2012年5月31日木曜日

加齢臭:動物に一般的にみられる現象で、高齢者判別上の意義があるそうだ ・・・ そして人間でも確認された ・・・

 若者に忌み嫌われる高齢者特有の体臭、俗に言う“加齢臭”

これって、年齢個体識別補助のためという見方もある 動物種一般に見られる現象だそうだ。


The Smell of Age: Perception and Discrimination of Body Odors of Different Ages.Mitro S, et. al.
PLoS ONE 7(5): e38110.

我々の大衆は加齢と共に変化が生じる。いくつかの動物種でも同様な変化がみられ、大衆に基づく個別的年齢区別のためそなわったものとの推測もある。

ヒトにおいて、年齢群の差の体臭を言い当てられるか?


若年(20-30歳)、中年(45-55歳)、老年(75-95)の3群に分ける

41名の若年者に評価をしてもらう。

体臭の強さと快不快さ点数づけに有意な差があり、高齢者群の体臭は、中年・若年に比べ、強さが少なく、快楽さに乏しい。

試験参加者は年齢カテゴリーを区別可能で、高齢者被験者からの体臭はその臭いの強さの要素を除外しても区別可能性が残った。

同様に、高齢者由来に体臭の年齢ラベルづけは正確であるが、他の年齢群由来の体臭は年齢を言い当てられない。

この実験では、他の動物種と同様、ヒトでも体臭単独で年齢を区別可能で、これは高齢者の体臭の強さの減弱による影響では無い。

高齢者を嗅覚で区別できることって・・・その意義 は?・・・・加齢臭がすでに漂ってるかもしれない、自分としては気になる。

絶対音感は、病的意義の無い自閉症的特性という側面をもつ



絶対音感って生来個性的側面よりエピジェネティックな側面が大きいという双生児研究報(Absolute pitch twin study and segregation analysis. Twin Res Hum Genet. 2011 Apr;14(2):173-8.)がある。確率的要素としては均質で、素因はその発端には関係しているかもしれない。

絶対音感特性をもつものは、病的とまでは言えない、自閉症的要素をもつらしい。


Do Musicians with Perfect Pitch Have More Autism Traits than Musicians without Perfect Pitch? An Empirical Study
Dohn A, et. al. (2012)
PLoS ONE 7(5): e37961. doi:10.1371/journal.pone.0037961


 絶対音感("absolute pitch":AP)として知られている、"perfect pitch"は、音楽のトーンを見極め、修正する上で役立つ特性である。

絶対音感は、音楽的素養とも考えられるが、感覚・発達障害を伴う場合に多いことが知られている。

この報告は、非絶対音感の場合でかつ非音楽家より、絶対音感の場合個別的自閉症特性を有するか検討。
Autism-Spectrum Quotient (AQ)を用いて、 16名の絶対音感あるミュージシャンをAutism-Spectrum Quotient (AQ)を用いてsubclinicalなレベルで3つの群に定量化した。加え、単波形とピアノ音によるピッチ同定検査で、絶対音感測定。

有絶対音感者は、無絶対音感者と非ミュージシャンに比べ、有意に自閉症特性高度であり、自閉症スコアはピッチ同定スコアと有意正相関を示した (r = .46, p = .003)

しかし、有絶対音感者と無絶対音感者とに、診断的な意義をもつ、社会的あるいはコミュニケーション特性ドメインスコア上の差は無く、これらの絶対音感スコアは臨床的自閉症閾値未満で良好である。

グループ差は、絶対音感上のサブスケールの切り替えのイマジネーションや注意力の差であった。自閉症での絶対音感とも関連するだろうが、絶対音感能力とは一般住民に現れる個性と判断した方が良さそうである。

皮膚がん:NSAIDSによる抑制効果 ・・・ 健康使用効果? Cox抑制外効果?

“journal Cancer 5月29日号”:現時点でウェブ上閲覧できず・・・



LAtimes記事
http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-aspirin-nsaids-skin-cancer-20120529,0,7850506.story

3つの代表的皮膚がん、基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫に焦点をあて、NSAIDS少なくとも2処方で、扁平上皮がん15%、悪性黒色腫 13%減少との関連性を見いだした。

リスク低下は、薬剤使用期間長いほど、そして多いほどみとめられたというもの

 NSAIDsがCox酵素活性抑制し、がん抑制的に働いたのではないかという憶測。血管新生や炎症、 アポトーシスへ影響を与えるという考えなのだが、healthy user effectの可能性も否定できないと解説してある。

COX系作用が弱く、、鎮痛効果としてN-acylphenolamineの作用がとりざたされているアセトアミノフェンに関しても基底細胞がんや悪性黒色腫との関連性が見いだされ癌予防効果はCox関連だけで説明不可となったという考察も・・・





NSAIDsはBarrett食道の癌進展を抑制 2005年 11月 26日

アスピリンの大腸癌発生抑制効果 2005年 08月 24日

通販により広がったヒトサルモネラ感染アウトブレイク

通販により広がったヒトサルモネラ感染アウトブレイク


Outbreak of Salmonellosis Linked to Live Poultry from a Mail-Order Hatchery
Nicholas H. Gaffga, et. al.
N Engl J Med 2012; 366:2065-2073May 31, 2012

ヒトサルモネラ感染流行がlive poultry(生鶏肉)の増加に関連。しかし、有効なコントロール指標はなく、2005年pulsed-field gel electrophoresisによる稀なパターンであるhuman salmonella Montevideoの集団がPulseNetにより同定された。

2004年から2011年までに316ケース、43州で同定。
患者年齢中央値は4歳、156(49%)でインタビュー完遂、36(23%)は入院。

データ活用可能症例145中、80(55%)は血性下痢。

若鶏肉とのコンタクト情報が159例で収集可能で、このうち122例(77%)でコンタクト情報。

トレースバック検査の81%で米国西部のmail-order hatchery (メールオーダー養鶏場)が認められ、流行種がこの養鶏場で同定された。

介入後、ヒト感染は減少したが、伝播は継続 



日本でも、一般家庭への生肉通販普通に行われている。一定の安全性担保はなされているとは思うが、一度、感染生肉となると、その影響は大きい。最大の責任は業者が負うべきと思うが、国民生活上は行政の姿勢が重要。上記報告は、その行政面へ警告となるはず・・・

ただ、仕事しない消費者庁にはなにも期待できない。管轄は農水省?厚労省?通販からむから総務省も?

敗血症性ショック:活性型ドロトレコジンα有効性やはり認められず

活性型ドロトレコジンα(ザイグリス)はすでに市場撤退報道がなされている。
http://www.msapr.com/editor/contents_buy.php?document_id=6269


Drotrecogin Alfa (Activated) in Adults with Septic Shock
V. Marco Ranieri, et. al. for the PROWESS-SHOCK Study Group
N Engl J Med 2012; 366:2055-2064May 31, 2012


遺伝子組み合わせヒト活性化プロテインC、すなわち、drotrecogin α(活性化)(DrotAA)の敗血症治療での有効性

プラシーボ比較で、28、90日生存率率改善せず


pIII研究、“Prospective Recombinant Human Activated Protein C Worldwide Evaluation in Severe Sepsis (PROWESS) study”に基づき、重度敗血症に対し2001年治療承認されていた。この研究は有効性明らかということで早期中断。
IIT分析での絶対的死亡率差6.1%減少で、相対的に19.4%リスク減少であった。

FDAは高リスクだけに限定して承認されていた事情がある薬剤であった。

サブグループ解析で、DrotAAのベネフィット示せず、プラシーボトライアルが要求されていた。

noteへ実験的移行

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