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2020年3月10日火曜日

推定濾過率低下例でのACE阻害剤/ARB中断で死亡リスク高める可能性

ACE阻害剤の発売当初腎機能低下例に対し処方・・・腎機能急激悪化例を経験した医者って多いのではないか?そういう事例を経験すると腎機能低下例でのACE阻害剤・ARB治療に関して懸念をもつ

Kidney Disease Improving Global Outcomes (KDIGO) guidelineではeGFR 60未満での症例のACE-阻害剤(ACE-I)もしくはあRBの一時的な中止を示唆している

だが、ルーチンに中止することの方が、よりハードなリスクである死亡率が高まる可能性があることも?

ということで、ACE阻害剤/ARB継続の利点


Association Between Renin-Angiotensin System Blockade Discontinuation and All-Cause Mortality Among Persons With Low Estimated Glomerular Filtration Rate
Yao Qiao,  et al.
JAMA Intern Med. Published online March 9, 2020. doi:10.1001/jamainternmed.2020.0193



意義 ACE阻害剤(ACI-I)とARB治療がeGFR低下事例で使用すべきかどうかは不明

目的 eGFR 30(mL/min/1.73 m2)未満後ACE-IあるいはARB治療中断と死亡リスク・MACE、end-stage kidney disease(ESKD)の関連性検討

デザイン・セッティング・被験者 この後ろ向き、propensity score-マッチ化コホート研究(3909名、集約的医療システム(いくつかのペンシルベニア中央/北東の田舎地域でサービスされている)で検討
ACI-IとARB開始(2004年1月1日〜2018年12月31日)患者で、治療期間中eGFR 30未満へ減少した症例を登録し、2019年1月25日までフォローアップ
暴露個人はeGFR 30未満後6ヶ月位内にACE-IあるいはARB治療中止したかどうかで分類

主要アウトカムと測定項目 ACE-IあるいはARB治療中止とその後5年間の死亡率の相関を多変量Cox比例ハザードモデル、propensityマッチ化サンプルにおけるeGFR低下時患者特性で補正
セカンダリアウトカムはMACえとESKD

結果 eGFR 30未満減少したACE-IあるいはARB治療3909名(女性 2406 [61.6%] ; 平均 [SD] 歳, 73.7 [12.6] 歳 )のうち
235名がACE-IあるいはARB中止
2674名は中止せず

死亡例:ACE-IあるいはARB中止患者 434名、中止しなかった786名(フォローアップ中央値 2.9年間 IQR, 13.-5.0年間)



ACE-I・ARB中止状態と全死亡率の累積頻度

propensityマッチ化サンプル 2410名の内、ACE-IあるいはARB中止では死亡率増加と関連 (ハザード比 [HR], 1.39; 95% CI, 1.20-1.60])するも、ESKDリスク統計学的差異は認めず (HR, 1.19; 95% CI, 0.86-1.65)






結論と知見 これら知見から腎機能減少傾向患者でのACE-IあるいはARB継続はESKD超過有害性なしに心血管ベネフィットと関連するかもしれない




2019年9月21日土曜日

腎機能低下症例:SU比較でメトホルミンがMACE減少

SU剤の投与量はどの程度なのだろう?
アマリール 0.5mg錠の割線を利用してその半分量使うことがあるので、"all or none"的研究には少々反抗的に・・・ インスリンBOTやGLP-1注さえ拒否されることが日常茶飯事の外来・・・ 経口剤フルに使ってるときこの薬剤追加が著効することがある
もちろん、血中CPRなどのインスリン分泌評価後だが・・・


報告は退役軍人で男性が主のコホート研究だが、MACEに関して単剤比較としてメトホルミンの有意性が明らかになった。

メトホルミンは腎排泄薬剤で、eGFR減少の可能性があり、phenforminのネガティブな歴史(日本は未だ引きずっているようにおもえる)と乳酸アシドースへの懸念から、FDAはsCr 男性 1.5、女性 1.4 mg/dL以上で安全性警告、2016年、軽度・中等度のメトホルミン使用のガイダンスを変更したが、まで腎機能低下でのメトホルミンの有効性に関してエビデンス不十分であった。

