2017年8月13日日曜日

SUMMITセカンダリ解析:中等度気道閉塞・心血管高リスクでのフロ酸フルチカゾンレジメンによる肺機能減少速度緩徐化

COPDにおいては、吸入ステロイド(ICS)は、肺炎リスク増加懸念が障壁となってるが、ある種の患者カテゴリーにおいては有益性優れ、選択的プライオリティ存在の可能性ある


Fluticasone Furoate, Vilanterol and Lung Function Decline in Patients with Moderate COPD and Heightened Cardiovascular Risk.
Calverley PMA et al. ; SUMMIT Investigators.
Am J Respir Crit Care Med. 2017 Jul 24. doi: 10.1164/rccm.201610-2086OC.


Chronic obstructive pulmonary disease (COPD)は、気道閉塞なしの同年齢に比較して、継時的肺機能減少加速する特徴がある。軽症重症COPDの継続的知見がオリジナルなFletcher and Petの観察研究で確認されたことになっているが、近年の研究では必ずしも3−10年follow upデータではユニバーサルなものではない。タバコ喫煙が最重要な疫学的要素であることは間違いないが、横断的長軸的データでは、FEV1減少速度は禁煙で緩徐化するも、近年のタイミングがその後の肺機能減少への程度に影響を与える。吸入薬剤がFEV1減少程度にmodifyするかが課題で、現状の報告ではmixedな状況。
UPLIFTで1回投与LAMAによる中等度気道閉塞・治療 naïve 比較での効果が示された。ICSでのスパイロメトリーCOPD重症度の影響認めがたい報告初期あったが、ICS/LABA併用での中等度COPD患者の気道炎症効果と、TORCH研究でのFEV1減少への効果相関性報告。
3年間の報告、ICS fluticasone propionateの中等度COPD思慮選択患者での肺機能減少抑制効果と気道炎症低下効果が最近示された。
Lapperre TS, Snoeck-Stroband JB, Gosman MM, Jansen DF, van Schadewijk A, Thiadens HA, Vonk JM, Boezen HM, Ten Hacken NH, Sont JK, Rabe KF, Kerstjens HA, Hiemstra PS, Timens W, Postma DS, Sterk PJ, Group GLUCOLDS. Effect of fluticasone with and without salmeterol on pulmonary outcomes in chronic obstructive pulmonary disease: a randomized trial. Ann Intern Med 2009; 151: 517-527.

しかし、ICSの疾患進行へのマーカーとしてのインパクトは未だ不確実。

SUMMITではランダム二重盲検平行群研究で、ICS fluticason furoate比較で、LABA vilanterolと2剤とプラシーボ比較で、中等度気道閉塞、心血管疾患発症リスク・病歴で比較。全死亡率エンドポイントをプライマリ検討とした場合治療群間で差を認めず、セカンダリアウトカム事前設定ではFEV1減少への治療効果あった。

そのため、COPD中等度スパイロメトリー障害でのICS/LABA治療の単剤・併用での肺機能減少への効果確認し、心血管併発症が明らかでない場合と比較した、より重症のCOPDでの検証でFEV1減少に関わる要素と言えるのか検証。




 Study to Understand Mortality and MorbidITy (SUMMITのセカンダリアウトカムの事前設定解析
 プラシーボと比較した、
  inhaled corticosteroid fluticasone furoate 100 μg (FF)
  long-acting beta-agonist vilanterol 25 μg (VI)
  combination (FF/VI)

中等度COPD患者・心血管リスク高い、event-driven ランダム化プラシーボ対照トライアル 16,485名
スパイロメトリーを12週毎測定
治療測定1回最小限施行15,457名で平均7回のスパイロメトリー施行。

補正FEV1減少速度は、プラシーボ -46 mL/year (-3.0% of baseline)、VI -47 mL/year (-3.1%) 、FF -38 mL/year (-2.5%) 、FF/VI -38 mL/year (-2.3 %)

FF含有レジメンではプラシーボ比較で減量速度緩徐化 (p<0 .03="" nbsp="" p="">FEV1減少速度は現行喫煙者で促進、低BMI、男性、心血管疾患存在で促進。

結論:中等度COPD・高心血管リスク患者で、FF単独、VI合剤ではFEV1減少速度低下効果あり






noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note