たしかに、肥満となると、「摂取カロリー(エネルギー)」 − 「消費カロリー(エネルギー)」の差と簡単に考えるが、それでは説明できない状況も多い。説明される状況はPrevailingモデルと呼ぶ。説明できない状況の場合は、食事内容(質)、特に、グリセミック指数:Glycemic指数高値 の内容と遺伝的要素ライフスタイル要素が、まずプライマリーで脂肪蓄積を生じさせ、代謝特性変化し、エネルギー蓄積性に働く、いわゆる、alternativeモデル。
肥満は満足できない食事記録が原因であるという、「肥満女性は自らの手にその血ロー右方がある、もしくは、歯の間に」という肥満治療主流アプローチに、JAMA誌では、90年前のエディトリアルで、疑問が呈されている。
Increasing AdiposityConsequence or Cause of Overeating?
David S. Ludwig, et. al.
JAMA. Published online May 16, 2014. doi:10.1001/jama.2014.4133
カロリー摂取随意的変化が短期体重変化を推定できるということから、長期においては、意識化の体重コントロールの可能性が想定だれる。しかし、食事研究では、エネルギーバランスは、生物学的順応であり、体重増加・減少に拮抗する方向に向かうことが分かっている。例えば、41名のやせ・肥満の被験者で、10%から20%の体重変化が示された研究では、食事量減少すればエネルギー消費量は減少し、食事量増加すれば消費量は増加する。これらの代謝的変動・レシプロカルな変化は体重維持方向へ進む。米国内の肥満・過体重の人で1年内に10%もの体重減少するひとは 非常に少ない。
体は持続的にエネルギーが昼用である、主要な代謝燃料は、ブドウ糖、非エステル化脂肪酸、ケトンであり、これらは、タイトに濃度コントロールされている。8名の若年成人研究では4から6kcal/Lの範囲でトータルで調整されている。これらの燃料の循環中濃度・酸化が急激に減少すると、強度の空腹、摂食を促す。反対に、薬物学的に代謝的燃料供給増加すれば、食事摂取減少することとなる、例えば、脂肪酸合成酵素阻害薬剤やβ3アゴニスト投与など。インスリンは体重調整上代謝的燃料濃度にかなり影響を与える、インスリン作用亢進は、糖尿病・インスリノーマなどでは体重増加となり、1型糖尿病のインスリン不足などのようにインスリン減少では体重減少となる。
【肥満では、代謝障害が過食に先行する?】
筋肉特異的インスリン受容体のablation、11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1 のadipose-specific
overexpression(糖質コルチコイド代謝関連酵素)と liver-specific
overexpression of sterol regulatory element-binding protein-1c (
transcription factor regulating de novo lipogenesis).実験モデルでは、肥満はエネルギーホメオスタシス経路の遺伝的操作にて生じるが、食事摂取には影響を与えない。
食事構成成分にて、遺伝的正常動物でも肥満を生じることは重要で、カロリー摂取とは独立した肥満要素である。ラットでは、GI値高vs低食事にて、高インスリン状態、脂肪組織での脂肪酸合成酵素の発現亢進、糖から脂肪への転換促進となり、脂肪蓄積過度となる代謝異常をもたらす。高GI動物を体重増加しないよう制限しても、低GI食に比べ、脂肪比率増加(70%)となる。おそらく、心血管疾患リスクとなるだろう。
エネルギー摂取減少しても生じる、脂肪組織沈着増加は、カロリー中心的とらえ方では説明困難。この場合は、上記図の、alternative modelで説明可能である。
遺伝的要素、食事の質を含む環境的要素歯、摂取カロリーの酸化消費より蓄積方向へ進む、いわゆるアナボリック過剰状態を誘導する状況がある。
グリセミック指数はカロリー計算と違い合算ってわけにいかず、GI値の高い食品をさけてとしか言いようがない。
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