ARB宣伝により懐を暖めている講演会演者は、糖尿病患者の心不全イベントのみをとりあげ、聴衆のミスリードを誘う・・・悪辣さ。
ノバルティスや武田だけじゃない、悪辣宣伝。企業だけのせいかといえばそうじゃなく、講演会演者など医師たちも問題。
現場医師たちがしっかりしておけば影響はないはずなのだが、各種エビデンスに対して、批判的吟味スキルのないことが問題。
Effect of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors and Angiotensin II Receptor Blockers on All-Cause Mortality, Cardiovascular Deaths, and Cardiovascular Events in Patients With Diabetes Mellitus A Meta-analysis
Jun Cheng, et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 31, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.348
【研究意義】 Angiotensin-converting enzyme inhibitors (ACEIs) と angiotensin II receptor blockers (ARBs)に関して糖尿病(DM)患者に於ける心血管(CV)イベントについてその効果が異なる可能性がある
【目的】 DM患者における、ACEIsとARBsの全原因死亡率、CV死、CVイベントを別々に評価したメタアナリシス
【データソース】 Data sources included MEDLINE (1966-2012), EMBASE (1988-2012), the Cochrane Central Register of Controlled Trials, conference proceedings, and article reference lists.
【研究選択】少なくとも12ヶ月の観察期間のある、DMを対象とした全原因死亡率、CV死亡、重大CVイベントにおけるACEIとARBレジメンの影響を報告したRCTを検討。交差試験は除外し、メタ解析を行った。
【データ抽出と合成】 Dichotomous outcome data(2分アウトカムデータ)を個別トライアルから、相対リスク(RR)とその95%信頼区間(CI)をrandom-effectsモデルにより解析。相互関係の検証により、サブグループの推定値間の異同を推定。メタ回帰分析にてheterogeneityを同定。
【主要アウトカムと測定】 プライマリエンドポイントは全原因死亡率、CV原因死。セカンダリエンドポイントは、ACEsとARBsの重大CVイベントへの影響。
【結果】 35中23のトライアルで、ACEIsと、プラシーボ/ active drugの比較 (32 827 名) 、13はARBsと無治療(対照) (23 867 名)。
対照(プラシーボ/active treatment)と比較したとき、ACEIsは有意に全原因死亡率13%減少 (RR, 0.87; 95% CI, 0.78-0.98)、CV死亡17%減少 (0.83; 0.70-0.99)、 重大CVイベント14%減少 (0.86; 0.77-0.95)、この中では、心筋梗塞21%減少 (0.79; 0.65-0.95) 、 心不全19%減少 (0.81; 0.71-0.93)を含む。
ARB治療は有意に全原因死亡率 (RR, 0.94; 95% CI, 0.82-1.08)、CV死亡率 (1.21; 0.81-1.80)、重大CVイベント (0.94; 0.85-1.01) を減少させない。例外は心不全のみ (0.70; 0.59-0.82)
DM患者においては、ACEIとARBsともに、卒中リスク減少と関連せず。
メタアナリシスは、ACEI治療の全原因死亡率やCV死亡への効果は、被験者・治療開始時ベースライン血圧 や蛋白尿と有意なばらつきが無く、一定で有り、ACEIの種類にもよらない。
【結論と知見】ACEIは糖尿病患者の全原因しオブ率、CV死亡率、重大CVイベントを現法させる。一方、ARBはこれらアウトカムへ効果を示せない。
ACEIsのみが糖尿病患者群での超過死亡・合併症減少のための1stライン治療であある