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2020年11月13日金曜日

抗インフルエンザ薬によるインフルエンザ関連入院減少効果あり...だが

抗インフルエンザ薬の効能議論があるところで、小児に関しても問題となる

これでは、罹病期間に伴う就学機会喪失などは配慮されてないので配慮必要だと思う


Oseltamivir and influenza-related complications in children: a retrospective cohort in primary care

Joseph Jonathan Lee, et al.

European Respiratory Journal 2020 56: 1902246; 

DOI: 10.1183/13993003.02246-2019

https://erj.ersjournals.com/content/56/5/1902246


背景 インフルエンザやインフルエンザ様疾患(ILI)は,特にインフルエンザの流行時やパンデミック時には,医療制度に大きな負担を強いている.2009/10年のH1N1インフルエンザパンデミックでは、英国の国別ガイドラインでは、ILI発症から72時間以内の患者に抗ウイルス薬を投与することが推奨されていた。しかし、抗ウイルス治療がインフルエンザ関連合併症の減少と関連しているかどうかは明らかではない。


方法 本研究では、2009/10年のパンデミック時に英国のプライマリーケア施設でインフルエンザ/ILIを発症した17歳以下の小児を対象としたレトロスペクティブコホートを作成した。我々は、doubly robust inverse-probability weighted propensity scoreと医師による事前処方:physician prior prescribing instrumental variable methodを用いて、インフルエンザ関連の合併症に対するオセルタミビル処方の因果関係を推定した。 

副次的転帰は、介入を必要とする合併症、肺炎、肺炎または入院、インフルエンザ関連の入院、および全原因入院であった。


結果 16 162人の小児を対象とし、そのうち4028人(24.9%)がオセルタミビルを処方され、753人(4.7%)が合併症を記録した。 

propensity score分析の下では、オセルタミビルの処方はインフルエンザ関連の合併症の減少(リスク差(RD)-0.015、95%CI -0.022-0.008)、さらなる介入を必要とする合併症、肺炎、肺炎または入院、インフルエンザ関連の入院と関連していたが、すべての原因による入院は減少しなかった。Adjusted instrumental variable 分析では、インフルエンザ関連の合併症(RD -0.032、95%CI -0.051--0.013)、肺炎または入院、全原因による入院、インフルエンザ関連の入院が減少したと推定された。



結論 観察データの因果推論分析に基づき,インフルエンザ/ILIの小児におけるオセルタミビル投与は,インフルエンザパンデミック時のインフルエンザ関連合併症の減少と,わずかではあるが統計学的に有意な関連性があった。



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NNT

全患者インフルエンザ合併症に関して 89.8

インフルエンザ関連入院に関し 371.4

入院(原因問わず)に関し 365.2

一般化は難しい? 


2019年2月28日木曜日

”意味の乏しい”医療処置と院内発生合併症

low valueというとこの場合は、”意味の乏しい”医療処置ということになるのだろう
裏返せば、各手技、適応を明確に・・・ということに


Measuring hospital-acquired complications associated with low-value care
JAMA — Badgery-Parker T, et al. February 27, 2019

このコホートとdescriptive analysisにより9,330の"low-value use of seven procedures"エピソード評価

"low-value care"として7つを提示


意義の少ない処置 狭義定義 推奨ケア
変形性関節症または変性半月板裂傷に対する関節鏡洗浄および膝の創面切除術(CWA、EVOLVE、CWUS、NICE) 変形性関節症診断患者の膝関節鏡視下手術、靱帯のstrainや損傷診断無し、敗血症性(化膿性)関節炎診断無し、55歳、両性を含む 減量 理学療法/作業療法 疼痛軽減薬剤
平均寿命が限られている無症候性のハイリスク患者に対する頸動脈内膜剥離術(CWA、EVOLVE、CWC、CWUS) 卒中や局所神経症状(エピソード及びASA code 4-5、もしくは 75歳以上&ASA code 3)無し症例への頸動脈endarterectomy、18歳以上、両性、 最良となるべき内服加療
50歳未満の人の便秘に対する大腸内視鏡検査(CWC) 50歳未満の便秘診断患者、貧血診断無し、消化器系がんの家族・本人の既往無し、事前12ヶ月消化器系疾患のない場合へのcolonoscopy;18歳以上、最大年齢49歳;両性 アラーム徴候無しでは検査自体が必要ない
55歳未満の人々の消化不良のための内視鏡検査(CWC) 消化不良の診断があり、嚥下障害、鉄欠乏性貧血、その他の栄養性貧血、異常な体重減少、消化器系がんの個人歴または家族歴、または消化性潰瘍疾患の個人歴の診断なしの55歳未満の内視鏡検査12カ月。 18歳以上最大年齢、54歳。男女 Helicobacter pyloriを検査し、もしあれば治療。 治療が不要で症状が残る場合は、プロトンポンプ阻害薬をtry
腎臓下腹部大動脈瘤(CWC)の血管内修復 エピソード中の腹部大動脈瘤およびASAコード4〜5または75歳以上およびASAコード3の診断による動脈瘤の血管内修復。最低年齢、18歳。男女;緊急入院および緊急部門からの入場を除外する 介入なし
腎動脈血管形成術またはステント留置術(Technology Policy 21) 腎血管性高血圧症、腎動脈のアテローム性動脈硬化症、高血圧性腎臓病、または発症時の高血圧性心臓および腎臓病の診断を伴う血管形成術/ステント留置術、および線維筋形成異常または肺水腫の診断なし。最低年齢、18歳。男女 多要素内服治療
腰痛に対する脊椎固定術(CWA、CWC) 過去12カ月以内に坐骨神経痛、脊椎すべり症、脊椎異常、または脚の痛みの言及がなく、腰痛と診断された脊椎固定術。最低年齢、18歳。男女 保存治療



