2013年7月31日水曜日

抗糖尿病薬メトホルミンはマウスの健康寿命・全寿命増加に働く

Metformin improves healthspan and lifespan in mice
Nature Communications
4Article number:2192 
 doi:10.1038/ncomms3192


メトホルミンは2型糖尿病でよく使われる薬剤。
メトホルミン 0.1% w/w食事に混ぜて投与開始し、さらに1% w/wほどの中毒量まで投与。

カロリー制限のベネフィットに類し、身体的パフォーマンス、インスリン感受性、LDL低下、コレステロール低下をカロリー制限せずに示す

分子レベルでは、AMP-活性化protein kinase活性亢進し、抗酸化作用を示し、結果、酸化ストレスダメージ蓄積や慢性炎症軽減効果をもたらす。

結果、これらの作用で、健康寿命、寿命増加に対しベネフィットを示す。

これらの知見は、健康加齢への、メトホルミンベースの介入の可能性が示唆される。


解説
Diabetes Drug Spurs Long Life -- in Mice
Published: Jul 30, 2013


日本の糖尿病診療の問題点・・・・UKPDS無視しつづけた医師たちの存在

他の知見と異なる、Kumamoto研究は、再調査が必要と思う

雑感:マスコミっていうのは・・・

公益性より、たたきやすいところををたたく・・・マスコミ(ゴミ)の振る舞い

皮膚の広範囲がただれるなどの重い症状が出たとの報告がわずかながらある」ということで新聞報道
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013072901001229.html


プリンペランの副作用の問題を報道したほうがよほど、臨床上インパクト及び公益性高いのに・・・

JIKEI studyとかNAGOYとか、KYOTOとかって、所詮目隠し不十分なインチキプロトコール研究 ・・・ この段階で、指摘すりゃ、まともなマスメディアって思うけど・・・ それに、ノバルティスというより、研究の主体は、各大学の医師たちだったわけで、たたくべきはこれら研究者たちのはず・・・



でも、しかたないので、疑似Webber効果など考えられるので、情報収集しなきゃ・・・「バルサルタンと皮膚病変」あるいは「ARBと皮膚病変」


光線過敏症、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、類天疱瘡など・・・

オルメテックも中毒性表皮、皮膚粘膜眼症候群の報告有り
ニューロタンには中毒性皮疹の報告

ACE阻害剤なども固定疹原因としては、アロプリノール、抗菌薬などとともにトップの薬剤
http://www.pharmpress.com/files/docs/ADRe2Ch05.pdf


薬疹としては、(種類を問わない)ARB+HTCZ配合薬の光線過敏症が話題となっているようだ。

日本医師会雑誌にARB合剤と光線過敏症の報告
日医雑誌 第142巻・第3号/平成25(2013)年6月)

昨年(2012 年)の 1 年間で当院に薬疹で来 られた患者さんで,ある程度原因がはっきり している 40 名中,光線過敏型薬疹の患者さ んが 5 名いました.その原因薬剤はプレミネ ントR,エカードR,ミコンビR,コディオR4 種類の ARB(angiotensin II receptor blocker;アンジオテンシン II 受容体拮抗薬)と サイアザイド系利尿薬の配合薬でした.・・・最近では、ヒドリクロロチアジドで、ARBとサイアザイド系利尿薬の配合薬による光線過敏症型薬疹をしばしば診ます。


重篤副作用疾患別対応マニュアル・薬剤性過敏症症候群
http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0706001.pdf
重篤副作用疾患別対応マニュアル・スティーブンジョンソン・症候群(皮膚粘膜眼症候群)
http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0611005_01.pdf
薬副作用の皮膚障害、2年半で131人死亡 厚労省まとめ   2012/5/29 (日経)発症の原因と疑われる薬は抗てんかん薬と解熱鎮痛消炎薬、抗生物質がそれぞれ200例を超えた。薬局などで処方箋なしに買える一般用医薬品の風邪薬も54例あった。




