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2022年11月1日火曜日

先行急性増悪の回数と重症度にてその後の急性増悪・死亡率予後を推定

急性増悪の重症度

中等度増悪事象は、増悪診断コード、抗生物質とOCSの5~14日間の処方、過去に検証された定義に基づく記録された症状の組み合わせによりGPに記録された事象と定義

先行急性増悪の回数と重症度にてその後の予後を推定


Frequency and severity of respiratory infections prior to COPD diagnosis and risk of subsequent postdiagnosis COPD exacerbations and mortality: EXACOS-UK health care data study 

Hannah Whittaker, et al.

http://orcid.org/0000-0003-0149-4869

https://thorax.bmj.com/content/early/2022/10/31/thorax-2022-219039


概要

【目的】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症前の下気道感染症(LRTI)が、将来の増悪や死亡率とどのように関連するかについてはほとんど知られていない。イングランドの COPD 患者を対象に、この関連性を調査した。


【方法 】Clinical Practice Research Datalink Aurum, Hospital Episode Statistics and Office of National Statistics dataを使用

追跡開始日は患者の最初のCOPD診断日とし、追跡開始前の1年間のベースライン期間を軽度のLRTI(一般診療(GP)イベント/抗生物質なし)、中度のLRTI(GPイベント+抗生物質)、重度のLRTI(入院)に割り付け

被験者をカテゴリー分け none, 1 mild only, 2+ mild only, 1 moderate, 2+ moderate and 1+ severe

Negative binomial regression modelにより、ベースラインのLRTIとその後のCOPD増悪の関連をモデル化し、Cox比例ハザード回帰により死亡率を検討


【結果 】 COPD患者215 234人において、軽度および中等度のLRTIの頻度と重症度の増加は、LRTIの記録がない場合と比較して、その後の増悪率の増加と関連していた(1軽度調整IRR 1.16, 95% CI 1.14~1.18, 2+軽度IRR 1.51, 95% CI 1.46~1.55, 1中度IRR 1.81, 95% CI 1.78~1.85, 2+中度IRR 2.55, 95% CI 2.48~2.63).

1+ severe LRTI (vs no baseline LRTIs) 症例では、将来の増悪の割合も増加した(調整後IRR 1.75、95%CI、1.70~1.80)。

この関連パターンは、全死亡およびCOPD関連死亡のリスクについても同様であった。1+ severe LRTIs を有する患者は、全死亡およびCOPD死亡のリスクが最も高かった。

Fig2:急性増悪頻度rate ratio Fig3 死亡率

 

【結論 】COPD診断前のLRTIの頻度と重症度が高いほど、その後の増悪の割合が高くなり、全死亡およびCOPD関連死亡のリスクが高くなることが示唆された。


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2022年5月6日金曜日

ERSステートメント:COPD急性増悪管理評価のための臨床トライアルのコア・アウトカム・セット

 

BOX1 COPD増悪の管理を評価する臨床試験の中核となるアウトカムセット

1) 死亡

 a) いかなる原因による死亡

 b) COPD増悪による死亡

2) 治療の成功

3) 高次治療の必要性

 a) 現状の増悪に対する入院の必要性

 b) 増悪のための集中治療室への入院の必要性

4) 血液中の酸素と炭酸ガスの濃度(動脈血ガス濃度)

5) 患者が報告するアウトカム

 a) 息苦しさ

 b) 健康関連QOL(生活の質

 c) 日常生活動作

 d) 初期治療後の症状悪化度

6) 将来への影響

 a) 疾患の進行

 b) 将来の増悪

 c) 将来の入院

7) 安全性

 a) 治療による重篤な有害事象

 b) 耐性菌の発生

 c) 肺炎の発症

8)治療アドヒアランス



急性増悪はCOPDと診断された患者の約3分の1は少なくとも1回の中等度または重度の増悪を経験し、9~16%はさらに頻繁にこれらの事象を経験する。重要なことは、毎年、COPD患者の20人に1人、二次医療でCOPDをモニターしている患者の4人に1人が重度の増悪を経験、90日死亡率がおよそ15%になる。新しい維持療法により増悪の発生は減少したが  、その管理は最適とは言えず、何十年も変わっていない。。しかし、近年、増悪の複雑さと不均一性、およびその基礎となるメカニズムがますます理解されてきて、さらに、有望なバイオマーカーの臨床的検証は、増悪を管理するアプローチを変革する可能性のある精密医療介入の導入への道を開くものである。したがって、今後数年間は、精密医療介入を含む新規治療法を評価するために、臨床試験の数が増加することが予想される。

しかし、COPD増悪の管理に関する臨床試験の設計と実施は、方法論的・実際的な課題によって複雑になっている。関連性があり、比較可能で、明確に定義された、患者にとって重要なアウトカムを選択し、一貫して使用することは、重要な課題である。最近のメタ疫学研究では、COPD増悪試験で評価・報告されるアウトカム、アウトカムの定義、評価方法には著しい異質性があることが明らかにされた  。このため、最近の関連するシステマティックレビューやメタアナリシスでは、利用可能なエビデンスの確実性に限界があると報告されている。この問題に対処するため、欧州呼吸器学会(ERS)はこのタスクフォースを結成した。

1) to develop a core outcome set for clinical trials evaluating the management of COPD exacerbations. A core outcome set is an agreed minimum set of critically important outcomes that should be evaluated in all future trials in a specific area of healthcare, aiming to improve their quality and comparability [27].


2) To prioritise a single instrument for measuring each of the core outcomes. The core outcome measurement instruments describe how each of the core outcomes should be evaluated in clinical trials [28].

このプロジェクトのアウトプットは、世界的なマルチステークホルダーによるコンセンサスに基づくものであった。

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ERS statement: a core outcome set for clinical trials evaluating the management of COPD exacerbations

Alexander G. Mathioudakis, et al., on behalf of the DECODE-NET

https://erj.ersjournals.com/content/59/5/2102006

European Respiratory Journal 2022 59: 2102006; 

DOI: 10.1183/13993003.02006-2021



概要

COPD急性増悪の管理を評価する臨床試験では,多様なアウトカムが評価され,臨床的に重要なアウトカムや患者にとってより重要なアウトカムが省略されることが多い.我々は,臨床試験の質と比較可能性を向上させるために,増悪管理に関する今後のすべての臨床試験で評価することを推奨する,重要なアウトカムのコンセンサスベースの最小セットであるコアアウトカムセットを開発した.COPD増悪のアウトカムは、方法論的システマティックレビューと世界11カ国の患者86人への定性的インタビューにより特定された。5大陸88カ国から1063人(患者256人、医療専門家488人、臨床研究者319人)が参加した2回にわたるデルファイ調査により、最も重要なアウトカムを優先的に選定し、コアアウトカムセットに組み込んだ。1)主要評価項目の最終決定と、2)各評価項目の評価に使用する測定器の優先順位付けのため、世界規模の仮想コンセンサス会議が2回実施された。コンセンサスは、厳密な方法論に基づいたシステマティックレビューによって得られたものである。COPD患者の意見は、プロジェクトのすべての段階で考慮された。生存率、治療の成功、息切れ、QOL、日常生活動作、より高度なケアの必要性、動脈血ガス、疾患の進行、将来の増悪と入院、治療の安全性とアドヒアランスはすべて主要アウトカムに含まれた。選択されたいくつかの測定方法の検証と最適化のために、焦点となる方法論研究が推奨された。委員会は、優先されたアウトカムと関連する測定方法が、患者や医療専門家にとって負担になるとは考えなかった。


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2022年3月2日水曜日

IPF急性増悪の候補的役割:Toll-like Receptor 3 L412F 多型

Toll-like receptor 3 Leu412Phe (TLR3 L412F) 多型は、細胞の抗ウイルス応答を減弱させ、特発性肺線維症(IPF)の疾患進行の加速と関連している。


エディトリアルから

特発性肺線維症(IPF)の臨床経過は予測不可能であり、かなりの患者さんで予後に大きな影響を与える急性増悪のエピソードが見られることが特徴。これらの事象は「急性増悪」と呼ばれ、特発性の場合もあれば、肺手術、化学療法、放射線療法、あるいは肺塞栓症、心不全、感染症などの既知の危険因子が認められる場合もある。しかし、IPFにおけるAEの発症機序はほとんど解明されておらず、有効な治療法がないのが現状。本号では、McElroyら(550-562頁)が、IPF患者のAEにおける細菌およびウイルス感染に対する反応の役割について詳細に検討している。この興味深い研究の出発点は、Toll様受容体3(TLR3)のSNPであるLeu412Phe(TLR3 L412F)がIPF患者の予後不良と関連することを示した同じ著者らによる過去の研究( O’Dwyer DNArmstrong METrujillo GCooke GKeane MPFallon PGet al. The Toll-like receptor 3 L412F polymorphism and disease progression in idiopathic pulmonary fibrosisAm J Respir Crit Care Med 2013;188:14421450.)である。本研究では、この観察を拡張し、同じSNPが感染症に対する反応に影響を与え、それがIPFのAE関連死(AE-IPF)と関連するかどうかを確立した。228人のIPF患者を調査し、そのうち107人が412Fヘテロ接合体または412Fホモ接合体であった。興味深いことに、彼らは、412F変異型IPF患者では、野生型L412 IPF患者と比較して、AE関連死亡が有意に増加していることを報告している。

