITT対象

12ヶ月時点で、介入群 15kg以上の減量 36名(24%) 対照群 0名 p < 0.0001

糖尿病寛解は、介入群 68名 (46%) vs 対照群 6(4%) (オッズ比 19.7 95%CI 7.8 - 49.8 ; p < 0.0001)


全研究対象者においては寛解は体重でばらつ
体重増加群:0/76
減量 0-5 kg 維持群:6(7%) / 89
減量 5-10kg 群 19 (34%) / 56
減量 10-15kg 群 16 (57%) / 28
減量 15kg以上群 31 (86%) /36

介入群 減量平均 10.0kg (SD 8.0) vs 対照群 1.0 (3.7) kg  (補正差 −8.8 kg, 95% CI −10.3 to −7.3; p < 0.0001 )
EuroQol 5 Dimensions visual analogue scale測定 QOLでは 介入群 7.2ポイント (SD 21.3) 改善、対照群では 2.9ポイント(SD 15.5)減少(補正差 6.4ポイント , 95% CI, 2.5 - 10.3 ;  p=0.0012 )




重大副事象 介入群 7/157 (4%) vs 対照群 2 (1%) ;胆道系疝痛、腹痛2回、同じ被検者、介入に関連するものと見なされた

中断するような重篤副事象認めず


【結論】12ヶ月時点で、ほぼ半数が非糖尿病・糖尿病薬剤無しへ寛解
2型糖尿病寛解はピライマリケアにおいて2型糖尿病寛解は実践上の目標である



DiRectトライアルにて超過体脂肪が2型糖尿病に果たす役割の重大性が示唆された

DiRECT: 2型糖尿病寛解到達はプラクティカル医療上の目標:強化減量にて半数到達
https://kaigyoi.blogspot.com/2018/03/direct-2.html

食事介入のみで、治療薬中止可能とする"寛解率”46%の意義は?

肝臓内脂肪(体重比率)16% →3% 激減!<推定>

膵臓内脂肪 小規模の変化のみ
だが、機能的にはβ細胞覚醒<初期インスリン反応回復、rapid surge回復>





2018年3月1日木曜日

呼吸リハビリテーション 強化 vs 通常にて身体的側面効果差認めず




Intensive versus standard physical rehabilitation therapy in the critically ill (EPICC): a multicentre, parallel-group, randomised controlled trial
Thorax , vol. 73, No.3
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2016-209858

ランダム化平行群割り付け目隠し評価者目隠し対照トライアル

侵襲的人工呼吸・非侵襲的人工呼吸48時間以上受けた患者

1:1 層別化(ICU入室、受診形態、介助必要による)

  • 介入群:1日90分目標身体的リハビリテーション
  • 対照群 1日30分目標身体的リハビリテーション


主要アウトカムは、6ヶ月後SF-36の Physical Component Summary (PCS)


34ヶ月、308名、介入群 150、対照群 158割り付け

ICUに於る身体的リハビリテーションは、介入群 中央値(IQR) 161 (62-273)分 vs 対照群 86 (31-139)

6ヶ月時点でのプライマリアウトカムデータ可能なのは、介入群 62 vs 対照群 54
 介入群 死亡 43、中止 11、フォローアップ不能 34
 対照群 死亡 56、中止 5、フォローアップ不能 43

6ヶ月時点でのプライマリアウトカムに差を認めず、介入群 37(12.2) vs 対照群 37 (11.3)

水の飲み過ぎには自動的にブレーキがかかる

我が意を得たり・・・の記事


「1日に水2リットル飲むとよい」はウソ?  2018年2月27日(火)17時30分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/2-80.php



