2012年5月29日火曜日

院内心停止蘇生後の生存率予測:CASPRIスコア

 A Validated Prediction Tool for Initial Survivors of In-Hospital Cardiac Arrest ONLINE FIRST
Paul S. Chan,et. al.
the Guidelines–Resuscitation Registry Investigators
Arch Intern Med. 2012;():1-7.

院内心停止後の神経学的生存率の正確な推定は、医師、患者・家族へのクリティカルな情報伝達に役立つ。

551病院42957名(2000年1月から2009年10月)の院内心停止蘇生成功例の検討


CASPRI(Cardiac Arrest Survival Postresuscitation In-hospital)スコア


 . The Cardiac Arrest Survival Postresuscitation In-hospital (CASPRI) score card and nomogram for favorable neurological survival. For this in-hospital cardiac arrest risk score, points for each variable are determined, and a summary score is obtained. The corresponding likelihood of surviving to hospital discharge without severe neurological disability is determined from the risk table or plot. CPC indicates cerebral performance score; VF/VT, ventricular fibrillation or ventricular tachycardia.


Figure 1. Comparison of predicted vs observed outcome rate for the validation cohort. Each data point represents a decile of risk for the outcome of favorable neurological survival to discharge. CASPRI indicates Cardiac Arrest Survival Postresuscitation In-hospital.

2型糖尿病:強化コントロールは臨床的問題予防には役立たたない、臨床的検査値改善維持に有効だが・・・・

2型糖尿病患者において、積極的血糖コントロールは腎障害予防に役立つか? ・・・ 


強化コントロールでは、血中クレアチニン(Cr)倍加期間、末期腎不全(ESRD)、腎疾患死リスクには影響を与えなかったという結論。


システミックレビューにて強化 vs 通常血糖コントロールのベネフィットを要約。


強化コントロールはHbA1c 6.0%未満をめざし、対照の通常コントロールは7.1%以下を目指すが、微小アルブミン(アルブミン尿 30-300mg/min  over 24hrsr)・顕性アルブミン(300mg/min over 24hrs)

 1950年1月1日から2010年12月31日までの言語非限定、ランダム化トライアルで、腎エンドポイント(微小アルブミン尿、顕性アルブミン尿)と臨床的腎エンドポイント(Cr倍加、終末期腎障害、腎疾患死)として、強化血糖コントロールvs通常血糖コントロール比較




Coca SG, et al "Role of intensive glucose control in development of renal end points in type 2 diabetes mellitus: systematic review and meta-analysis" Arch Intern Med 2012; 172: 761-769. 

 28065名の成人、2-15年モニター、7つのトライアル

通常コントロールと比較して、強化コントロールでは微小アルブミン尿リスク減少  (risk ratio, 0.86 [95% CI, 0.76-0.96]) 、顕性アルブミン尿減少 (0.74 [0.65-0.85])
 


しかし、血中Cr倍加l (1.06 [0.92-1.22])、ESRD (0.69 [0.46-1.05])、腎疾患死亡 (0.99 [0.55-1.79])は減少せず 



メタ回帰検討によると、強化および通常コントロールでのヘモグロビンA1cの差は、微小アルブミン尿、顕性アルブミン尿に対して大きなベネフィットを示した。

微小アルブミン尿(23%)、顕性アルブミン尿(5%)の比較で、血中Cr値、ESRD、腎疾患死亡のプール化累積頻度は、それぞれ <4%、<1.5%、<0.5%と低い。






2型糖尿病と1型糖尿病では対照的・・・

 1型糖尿病はより厳格に・・・ 腎障害リスク  2011年 11月 14日

USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る

ホルモン補充療法について、ここ10年ほどの研究でもやはり、ベネフィットより、リスクが上回るとU.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) 結論づけ。

Nelson H, et al "Menopausal hormone therapy for the primary prevention of chronic conditions: a systematic review to update the U.S. Preventive Services Task Force recommendations" Ann Intern Med 2012. 


 エストロゲン+プロゲスチン及びエストロゲン単独でも、骨折リスク減少効果あるが、卒中・血栓塞栓イベント、胆石疾患、排尿障害リスク増加をもたらす。
エストロゲン+プロゲスチンは、乳がんリスクを増加させ、認知症疑診例リスク増加するが、エスとれ現単独では乳がんリスクを減少させるかもしれない
 


関係学会は、エストロゲン単独・少量では有害性確認されてないと主張している(参照 2009/3  2009/4)。
だが、WHIトライアルでは、単独で卒中リスク増加(HR, 1.36 [CI, 1.08 to 1.71])がみられている。
合剤vs単剤トライアルされておらず、単剤・少量なら有害性が少ないという根拠は乏しい。




専門的学会ってのは、利益相反に、真正面から向かい合ってるのだろうか?

泌尿器科学会のPSA婦人科関係学会のホルモン補充療法検診関係学会の検診全般・・・

子供の放課後の運動量は友人ネットワークに影響をうける

疾患と関連する生活習慣では、社会的ネットワークとの関連性が注目されている。
肥満は大規模社会ネットワークを通じて“感染”し広がる 2007年 07月 26日

肥満・糖尿病は隣人から感染する? : 高貧民地域から低貧民地域への引っ越しで糖尿病・肥満減少 2011年 10月 21日



特に、子供達は友人のまねをする傾向があり、肥満などへの影響も大きいと想定される。

放課後の運動に関しても友人の影響が大きいはず・・・ということで、やはりという結論。

The Distribution of Physical Activity in an After-school Friendship Network
Gesell, et al.
Pediatrics peds.2011-2567

就学児童終業後データの3波調査
(n = 81; 平均 [SD] 年齢, 7.96 [1.74] 歳; アフリカ系アメリカ人 40% ,白人 39%, ラテン 19%)

name generator survey手法を用いて子供毎のソーシャルネットワークを作成、accelerometerで身体活動性を評価。

ソーシャルネットワーク・行動に関する推定主体モデル化


子供たちは、身体活動性レベルベースに応じて友人関係の形成や解消することはないが、友人関係は身体活動性の子供のレベルには影響を与えた。

放課後の中等度から高度の運動時間に最も影響を与えたのは、身近な友人の運動レベル。
子供は、子供の仲間の運動レベルから10%以上の補正的影響を受ける (オッズ比 [OR] = 6.89, P < .01)

年齢 (OR = 0.92, P < .10) と肥満状態(OR = 0.66, P < .10) は有意差として境界域で、身体活動性への影響は少ない。

性別は直接活動性に影響を与えない。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note