2013年6月12日水曜日

改正道路交通法:なぜ「医師」の届け出義務じゃなかったのか? →医者が被害者のこと考えてないから、免許制度を知らないから・・・


 改正道路交通法が成立 H25.6.7 NHK
7日の衆議院本会議で可決成立した改正道路交通法では、てんかんや統合失調症などの病気で運転に支障を及ぼすおそれのある症状の人が症状を隠して免許を取ることに新たに罰則を科すほか、症状がありながら運転を続けている人などを医者が診察した場合、都道府県の公安委員会に通報できるようにします。
無免許運転については、罰則を現在の「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」から「3年以下の懲役、または50万円以下の罰金」に引き上げ、無免許運転をするおそれがある人に車を提供した場合も、無免許運転と同じ罰則を科します。
また、自転車については、信号無視などを繰り返した悪質な運転者に、安全講習の受講を新たに義務づけます。
改正道路交通法は、2年以内に項目ごとに順次、施行されます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130607/k10015145171000.html



医師の届け出のところ

提出時法案
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18305042.htm

(医師の届出)
 第百一条の六 医師は、その診察を受けた者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当すると認めた場合において、その者が免許を受けた者又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者(本邦に上陸(同条に規定する上陸をいう。)をした日から起算して滞在期間が一年を超えている者を除く。)であることを知つたときは、当該診察の結果を公安委員会に届け出ることができる。
 2 前項に規定する場合において、公安委員会は、医師からその診察を受けた者が免許を受けた者であるかどうかについての確認を求められたときは、これに回答するものとする。
 3 刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による届出をすることを妨げるものと解釈してはならない。
 4 公安委員会は、その管轄する都道府県の区域外に居住する者について第一項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を、その者の居住地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。


百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号
  第百三条  免許(仮免許を除く。以下第百六条までにおいて同じ。)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。ただし、第五号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
一  次に掲げる病気にかかつている者であることが判明したとき。
イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
ハ イ及びロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
一の二  認知症であることが判明したとき。
二  目が見えないことその他自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある身体の障害として政令で定めるものが生じている者であることが判明したとき。
三  アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者であることが判明したとき。



なぜ、「医師診断書提出義務ではなかったのか?」→「医者は社会での 患者の活動による被害や、その被害を受けた者の苦情を受け 止めるという発想が欠け」、「運転免許制度を知らない医師がいる」し、「困難であることから(医師の診断書の提出義務付けは)不適当」



一定の病気等に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会
 
第6回
 
「2 申請時における医師の診断書の提出義務付けの是非」関係
委 員: 「2 申請時における医師の診断書の提出義務付けの是非」 の「(3)今後の方向性」について、結論部分では「不適当」、 本文では「困難」という言葉が使われているが、いずれかに えた方が良いのではないか。どちらかと言えば「困難」が 良いと思う。
委 員: 同意見である。「不適当」では、今後も導入できないとい うニュアンスになる。医師の体制等の実情を踏まえれば導入 は難しかった、という状況であるため、「困難」を使うのが 良い。
委 員: 実際に、一人の医師によって全ての病気について専門的な 診断を下すことは難しいのだから「不適当」とするべきであ る。将来可能になるとも考えづらい。「困難」とするべきと いう趣旨は分かるが、ここは「現時点では不適当」という表 現ではどうか。
事務局: 提言案の趣旨としては、「困難であることから不適当」と いう考え方である。
委 員: この検討会が導き出した結論であるのだから、「不適当」 のみで良いのではないか。
委 員: 諸外国では診断書の添付を義務化している国もあるもの の、現在の国内の状況を踏まえればハードルが高いという視 点から、「困難」が良いのではないか。
委 員: 「困難」が良いという意見も「不適当」が良いという意見 もあるため、ここは保留として議論を次に進めたい。

 
◇ 「3 制度運用上の改善事項について」関係
委 員: 一定の病気関係の運転免許制度を知らない医師がいる、医学部で教育されることもないということでは、制度を創設し ても十分に運用できない。どの医師にも、一定の病気等に該 当する患者が診断を受けに来る可能性がある。学会に周知を 呼びかけるだけではなく、医師全員に運転免許制度を知って おいてもらわなくてはいけない旨を盛り込むべきである。 委 員: 学生の間に学ぶべき内容なのか、卒後教育として学ぶべき かという問題がある。学生に学ばせるのであれば、文科省が 5年ごとに改定するコアカリキュラムに入れる必要がある。 卒後教育とするのであれば、全ての医師に学ばせるようなシ ステムは現状では存在しないため、任意に加入している学会 を通じて行うしかないだろう。

委 員: どのタイミングで教えるべきかは別にして、何らかの形で、 一定の病気等に係る運転免許制度について医師への周知を行 う必要があることを明らかにしたい。制度を知らないという のは問題である。

委 員: 医療関係者は、患者について力を尽くして治療すること、 患者を社会復帰させることが仕事の柱であるため、社会での 患者の活動による被害や、その被害を受けた者の苦情を受け 止めるという発想が欠けている部分があるだろう。被害者の ことを考えるという発想を、学生への教育や卒後教育に取り 入れる必要がある。