これらの処置に関わる院内発生harmを検証し、55エピソードの”意義乏しい”spinal fusion(脊椎固定術)、3,963エピソードの”意義乏しい”膝関節鏡

これら7つの手技は、一定数の患者へ有害性のためなされてはいけないもので、更なる付加的病院リソース消費増加を生じる。適切なサービスであろう他のケアに着手する遅れを生じることもある

descriptive analysis、225公的病院(オーストラリア、New South Wales)
2014年7月1日〜2017年6月30日まで、3つの病院の入院データ使用、low-value care1つ以上含む93,30のエピソード評価
low-value care関連有害性の測定は16のhospital-acquired complications (HACs):院内発症合併症
すべてのHAC関連比率、llow-value ccareによる平均滞在数のHACs有無による差、手技実践毎の差検証

結果:全体として、"low-value"careについて225病院、9,330のエピソード、以下の手技実践がHACs低率と関連

  • low-value 内視鏡 (4 [0.1%] エピソード; 95% CI, 0.02%-0.2%)
  • 膝関節鏡視下手術 (18 [0.5%] エピソード; 95% CI, 0.2%-0.7%)
  • コロノスコピー (2 [0.3%] エピソード; 95% CI, 0.0%-0.9%)


HACs高率は

  • low-value 脊柱固定 (4 [7.1%]  エピソード; 95% CI, 2.2%-11.5%)
  • 腹部大動脈瘤の血管内修復 (76 [15.0%]  エピソード; 95% CI, 11.1%-19.7%)
  • 頸動脈内膜剥離術  (21 [7.7%]  エピソード; 95% CI, 5.2%-10.1%),
  • renal artery angioplasty (15 [8.5%]  エピソード; 95% CI, 5.8%-11.5%).


多くの手技施行において、医療関連感染が最も多いHACとして検出され、全てのHACsの26.3%(95% CI, 21.8% - 31.5% )


renal artery angioplastyは、医療関連感染症率として 8.4% (95% CI, 5.2% - 11.4%)で観察された中では最も高率
7つ全ての"low-value"医療手技施行において、HACを有する患者は無い場合の2倍以上の入院期間となった
例えば、膝関節鏡視下手術では、HACs無し患者の入院期間は 1(IQR , 1 - 1)、HACの場合 10.5(IQR 1.0-21.3)日増加する




2014年2月5日水曜日

善玉はいつも善玉ではない: PGC-1αは筋内では善行を、糖尿病血管内では悪行を・・・

なぜ、糖尿病は微小血管合併症を発症するのか、結果、眼や腎臓、神経系だけで無く、潰瘍や、慢性炎症を生じ、下肢切断などもきたし、透析・失明などの状況を生み出す。


一つの機序が明らかに
Endothelial PGC-1α Mediates Vascular Dysfunction in Diabetes
Cell Metabolism, Volume 19, Issue 2, 246-258, 4 February 2014



解説:
Research reveals why diabetes patients are at risk for microvascular complicationsA metabolic molecule is found to inhibit blood vessel growth in patients with diabetes, leading to impaired wound healinghttp://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-02/bidm-rrw013114.php
以下、意訳・略訳
PGC-1αを10年来研究し、多機能的役割が見られ、特に、循環量少ない危機的体内で、PGC-1αは筋肉内での酸素低下、栄養低下を感知し、新しい血管増殖を阻害、すなわち血管新生プロセスを促進(spur)する。筋内において、PGC-1αは、pro-metabolicで、血管新生の重大な調整要素。だが、血管新生に反応する鍵となる細胞は、血管内に存在する血管内皮細胞である。糖尿病での血管内皮細胞内のPGC-1αの役割を検討。

一連の細胞培養実験で、血管内皮特異的遺伝マウスモデルも用い、PGC-1αの血管内皮での役割は糖尿病で誘導され、血管内皮migration・血管新生を強く阻害し、結果、血管機能障害を生じる。

これらの発見は驚くべきもので、PGC-1αの血管内皮での役割は筋細胞内のそれと真逆ということ。 
筋肉内ではpro-metabolic的働きを示し、より血管を増加させ、血管不足のため飢餓状態に陥った損傷・乏血管状況の回復もたらす役割をしている。しかし、血管内皮では、糖尿病状況において血管造生を阻害し、治癒抑制する働き。

同じ分子が、働く組織・細胞において異なる働きをするということで、興味深いという側面もある。薬物治療に関しても、やはり、単一の実験系で、都合の良い効果があるとしても、別の臓器ではとんでもない方向へ機能が働くことさえ有るわけで、そういう面でも教訓的研究結果となる。

[善玉]というラベリングは科学・医学の世界ではとくにリスキー

PGC-1αは善玉という認識が一般的に有るようだが、重篤な血管新生へ悪影響をもたらす状況も存在する。逆手をとって治療に結びつくかもしれない。





noteへ実験的移行

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