著者らは、412F変異型IPF患者におけるAE関連死亡のリスク上昇は、感染症に対応できないことがある程度関係していると仮定している。実際、彼らは、この多型を発現するIPF患者由来の初代ヒト肺線維芽細胞は、異なるTLR病原体関連分子パターンに対する宿主免疫反応の低下と、IFN刺激遺伝子の転写の減少を示し、したがって、細菌およびウイルス感染に対する反応が損なわれていることを示唆していることを実証している。


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2021年11月27日土曜日

中等症以上COPD急性増悪予防:アジスロマイシンのbenefit-harm解析にて有益性

「ロフルミラストは一般的に純有害であり、純有益である確率は、ベースラインの重度増悪リスクが22%/年以上の患者においてのみ60%以上である」

対して、「GOLD グレード II 以上の患者で、最大限の吸入療法を行っているにもかかわらず増悪歴があり、ベースラインの心電図で QTc 間隔が正常で、喘息の併発や既存の聴覚障害がない場合、アジスロマイシンの追加が正味の利益をもたらすことを実証」とのこと

 

 

2021年11月15日月曜日

COPD急性増悪:4m歩行速度試験による退院後リスク評価

4m歩行速度試験:4MGS test

4MGSテストの実施時間はわずか2分で、ストップウォッチと短い講習を受けるだけなので、家庭を含むほとんどの臨床現場でCOPD患者のアウトカムツールとして利用できる可能性があります

https://erj.ersjournals.com/content/erj/43/5/1298.full.pdf

2021年10月7日木曜日

COVID-19流行下ロックダウンによる気管支拡張症急性増悪:頻度減少 ただ、症状に関しては影響無し

まずはエディトリアルから

ライノウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス、エンテロウイルス、呼吸器合胞体ウイルスなど、一般的に流通している呼吸器系ウイルスは、感染者に多大な犠牲を強いる。風邪」と呼ばれる症状が最も多いかもしれませんが、ライノウイルスは市中肺炎の原因として最も頻度が高く、ウイルス性肺炎は重症肺炎の3分の1を占めている。また、慢性閉塞性肺疾患や喘息の増悪には呼吸器ウイルスが大きな割合を占めており、一見、合併症のない呼吸器ウイルス感染症でも、脳卒中や心筋梗塞などの血栓性イベントを引き起こす。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)とは無関係のウイルス性呼吸器感染症が直接の原因で、米国では年間15万人以上、世界では300万人以上が死亡していると推定されている。

日本や中国などのアジア地域では、「風邪」をひいて人と接する際には、マスクを着用することが礼儀とされてきた。また、公衆衛生の専門家は、ウイルス性の呼吸器感染症にかかっている人は、他人と一緒に仕事をするのを控えるよう、長年にわたって推奨してきた。これまで、マスクの着用や物理的な距離の取り方を支持する人口ベースのデータはなかったが、SARS-CoV-2のパンデミックによって、これらの習慣の有効性が証明されま。世界中のデータから、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、慢性閉塞性肺疾患の増悪、その他の呼吸器感染症の発生率が低いことが示されており、これは、SARS-CoV-2の地域社会での感染を最小限に抑えるように設計された公衆衛生上の介入策の実施と相関しており、これらの対策が緩和されると同時に増加することがわかっている。

呼吸器系ウイルスは、急性増悪を起こした気管支拡張症患者の約50%の喀痰から検出されることから、パンデミック中は増悪率が低下するのではないかと考えられました。この研究には、スコットランドのダンディーにあるナインウェルズ病院から、欧州連合の気管支拡張症研究の多施設登録であるEuropean Multicentre Bronchiectasis Audit and Research Collaboration(EMBARC)Registryに登録された患者が対象となった。

幸運なことに、研究者らはこの時期、新しい気管支拡張症の患者報告式アウトカムツールであるBronchiectasis Impact Measureを研究しており、増悪率に加えて慢性的な症状を評価することができた。自己申告の増悪は、抗生物質の処方記録で確認した。


著者らは173人の患者を登録したが、19人が追跡調査を受けられず、7人が死亡し、147人が解析対象となった。これらの患者のうち、82%ができるだけ家を出ず、他人との接触を最小限にすることを報告していた。彼らは、スコットランドで「ロックダウン」が始まる時期に相当する2020年3月から2021年3月の増悪の頻度と慢性症状の程度を、その前の2年間の同時期と比較した。 

Fewer Bronchiectasis Exacerbations during the “Lockdown” for COVID-19: Can We Convert Knowledge into Action?

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine   Volume 204, Issue 7 

https://doi.org/10.1164/rccm.202107-1731ED 

https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202107-1731ED



本号では、スコットランドのCrichtonら(857-859ページ)が、コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに対応した公衆衛生対策によって、気管支拡張症の急性増悪の頻度が減少したかどうかを調べている。

元論文:


The Impact of the COVID-19 Pandemic on Exacerbations and Symptoms in Bronchiectasis: A Prospective Study

Megan L. Crichton , et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine

 Volume 204, Issue 7 

https://doi.org/10.1164/rccm.202105-1137LE       PubMed: 34265234 

https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.202105-1137LE


3年間の観察期間中、1年ごとに0、1、2、3+の増悪を経験した患者の絶対数(各年のn=147人の総患者数)。

 

当初の研究では173人の患者を対象としました。19人の患者が追跡調査から外れ、7人の患者が死亡したため、今回の解析では147人の患者を対象としました。年齢の中央値(四分位範囲)は70(64~75)歳で、84(57.1%)の患者が女性でした。ベースラインのFEV1の平均値は、予測値84.0%(SD、28.4)でした。気管支拡張症重症度指標スコアの中央値は6(4~9)でした。64名(43.5%)の患者がHaemophilus influenzaeの慢性感染症に罹患し、25名(17.0%)の患者がPseudomonas aeruginosaの慢性感染症に罹患していました。患者のうち82.1%が、パンデミック中に「 “shielding” していたと回答しました。 “shielding” とは、英国で推奨されている、リスクが高く極めて脆弱な人々に対する追加的な防護策のことで、家を出る時間をできるだけ短くし、人と人との接触をすべて最小限にすることなどが含まれていました。コホート内でPCRにより重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染が確認された患者は2名のみであった。


ロックダウン期間中に報告された増悪の頻度は,統計的に有意に減少していた.年間の患者1人当たりの増悪回数は、2018/2019年が2.08回、2019/2020年が2.01回、2020/2021年が1.12回でした。図1によると、12カ月間に増悪が発生しなかった患者数は、2018/2019年の22.4%、2019/2020年の25.6%から、2020/2021年の52.3%に増加した。年度間のペアデータをウィルコクソンマッチドペア符号付順位検定を用いて比較したところ、2020/2021年と2018/2019年および2019/2020年の両方との間で、増悪が有意に減少したことが示されました(いずれの比較においてもP < 0.0001)。また、重度の増悪による入院を経験した患者の割合は8.8%で、前2年のそれぞれ14.3%、16.3%よりも低い値でした。2020年/2021年に増悪が続くこととどのような臨床パラメータが関連するかを負の二項モデルで分析したところ、過去の増悪頻度(率比[RR]、1.20;95%信頼区間[CI]、1.07~1.35;P=0.002)と緑膿菌の慢性感染(RR、1.78;95%CI、1.01~3.14;P=0.047)に有意な関連が認められた。


増悪の既往歴を調整したところ、症状が重い患者ほど、2020年/2021年に増悪を経験する可能性が高かった。症状としては、痰の出方(RR, 1.14; 95% CI, 1.05-1.24; P = 0.002)、呼吸困難(RR, 1.11; 95% CI, 1. 02-1.21、P = 0.018)、疲労感(RR、1.14、95%CI、1.04-1.24、P = 0.004)、活動性(RR、1.13、95%CI、1.03-1.23、P = 0.007)、総合的な健康状態(RR、1.11、95%CI、1.02-1.21、P = 0.022)、コントロール(RR、1.12、95%CI、1.03-1.22、P = 0.006)。増悪と有意に関連しなかった領域は、咳のみであった(RR, 1.08; 95% CI, 0.99-1.18; P = 0.07)。


ロックダウン前とロックダウン中にBIMを用いて患者の症状を比較したところ、咳、痰、呼吸困難、疲労感、活動性、全体的な健康状態、コントロール、増悪が患者のQOLに与える影響に有意な差は見られなかった(表1)。



