2014年5月12日月曜日

糖尿病・心血管重大イベント:ACE阻害剤では効果有るも、ARBは効果認めず

そもそも、ARBって、ACE阻害剤を凌駕する薬剤ではないわけでぇ・・・

ACE阻害剤不耐性の症例で初めてARB処方するという国家的スタンスをそろそろカナダに見習い行うべき

政治家や官僚はアホだから、医療費・節約というと、後発品というアホの1つ覚え・・・実際に重要なのは功利性なのに、膨大な無駄垂れ流しを放置


ランダム化臨床トライアル:ACEIとARBレジメン(糖尿病、全原因死亡率、CV死亡、重大CVイベント、12ヶ月最小期間)

糖尿病患者において、ARBでは、全原因死亡率、CV死亡率、重大CVイベント減少効果みとめず


Effect of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors and Angiotensin II Receptor Blockers on All-Cause Mortality, Cardiovascular Deaths, and Cardiovascular Events in Patients With Diabetes MellitusA Meta-analysis
Jun Cheng, et. al.
JAMA Intern Med. 2014;174(5):773-785. doi:10.1001/jamainternmed.2014.348


調査35トライアル中、ACEI vs placeboあるいはactive drug比較35中23トライアル(32,827名)、無治療との比較13トライアル(23,567)


プラシーボ/active 治療を対象とする場合、ACE阻害剤は、全原因死亡リスクを13%(RR , 0.87 ; 95% CI, 0.78-0.98)、心血管死亡 17% (RR 0.83; 0.70 - 0.99)、 主要CV イベント 14% (0.86; 0.77-0.95)、その中には心筋梗塞 21% (0.79; 0.65-0.95) 、心不全 19% (0.81; 0.71-0.93)イベントを含む。


 ARB治療では全原因死亡率に影響を与えず (RR, 0.94; 95% CI, 0.82-1.08), CV death rate (1.21; 0.81-1.80)、主要CV イベント (0.94; 0.85-1.01) にも影響なし。


ACEIやARBともに糖尿病患者の卒中リスク減少と相関しない。 


メタ回帰分析にて、ACEI治療は、全原因死亡率、CV死亡への影響は、治療開始ベースライン血圧、蛋白尿とは、有意に、ばらつき認めず、一定で、ACEI種類や糖尿病にも影響なし。

重症喘息:発現型

「重症喘息は多次元的疾患」である認識が広がっている。1つの試みとしての2008年のクラスター解析報告が最近とりあげられることが多いので、一応取り上げてみる。


重症喘息クラスター
Y軸:症状
X軸:好酸球性気道炎症


Haldar P, Pavord ID, Shaw DE, et al. Cluster analysis and clinical asthma phenotypes. Am J Respir Crit Care Med 2008;178(3):218–224

http://www.studereninleiden.nl/images/uploads/Biomedisch/Martinez_-_Asthma_-_review_-_Lancet_2013.pdf
(オレンジ暖系色:プライマリ・ケア、青色:二次医療機関)


・症状コントロール
・喀痰中好酸球比率判定による好酸球性炎症
という要素により
Concordant disease:症状ベース治療補正アプローチ対応可能型
Benign asthma(中年コホート、良好コントロール症状・炎症・良好な予後群)
Early-onset atopic asthma(症状・炎症・気道閉塞の程度
Discordant disease:対応不能型
Discordant symptoms:炎症モニタリングにてステロイドdowntitrationとなる群
(1) Early-symptome predominant : 早期発症、アトピー性、BMI正常、自覚症状発現高度
(2) Obese non-eosinophilic asthma :後期発症、女性優位、症状発現高度

Discordant inflammation:炎症モニタリングにて急性増悪回数軽減のための目標ステロイド治療となる群 : 後期発症、男性優位、症状日数は少ないが、好酸球性炎症高度



 【Th2高度phenotypeとTh2低度phenotype】





著者等解説
 http://www.medscape.com/viewarticle/774254_5





夢の中身を操作する・・・脳電気刺激電流にて、自省的明晰夢をもたらす

REM睡眠中の低γ帯の電流刺激で、脳の活動性、そして、夢の中での自己反省(self-reflexion)自覚をもたらす。他の周波数ではその効果は無く、どうも、25−40Hzの同期性oscillationと関連するものと考えられる。


lucid dreaming(明晰夢)とは、自分で夢と分かって自覚しながら見る夢

上記のような電気刺激で、明晰夢を誘発する

解説一般記事:http://www.vox.com/2014/5/11/5707204/scientists-switch-on-lucid-dreaming

臨床応用として、PTSD、夜驚症などへの臨床応用が考えられるとのこと。

24名のボランティアにて、明晰夢歴調査
40Hzの電気刺激で、77%に明晰夢を誘導成功




Induction of self awareness in dreams through frontal low current stimulation of gamma activity
Ursula Voss, et. al.
Nature Neuroscience (2014) doi:10.1038/nn.3719

同時に脳の活動性の客観的評価も行い、誘発シグナルの確認も行った。

寿命促進遺伝子変異:KLOTHO・VS変異は、IQと関連 、加齢とともにその影響低下

KL遺伝子VS変異だが、これは寿命促進的働きをしめす。またこれは、IQ-boosting gene:知能向上遺伝子としての側面もある。


参考→http://genetics.fc2web.com/file/klotho.html 
近年の研究で、「klotho遺伝子」という遺伝子がみつかり、この遺伝子が活性型ビタミンDの合成を負に制御する回路を構成しており、klotho遺伝子が欠失してしまうと、生体の恒常性維持を担うカルシウムホメオスタシスが破綻し、多彩な老化症状をもたらす、ということが明らかになった。klotho遺伝子は動物個体の発生・成熟・機能維持にかかわる遺伝子群の一つであるが故に、同時に老化を制御する遺伝子プログラムの構成要素となりうる。



加齢時期においては、この遺伝子の認知機能障害への影響すくなく、この働きを促進させることで、認知症治療に使えないかと筆者等は考えているらしい。
http://dailydigestnews.com/2014/05/scientists-discover-iq-boosting-gene/

(やぶにらみで見れば、加齢関連認知機能障害には影響与えてないという見方もできるとおもうけど・・・。 創薬に関係するという結論の方が、一般受けするからそういうきさいになってるのでは?)


Life Extension Factor Klotho Enhances Cognition
Dena B. Dubale et, al,
Cell Reports
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2014.03.076





加齢は、認知機能衰弱主要リスク要素で、高齢化する全世界にとって大きな問題。kothoなどのような抗加齢要素が認知機能衰弱へ影響を与えるかの検討。
KLOTHO遺伝子長寿化変異、KL-VSは、heterozygous carrierでの認知機能向上と関連し、トランスジェニック/マウスでklothoのシステマティックな過剰発現についての検討。

学習・記憶の多検査において、パフォーマンスは、変異にて良好で、synaptic plasticity(神経可塑性)の一形態である、long-term potentiationを示し、シナプス GluN2B、n-メチル−D-アスパラギン酸受容体 (NMDAR)サブユニットといった、学習・記憶に関わるキーファンクションを促進する。

GluN28遮断にて、klotho-介在作用が消失する。klotho作用は、若年マウスで明確で、ヒトにおいては加齢と共に相関性をしめさず、加齢プロセスとは独立していると判断。

klothoの機能、その効果は、認知機能促進的に働き、年齢時期においてその認知機能低下に関わる影響が異なる。

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