筆頭者は、独立行政法人国立国際医療研究センター所属名
外部の手助けや医療処置が必要な低血糖では、心血管疾患リスク2.05倍(95% CI 1.74-2.42)というメタアナリシス。寄与要素感度分析にて、低血糖の心血管疾患リスクとしての重要性は現実的に独立した要素であると主張。
"Severe hypoglycaemia and cardiovascular disease: systematic review and meta-analysis with bias analysis"
Goto Atsushi, et al
BMJ 2013; 347: f4533.
【目的】2型糖尿病患者に於ける重度低血糖と心血管疾患リスクとの相関性に関するシステマティック及び定量的要約のため、未測定合併重症疾患による非対照化寄与要素可能性関連性の感度検査をバイアス分析を用い行う
【デザイン】 観察研究メタアナリシス
【データ源】 Medline、 Embase、 Cochrane Library、 Web of Science データベース
(2013年2月まで、言語制限せず)
【検討対象クライテリア】 2名の独立したレビューアーが、2型糖尿病患者に於ける重度低血糖と心血管イベントの相関性を評価したコホート研究を選別。急性病院設定研究を除外、記述的・定量的データを抽出。
【結果】 3443 引用選別、6つの検討研究、903,510名被験者分を同定。
通常のrandom effects meta-analysisで、重度低血糖は、心血管疾患高リスクと強い相関性 (相対リスク 2.05, 95% 信頼区間 1.74 〜 2.42; P < 0.001)
重度低血糖関与の心血管疾患発症超過分(population attributable fraction) は1.56% (95% 信頼区間 1.32% 〜 1.81%; P < 0.001)
研究横断的なheterogeneity中等度みられる (I2=73.1%; P=0.002 for heterogeneity)が、多くのサブグループは、層別解析で同様結果が見られた。
バイアス分析にて、合併重症疾患単独では、低血糖と心血管疾患の相関性は説明できず。
この関連性説明のためには、合併重症疾患と心血管疾患での極端に強い相関の存在が必要(解説だと、10倍以上もの相対リスクが必要で、現実的にはありえない・・・という意味らしい・・・故に、重度低血糖が単独の悪化要素としてかなり重要という主張)
【結論】 上記知見にて、2型糖尿病患者では、重度低血糖は心血管疾患と強い相関性が有り、重度低血糖回避は、心血管疾患予防に役立つ可能性有り。