このことは、「Quality of Life Questionnaire-Bronchiectasis」という質問票でも指摘されており、各時点でBIMと一緒に記入された呼吸器症状のスコアには有意な変化が見られなかった。なお、BIM質問票では、増悪の頻度ではなく、増悪が生活の質に与える影響について尋ねていることに注意が必要である。

要約すると、気管支拡張症の増悪頻度は、2020年3月から2021年3月までの間に、前2年間の同時期に比べて顕著に減少していた。呼吸器症状は、プレパンデミック期からパンデミック期にかけて変化はなかった。これらのデータは、気管支拡張症の増悪の病因に外部環境因子が重要な役割を果たしていることを裏付けている増悪の頻度が減少した理由としては, circulating virusesの減少が最も有力であるが(5),交通関連の大気汚染の減少など,他の要因も考えられる(9).医療機関へのアクセスの低下、すなわち患者が医療機関への接触を避けることも、今回の結果の別の説明として考えられるが、調査期間中、この地域ではバーチャルアポイントメントによってプライマリケアとセカンダリケアへのアクセスがほぼ維持されていたため、その可能性は低いと思われる。また、患者が増悪したにもかかわらず治療を受けなかった場合、症状の悪化や入院を必要とする重度の増悪が起こると予想されますが、いずれも観察されませんでした。本研究の結果は、ロックダウン期間中に増悪の頻度が減少した慢性閉塞性肺疾患などの他の疾患における観察結果と一致している(10)。今回の研究では,単施設であること,サンプル数が比較的少ないこと,増悪時のウイルスに関するデータがないことなどの制約があり,増悪抑制のメカニズムを確認することはできなかった。また、本研究では、パンデミック前に確立されたコホート内で、症状と増悪の評価を標準化して行うことができたというユニークな強みもある。


以上のことから、COVID-19パンデミックの最初の12カ月間におけsocial distanceは、気管支拡張症の増悪の顕著な減少と関連していたが、個々の慢性呼吸器症状には変化がなかった。

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2021年7月2日金曜日

糖尿病治療薬GLP-1受容体アゴニストの糖尿病急性増悪抑制効果の可能性

 

肥満は喘息に関するリスクの1つである。関連する2型糖尿病の関連も考えられる。糖尿病治療薬のGLP-1受容体アゴニストは、肺疾患におけるGLP-1シグナル伝達の役割も考えられ、2型糖尿病における喘息へのベネフィットが考えられる


Asthma Exacerbations in Patients with Type 2 Diabetes and Asthma on Glucagon-like Peptide-1 Receptor Agonists
Dinah Foer , et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 203, Issue 7

https://doi.org/10.1164/rccm.202004-0993OC       PubMed: 33052715

https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.202004-0993OC


【序文】GLP-1R(グルカゴン様ペプチド-1受容体)アゴニストは、2型糖尿病および肥満症の治療薬として承認されています。GLP-1Rアゴニストは、前臨床モデルにおいて、気道の炎症や反応性の亢進を抑制します。

【目的 】GLP-1Rアゴニストを処方された2型糖尿病および喘息の成人患者と、糖尿病治療強化のためにSGLT-2(ナトリウム-グルコース共輸送体-2)阻害薬、DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)阻害薬、スルホニル尿素薬、基礎インスリンを処方された患者との間で、喘息の増悪および症状の発生率を比較する。

【方法】本研究は、2000年1月から2018年3月までにアカデミック・ヘルスケア・システムで新たにGLP-1Rアゴニストまたは比較薬を処方された2型糖尿病および喘息患者を対象とした、電子カルテベースの新規使用者、アクティブ・コンパレータ、レトロスペクティブ・コホート研究である。

主要アウトカムは喘息の増悪、副次的アウトカムは喘息症状の遭遇。GLP-1Rアゴニストと非GLP-1Rアゴニストの使用について、傾向スコアを算出した。Zero-inflated Poisson回帰モデルでは、複数の共変量の調整を行った。

【測定方法と主な結果】 GLP-1R作動薬(n=448)、SGLT-2阻害薬(n=112)、DPP-4阻害薬(n=435)、スルホニル尿素(n=2,253)、基礎インスリン(n=2,692)のいずれかを開始した患者を特定した。6ヵ月後の喘息増悪回数は、GLP-1Rアゴニストを開始した人の方が、SGLT-2阻害剤に比べて少なかった(発生率比[IRR]、2. 2.98、95%信頼区間[CI]、1.30-6.80)、DPP-4阻害薬(IRR、2.45、95%CI、1.54-3.89)、スルホニル尿素薬(IRR、1.83、95%CI、1.20-2.77)、基礎インスリン薬(IRR、2.58、95%CI、1.72-3.88)と比較して、GLP-1R作動薬の投与開始者(基準)では、喘息増悪回数が少なかった。また、GLP-1Rアゴニスト使用者では、喘息症状による医療機関への受診が少なかった。

【結論】2型糖尿病のためにGLP-1Rアゴニストを処方された成人喘息患者は、治療強化のために開始された他の薬剤と比較して、喘息の増悪回数が少なかった。GLP-1Rアゴニストは,代謝異常を伴う喘息の新たな治療法となる可能性がある。


キーワード:抗喘息薬、2型糖尿病、電子カルテ

【序文から】

代謝機能障害は、一般的で困難な併存喘息状態を表す。インスリン抵抗性とメタボリックシンドロームは、喘息の発症と悪化のリスクに関連。喘息の患者の中で、BMIまたは肥満が高い患者は、投薬と医療の利用率が高く、症状のコントロールが不十分であり、代謝機能障害が喘息の重症度に寄与することを示唆している。以前の研究では、インスリン抵抗性を改善するいくつかの医学的治療法(メトホルミン、スルホニル尿素)が喘息コントロールを改善することが示されている。呼吸器疾患のない2型糖尿病(2型糖尿病)の患者からの限られた観察データは、メトホルミンと組み合わせたグルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)アゴニストがベースラインの呼吸機能を改善する可能性があることを示唆している。ただし、インスリンやDPP-4阻害剤などの他の糖尿病治療薬の使用は、喘息の発症リスクに影響を与えない。したがって、代謝経路を標的とする治療法は、喘息患者のかなりの割合で喘息コントロールを達成するための鍵となる可能性がある。グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、炭水化物、脂肪、タンパク質の摂取によって刺激され、腸と中枢神経系から分泌されるホルモンであり、それによって代謝、心臓血管、神経保護の活動を調節する。 GLP-1Rアゴニストは、2型糖尿病に対するメトホルミンを超えた治療強化への段階的アプローチの一部としてFDAに承認されている。クラスとして、GLP-1Rアゴニストは、低血糖のリスクが低く、心血管および腎のリスクが低下し、すべての原因による死亡率が低い2型糖尿病患者において、インスリンを増強し、グルカゴン分泌を抑制する GLP-1Rシグナル伝達はまた、胃内容排出の遅延と満腹感の増加を通じて体重減少を促進し、正常血糖患者の体重管理に関するFDAの承認につながる。GLP-1Rは肺上皮細胞と内皮細胞に見られ、可能性が強まる。肺疾患におけるGLP-1シグナル伝達の役割。前臨床マウスおよびexvivoモデルでのGLP-1Rアゴニストの投与は、アレルギー性およびウイルス性気道炎症を有意に抑制し、気道好酸球増加症、粘液産生、および過敏性を減少させる。ただし、GLP-1Rアゴニストの使用がヒトの喘息増悪および喘息コントロール(症状)に及ぼす影響は評価されていない。米国の大規模な学術医療システムの電子健康記録(EHR)からの実世界のデータを分析して、GLP-1Rアゴニスト療法の開始が、治療強化に使用される他の治療法の開始と比較して、喘息の悪化および喘息症状の減少と関連しているかどうかを判断した。喘息患者の2型DMの。これらの研究の結果のいくつかは、以前に要約の形で報告されている。


2020年11月30日月曜日

COPDにおけるsmall airway 機能障害、購入急性炎症、急性増悪との関連性


小気道(small airway)は、COPD発症前からのprodrome所見という考えもあるだろうが、COPDの併存状態での評価ということになる

CTでの評価、body plethysmography、それにFOT指標、Multiple Breath Nitrogen Washout (MBNW) を指標として評価したところ、急性増悪頻回群は、BAL好中球数増加、R5-R19やAXというFOT指標、RV/TLC、paired CT scanの平均肺密度と相関ということに


【序文から】

小気道の変化は、換気の不均一性と gas trappingの増加によって識別できるが、このSADの測定のための普遍的に合意されたゴールドスタンダードは存在しない。

SADの間接的な測定法であるガストラップは、paired high resolution  computed tomography (HRCT) scan and/or body plethysmographyを用いて評価することができる。

HRCT測定では、呼気スキャンの平均肺密度(MLD)と吸気スキャンの平均肺密度(MLD E/I)の比(MLD E/I)が得られ、不完全な容積減少による呼気後の低減衰領域の増加( increased low attenuation areas after expiration due to incomplete volume reduction)を反映しています。 

Body plethysmography では、小気道内の病理学の結果として不完全な体積減少のためにも上昇しているResidual volume to total lung capacity ratio (RV/TLC) が得られます。 

まだルーチンの臨床には採用されていませんが、Forced Oscillation  Technique (FOT) とMultiple Breath Nitrogen Washout (MBNW) から得られた測定値は、喘息とCOPDのSADに起因する換気の不均一性と関連していることが示されており、MBNWは最近COPDの集団で実行可能であることが示されています。

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Interrelationships between small airways dysfunction, neutrophilic inflammation andexacerbation frequency in COPD

Kerry Day, et al.