この報告は筋機能低下発症糖尿病患者で、SU比較でメトホルミンがMACE減少するかという仮説検証



腎機能低下糖尿病患者において、メトホルミン治療は、SU剤と比較してMACE減少


米国退役軍人の後顧的解析 174,882名の継続的メトホルミン・SU剤新規使用者:腎機能閾値低下(eGFR <60 mL/min/1.73 m2、sCr 14以上:女性、1.6以上;男性)
腎機能閾値低下からMACE(急性心筋梗塞、卒中、TIA、心血管死)まで、治療変更まで、フォローアップ不能、死亡、研究終了までフォロー



Association of Treatment With Metformin vs Sulfonylurea With Major Adverse Cardiovascular Events Among Patients With Diabetes and Reduced Kidney Function
Christianne L. Roumie, et al.
JAMA. Published online September 19, 2019. doi:10.1001/jama.2019.13206
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2751397





単剤:メトホルミン 67 749 、SU 28 976 (年齢中央値 70歳 [ IQR, 62.8-77.8歳、男性 98%)、白人 82%、eGFR中央値 55.8 [IQR 51.6-58.2]、HbA1c 6.6% [IQR 6.1%-72.%):エントリー時

フォローアップ(中央値 メトホルミン 1.0年間 、SU 1.2年間)

MACEアウトカム:1千人年あたり

  • メトホルミン 23.0
  • SU 29.2


MACE原因特異的補正ハザード:メトホルミンのSU比較ハザード比 0.8 (95% CI, 0.75-0.86):1千人年発生率差 5.8 [95% CI, 4.1-7.3]




2018年12月21日金曜日

SGLT-2阻害剤:一過性腎機能低下、長期的腎機能保護作用

SGLT2阻害剤投与後一過性eGFR低下は1−6週間続くが、予防的手立てはあるのだろうか? 飲水による予防効果に関してはcontrovertialと思うが・・・


The Renoprotective Effects of SGLT2 Inhibitors versus Placebo in Patients with Type 2 Diabetes with or without Prevalent Kidney Disease: A Systematic Review and Meta-analysis
Chen Wang, et al.
Diabetes, Obesity and Metabolism December 20, 2018
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/dom.13620?referrer_access_token=KPEhpLyi_E842d5rDEv7oota6bR2k8jH0KrdpFOxC67Yg6okzr0oIGUxUtJEZA8uyKt-14stKIXcMliYXhXP5SyhevPwsRyqNP0e0Q3mF5WQdKPMzjuUloGl276jrxtp

被検者43721名を含む25研究
治療早期、eGFRの軽度低下(WMD -4.63; 95% CI, -6.08〜 -3.19 mL/min/1.73 m2その後1−6週間観察されるが、その後経時的に影響狭まり、長期には減少から防御的となる (WMD, 3.82; 95% CI, 2.80 to 4.85 mL/min/1.73 m2)

SGLT2阻害剤はアルブミン尿を遅延  (RR, 0.71; 95%CI, 0.66 to 0.76) し、アルブミン尿改善を促進 (RR,1.71; 95%CI, 1.54 to 1.90)、eGFR減少・腎機能置換療法必要性、腎疾患死亡率の組み合わせアウトカムを改善 (RR,0.57; 95%CI, 0.49 to 0.66)し、全死亡率減少 (RR,0.84; 95%CI, 0.75 to 0.94)
一方、性器感染リスク増加する  (RR,3.43; 95%CI, 2.87 to 4.10)
メタ回帰解析にて、eGFR-保護効果は、患者の基本特性(年齢、BMI、HbA1c、eGFR値)と相関せず、薬剤投与要素(SGLT2阻害剤の治療期間、タイプ、投与量)にて影響を受ける
サブグループ解析にて、対プラシーボ腎アウトカムへの関連影響はeGFRサブグループ横断的に同等(P heterogeneity > 0.05)



Forest plot for incidence of renal composite (a composite of a sustained 40% reduction in eGFR, the need for renal-replacement therapy and death from renal causes). The left favours SGLT2is and the right favours placebo. Abbreviations: CI, confidence interval; RR, risk ratio.


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...