2012年7月13日金曜日
HDL粒子量は、HDL濃度より、共役関係少なく、頸動脈IMT、冠動脈リスクを推測可能
High-Density Lipoprotein Cholesterol and Particle Concentrations, Carotid Atherosclerosis, and Coronary EventsMESA (Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)
Rachel H. Mackey et. al.
J Am Coll Cardiol. 2012;():1-9. doi:10.1016/j.jacc.2012.03.060
HDLコレステロール(HDL-C)と、HDL粒子(HDL-P)濃度と、cIMT、冠動脈疾患発症率の関連性
HDL-Cは、CHD、TG、LDL粒子と逆相関。
CHDとのHDL-Pの相関はこれらの要素と独立している。
参考: HDLを中心としたコレステロール搬出・輸送機構
参考: HDL粒子のサイズ・濃度 と 冠動脈リスク 2009年 01月 24日
HDL-Cと HDL-P は互いに相関 (ρ = 0.69) し、LDL-P と相関(ρ = −0.38, −0.25, , p < 0.05 for all).
HDL-C、HDL-P 1SD増加毎、cIMTの差は − 26.1 (95% 信頼区間l [CI]: −34.7 to −17.4) 、 −30.1 (95% CI: −38.8 to − 21.4) μmと関連
HCD比は、それぞれ 0.74 (95% CI: 0.63 ~ 0.88)、0.70 (95% CI: 0.59 ~0.82)
相互補正・LDL-P補正後、HDL-Cは cIMTとの相関性欠如 (2.3; 95% CI: − 9.5 ~14.2 μm) 、 CHD との相関性欠如(0.97; 95% CI: 0.77 ~ 1.22)
しかし、 HDL-P はそれぞれ相関性あり cIMT (−22.2; 95% CI: − 33.8 ~ −10.6 μm) 、 CHD (0.75; 95% CI: 0.61 ~ 0.93)
年齢、民族、糖尿病、hsCRPに関しては有意差無し
相互因子、LDL-P補正により、HDL-Cは、cIMT、CHDに対しその相関性を減弱することとなるが、HCL-Pは相関性はのこる。HDL関連リスクを評価する場合、脂質・リポ蛋白による共役影響を考慮する必要がある。
女性:アルコール中等量摂取は関節リウマチリスクを減少させる
アルコール消費量と、関節リウマチ発症の逆相関性は症例報告があるが、コホートではない。
ということで、コホートで女性におけるアルコール摂取と関節リウマチの関連性を示したもの
女性において、 アルコールの中等度摂取は関節リウマチリスクを減少させる
Long term alcohol intake and risk of rheumatoid arthritis in women: a population based cohort study
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4230 (Published 10 July 2012)
用量反応相対リスク(95%信頼区間):アルコールグラス/週
年齢補正、属性、喫煙状態補正モデル
メカニズムに関して、免疫抑制的働き、炎症惹起サイトカインへの効果など記載されている。
ということで、コホートで女性におけるアルコール摂取と関節リウマチの関連性を示したもの
女性において、 アルコールの中等度摂取は関節リウマチリスクを減少させる
Long term alcohol intake and risk of rheumatoid arthritis in women: a population based cohort study
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4230 (Published 10 July 2012)
用量反応相対リスク(95%信頼区間):アルコールグラス/週
年齢補正、属性、喫煙状態補正モデル
メカニズムに関して、免疫抑制的働き、炎症惹起サイトカインへの効果など記載されている。
禁煙後体重増加:12ヶ月で5kg弱
禁煙に関わる最大の問題は体重増加と言って良いと思う。大規模前向き研究、コホート研究でこのことは自明であった。
ニコチンの直接の食欲低下作用がその機序として考察されている。禁煙後、その抑制解除のため食欲増加という説明だが、さらに、最近では、ニコチンが基礎代謝率亢進している機序も考察されている。(某学会の連中の一部はたばこにより味覚・嗅覚が落ちて・・・うんぬんという説明をする輩もいるが・・・)
この報告は様々な禁煙トライアルをまとめたもので、データの信頼性は高いと思われる。
