2018年5月11日金曜日

CT上気腫所見:5年後の気流制限を予測

CTやレントゲン上の気腫所見があるからと、スパイロメトリ評価無く、長時間作用性気管支拡張剤使用されているのを見ることがある。欧米の臨床でもそんなもの・・・と宣う先生方もいるので一概には否定できないのだろうが・・・やはり基本は大事にしてほしい。
確かに、気腫合併肺線維症などはFEV1/FVCなど当然ながら大となり、従来のFEV/FVC比ではカバーしきれないなど色々考察すべきことは多いのだろうが・・・


下記で気になるのは、「喫煙歴に関連せず」の記載
どのようなethiologyが関与しているのだろう、本文では分からなかった


Associations between emphysema-like lung on CT and incident airflow limitation: a general population-based cohort study
Elizabeth C Oelsner , et. al.
Thorax Vol. 73 No. 5 
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2017-210842


CT上の肺気腫は重度喫煙者・COPD患者の肺機能減少加速と関連するも、一般住民においては、気腫様CT所見増加はCOPD発生と関連するかどうか不明

初期気管支拡張前気流制限を認めない2045名の成人、Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis

ベースライン心臓CTにおける気腫様肺、<-950 hu="">正常上限:低attenuation area のパーセントを定義として、5年間フォローアップ時の拡張剤前、拡張剤後の気流制限オッズ比(各々、 補正 OR 2.62, 95% CI 1.47 〜 4.67、 4.38, 95% CI 1.63 to 11.74)増加と関連するも喫煙歴とは独立した関連
これらの結果は、気腫様肺がCOPDリスク層別として1informativeであることを示唆




DPP-4阻害剤:高齢者糖尿病低血糖リスクのセーフガードとしての役割

MACE臨床的アウトカムにおいては劣性のDPP-4阻害剤だが、メトホルミンとの併用で、低血糖リスク軽減効果、原理的にもRCT上も確認され、安全性担保された形

高齢者2型糖尿病において、メトホルミン治療2型糖尿病患者では、3.5 mmol/L (63.2 mg/dL)低血糖でのグルカゴン値低下するが、DPP-4阻害剤投与下では 3.1 mmol/L(56 mg/dL)での低血糖へのグルカゴン反応は維持される
故に、DPP-4阻害剤は、低血糖リスク減少し、セーフガードとしての役割を果たす



単施設二重盲検ランダム化プラシーボ対照交叉研究 (28名、メトホルミン治療、17名男性、11名女性、平均年齢 74歳 レンジ 65-86歳、平均HbA1c 6.9%、シタグリプチン 100mg/日を4週間add-onとしてプラシーボと比較、wash-out後、交差試験

朝食後、昼食後、2時間後高インスリン血症性低血糖clamp (target 3.5 mmol/L)でのグルカゴン値はプラシーボ後よりシタグリプチン投与群で低い
しかし、3.1 mmol/L時点での低血糖へのグルカゴン反応は両群間に有意差を認めない
同様、非アドレナリン、アドレナリン、コルチゾールの反応はシタグリプチン投与時でプラシーボ投与時より低値
膵polypeptideの反応は両群で差を認めず


Effects on the glucagon response to hypoglycaemia during DPP‐4 inhibition in elderly subjects with type 2 diabetes: A randomized, placebo‐controlled study
Johan Farngren et al.
Diabetes Obes Metab. 2018;1– 10.
First published: 12 April 2018 https://doi.org/10.1111/dom.13316




日本でのDPP-4阻害剤のマーケット、諸外国から見たら異常だが、高齢化と安全性を考えれば、日本人臨床家のセンス 捨てがたいものがある (専門医ほど馬鹿という話もあるが・・・)

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