委 員: ガイドラインをどこが作るかという問題もあるが、そのよ うな周知は、運転免許制度に関する内容をガイドラインに盛 り込むことで行うしかないのではないか。
委 員: 議論となっているような内容、例えば医学教育を「制度運用上の改善事項」と整理するのは難しいのではないか。「お わりに」を工夫してその考え方を盛り込むことではどうか。 若しくは、「制度運用上の改善事項について」の部分につい て、委員の意見を載せることとすることでこの議論を紹介す るのはいかがか。

委 員: (2)の日本医師会等への協力要請に関する項目のタイト ルを、「医師への協力要請」というように医師会に限定せず に書くことにすれば、医師全体の話とすることができるので はないか。その上で、本文中に周知に関する文言を入れては どうか。
委 員: この項目については、タイトルと本文を修正して、医師に対する一定の病気等に係る運転免許制度の周知が必要である ことを記載する方向で工夫することとしたい。

2013 ACCF/AHAガイドライン :心不全管理

2013 ACCF/AHA Guideline for the Management of Heart Failure
A Report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines

J Am Coll Cardiol. 2013;():. doi:10.1016/j.jacc.2013.05.019

pdf : http://content.onlinejacc.org/data/Journals/JAC/0/05019.pdf




コメント:http://my.americanheart.org/professional/ScienceNews/What-is-New-in-the-2013-ACCF-AHA-Guidelines-for-the-Management-of-Heart-Failure_UCM_452903_Article.jsp

まず、 guideline-directed medical therapy (GDMT)なる表現で、至適薬物療法 class I として推奨と表現、例えば、HfrEF(駆出率低下型心不全)での薬物治療のmainstayとして、ACE阻害剤であり、ACE阻害剤不適のときのARB、β遮断剤が含まれ、特定の患者にはアルドステロン拮抗剤、硝酸ヒドララジン、利尿剤
2番目に、臨床実践上の示唆として、表やアルゴリズムを至適管理戦略達成のため準備。
3番目に、ガイドラインを通して、他のガイドラインやposition paperとharmonizationを強め、相互参照を試みた。
4番目に、 “trustable guideline”上の Institute of Medicine’s perspectiveに従い、表現。。

心不全セッションの評価・判断に関する部分では、ACCF/AHA Stageと、NYHA Functional Classificationの比較は役立つだろう。


ACCF/AHA Stages of HF (38)

NYHA Functional Classification (46)

A
At high risk for HF but without structural heart disease or symptoms of HF
None

B
Structural heart disease but without signs or symptoms of HF
I
No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause symptoms of HF.
C
   
Structural heart disease with prior or current symptoms of HF
   
I
No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause symptoms of HF.


II

Slight limitation of physical activity. Comfortable at rest, but ordinary physical activity results in symptoms of HF.



III
   
Marked limitation of physical activity. Comfortable at rest, but less than ordinary activity causes symptoms of HF.


IV
       
Unable to carry on any physical activity without symptoms of HF, or symptoms of HF at rest.





D
Refractory HF requiring specialized interventions






ガイドライン著者らは、多変量的リスクスコアで評価し、その後のリスク推定に役立つよう設計。
これに加え、病歴・理学所見 、volume status評価、心エコーベースライン評価、ルーチン臨床検査・testinの重要性・必要性
特に、ナトリウム利尿ペプチド評価が心不全診断に関する臨床的意思決定をサポートし、慢性的通常診療あるいは急性の非代償性/入院心不全患者においても予後の確立をサポートする。ガイドラインは、ナトリウム利尿ペプチドガイド下が、良好な外来患者心不全疾患管理プログラムで選択的な臨床等容積でのGDMTの至適投与量到達に有効である可能性があるが、一方、BNPあるいはNT-proBNPの連続測定は、心不全患者の入院・死亡率を減少に対する有用性や急性非代償性心不全患者の死亡率を改善するかはまだ確立はされてない。

非薬物的介入に関して、教育の重要性、ケアの変遷が強調。心不全は自己ケアを促進するよう特異的教育を受けるべきで、意思決定を分つべき。例えば、ICDケアでは、潜在リスク、有効性、安全性、合併症可能性などを議論し、希望すれば、終末期ケアの時除細動不作動にすることも可能という項目も含まれるべき。これは不適切な患者選択による、無駄なインターベンション、不用意な合併症、不必要なコスト予防のためのクリティカルなステップである。

ナトリウム制限に関しは、心不全管理における議論の多い分野である。
ナトリウム制限を、カテゴリー化し、 『うっ血症状軽減目的の有症状心不全は合理的』(Class IIa 、 Level of Evidence C)としている。
心不全患者全員にナトリウム制限するよう指導推奨、臨床症状有りの心不全患者には、ナトリウム2-3g/日を推奨していた2010 HFSAガイドラインとは異なる。
 2012 心不全ESCガイダンスでは、ナトリウム制限での死亡率・合併症改善のエビデンス欠くとの理由でナトリウム接触制限は推奨されてない。

