2016年5月23日月曜日

ナトリウム摂取 高血圧患者のみ減塩有効、 極端なNa摂取制限は高血圧有無にかかわらず有害



1960年代秋田では食塩27g/日(Na 10.6/d相当)で
アラスカ・エスキモーは 食塩 4g/日(Na 1.45 g/d相当)という
極端なばらつきがあった。

しかし、アラスカ・エスキモーは、アラスカ在住白人より虚血性・出血性共に卒中死亡率高い


食塩摂取は少ないほどよいということはなさそうではある。


万人に極端なナトリウム制限するな ・・・ 米国CDC専門家委員会

ナトリウム摂取とJ字現象(U字現象)に関して、以前から指摘がある

4つの大規模研究データを利用して、高血圧有無の群別でも検討


Associations of urinary sodium excretion with cardiovascular events in individuals with and without hypertension: a pooled analysis of data from four studies
for the PURE, EPIDREAM and ONTARGET/TRANSCEND Investigators
The Lancet, Published Online: 20 May 2016
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(16)30467-6

【背景】尿中ナトリウム排泄おt心血管イベント・死亡率の相関について、U現象の報告いくつかある。高血圧有無でこれら相関のばらつきがあるかも不明。ナトリウム摂取と心血管疾患イベントと全死亡率の相関が高血圧状態で左右されるかを検討する目的
【方法】プール化解析、133,118名の被検者(高血圧63,559名、高血圧な市 69,559名)、年齢中央値 55歳(IQR 45-630)、49ヶ国の4つの大規模前向き研究と24時間尿中ナトリウム排泄量推定(摂取量グループレベル測定評価)
死亡・重大心血管疾患イベントの組み合わせアウトカム:4.2年間(IQR 3.0-5.0)、血圧
【所見】 ナトリウム摂取増加と、高血圧での収縮期血圧増加は相関 (ナトリウム摂取1g増加毎2.08 mm Hg変化) vs 高血圧なし (ナトリウム摂取1g増加あたり 1.22 mm Hg 変化; pinteraction<0 .0001="" blockquote="">
高血圧患者(イベント 6835)において、
ナトリウム排泄7g/日以上 (高血圧患者中7060 [11%] : hazard ratio [HR] 1.23 [95% CI 1.11–1.37]; P < 0.0001) 
 3g未満排泄  (7006 [11%] of population with hypertension: 1.34 [1.23–1.47]; P < 0.0001)
 ともに4-5g/日に比べリスク増加と関連  (参照:高血圧患者25%)
 
高血圧無し(3021イベント) において、4-5g/日(高血圧無し住民、18,508 [27%])に比べ 、  
ナトリウム排泄高値(高血圧なし、7g以上/日 6271 [9%]住民では、プライマリ組み合わせアウトカムと相関せず; HR 0.90 [95% CI 0.76–1.08]; p=0.2547)
一方、3g未満/日では、リスク増加と有意な相関 (高血圧なし、7547 [11%] 住民 ; HR 1.26 [95% CI 1.10–1.45]; p=0.0009)
【解釈】中等度ナトリウム摂取に比べ、高ナトリウム摂取は心血管イベント・死亡リスク増加と相関 (正常血圧者においては相関性認めず)
一方、ナトリウム摂取低レベルの場合は、高血圧の有無を問わず、心血管イベント・死亡リスク増加と相関
これらデータから、ナトリウム摂取低下は、高ナトリウム食高血圧患者のにのみ、ベストターゲットと言える

Funding
Full funding sources listed at end of paper (see Acknowledgments)

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