BMJのクリスマス特集記事の一つ
Human language reveals a universal positivity biasP
NAS Feb. 24, 2015 vol. 112 no. 8
これとは違う”positive”と思うが・・・見いだされた知見を”bright side”にのみ着眼し大袈裟に表現するやり方。
科学的記載には情緒的表現はなるべく避けるべきだが、次第に、次第に浸透してきているらしい。特に、英語ネイティブでない論文記述者に多く見られる。
科学文献数増大に伴い、大げさな表現が増大ししているのではないかと懸念
Use of positive and negative words in scientific PubMed abstracts between 1974 and 2014: retrospective analysis
BMJ 2015; 351
doi:
http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h6467 (Published 14 December 2015)
目的 科学要旨使用言語が、極端なpositive、negative word使用方向へ経年的に偏っているかどうか?
デザイン PubMed between 1974〜2014のPubmed科学論文要旨後顧的解析
方法 positive、 negative、 neutral wordの年時頻度 (各カテゴリー25事前選別word)+100のランダム選択wordを要旨総数標準化
サブ解析は、個別言語パターン定量化、選別上高インパクトジャーナル特異性、主要言語英語圏内外の著者連携
修験頻度パターンを既出版書籍・Google Books Ngram Viewerによるダイジェスト化4%と比較
主要アウトカム測定 要約中のpositive、negativeなwordの頻度を、ニュートラル、ランダムな含蓄を有する言葉の頻度と比較して、1980年来の相対的変化として表現
結果 positive wordの絶対頻度は2.0% (1974-80) から17.5%(2014)へ増加、40年間で880%の相対的増加。
25個別positive word全て、特に、“robust”、 “novel” 、“innovative” 、“unprecedented”という言葉が15000%まで相対的に増加。
インパクトファクターが高い選別ジャーナルでの解析に限定すると、差はあるものの、底までの顕著な傾向はすくなくなる。
非言語会話国施設所属著者では、このpositive word使用が、有意に多い。
negative wordは、1.3%(1974-80) から3.2%(2014)へ増加し、257%の相対的増加が見られる。
同期間、ニュートラル、ランダムなword使用は明確な増加見られず、出版書籍でのpositive word使用頻度の増加も明確には見られない。
結論:今回の辞書的解析では、科学要約は positive word、negative wordの記載増加が見られ、科学的記載の変化に新しい観点を生じている。明らかに、研究結果のbright sideに着眼しやすい。しかし、これはリアリティーにフィットした知覚なのか疑念を呈したい。