・・・要するに、水の飲み過ぎには自動的にブレーキがかかることになっている


Overdrinking, swallowing inhibition, and regional brain responses prior to swallowing
Pascal Saker, et al.
PNAS
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5086996/
fMRI検査により、飲水後嚥下抑制が生じ、これは、体内水バランス保存のため必要な生理的機序

effort rating検討によると、過剰飲水後は、3倍努力必要だが、砂糖 8%加えると過剰飲水後も努力は少なくて済む
口渇に比較して、過剰飲水後は、嚥下で、運動皮質、前頭前皮質、線状体、視床の活動性増加を示す。
嚥下努力ratingは、右前頭前皮質、橋領域の活動性と相関
過剰飲水後の嚥下抑制が示されている。



無理して水を大量に飲んで、「水中毒」という事態にならないように・・・




メディアなどは、熱中症予防や脳梗塞予防に飲水とほざくが・・・ 自らの体のサインが一番正しい

過体重は寿命は長いかもしれないが、不健康寿命長く、健康コスト高まる可能性

寿命という物差しだと、過体重では、正常BMIに比べさほど悪くないというか、むしろ長いという報告もある
だが、心血管疾患など有病状態での寿命が長く、健康寿命から考えればやはり過体重も大問題という話




フリーテキストなので原著にて、ご自身で解釈を!




Association of Body Mass Index With Lifetime Risk of Cardiovascular Disease and Compression of Morbidity
Sadiya S. Khan,  et al.
JAMA Cardiol. Published online February 28, 2018. doi:10.1001/jamacardio.2018.0022
https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/fullarticle/2673289

【序文】 過体重では正常BMIに比べ、全原因死亡率リスク減少するという今までの報告があるが、心血管疾患による重大な荷重コストにおいても当てはまるか?

【目的】  CVD発症率とそのサブタイプの生涯リスクを計算、体重状況によりCVD有無生存期間推定

【デザイン、セッティング、被検者】住民ベース研究、個別データ:10の大規模米国前向きコホート横断的データ:成人(ベースライン年齢, 20-39、40-59、 60-79歳)、1964−2015年の 320万人年
全被検者はベースラインで臨床的CVDなし、BMI指数、CVDアウトカムデータ利用可能な対象者
Data were analyzed from October 2016 to July 2017.

【暴露】  World Health Organization–standardized BMI categories.

【主要アウトカム・測定】  全CVD、CVDサブタイプ、致死性・非致死性冠動脈疾患、うっ血性心不全、他のCVD死を含む
身長・体重は被検者直接測定、BMIは計算

(1) modified Kaplan-Meier analysis にて生涯リスクを推定
(2) CVDもしくは非心血管系死の結合累積リスクを補正施行Coxモデルで推定
(3) CVD無しもしくは存在下推定生存期間をIrwin restricted mean survival timeにて推定


【結果】   190,672のin-person調査
平均(SD)年齢、男性 46.0 (15.0)、女性 58.7 (12.9)、女性は140,835(73.9%)

正常BMI( 18.5 - 24.9)に比べ、過体重、肥満中年成人で、CVD発生生涯リスク高い

正常体重に比べ、CVD発生ハザード(男性、女性)
過体重 (BMI, 25.0-29.9) 1.21 (95% CI, 1.14-1.28) 、1.32 (95% CI, 1.24-1.40)
肥満  (BMI, 30.0-39.9)   1.67 (95% CI, 1.55-1.79) 、 1.85 (95% CI, 1.72-1.99)
病的肥満 morbid obesity (BMI, ≥40.0) 3.14 (95% CI, 2.48-3.97) 、 2.53 (95% CI, 2.20-2.91)

BMI高値ほど、CVDサブタイプにおいて心不全発生において強い相関

中年期肥満・過体重において、正常BMI群に比較して、CVD罹病下平均年数が長い。

若年、高齢成人でも同様傾向見られる


【結論と知見】  肥満は、生存率短縮と相関し、心血管合併・死亡率リスクを正常BMIに比べ有意に増加させる。正常BMIにくらべ同様な寿命としても、過体重は早期年齢でCVD発症リスク有意に高く、結果CVD合併状態下生存確率高まる。









noteへ実験的移行

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