2019年2月25日月曜日

大規模女性コホート:喫煙と関節リウマチ発症リスク 量依存的で一度喫煙するとそのリスク影響は継続する

禁煙・非喫煙維持長期となってる場合、seropositive 関節リウマチ発症リスク減少するという2つの大規模前向き解析結果


女性 117,182名、Nurses' Health Study (1976-2014)、女性 113,550名 Nurses' Health Study II (1989-2015)のデータ検証
関節リウマチ発症イベント 1,528、63.4%がseropositive、600万人年フォローアップ(最大フォローアップ 38年間)

何れも喫煙率減少しているが、初期コホートの方が後期コホートより喫煙率高い(35.8% → 18.8% vs 21.3% → 13.4%)、喫煙習慣は、両群ともアルコール摂取とsedentary behaviorと関連。年齢・コホート・BMI・身体活動・母乳(一部)・収入の多要素補正後全体的な関節リウマチハザード比は 喫煙既往 1.36 (95% CI 1.22-1.53) 、現行喫煙 1.46 (95% CI 1.26-1.70)

喫煙強度はリスクに影響を与える。Never smokerに比べ、現行喫煙 25 cigarettes/dayはseropositive 関節リウマチのリスク92%増加 (HR 1.92, 95% CI, 1.39 - 2.66)
喫煙者のうち, 10 pack-years未満に比べ、10-20 pack-yearsでは関節リウマチのリスク増加( HR 1.38 , 95% CI 1.17-1.65)、seropositive 関節リウマチ (HR 1.54, 95% CI, 1.25- 1.89)で、非喫煙者ではseronegative 関節リウマチの増加認めず。40 pack-yerasを超えた場合は、関節リウマチ全体 HR 1.83、95%CI 1.52〜2.20)、血清陽性RAのリスクは2倍(HR 2.25、95%CI 1.80〜2.82)高い。


5年未満禁煙歴と比較して、30年以上禁煙継続女性では、関節リウマチ発症リスク37%減少(HR, 0.63, 95%CI, 0.44 - 0.90)とハーバード大学
ただ、喫煙による軽度上昇リスクはその後も30年以上継続した上でのリスク減少であり、リスクは 全ての関節リウマチで 1.25 (95% CI, 1.02-1.53)、seropositive関節リウマチでは 1.30 (95% CI, 1.01 - 1.68)一度免疫系異常生じると自己免疫系は永続的異常継続が生じ、幾年も継続するのだろう。喫煙は、一般的に関節リウマチの重大なリスク要素で、特に血清陽性(seropositive)や抗環状シトルリン化ペプチド抗体の存在を意味する。
喫煙は肺の局所炎症、シトルリン化促進、T細胞機能障害、炎症誘発性サイトカイン誘導など機序考慮される。




Impact and timing of smoking cessation on reducing risk for rheumatoid arthritis among women in the Nurses’ Health Studies
Xinyi Liu  Sara K. et al.
Liu X, et al
Arthritis Care Res 2019; DOI: 10.1002/acr.23837.



ベースになるのは、 EfferocytosisやらDAMPsやら・・・喫煙など有害物質吸入の害は計り知れない

damage-associated molecular pattern
DAMPs
非感染性炎症を惹起するダメージ関連分子パターン(DAMP)

pathogen-associated molecular pattern
RAMPs

pathogen-associated molecular pattern
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssmn/48/6/48_247/_pdf


Efferocytosis and autoimmune disease
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6234909/

noteへ実験的移行

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