禁煙12ヶ月間の喫煙者の体重増加とその変動を、治療補助剤なし禁煙と禁煙補助薬使用で評価。
欧米人主体報告であり、体重の絶対値を日本人に適応して良いのか?疑問を残すが、禁煙指導時目安にはなるだろう
Weight gain in smokers after quitting cigarettes: meta-analysis
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4439 (Published 10 July 2012)
ニコチンの直接の食欲低下作用がその機序として考察されている。禁煙後、その抑制解除のため食欲増加という説明だが、さらに、最近では、ニコチンが基礎代謝率亢進している機序も考察されている。(某学会の連中の一部はたばこにより味覚・嗅覚が落ちて・・・うんぬんという説明をする輩もいるが・・・)
この報告は様々な禁煙トライアルをまとめたもので、データの信頼性は高いと思われる。
禁煙12ヶ月間の喫煙者の体重増加とその変動を、治療補助剤なし禁煙と禁煙補助薬使用で評価。
欧米人主体報告であり、体重の絶対値を日本人に適応して良いのか?疑問を残すが、禁煙指導時目安にはなるだろう
Weight gain in smokers after quitting cigarettes: meta-analysis
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4439 (Published 10 July 2012)
無治療喫煙を含む、62研究
体重増加平均
1ヶ月 1.12 kg (95% 信頼区間 0.76 ~ 1.47)
2ヶ月 2.26 kg (1.98 ~ 2.54)
3ヶ月 2.85 kg (2.42 ~ 3.28)
6ヶ月 4.23 kg (3.69 ~ 4.77)
12ヶ月 4.67 kg (3.96 ~ 5.38)
平均・荷重標準偏差を用い、禁煙後12ヶ月時点で計算 :体重減少 16%、 5kg未満増加 37%、 5-10kg 34%、10kg超 13%
体重増加は異なる薬物治療で同等推定
体重増加への対象者関心の有無でも同等推定
メタアナリシス:ACE阻害剤による肺炎予防効果! ARBにはない!
英国では肺炎による死亡は65歳以上で0.5%から1.1%だそうだ。入院リスクや入院期間長期化に寄与する原因である。一方、制酸剤による肺炎リスクの関連、スタチンによる予防的効果なども報告されている。
ACE阻害剤は咳嗽リスクをもつが、これが防御的作用を示すことは、東北大学の方から示されていたが、海外の研究者からまとまった報告は乏しかった。
ACE阻害剤は咳嗽リスクがあるから使わないでなく、コスト削減の意味でも、脳卒中後遺症や高齢者では肺炎予防の観点から使用を考慮すべきだとおもう。
ただ、まだ、強固なエビデンスというほどではない・・・ということが分かる。
ACE阻害剤では、肺炎リスク予防的作用が認められ、ARBでは認められない。
ただ、卒中既往及びアジアでの報告に限られている。
ACE阻害剤による死亡率と関連する肺炎減少効果も見られるが、そのデータではエビデンス強度の欠けている。
Risk of pneumonia associated with use of angiotensin converting enzyme inhibitors and angiotensin receptor blockers: systematic review and meta-analysis
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4260 (Published 11 July 2012)
ACE阻害剤と肺炎頻度
ARB
メタアナリシスサマリー・サブグループ解析
ACE阻害剤は咳嗽リスクをもつが、これが防御的作用を示すことは、東北大学の方から示されていたが、海外の研究者からまとまった報告は乏しかった。
ACE阻害剤は咳嗽リスクがあるから使わないでなく、コスト削減の意味でも、脳卒中後遺症や高齢者では肺炎予防の観点から使用を考慮すべきだとおもう。
ただ、まだ、強固なエビデンスというほどではない・・・ということが分かる。
ACE阻害剤では、肺炎リスク予防的作用が認められ、ARBでは認められない。
ただ、卒中既往及びアジアでの報告に限られている。
ACE阻害剤による死亡率と関連する肺炎減少効果も見られるが、そのデータではエビデンス強度の欠けている。
Risk of pneumonia associated with use of angiotensin converting enzyme inhibitors and angiotensin receptor blockers: systematic review and meta-analysis
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