マスコミは、今、「国の借金が膨らみ・・・医療費を下げなければ・・・」キャンペーンに懸命となる頃、これは担当新聞社が決まっており、今年は・・・


という中、これが気になる
 ↓
三橋氏のブログ:「実質的な国の借金」が減っているという驚愕の事実
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11582173317.html



朝日新聞ではなぜか 「検診の話ではなく診療の話へ」すり替え


無害腫瘍「がんと呼ばないで」 過剰診療防止へ米研究所
http://apital.asahi.com/article/news/2013073000026.html

大手マスコミは、検診の悪口は書かないという法則

「早期発見」=「絶対的善」という誤解をつくりあげ、固執するマスゴミ




マスコミ(ゴミ)とは、
・情報供給源の「お国」・「与党」の方針に従順な報道し
・「国民の仮想敵」を創出し、よってたかって叩きのめし
・国が直面する、真の問題を隠蔽する
ところである。

膝関節痛・起立性低血圧への効果:下肢にゴムバンドを巻いて下肢屈伸運動繰り返す

これは、いいのかも・・・ 膝が悪くて運動不足の上、起立性ふらつきある患者は多い。

運動不足とふらつきと膝関節疾患の相互悪化作用を打破するためにも、下肢血流を最小限にする、Thera bandやleg band 、すなわちレジスタンス・バンド(ゴム・チューブ)を巻きつけて指導し、ふらつき転倒に注意しながらという条件付きだろうが、かなり効果があるらしい。

Counteracting Effect of Supine Leg Resistance Exercise on Systolic Orthostatic Hypotension in Older Adults

Journal of the American Geriatrics Society Volume 61, Issue 7, pages 1152–1157, July 2013

Supine Exercises for Orthostatic Hypotension in Older Adults
http://www.jwatch.org/na31810/2013/07/30/supine-exercises-orthostatic-hypotension-older-adults

平均年齢77歳、42名のイタリア人・変形性関節症・原因不問起立性低血圧患者を運動群と対照群に分ける
・運動群:起立30秒前施行の、股関節・膝関節・足関節屈伸の10回繰り返し(足に巻いたレジスタンス・バンド補助)
・対照群:単純に起立前臥位


対照群:平均収縮期血圧(BP)は起立時、27 mmHg低下即時
運動群:BP低下は10 mm Hg

有意差認めた


起立後5分、運動群より対照群でベースライン血圧への復帰遅い

2型糖尿病:重度低血糖(外部補助必要・医療処置必要)は独立心血管疾患リスクの可能性

筆頭者は、独立行政法人国立国際医療研究センター所属名

外部の手助けや医療処置が必要な低血糖では、心血管疾患リスク2.05倍(95% CI 1.74-2.42)というメタアナリシス。寄与要素感度分析にて、低血糖の心血管疾患リスクとしての重要性は現実的に独立した要素であると主張。


"Severe hypoglycaemia and cardiovascular disease: systematic review and meta-analysis with bias analysis"
Goto Atsushi, et al
BMJ 2013; 347: f4533.


【目的】2型糖尿病患者に於ける重度低血糖と心血管疾患リスクとの相関性に関するシステマティック及び定量的要約のため、未測定合併重症疾患による非対照化寄与要素可能性関連性の感度検査をバイアス分析を用い行う

【デザイン】 観察研究メタアナリシス

【データ源】 Medline、 Embase、 Cochrane Library、 Web of Science データベース
(2013年2月まで、言語制限せず)

【検討対象クライテリア】 2名の独立したレビューアーが、2型糖尿病患者に於ける重度低血糖と心血管イベントの相関性を評価したコホート研究を選別。急性病院設定研究を除外、記述的・定量的データを抽出。

【結果】 3443 引用選別、6つの検討研究、903,510名被験者分を同定。

通常のrandom effects meta-analysisで、重度低血糖は、心血管疾患高リスクと強い相関性  (相対リスク 2.05, 95% 信頼区間 1.74 〜 2.42; P < 0.001)



重度低血糖関与の心血管疾患発症超過分(population attributable fraction) は1.56%  (95% 信頼区間 1.32% 〜 1.81%; P < 0.001)