CHEST journal

Published:November 24, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.11.018

https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(20)35299-5/

背景

小気道疾患(SAD)はCOPDの主要な構成要素であり、肺機能低下の主な要因となっている。

研究内容

小気道疾患は頻繁に起こるCOPDの増悪の主な特徴であり、これは気道炎症と関連しているのか?

研究デザインと方法

増悪頻度の高いCOPD患者(年間2回以上の増悪、n=17)と頻度の低い増悪患者(年間1回以下の増悪、n=22)のどちらかと定義された39人のCOPD患者が、 Forced Oscillation Technique (R5-R19, AX), multiple breath nitrogen washout (S <sub>cond</sub>, S <sub>acin</sub>), plethysmography (RV/TLC), single breath transfer factor (TLCO), spirometry (FEV 1%, FEV 1/FVC) とpaired inspiratory – expiratory CT scansを行い、小気道疾患を確認した。亜集団は気管支鏡検査を受け、BAL細胞の割合を集計できるようにした。

結果

細葉換気不均一性(S <sub>acin</sub>)は、IEと比較してCOPD FE群で有意に高かった(P = 0.027)。 

FE群では、SADのマーカーは、BAL好中球割合、R5-R19(P = 0.001、r = 0.795)、AX(P = 0.049、rho = 0.560)、RV/TLC(P = 0.004、r = 0.730)、およびペアCTスキャンの平均肺密度(P = 0.018、r = 0.639)と強く関連していた。

解釈

細葉換気の不均一性の増加は、以前の急性増悪の結果かもしれないし、増悪を起こしやすい患者群を強調しているかもしれない。SADの測定値は、FEの小気道における好中球性炎症と強く関連しており、このことは、頻繁な増悪が細胞性炎症の増加に関連した小気道疾患と関連しているという仮説を支持するものであった。



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FOT、RV/TLC測定可能となっているから、SAD指標として再認識しようっと

2020年11月13日金曜日

COPD急性増悪リスク予測:好酸球比率の方が好酸球数より優秀?

後顧的解析なのでエビデンスレベルとしては相対的に低いのがだ、好酸球比率の方が好酸球数よりCOPD急性増悪リスク予測としてはROC曲線上優秀



Blood Eosinophil and Risk of Exacerbation in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Patients: A Retrospective Cohort Analysis

 International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease  Published 10 November 2020 Volume 2020:15 Pages 2869—2877

https://www.dovepress.com/blood-eosinophil-and-risk-of-exacerbation-in-chronic-obstructive-pulmo-peer-reviewed-fulltext-article-COPD

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は一般的に好中球性気道炎症と関連していますが、COPD患者の20~40%に好酸球性気道炎症が認められており、喀痰の好酸球性によって証明されていることに注意することが重要です1。血中好酸球は、病状が安定している時と増悪時に、COPDの増悪と入院後の再入院のリスクの増加と関連していた。

しかし、COPD患者の血中好酸球に関するいくつかの問題については、さらなる調査が必要である。血液中の好酸球数と増悪リスクとの関係については、いくつかの研究で相反する結果が得られている。喀痰好酸球数のカットオフレベルは、末梢白細胞数の 2%以上の好酸球数であることが以前に報告されており、ICS の有効性を予測する上で高感度であることが報告されていますが、他の研究では、より高いカットオフパーセンテージまたは絶対好酸球数を使用しています。本研究の第一の目的は、指標血球数の12ヵ月後における、高血中好酸球群(ベースラインの好酸球数が総白血球数の2%以上の患者と定義)と低血中好酸球群(ベースラインの好酸球数が2%未満の患者)との間でCOPDの増悪頻度を比較することである。副次的な目的は、好酸球数が多い群と少ない群の臨床的特徴を比較すること、血中好酸球数の異なるカットオフ値(2%、4%、6%)に関連した増悪頻度を調査すること、増悪リスクを鑑別するための最適な血中好酸球率または絶対数のカットオフ値を決定することであった。


目的:血中好酸球は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の好酸球性炎症を反映するために利用可能なバイオマーカーであるが、増悪との関連性は明らかにされていない。好酸球率と絶対好酸球数のどちらを使用すべきか、また、増悪予測に最適なカットオフ値は何かは不明である。

患者と方法:合計 247 人の COPD 患者がこのレトロスペクティブコホート研究に含まれた。病状安定期の血中好酸球、ベースラインの人口統計学、指標完全血球数(CBC)後12ヵ月間の臨床的特徴を記録した。2%をカットオフとし、血中好酸球率が高い患者と低い患者の間で増悪頻度を比較した。ROC分析を行った。

結果:血中好酸球率が2%以上の患者は、指標CBC後12ヵ月間に好酸球率が2%未満の患者に比べて増悪頻度が高かった(平均増悪1.07 vs. 0.34、p<0.001)。血中好酸球率が高いほど、増悪のリスクが高いことが示唆された。血中好酸球率が2%以上の場合の指標CBC後12ヵ月間における増悪の調整オッズ比は2.98(95%信頼区間=1.42~6.25)であった。好酸球率のROC曲線下面積は、絶対好酸球数よりも有意に高かった(0.678 vs 0.640、p = 0.010)。増悪予測のための血中好酸球率の最適カットオフは2.8%であった。



Figure 3
 Receiver operating characteristics curve of blood eosinophil for prediction of exacerbation in 12 months after the index complete blood count.

 

結論:血中好酸球率はCOPD患者における増悪リスクの増加と関連していた。COPDにおける好酸球性炎症のメカニズムを解明し、増悪を軽減するための最適な治療戦略を決定するためには、さらなる研究が必要である。


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2020年9月11日金曜日

COPD:強制オシレーション day-to-day 変動指標はCOPD急性増悪早期検知指標?

COPD患者宅に forced oscillation technique (FOT) を置いてその変動で急性増悪を早期に検出しようという話

"閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者における連続陽性気道圧(CPAP)療法の適用により気道抵抗がどのように正常化されているかをモニタリングするのに非常に有用であることが示されている。この技術は、市販のCPAPデバイスに組み込まれており、処方された鼻圧を、夜間を通して各OSA患者に鼻圧を継続的に適応させる"というエディトリアルの記載のように非現実的ではないという



Day-to-day variability of forced oscillatory mechanics for early detection of acute exacerbations in COPD

Sabine C. Zimmermann, et al.

European Respiratory Journal 2020 56: 1901739; 

DOI: 10.1183/13993003.01739-2019

https://erj.ersjournals.com/content/56/3/1901739

背景 

慢性閉塞性肺疾患(AECOPD)の急性増悪の早期発見のためのテレモニタリング試験では、さまざまな結果が得られている。forced oscillation technique (FOT) によって測定された肺機能の日々の変化から、より大きな知見が得られる可能性がある。 

1)症状やQoL(Quality of Life)との関係 

2)AECOPD前のFOT測定値の変動と症状の変化のタイミングの観点から、 

FOT測定値の変動の在宅遠隔モニタリングの臨床的有用性を評価した。


方法 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者から、5 Hzでの毎日のFOTパラメータ(抵抗(R)とリアクタンス(X);Resmon Pro Diary, Restech Srl, Milan, Italy)、毎日の症状(COPD Assessment Test(CAT))、4週間ごとのQoLデータ(St George's Respiratory Questionnaire(SGRQ))を8~9ヶ月間にわたって記録した。RとXのばらつきは、7日間のランニングウィンドウにおける標準偏差(sd)として計算し、ウィンドウサイズを変化させた場合の影響も検討した。FOT対CATおよびSGRQの関係は、線形混合モデリング、AECOPD前のFOT変動性およびCATの日ごとの変化を用いて、一方向反復測定ANOVAを用いて評価した。


結果 

平均±SD 年齢 69±10 歳、1 秒間の予測強制呼気量(FEV1)が 39±10%の参加者 15 名のアドヒアランスの中央値(四分位間範囲(IQR))は 95.4%(79.0~98.8%) 