ESC、HFSAと同様、運動トレーニング、定期的身体活動は、運動可能な心不全患者で安全で有効であると推奨。

経口薬物利用に関しては、有症状HfrEF患者に対しアルドステロン拮抗剤適応拡大し、軽症・中等症心不全(NYHA 分類 II)患者で、心血管疾患入院、あるいは 血中ナトリウム利尿ペプチド値高値例も含み、重症NYHA 分類 III、IV心不全の既存患者の適応に加え拡大した。
以前のガイドライン同様、男性では Cr 2.5 mg/dL以下、女性では 2.0 mg/dL以下、 カリウム 5.0 mEq/L以下のsafeguardに注目し、注意深いカリウム、腎機能、利尿剤投与量のフォローアップ開始時の指標とすること。
ルーチン併用としての『ACE阻害剤、ARB、アルドステロン拮抗剤併用』は、有害性の可能性が有り、推奨されないとした。
以前のガイドラインと同様、ヒドララジン、isosorbide dinitrateはNYHA III-IV HFrEFのアフリカ系アメリカ人で推奨され、ACE阻害剤、あるいはARB不耐性の場合特に有用と考えられた。
ジゴキシンは、HFrEF患者に対し心不全入院減少ベネフィット可能性とされた   (remains a Class IIa recommendation)


デバイス治療としては、ICDの適応に関し、 Class I 推奨は、LVEF 35%未満かつNYHA 分類 Class II あるいは III症状ありの患者で心突然死予防目的、1年以上の生存意義が見込まれる場合。
CRTの適応のClass I推奨は、『LVEF 35%以下、洞調律、左脚ブロックでQRS間隔150ms以上で明らかなベネフィット有するもの』で、 2012 ACCF/AHA/HRSとharmonizeされたもの。Class I推奨は、『軽症患者(NYHA分類 II心不全)だが、左脚ブロック・QRS150 ms以上』にまで拡大。
『左脚ブロック・QRS120-149msec』や『非左脚ブロック・QRS150msec以上』では、現在、Class IIa推奨。
『非左脚ブロック・QRS 120-149 msec』患者群において、NYHA Class III/ambulatory Class IV患者にまでは適応広がらず。NYHA 分類 II群のこの対象ではCRT推奨せずとなった。NYHA分類I患者にCRT適応を広げるかはClass IIb(考慮しても良いレベル)だが、比較的重症な虚血性心筋症(LVEF30%以下)・左脚ブロック・QRS間隔150msec以上症例に限定。
CRT推奨しないレベルのClass III推奨には、『NYHA 分類I、II症状・非左脚ブロック・QRS150msec未満』、『心臓・非心臓合併症and/or脆弱性にて健康生存限界1年未満症例』。

mechanical circulatory support (MCS)の広汎活用で、class II適応として、心移植計画されている患者のような様々なシナリオで、移植へのブリッジとして、心回復目的で。
経皮・体外心室アシストを含む、nondurable MCSが急性で、かなり重度の血行障害を有する症例で選択的に注意深く適応される 。かなり広汎で、高度の使用が期待される。

急性非代償性心不全入院患者では、ループ利尿剤が第一選択として用いられている。利尿不十分時、ループ利尿剤の高用量静注投与、サイアザイドなどの二次的利尿剤を加えることは合理的とした。
利尿改善目的のループ利尿剤に加え、低用量ドパミン投与は、腎機能温存・腎血流保存し、Class IIb適応として加えられた。低血圧無しで、ニトログリセリン、ニトロプルシド、nesitritideのような静注血管拡張剤は、急性非代償性利尿治療付随として、class II適応



長距離スキー:エリートアスリートの不整脈リスクは量依存的に増加

長距離クロスカントリー・エリート競技者 は、不整脈リスク増加するとスウェーデンの主要年次レース参加者の10年間研究調査報告

高度すぎる運動は不整脈リスク増加するっとう報告になる
一般人の健康のための運動程度では関係ない話という解説も

52755名(1989-1998年競技参加者) で、心疾患指摘歴無し
平均年齢38.5歳

フォローアップ9.7年中央値調査、カルテで、不整脈による入院調査
セカンダリアウトカムとしては、心房細動・心房粗動、徐脈、他の上室性頻拍、心室性頻拍・心室粗動・心停止

初回診断年齢は56.8歳
513,496人年中、不整脈入院 919、1万人年あたり、 17.9
心房細動がほとんどで681名、徐脈 119名

被験者の運動期間・強度測定にて、高速から低速に4グループ分けし、年齢・教育・職業状況補正後、レースが多いほど、不整脈リスク増加 (ハザード比 1.30; 95% CI, 1.08-1.58 ; 5回以上のレース参加 vs 1回参加のみ)

5回以上のレース参加では、1回の参加者に比べ、心房細動、徐脈性不整脈増加と関連 (HR 1.29, 95% CI 1.04-1.61、 2.10, 95% CI 1.04-1.62)

Andersen A, et al "Risk of arrhythmias in 52,755 long-distance cross-country skiers: a cohort study" Eur Heart J 2013; DOI: 10.1093/eurheartj/eht188.

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