研究横断的なheterogeneity中等度みられる  (I2=73.1%; P=0.002 for heterogeneity)が、多くのサブグループは、層別解析で同様結果が見られた。



バイアス分析にて、合併重症疾患単独では、低血糖と心血管疾患の相関性は説明できず。
この関連性説明のためには、合併重症疾患と心血管疾患での極端に強い相関の存在が必要(解説だと、10倍以上もの相対リスクが必要で、現実的にはありえない・・・という意味らしい・・・故に、重度低血糖が単独の悪化要素としてかなり重要という主張)

【結論】 上記知見にて、2型糖尿病患者では、重度低血糖は心血管疾患と強い相関性が有り、重度低血糖回避は、心血管疾患予防に役立つ可能性有り。

慢性腎臓病:CKDに関する過剰診断の問題

CKDに関しても、存在そのものに、ネガティブな意見もある

 慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ 2012/04/19 

世の中の流れが一方向になることに危険性は、どの分野でもあると思うのだが、懐疑的意見にも耳を傾けることが大事。

本来の意味合いから言えば、慢性腎臓疾患にて有症状あるいは合併症存在蓋然性が高い場合を、この病名で呼ぶべきなのだが、診断基準だけが先走りして、病名が一人歩きしている現状を懸念する声が日本外では大きくなっている。 


"Chronic kidney disease controversy: how expanding definitions are unnecessarily labelling many people as diseased"
Moynihan R, et al
BMJ 2013; 347: f4298

解説記事:http://www.medpagetoday.com/Nephrology/ESRD/40754

 2002年のクライテリア(pdf)以降、アメリカ人では8名に1名以上、14%程度がこのCKDクライテリアに合致し、CKDという病名にラベリングされている。


より確固たる定義形成上の根拠は、早期に症例を見いだすことで進行期疾患への進展緩徐化もしくは停止を可能とすることである。早期疾患発見成功してもあまりに対象者が多すぎ、すなわち、過剰診断が多すぎるとMoyihanのグループが示唆している。

ノルウェーの住民ベース研究の一つ、Stage 3Aクライテリア合致したヒトの1%未満しか、8年間フォローアップ後、終末期腎疾患発症しない。

NNTから考えれば、1千名予防して1例予防可能という、あまりにコストの見合わない確率のお話。
とりわけ、Stage 3Aの年齢では正常範囲内eGFR低下/腎臓障害ダメージ尿マーカー異常なしのクライテリアが多く含まれる。

高齢者では特にこの過剰診断が多く、stage 3疾患では30%ほどが誤診されている、特に、stage 3Aのアルブミン尿無し例

臨床家は、高齢者で、CKD定義内へのeGFR低下のみの例では安易にこの疾患ラベリングをしないことが重要で、このグループは臨床的問題となる確率は低いと筆者らのグループ。




南カリフォルニアのKaiser Permanete のクライテリアでは、CKDの診断は約3%程度に低下する。さらに、eGFRの足跡、尿アルブミン検査の足跡も参考にして、単なる1回の腎機能結果でのみ診断するのは避けるべきで、他にリスク要素がない患者に対しては、軽度腎機能低下に対して、治療すべきかどうか不確かであることも説明すべき。


過剰診断の有害性は不要な治療と不要な介入であり、厳格な血圧コントロールからくる副作用、患者への不安提供である。

本来、皆が、腎疾患予防に対する最善の方法を見つけ、過剰診断リスクやコスト軽減をはかるべきと結論づけ


 Moynihanらは、予防上の過剰診断に関するカンファレンスを含む、 NHMRC STEP grantと内容を支持し、 BMJ Too Much Medicineで連続記事助言を行う

日本では、診察・診療に関しては過剰に検査・投薬制限するくせに、検診・予防に関する過剰診断・過剰検査はなぜか問題にしない。非対称性が目立つ。そし て、CKDの疾患概念に関して批判を見聞きすること少ない。 メタボに関する批判が比較的広がったのと対照的。CKDを生活習慣病として病名と認定してないから、保険給付から影響されないと、現場を知らないアホ役人 たちはみなしてるからだろうか?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note