Xの吸気成分の変動(吸気リアクタンスの標準偏差(SDX<sub>insp</sub>)で示される)はCATに関連し、SGRQでは相関性弱い((fixed effect estimates 1.57、95%CI 0.65~2.49(p=0.001)、4.41, 95% CI −0.06 to 8.89 (p=0.05)。 

SDX<sub>insp</sub>はCATと同じ日(AECOPDの1日前、いずれもp=0.02)で有意に変化し、より短い実行ウィンドウを使用した場合はより早く変化した(AECOPDの3日前、p=0.01、5日前のウィンドウでは精度=0.72)。



結論 

FOTテレモニタリングによるSDXinspはCOPD症状を反映しており、AECOPDの早期発見のための感度の高いバイオマーカーとなる可能性がある

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 In conscious adults, the main application of oscillometry lies in the field of airways disease. Important variables in adults are the resistance and reactance at relatively low frequencies, e.g. 5 Hz (now separated into inspiratory and expiratory values), as well as data about the resistance at higher frequencies, e.g. 20 Hz, together with the frequency dependence of resistance (for example, the resistance reduction between 5 Hz and 20 Hz), which reflects the resistive properties of the periphery of the lung and chest wall as well as the degree of mechanical heterogeneity within the lungs. This variable has been shown to define discrete phenotypes among asthmatics [17]. Although initial data in stable COPD was rather disappointing [18], the recognition that tidal expiratory flow limitation (EFL) could be identified by looking at the difference between inspiratory and expiratory reactance values allowed for a better explanation of the effects of bronchodilators in COPD [19]. COPD patients with tidal EFL are more breathless and more likely to exacerbate than patients without tidal EFL [20, 21]. Respiratory system reactance and inspiratory resistance change as COPD patients recover from exacerbations [22], which has led workers in Sydney (Australia) to try to identify what happens to tidal breathing lung mechanics as exacerbations develop.

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さしあたり、モストグラフの⊿Xや⊿FresはCOPD管理上重要なようなので注目しておこう


 

2020年8月17日月曜日

COPD急性増悪:抗生剤再投与による効果は乏しい

COPD急性増悪は波状的に再発する場合が多く、筆者等のdiscussionにも、「ほとんどのCOPD増悪は約10日間続くが、中にはそれ以上続くものもあり、5週間後には25%が完全に回復していない場合もある。COPDの増悪のもう一つの特徴は、8週間以内に再び増悪を起こすリスクが高いことである。最初の増悪の14日後に測定された血清C-反応性蛋白(CRP)濃度の上昇が2回目の増悪の予測因子であることを報告しており、炎症反応を正常化できなかった場合には、次の増悪(再発)を引き起こす可能性があることを示唆」しているという記述がある

細菌感染と好中球性炎症、それに呼吸器系ウィルスが前後に関与していることが想定されるが、持続的なCRP増加は、細菌感染性成分を伴わない残存気道炎症負荷が主な原因であることが示唆され、実際喀痰中の細菌培養率も低く、抗炎症治療を主と考えるべきではないかという仮説が提示される


それを示唆する報告

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喀痰の多量化または喀痰量の増加に伴う増悪は、抗生物質で治療され、増悪の早期解決と次のAECOPDまでの時間の延長につながる。しかし、抗生物質による治療にもかかわらず、回復はしばしば遅れる。患者の4分の1以上がその後の8週間の間に別のイベントを経験する一方で、25%が5週間までにベースラインまで回復せず、3ヶ月までには3分の1以上の患者が回復しない。これらの再発イベントは死亡率の大幅な増加と関連しており、これにより、病院の再入院を回避することを目的とした医療サービスに対する経済的なインセンティブがもたらされている。

以前、我々は増悪後14日目に測定した血清C反応性蛋白(CRP)が、増悪後50日以内に再び増悪を経験した患者(再発増悪)では、増悪を経験していない患者(平均=3.4mg/dl)よりも高かったことを報告している。

最近の試験では、AECOPDの発症時にCRPをポイント・オブ・ケアで測定することで、健康状態のアウトカムに悪影響を及ぼすことなく、抗生物質治療を成功させることができることが実証されている。

Butler CC, Gillespie D, White P, Bates J, Lowe R, Thomas-Jones E, et al. C- Reactive Protein Testing to Guide Antibiotic Prescribing for COPD Exacerbations. New England Journal of Medicine. 2019;381(2):111-20. 

https://www.nejm.jp/abstract/vol381.p111

AECOPDの不回復に対する更なる抗生物質治療の有効性を評価した研究はなかった



Antibiotic Retreatment for Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Volume 202, Issue 4, Page 481-482, August 15, 2020. 

https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.201910-2058OC

根拠

COPDの増悪は回復しない傾向にあるが、このような長期化したイベントに対する再治療の有効性についてのデータはない。不完全に治癒したCOPD増悪に対してシプロフロキサシンをさらに投与することで、次のイベントまでの期間が延長するかどうかを検討した。

方法

この多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、症状が持続し、かつ/または血清C-反応性蛋白(CRP)が8mg/L以上であるGOLDステージII~IVのCOPD患者を対象に、COPDの指標となる増悪から14日後(+/-3日後)に開始された、シプロフロキサシン500mgの経口薬またはプラセボを1日2回、7日間投与することで再治療を行った。主要評価項目は、90日以内の次の増悪までの期間であった。

結果

4つのセンターでスクリーニングされた826人の患者のうち、回復が不完全な144人が、シプロフロキサシン(n=72)またはプラセボ(n=72)の投与に無作為に割り付けられた。無作為化後90日以内に、シプロフロキサシン群では57%、プラセボ群では53%の患者が1回以上の増悪を経験した。次の増悪までの期間の中央値は、プラセボ群で32.5日(IQR 13~50)、シプロフロキサシン群で34日(IQR 17~62)であり、有意差は認められなかった(調整後ハザード比=1.07、95%CI 0.68~1.68、p=0.76)。治療群間では、QOLスコアや肺機能に有意差は認められなかった。


結論

COPD増悪後14日目に症状が持続し、かつ/またはCRPが上昇した患者において、シプロフロキサシンの追加コースを投与しても、プラセボと比較して効果は認められなかった。このことは、非回復性の増悪は進行中の細菌感染によって引き起こされるものではなく、抗炎症療法の対象となる可能性があることを示唆している。


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2020年4月17日金曜日

気管支喘息:年間SABA収集数増加すると急性増悪も死亡リスク増加する

様々な理由で、短時間作用Β刺激剤:SABA(メプチンやサルタノールなど)の処方要求が多い症例がある。多いのはコントローラー治療の重要性を再三助言してもSABAに頼る症例で、最大限のICS使用、LAMA併用でもコントロール困難な症例で、Bio製剤適応だが、医療費の問題で困難な事例など・・・


SABA使用がいかにリスキーなのか・・・明確化してくれた報告


以下の論文の序文
過去20年の間に喘息コントロールの改善が見られず 、死亡率は平準化している が、これは吸入コルチコステロイド(ICS)のアドヒアランス不良および/または症状緩和のための短時間作用型β2-アゴニスト(SABA)の過剰使用に関連している可能性がある 。SABAの過剰使用の増加傾向は憂慮すべきものであり、これらの薬剤は症状を悪化させる根本的な炎症性病理に対処していないからである。実際、Global Initiative for Asthma(GINA)の最新の報告書では、SABA単独での治療は推奨されておらず、このような治療法は重度の増悪からは保護されず、定期的または頻繁な使用は実際にそのようなイベントのリスクを増加させると指摘されている。単剤療法としてもICSとの併用療法としても、SABAの過剰使用は増悪のリスクと関連しており、過剰使用(年間11本以上)は喘息関連の死亡リスクの増加と関連している

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スウェーデンの喘息患者の全国的コホートにおける8年間のSABAの使用状況を記述すること、SABAの過剰使用の人口統計学的および臨床的決定要因を評価すること、およびSABA(過剰)使用と増悪、全死因死亡、呼吸器関連死のリスクとの関連を調査した研究

Overuse of short-acting β2-agonists in asthma is associated with increased risk of exacerbation and mortality: a nationwide cohort study of the global SABINA programme
Bright I. Nwaru, et al.
European Respiratory Journal 2020 55: 1901872;
DOI: 10.1183/13993003.01872-2019
https://erj.ersjournals.com/content/55/4/1901872

背景
短時間作用型β2-アゴニスト(SABA)の過剰使用は、喘息のコントロール不良や健康上の悪影響を示す可能性がある。SABAの使用、危険因子、喘息の増悪および死亡率に対するSABA(過剰使用)の影響に関する現代の集団ベースのデータは乏しく、世界的なSABINA(SABA use IN Asthma)プログラムが開始された。

