2012年3月30日金曜日

経皮不可逆性エレクトロポレーションの前立腺がんへの応用

経皮不可逆性エレクトロポレーションの前立腺がんへの応用で、予備的小規模トライアル



 解説:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/SIRMeeting/31922





Narayanan G, et al "Downstaging locally advanced pancreatic adenocarcinoma with vascular encasement using percutaneous irreversible electroporation (IRE)" SIR 2012; Abstract 8


 


【参照】
パルス高電界の生体作用と先端的医療応用
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2011_10/jspf2011_10-710.pdf

セレン(セレニウム)と健康 :安全域の狭いサプリメント成分

血中濃度“安全域”の狭い食事要素でもある、セレン(セレニウム)

こういうものの血液検査は、医療保険上カバーされるべきだと思う。
また、サプリメント投与する場合は、血中濃度評価を義務づけるべきだと思う。


日本人は通常の食事からセレンを十分に摂取しており、その平均摂取量は約1日当たり100マイクログラムといわれています。この平均摂取量を調査結果に加算すると、耐容上限量を超えてしまう製品がありました。 (http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/selen.html
日本人では、この主のサプリメントは過剰状態に、むしろ、注意が必要である。


Selenium and human health
The Lancet, Volume 379, Issue 9822, Pages 1256 - 1268, 31 March 2012

 セレン(セレニウム)はselenoprotein に取り込まれ、多様な効果をもたらす、抗酸化作用・抗炎症作用からactive な甲状腺ホルモン産生への影響までに及ぶ。
ここ10年、selenoprotein遺伝子の疾患関連polymorphismが見いだされ、健康への影響に関心が向けられている。
低セレン状態は、死亡率増加、免疫機能低下、認知機能衰弱リスクと関連。
高セレン状態・セレンサプリメントは抗ウィルス作用を有し、男女生殖に有用、自己免疫性甲状腺疾患リスク減少を示す。

前向き研究により、高セレン状態の前立腺・肺・直腸結腸・膀胱癌に対するベネフィット一部半エミ、しかし、トライアル結果は混合的結果であり、おそらく、サプリメントは栄養摂取が不適切だった場合にのみベネフィットがあったものと思われる。
既にセレン十分ア状態の対象者にサプリメント投与することは、2型糖尿病リスク増加の可能性がある。

セレンの健康への影響としてはU字現象は切り離せないもので、不足状態での補充ベネフィットと、セレン適切・過剰状態ではサプリメント投与されるべきではない。








片頭痛:中枢作用性高選択5HT1F受容体アゴニスト lasmiditan

血管収縮活性のない、新しい、中枢性作用、高選択的5-HT1F受容体アゴニスト: Lasmiditan(COL-144)


実演的片頭痛研究で、注射投与で効果みられた。今回は、経口剤での有効性・安全性評価研究。



1:1:1:1の50mg、100mg、200mg、400mg、プラシーボ割り付け

プライマリエンドポイントは、用量依存的頭痛改善効果

512名をランダム割り付け、治療群 391名、プラシーボ群 86名

2時間後頭痛反応線形関係認められ、どの群でもプラシーボより改善。
用量依存的有効映画見られ、安全性も確認。


Efficacy and tolerability of lasmiditan, an oral 5-HT1F receptor agonist, for the acute treatment of migraine: a phase 2 randomised, placebo-controlled, parallel-group, dose-ranging study
The Lancet Neurology, Early Online Publication, 28 March 2012

米国消費者団体主張:インプラント製品の市販前後安全性調査を!

CR Investigates: Dangerous medical devices
Most medical implants have never been tested for safety
Consumer Reports magazine: May 2012
http://www.consumerreports.org/cro/consumer-reports-magazine/May-2012/medical-devices.html


米国では1000万人がインプラント、たとえば、人工関節、除細動器、手術メッシュなどを植え込まれた状態で生活している。十分安全性・有効性が検討されたデバイスだと思われているが・・・

「多くのインプラント・高リスクデバイスが、ペーパーワークやFDAへの支払い以上のことがなされることなく、 製品として市場に出荷されている。」

事前安全性試験要求の高リスク製品ってのは少なく、処方薬よりも厳格でない状況で、出荷されえいるという消費者団体: National Research Center for Women & Families,  nonprofit advocacy organization

FDAは市販前後の患者安全性確認のための、device regulatory systemを行うべきという主張



比較的厳しい薬剤並みの安全性確認基準設定は、当たり前

IT妄想 儲かるのは業者だけ:携帯電話ベースの喘息自己モニタリング支持システム 役立たず

目新しい技術を使えばなんでも効率よくなり、利用者にとってもハッピー・・・なんてことはない。

家電メーカーや新規参入ソフトウェア産業はIT妄想を利用して医療界で利益や権益を得ようとしているように思える。別にそのこと自体は悪いことではないが、ほんとに効果があるのか、コスト効果的なのか?地道な検証がなされない限りそれらは“妄想”のままである。





多施設調査側盲目化ランダム化対照化トライアル

介入:中央でランダム化
・携帯電話ベース情報伝達(症状、薬物使用、ピークフローで、合意に基づくfeedback prompting actionによる)
・紙ベースのモニタリング


6ヶ月後ACQと自己評価を主要アウトカム測定、ITTベースの調査者盲検解析



Clinical and cost effectiveness of mobile phone supported self monitoring of asthma: multicentre randomised controlled trial
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e1756 (Published 23 March 2012)


ACQと自己評価に有意差無し
・ ACQ: mean change 0.75 in mobile group v 0.73 in paper group, mean difference in change −0.02 (95% confidence interval −0.23 to 0.19)
・ KASE-AQ score: mean change −4.4 v −2.4, mean difference 2.0 (−0.3 to 4.2))

急性増悪患者数、ステロイド経過、予定外受診は両群同様で、同様の医療コスト。

携帯電話サービスは結局金がかかるだけ・・・



プライマリアウトカム:

「Translational Medicine」って、特定団体に版権のある言葉では?

日本内科学会雑誌・2012年学会講演会の特集号をみると、「京都大学 中尾一和」先生の会頭講演の記事が記載されている。

「21席の臨床医学研究はTranslational Medicine(TS)とEvidence Based Medicine(EBM)血球が両輪である。TSは基礎研究の成果を臨床応用へ橋渡しする科学研究である。しかし、基礎研究から臨床応用への橋渡しの方向以上に重要なことは、臨床的Needsを的確に捉えて、基礎研究から生み出されたSeedsをつなぐ双方向の科学としてのTSが重要であると考える」と記述がある。

中身はもっともだが、「Translational Medicine」って、特定団体が版権設定あるいは主張している言葉である


果たして、これって?


http://www.translationalmedicine.com/

Translational Medicine

Translational Medicine (TM) is the emerging field which focuses on using what is learned in pre-clinical studies to do smarter things in the clinic. Translational Medicine helps in the course of predicting, preventing, diagnosing, and treating diseases. Translational Medicine also uses what can be gleaned in clinical studies to sharpen and improve what is done in pre-clinical efforts to discover new medicines. Translational medicine represents a paradigm shift in the biomedical research enterprise.
Translational Medicine is a relatively young area of biomedicine, in which pharmaceutical companies use a patient driven approach to drug development. Translational medicine involves the transformation of laboratory findings into new ways to diagnose and treat patients. Many biotech companies are introducing Translational Medicine departments charged with the task of facilitating the transition of basic research into practical treatments and clinical trials.


会頭がそのことを知った上で使ってるなら、特定団体とのつながりがあるってことではないか?
また、知らないで使ってるなら、果たして学術団体の会頭講演にふさわしい話なのだろうか?版権主張している団体への許諾および(TM)付記など必要では?

いずれにせよ、この名称を普通名詞のごとく使うのは、避けるべきと私は思うのだが、偉い先生方だから、きっと、なにか理由づけがあるのだろう。実際の講演でそれを拝聴するとしよう。

かつて厚労省がごり押ししていた「パワーリハビリテーション(パワーリハ)」 という名称、昨今では、「統合医療」なども同様の問題を具有している。
この「Translational Medicine」は英語そのものを用いているため、呼称版権はダイレクトな問題ではないかと思うのだが・・・

noteへ実験的移行

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