方法
スウェーデンの国別登録からのデータをリンクすることにより、2006年から2014年の間に2種類以上の閉塞性肺疾患治療薬のコレクションを持っていた12~45歳の喘息患者を対象とした。
SABAの過剰使用は、対象とした後の1年間のベースライン期間に2本を超えてのSABA canisterを収集したものと定義。
SABAの使用は、ベースライン1年あたり3~5本、6~10本、および11本以上のキャニスターにグループ分けされた。
Cox回帰を用いて、SABAの使用と増悪(入院および/または経口コルチコステロイドの請求)および死亡率との関連を検討した。
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【結果】
解析は 365324名の喘息患者(平均年齢 27.6歳; 女性 55%);フォローアップ平均 85.4ヶ月、SABA過剰使用 30%、年3-5 canister収集は21%、6-10 canister収集は 7%、11以上は 2%

SABA canister収集数は急性増悪リスク増加と相関
年間 2 canister数以下の患者群に比べたハザード比[HR]

  • 3-5 canister数/年1.26 (95% CI 1.24–1.28)
  • 6–10 canister数/年1.44 (1.41–1.46)
  • 11以上canister数/年 1.77 (1.72–1.83)


SABA使用回数多いほど死亡率リスクも漸増的増加
年間 2 canister数以下の患者群に比べたハザード比[HR]

  • 1.26 (95% CI 1.14–1.39)
  • 1.67 (1.49–1.87)
  • 2.35 (2.02–2.72)


結論 スウェーデンの喘息患者の3分の1は年間3本以上のSABAキャニスターを収集していた。SABAの過剰使用は、増悪と死亡のリスクの増加と関連していた。これらの所見は、SABA使用のモニタリングが喘息管理を改善する上で重要であることが協調される






Kaplan–Meier plot of overall survival by baseline short-acting β2-agonist (SABA) use.






Association between baseline short-acting β2-agonist (SABA) use and risk of mortality.
a) Overall mortality;
b) asthma-related mortality;
c) respiratory-related mortality.

Adjusted for treatment step, Charlson Comorbidity Index, sex and age. ≤2 canisters: patients collecting two or fewer SABA canisters during the baseline year; ≥3 canisters: patients collecting three or more SABA canisters during the baseline year; HR: hazard ratio.





吸入ステロイド療法が普及して無かった時代
べロテックだけを悪者にしたジャーナリストや薬害を煽る団体がいた
http://rods777.ddo.jp/~s002/tokusyuu/berosoukatu/berosoukatu.html


一方で、デポ注や経口ステロイドを混ぜて“名医”とされる医者もいっぱいいた





2020年2月25日火曜日

COPD急性増悪:抗生剤使用にて急性増悪改善、治療失敗確率減少

COPD中等度・重度急性増悪の68のRCTのシステマティックレビュー&メタアナリシス

対プラシーボおよび抗生剤無し管理に比べ、抗生剤と全身コルチコステロイドで症状改善効果 (odds ratio 2.03, 95% CI 1.47-2.80, moderate strength of evidence [SOE]) 、治療失敗率の減少 (OR 0.54, 95% CI 0.34-0.86, moderate SOE)をもたらす

特に抗生剤 3-14日投与は、急性増悪改善、治療失敗減少と関連し、これらは急性増悪重症度、外来・入院患者問わず



Pharmacologic Therapies in Patients With Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Systematic Review With Meta-analysis
Claudia C. Dobler, et al.
Published: Ann Intern Med. 2020. REVIEWS |25 FEBRUARY 2020
DOI: 10.7326/M19-3007
https://annals.org/aim/article-abstract/2761822/pharmacologic-therapies-patients-exacerbation-chronic-obstructive-pulmonary-disease-systematic-review


外来・入院 9-56日間の全身性ステロイド投与はプラシーボに比べて、介入終了時点での治療失敗を減少 (OR, 0.01 [CI, 0.00 to 0.13]; low SOE) するも、全てのあるいは内分泌関連副作用の数を増加させる
入院患者に於けるプラシーボ・通常ケアに比べ、他の薬物的介入(アミノフィリン、硫酸マグネシウム、抗炎症薬剤、ICS、SABA)はエビデンスとして不十分で、効果は結論づけできないか効果が無い (去痰剤:エルドステインを例外とする)が、肺機能のみ効果あり




2019年10月5日土曜日

急性増悪予後推定どっちが優秀?SGRQ定義 vs 古典的慢性気管支炎定義

SGRQ定義 vs 古典的慢性気管支炎定義



The St. George’s Respiratory Questionnaire Definition of Chronic Bronchitis May Be a Better Predictor of COPD Exacerbations Compared With the Classic Definition
Victor Kim,  et. al. ,COPDGene Investigators
CHEST  October 2019Volume 156, Issue 4, Pages 685–695
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.03.041
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(19)30881-5/fulltext


背景
慢性気管支炎(CB)は、COPD増悪のリスクを高める。 St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)CBの定義は、古典的定義のCBと同様の臨床表現型を持つ患者を識別することが(筆者等の研究で)示された。 SGRQ CB定義が将来のCOPD悪化の予測因子であるかどうかは不明。

序文の一部
慢性気管支炎はclassicalには慢性咳嗽・喀痰1年に3ヶ月以上かつ2年以上連続継続する場合と定義されている。この定義は長年スタンダードとして使用されているが、多くの研究では異なる定義が使用され、SGRQが多くのCOPD大規模臨床トライアルで採用、アンケートからCBの定義としている研究もある。筆者等の検討だと、このclassic 定義による同定した臨床的phenotype患者で50.9%多く同定されることを示した。


方法
7,557名の喫煙者:スパイロメトリ正常とGOLD stage 1-4 COPDを解析 ( Genetic Epidemiology of COPD study )を急性増悪に関する長軸的フォローアップデータで解析。 さらに、被験者はSGRQ CB +またはSGRQ CB–に分割。増悪頻度と重度の増悪頻度各グループ決定。classic CB or SGRQ CB、いずれかの関連する共変量を使用して、増悪頻度について多変数線形回帰を実施。

結果
classic CB+ 1434、SGRQ CB+ 2290

classic CB+群 vs 非 classic CB-群

  • 急性増悪/患者あたり 0.69±1.26対0.36±0.90 p<0.0001
  • 最重症急性増悪頻度/患者あたり/年間 0.69±1.26対0.36±0.90患者あたり年間の増悪 p<0.0001



SGRQ CB +群とSGRQ CB–群の間にも同様の違いがある


多変量解析では、SGRQ CBと classic CBの両方が増悪頻度の独立した予測因子となったが、SGRQ CBでより高い回帰係数を持つ。さらに、SGRQ CBは重度の増悪頻度の独立した予測因子だったが、古典的なCBはそうではない。

結論
SGRQ CBの定義は、従来のCBの定義よりも、将来の悪化のリスクがある被験者をより多く特つ。 SGRQ CBは、従来のCBよりも将来の増悪の予測因子としては良くないにしても、少なくとも類似していた。



これだけみれば、classic CB基準意味ないような気がするが・・・
意外とめんどくさい質問票をどうするか?

COPDGene Investigators. Comparison 1083 between an alternative and the classic definition of chronic bronchitis in 1084 COPDGene. Ann Am Thorac Soc. 1085 2015;12(3):332-339.
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1513/AnnalsATS.201411-518OC



Classic chronic bronchitis
 1. Do you usually have a cough? (Exclude clearing of throat.) Yes No
  If Yes, do you usually cough as much as 4 times a day, 4 or more days out of the week? Yes No
 2. Do you usually cough at all on getting up or first thing in the morning? Yes No
 3. Do you usually cough at all during the rest of the day or night? Yes No
  If Yes to any of the above (1–3), answer the following:
   Do you cough like this on most days, for 3 consecutive months or more during the year? Yes No
   For how many years have you had this cough? Number of years___
 4. Do you usually bring up phlegm from your chest? Yes No
  If Yes, do you usually bring up phlegm like this as much as twice a day, 4 or more days out of the week? Yes No
 5. Do you usually bring up phlegm from your chest on getting up, or first thing in the morning? Yes No
 6. Do you usually bring up phlegm from your chest during the rest of the day or at night? Yes No
  If Yes to any of the above (4–6), answer the following:
   Do you bring up phlegm like this on most days for 3 consecutive months or more during the year? Yes No
   For how many years have you had trouble with phlegm? Number of years___
 Chronic bronchitis = cough AND phlegm for at least 3 months a year for at least 2 consecutive years
SGRQ chronic bronchitis
 1. Over the last 4 weeks, I have coughed: Almost every day
Several days a week
A few days a month
Only with lung/respiratory infections
Not at all
 2. Over the last 4 weeks, I have brought up phlegm (sputum): Almost every day
Several days a week
A few days a month
Only with lung/respiratory infections
Not at all
 Chronic bronchitis = cough AND phlegm almost every day or several times a week
Definition of abbreviation: SGRQ = St. George's Respiratory Questionnaire.



2019年10月1日火曜日

COPD:ベンラリズマブ 100mgで有効なサブグループの存在

いわゆる、triple maintenance therapyの血中好酸球 220 細胞数/μL以上で、前年急性増悪3回以上症例では、ベンラリズマブ 100mgで急性増悪をプラシーボ比較30%減少


大元のトライアルの19%程度を占めるサブグループに相当

他、気管支拡張剤後正常値の40%未満FEV1症例と拡張剤後15%以上の改善効果を占める両極反応サブグループで全体の6%に相当する症例でベネフィットが認められた。



Predicting response to benralizumab in chronic obstructive pulmonary disease: analyses of GALATHEA and TERRANOVA studies
Gerard J Criner,  et al.
The Lancet Respiratory Medicine
Published:September 28, 2019
DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30338-8

背景:BenralizmaabはCOPDでは患者の第3相GALATHEA、TRRANOVAトライアルにてプラシーボ比較で急性増悪有意減少示せず
Benralizmabが最大の治療効果を持つ症例の同定のためCOPD患者の特性(臨床的、生理学的)同定目的研究

研究方法
 GALATHEA と TERRANOVA(40−85歳、中等度から最重症気流閉塞、血中好酸球増加、ICS/LABAあるいはICSL/LABA/LAMA治療にかかわらず過去1年間の2回以上の急性増悪あるいは重症急性増悪1回以上)からのpooled dataと個別研究解析
Benralizumab 30mgあるいは100mgを初期4週毎三回投与その後8週毎皮下注あるいはプラシーボ + dual or triple therapy 3910名を年次急性増悪率との一致した相関要素同定のため検討
Benralizumab vs プラシーボの年次急性増悪率をプライマリエンドポイントとした

GALATHEA and TERRANOVA are registered with ClinicalTrials.gov, NCT02138916 and NCT02155660

知見
血中好酸球増加奨励 2665名において100mg 8週毎での治療効果が、急性増悪回数頻回病歴症例、ベースライン肺機能低下症例、SABAによるベースライン肺機能改善効果が良いほどその治療効果が見られたが、30mg では見られず

血中好酸球 220 細胞数/μL以上:治療前年1年間急性増悪3回以上では8週毎benralizumabは対プラシーボ比較で、発生率比 (RRs)は、100mgで 0.69 (95% CI, 0.56-0.83)、30mgで 0.86 (0.71-1.04)
拡張剤後FEV1 40%未満では発生率比 100mgで 0.76 (0.64-0.91) 、30mgで 0.90 (0.76-1.06)
拡張剤反応 15%以上では、100mgで 0.67 (0.54-0.83)、 30mgで 0.87 (0.71-1.07)

寄与要素検討するとベースライン血中好酸球増加、前年3回以上の急性増悪、triple therapy症例では、8週毎 benralizumab 100mgからのベネフィットあり (RR 0.70 [95% CI, 0.56-0.88]

これら3つのクライテリア合致のBenralizumab 30 mg 8週毎では、発生率で有意差認めず (RR 0.99 [95% CI 0.79–1.23])


解釈
血中好酸球増加と臨床特性加味によりbenralizumab治療による急性増悪減少、COPD subpopulation 同定。
仮説作成解析で、benralizumab 100mgの有効性期待できるsubpopulatiom同定


諦めてなかった・・・という感想

事後解析であり、エビデンス・レベルとしてはかなり落ちるわけで、仮説として捉えられるべき


「ベースラインの血中好酸球数が増加するにつれて治療効果が大きくなるというパターンがあり、この測定が治療から利益を得る可能性のある患者を特定するバイオマーカーである可能性を示してるが、血中好酸球数閾値の変化がベンラリズマブとFEV1とQOLのnull associationに影響を与えていることは示せなかった」ということで単純な説明では解決できない結果でもある




2019年5月30日木曜日

COPD急性増悪と環境リスク 低温とオゾン

最近大陸からの贈り物で光化学スモッグ発生している

オゾン層破壊物質の増加原因は中国 国際研究チーム
2019年05月23
https://www.bbc.com/japanese/48375540
実際、外来で、不調を訴えるCOPD・喘息患者が多い印象

図表を見ると やっぱオゾンが悪い




大気汚染及び気候的要素が以下にCOPD急性増悪入院へ影響を与えるかのスペインでの後顧的検討(2004-2013)
 Spanish Meteorological Agencyの気候データ・大気汚染レベルと入院率(スペイン退院データベース)検討
COPD急性増悪で、16万の入院


結論からは、寒冷気候要素(季節、絶対温度)で負の影響、大気汚染(NO2、O3、PM10)では短期的に影響があるという話

Analysis of environmental risk factors for chronic obstructive pulmonary disease exacerbation: A case-crossover study (2004-2013)
Javier de Miguel-Díez, et al.
PLOS ONE Published: May 23, 2019
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0217143






アメリカ胸部学会(ATS)にて、米国はPMの方は改善したが、オゾンはやはり残存ということで目下問題はオゾンへの対応が必要

ATS: 'Dramatic' Survival Gains With Better Air Quality
Deaths attributed to particulate pollution decline; mortality from ozone unchanged
by Salynn Boyles, Contributing Writer May 28, 2019
https://www.medpagetoday.com/publichealthpolicy/environmentalhealth/80084





Cromar K, et al "Trends in excess morbidity and mortality associated with air pollution above ATS-recommended standards, 2008-2017" Ann Am Thorac Soc 2019.



過去10年間で、米国胸部学会(ATS)が推奨するレベルを上回る大気汚染レベルにさらされたことによる死亡者数は、主に粒子状物質への曝露の減少により、半分近く減少した、と研究者らは報告した。  米国のほとんどの地域で、2.5ミクロン以下の粒子状物質(PM2.5)の減少に起因する死亡率の改善が見られましたが、特に公害関連の健康問題が最も高い都市で顕著でした、とKevin Cromar博士は述べています。 、ニューヨーク市のニューヨーク大学のマロン都市管理研究所、および同僚の。
2008年から2017年までのEPA大気質システムデータの3回目の年次分析に基づいて、「Health of the Air」報告書は、期間中のPM2.5関連死亡率の60%近くの減少を推定した。 しかしオゾン汚染による死亡率はほとんど変わっていなかった、と彼らはアメリカ胸部学会の年報で報告した。
CromarはMedPage Todayに対し、「この分析により、粒子状物質による健康への影響が国中の大部分で劇的に改善されたことが示された」と述べた。 この分析では、2014年以降の粒子状物質汚染の減少による健康増進率の横ばいも示されました。懸念は、大気質の改善を目的とした規制を廃止しようとする最近の連邦政府の努力が、報告書に示されている死亡率と健康増進を逆転させる可能性があることだ。 EPAは、クリーンパワープランの廃止や、大気汚染の低減にはそれほど効果的ではない手頃な価格のクリーンエネルギー法の導入とともに、CO2基準をロールバックした」と彼は述べた。 「これらの行動のすべては、一緒に取られて、私たちを間違った方向に動かしています。」
Cromar氏は、この報告書の最新版が、大気質に関連した健康の傾向を経時的に調べた最初のものであると指摘した。
研究者らは、2008年から2017年までの各年に、米国内のモニターについてEPA大気質システムから得られた毎日の大気汚染(PM 2.5およびオゾン)値を分析した。
これらの値は、PM2.5の24時間測定基準と、オゾンの最大1時間測定、最大8時間測定、および24時間平均測定の3つの測定基準を使用して、ベースライン値と年間ベースラインおよびコントロールデータセットを作成するために使用されました。各モニターのローリング3年間の設計値に相当します。
「これらの設計値は、PM2.5の年間平均濃度の3年間平均、PM2.5の24時間の98パーセンタイル値の3年間平均、および毎日4番目に高いものの3年間平均に対応します。最大8時間のO3濃度」と研究者らは書いている。 「対照値は、年間PM 2.5に対して11μg/ m 3、24時間PM 2.5に対して25μg/ m 3、およびO 3に対して60 ppbのATS勧告に基づいていた。
推奨されるカットオフ値は、年間のPM2.5が12μg/ m3、24時間のPM2.5が35μg/ m3、オゾンが70ppbの既存の国家大気環境基準(NAAQS)よりも低かった。
「この分析に使用されたATS推奨レベルは、既存のNAAQSでは人間の健康を保護するのに不十分であり、より健康を守るための規制の必要性を強調していることがわかっています」とCromarらは書いています。
EPAの標準的な健康機能に基づいた疫学研究からの濃度 - 反応関係を用いて、各郡のATS勧告を上回る汚染レベルの死亡率への影響を計算した。
分析によると、ATSの勧告を超える大気汚染レベルによる死亡者数は、2010年の約12,600人(95%CI 5,470-21,040)から2017年の7,140人(95%CI 2,290-14,040)に減少しました。
また、PM2.5に関連した死亡率は、同じ期間で年間約8,330から年間3,260に減少しましたが、オゾン関連の死亡率はそれほど変わりませんでした。
有効なPM2.5設計値を持つ530の郡のうち、78(15%)だけがATS推奨濃度を満たしていませんでした。有効なオゾン設計値を持つ726の郡のうち599(83%)がATSの推奨を満たしていませんでした。
「粒子状物質の健康への影響に関しては実質的な改善が見られましたが、オゾンの健康への影響を見ても、米国のどの地域でも改善の大きな傾向は見られませんでした」とCromarは述べました。 「これはそれだけでは解決できない問題です。数値を見ると、オゾン汚染への曝露による健康への重大な影響がわかります。」
彼は、大気質は地方および州レベルで、そして連邦当局によって対処される必要があるが、連邦規制は大気汚染レベルを下げるための最も効果的で効率的な道であると彼は付け加えた。
「EPAと連邦政府が機会を利用しない、またはさらに悪いことに有効な規制をロールバックしないことを選択した場合、市や州は大気質の改善に努める必要があるだろう」と彼は述べた。 「それらの唯一の選択肢は、大気質に対処するための効率的でない方法であり、これもはるかに費用がかかる。」

2019年2月18日月曜日

COPD:急性増悪身体活動低下は身体活動の持続的減少と直結しない ;「筋核ドメイン仮説」の体現?

急性増悪→呼吸困難増加・身体活動低下→骨格筋廃用→活動意欲低下・・・など説明してきたが・・・

加筆するが・・・
2019年02月19日 06時00分 サイエンス
一度衰えた筋肉でも鍛えるとすぐに回復するのは「筋肉記憶」のおかげ
https://gigazine.net/news/20190219-muscle-memory/


マサチューセッツ大学の生物学教授であるLawrence Schwartz氏は「筋繊維がもつ核、すなわちDNAの量と細胞質の量は密接に関係している」という「筋核ドメイン仮説」を唱えています。
Schwartz氏によると、これまで核の数が筋肉の肥大化と関係しているということを示すような研究はあるものの、長い間筋肉を使わないことによって起こる萎縮で核の数が変化しているのかどうかは議論が続いているそうです。つまり、「筋肉の衰え」は筋繊維が縮小しているのか、筋繊維の核の数が減っているのかはこれまでわかっていなかったとのこと。
そこで、Schwartz氏率いる研究チームはマウスとタバコスズメガの筋肉で実験を行いました。その結果、マウスとタバコスズメガの両方において、筋繊維が萎縮しても核が失われることはなかったとのこと。筋肉そのものが萎縮していても細胞質が減少してしまっているだけで核の数は減っていないため、筋肉が衰えてもトレーニングを再開すればすぐに元通りに回復するというわけです。
これを元にいか論文みると面白い

従来は・・・





急性増悪契機の身体活動低下は一時的でそのトレンドに大きく変動を示すものではないらしい



No impact of exacerbation frequency and severity on the physical activity decline in COPD: a long-term observation
Sievi NA, et al.
International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Volume 14
Published 15 February 2019 Volume 2019:14 Pages 431—437
https://www.dovepress.com/articles.php?article_id=44118
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S188710

序文: COPD急性増悪は日々の身体活動: daily physical activity (PA)の付随的減少と関連。故に、急性増悪回数と重症度がその影響を増悪する。身体活動レベルの減少が急性増悪前に戻るか、あるいは身体活動行動へネガティブな影響持続するかは不明

方法:COPD患者のコホートにて、1週間の1日歩数を1日PA数として年次評価
急性増悪回数と重症度を記載。単変量、多変量mixed effect modelを日内ステップ数の変化(従属変数)と急性増悪の相関性を検討。可能性共役要素で層別化

結果: 181名のCOPD (中央値 [4分位] 年齢 [64[59/69]、男性 65%、FEV1%予測比 46[33/65])、観察記か 2.1 [1.6/3.1]年間中、急性増悪総数 273回

急性増悪回数も重症度も、経時的PAの全体的減少と有意相関無し





異なる寄与要素(年齢、性別、疾患重症度補正)では急性増悪による経時的減少促進のサブグループ分けできず


結論:急性増悪期の身体活動性低下は、身体行動の基本的変化を生じるような持続的減少とはならない
Trial registration: www.ClinicalTrials.gov, NCT01527773 Keywords: COPD, daily physical activity, exacerbation




図からは、"急性増悪回数多いほどステップ数減少急峻”であるのは確か

だが、長軸でみると、急性増悪後、安定期となれば歩数減少大きくなるわけではない・・・ということだが・・・


重症COPD カテゴリーDの老人はそのたびに、意欲や筋肉量、身体活動量低下する気がする


2019年1月18日金曜日

COPDシステミック・レビュー:ビタミンD低値患者へのビタミンDサプリメント補給は中等度以上の急性増悪発生率低下の可能性

Vitamin D to prevent exacerbations of COPD: systematic review and meta-analysis of individual participant data from randomised controlled trials
Jolliffe DA, et al. Thorax 2019;0:1–9. doi:10.1136/thoraxjnl-2018-212092 1
https://thorax.bmj.com/content/early/2019/01/10/thoraxjnl-2018-212092
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2018-212092

背景 ビタミンDのCOPD急性増悪予防に関してRandomised controlled trials (RCTs) では未決論

被検者 メタアナリシス:変数説明要素同定のため

方法 PubMed、 Embase、 Cochrane Central Register of Controlled Trials、 Web of Science検索(2017年10月5日まで)
fixed effects modelにてメタアナリシス:年齢、性、GOLDスパイロメトリgradeとトライアル補正

結果 4つのRCT(560名被検者)を同定、個別被検者データ 469/472(99.4%)、3つのRCTから入手
COPD中等/重症急性増悪率への包括頻度へ、補足資料による影響無し (aIRR) 0.94, 95% CI 0.78 to 1.13)
事前設定サブグループ解析にて予防的効果示されたが、ベースライン25-OH D値<25 0.36="" 0.55="" 0.84="" 0.85="" 1.04="" 1.27="" 25="" 95="" airr="" ci="" for="" interaction="0.015)</p" nbsp="" nmol="" p="" to="">
ビタミンDは1回以上の重症副事象イベント発生被検者比率へ影響を与えない (adjusted OR 1.16, 95% CI 0.76 to 1.75)


結論:ベースラインで25-OHビタミンD値 25nmol/L未満の患者で、ビタミンDサプリメントは安全で、中等/重症COPD急性増悪発生率低下の可能性あり、ただし、高値の場合は効果無い可能性


Trial registration number CRD42014013953.





ビタミンD採血するとすぐ査定するんだよなぁ Ca低値を確認してビタミンD欠乏症疑いと記載しても・・・
http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3304476

合理性のない医療保険査定がめだつ昨今・・・だれもクレーム入れないからこうなる

2018年12月14日金曜日

システミック・レビュー&メタアナリシス;COPD:triple therapy vs dual therapy

triple therapy vs dual therapyの比較だが、必ずしも合剤ではなさそう

急性増悪trple優位で 肺炎リスクに影響は無いような報告だが・・・・?


Triple therapy versus single and dual long-acting bronchodilator therapy in COPD: a systematic review and meta-analysis
Mario Cazzola, et al.
European Respiratory Journal 2018 52: 1801586; 
DOI: 10.1183/13993003.01586-2018

COPD患者におけるICS/LABA/LAMA vs LABA/LAMA、各々の長時間作用型気管支拡張剤単独の比較

ICS/LABA/LAMA併用剤は 対 LABA/LAMA併用剤比較で

  • 急性増悪リスク減少  (相対リスク 0.70, 95% CI 0.53–0.94)
  • FEV1改善 (差平均 in mL +37.94, 95% CI 18.83–53.89) 


3剤併用は対LABA/LAMA比較で急性増悪予防効果は、好酸球 300細胞数/μL以上で最大
(相対リスク 0.57, 95% CI 0.48–0.68)

1年間急性増悪1回回避のための症例数は、

  • ICS/LABA/LAMAでは LABA/LAMA比較で -38
  • 長時間作用型気管支拡張剤単独との比較では -21


ICS/LABA/LAMA併用剤 vs LABA/LAMA併用剤では、1年間あたりperson-based NNTは、好酸球数 300細胞数/μL以上患者で、それ未満の細胞数患者より有意に少ない (NNT値 8.58 vs 46.28)

肺炎リスクは、ICS/LABA/LAMA併用剤と各々の比較では差を認めず
NNH(number needed to harm)としては -195

メタアナリシスにて長時間作用型気管支拡張剤単独、LABA/LAMA併用治療患者は、急性増悪既往ありと血中好酸球数 300/μL以上の症例ではICS/LABA/LAMA併用剤のベネフィット可能性高い








HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...